ラインメタルのパッパーガー最高経営責任者は最近「来年中にウクライナで装甲車輌を製造したい」と述べ、契約締結後から7ヶ月以内にフクス装甲兵員輸送車、13ヶ月以内にリンクス歩兵戦闘車の最初の車輌を完成させる計画らしい。
参考:Rheinmetall to produce first armored vehicles in Ukraine in 2024 -report
ラインメタルの計画は蓋を開けて見るまで何も断言できない
ラインメタルのパッパーガー最高経営責任者は3月「ウクライナと2億ユーロの投資を必要とする戦車工場の建設計画を話し合っている。この工場ではパンターを年間400輌も生産することが可能だ」と、7月に「12週間以内に装甲車輌の生産や修理を行う工場をウクライナ西部に開設する予定だ」と述べ、10月にラインメタルとウクロボロンプロム(ウクライナ国営の軍産複合体)は提供された西側製装備の整備を行なう合併会社を設立したと発表した。
さらにパッパーガー氏は最近「フクス装甲兵員輸送車とリンクス歩兵戦闘車の契約が来年早々にウクライナとの間で成立する見込みだ。フクス装甲兵員輸送車は契約締結後6ヶ月~7ヶ月以内に、リンクス歩兵戦闘車は契約締結後12ヶ月~13ヶ月以内に最初の車輌を完成させたい」と述べており、契約が見込み通り「来年早々」に成立すればラインメタルとウクロボロンプロムが共同生産するフクス装甲兵員輸送車は2024年夏頃、リンクス歩兵戦闘車は2025年初頭に登場するという意味だ。
因みにパッパーガー氏が以前言及した「12週間以内に開設する工場」は今のところ実現しておらず、フクス装甲兵員輸送車とリンクス歩兵戦闘車の契約も同氏の「見込み」なので、ラインメタルの計画は蓋を開けて見るまで何も断言できない。
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※アイキャッチ画像の出典:Lukas1325/CC BY-SA 4.0
ウクライナ国内に兵器工場を作っても
ロシアの正当な軍事目標になるだけで無駄遣いだと思いますね
ドイツ国内にウクライナ向けの工場を建設するほうがましなのでは
工場の労働者としてドイツ人を雇用して経済対策とすれば
ドイツ国内の支援反対派へのガス抜きにもなる
これはもう1にも2にも資金の保証がつくかどうかの問題ですね。
ウクライナとの契約なんて便所紙にもなりませんから、問題はその契約の支払い保証をEUないしはドイツ政府がやってくれるのかどうか,です。
支払ってくれるならやる、という自国政府向けのメッセージですね。
すなわち,もはや決定権はウクライナ側には無いのです。
爆撃されたり放火されたりしたら損失は誰が負担するのだろうか?
ウクライナに請求?
ドイツ政府に請求?
まさかロシアに請求するのか?
保険に入れるとも思えないしどうするのだろうか?
内情想像するに、まさにこの保険の問題で話が進んでいないと思いますね。
幾ら良い口を効いても工場稼働は従業員や関連会社含めすべてに保険を掛けないと稼働できません。もしもラインメタル上層部が保険などいらぬと強気でも周りが参加できないでしょうし。或いはラインメタル社従業員(ウクライナ人労働者を雇うとしても管理人は派遣要)も身の安全が保障されない中で賛同する親ウ派がいるかどうか…
では国内工場にウクライナ難民を雇うというと、AfDの支持成長を見るにその地元から強い反発が来るでしょう。詳細は覚えてませんが地元の反対に呼応する強い土地規制が独法にあったと思います。
兵器提供を目的とした場合、別にウクライナ国内で作る必要はありません。
ポーランドやドイツ本国、どこでもいい筈です。
戦時中のウクライナに大々的に兵器工場なんて作った場合、
ここを爆撃してくださいと言わんばかりです。
恐らくですが、この話題は兵器の提供を目的としていないのではないでしょうか?
ラインメタルとドイツがウクライナを支えるという意思表明以上でも以下でもない
リップサービス(あるいはアリバイ工作?)の可能性がありますね
最高経営責任者としては、ちょっと鈍い人だと思います。動向に疎い。
兵器工場も、民生品工場と基本は同じなんですよね。
誰が投資・どこから材料調達・どこに工場を作り・誰が買うのかです。
ウクライナの希望では、外国が投資・外国が購入保証する(買う)という事でしょうが、机上の空論で契約は何も進んでいないのではないでしょうか。
西部に工場を作るしかないですが、海外から材料調達をするのであれば、隣国と外交交渉を進めていかなければなりません(海路が厳しいため)。
武器・武器材料の通過は、東欧諸国とロシアの外交関係に影響するため、今後どうなるのかは不透明です(隣国と外交関係が悪化している)。
外国の資金で、国家間戦争を行う厳しさを感じますね…
だからポーランドの機嫌を損ねないようにすべきだったのに…。
まさに仰る通りです。
隣国関係で妥協できないならば、補給破綻で終戦ですね。
ウクライナがこの状況から巻き返したかったら、必要なことは土下座です。
ゼレンスキーが全世界に向けて生中継で公開土下座して「後生ですから
お金と兵器を恵んでください。これまでの戦果報告は殆ど嘘で大劣勢です。
このままじゃ国が消えてしまいます。私自身の個人的な財産も全部返上して
国庫に入れます」と叫び、ポーランドにもこれまでの数々の非礼を詫びて
1000年がかりでの返済計画でも何でもいいからお金を借りることです。
西側諸国の国民から支援反対の声が聞こえてくるのも、金額の問題だけでなく
ゼレンスキーの高飛車な態度に怒っているという側面も多分にあると思います。
たしかに、仰る通りですね。
ゼレンスキー大統領や閣僚が、私財を投げ売っているのを見せつければ、世界の目が変わるかもしれません。
ポーランドは、ウクライナを献身的に支援してきたのに、WTO提訴やEUで糾弾されていますからね。
日本人にも、ありもしない経済復興の人参に言及する方もいらっしゃいますが、日本は財布なので期待しない方が無難ですね(エジプト・トルコよりも財務悪いですから…)。
ウォレス元国防相の「感謝を示せ」という諫言に、「スポンサーは金を失っているが自分達は自由と民主主義の為に命を失っている」と煽り返す文化では、トランザクションもパートナーシップも成り立たないでしょう。
外交態度で失策するほど愚かな事は無いと危惧していましたが、最早謝罪や政権交代で打開出来るとは思いませんね。
とは言え、ゼレンスキー政権が謝罪しようがしまいが、スポンサーの安全保障体制を整える為に、時間稼ぎ程度の支援は貰えるとは思いますよ。
仰る通り、文化の違いでは済まない時期ですよね。
戦時中、本土決戦中ですから…
ゼレンスキー政権、外交・政治の素人集団だと、あの態度を見て喝破した方は多いと思います。
仰る通りで、NATOの対ロシア緩衝国になっているのが現実ですね…
謝罪するなら西側ではなくロシアに対してするべきでしょう
歴史的に見てもポーランドと和解するより、ロシアと和解するほうが簡単だと思いますよ
ロマノフ朝(ドイツ系)やスターリン(ジョージア系)によるウクライナ地域冷遇を、首都のあるロシア地域のせいだと誤認し被害妄想を拗らせた
民族 宗教 文化など全てにおいて同じルーシの同胞を、住んでいる地域の違いだけで別物のように扱い敵意を向けてしまった
それでもロシアは同胞意識がありウクライナ独立後も経済支援してた
それに対するウクライナ国民の反応は
「生活が苦しいのはロシアの経済支援が少ないからだ。西側のほうが支援してくれそうだから西側になりたい」
こんな思想の人が過半数いて政権をとれる国です
ゼレンスキーが悪いだけでウクライナ国民は被害者って考えはあとから後悔すると思いますよ
恩を仇で返すのはウクライナの国民性です
そうじゃなければ西側以前にロシアに感謝しなきゃいけない
西側の国民からするとそんな国が存在するなんて信じられずに個人の責任だと誤解してしまうのでしょうか
日本の隣に似たような国がありますけどね あの国も大統領個人が悪く国民は被害者ってわけではないでしょう 民意がしっかり反映されてる 悪い意味で
ここまで言っておいてなんですが、国民の半数はロシアの支援に感謝してるんですよ
だからロシアへの併合を望んでる
残念ながら独立国家の存続を願って西側に加わりたがってるのが問題ある人たちなのです
国が消えてしまうって言ってもこの人たちのための国が消えるだけです
スターリンのルーツは前から知ってましたけどロマノフ朝が
ドイツ系なのは知りませんでした(というか帝国時代のロシア
については殆ど何も知らない)。とても勉強になりました。
ありがとうございます。
エカチュリーナ2世あたりを調べると面白いですよ。
今のロシアを理解する一助にもなります。
今ちょっと調べてきましたけど、ロマノフ朝、
気の強い嫁に家を乗っ取られてますやん
しかもNTRやんけ!というオチまで。
ウクライナには膨大なソ連が残した軍需産業の遺産が「存在していた」。
西側が注力すべきたったのはこうした産業再稼働であったであろう。
実戦で未知数の兵器生産をウ国内で進めようとするのはギャンブルに近く得策ではない。
東側装備の生産に進み、既存の人材を活用した方がはるかに確実な効果が見込めると予測する。
理屈としてはその通りです。しかしながら、金を出すのが西側である以上、
西側の議会(政府ではない)と国民の納得を得る必要があります。西側諸国は
自分たちが普段使っている兵器については知っているためにどういう作戦に
どの種類がどの程度の数必要なのか、コストはどれくらいかかるかを
ある程度見積もれますが、東側製の兵器に関してはそうではない。つまり、
「その支出が合理的かの判断が付きにくいものにお金を出す」ことになり、
そのために多額の予算を承認せよというのは中々難しいと思います。
ラインメタルCEOのあの攻めの姿勢は何なんでしょうね。H&kもそういう部分があってミャンマーやイラン絡みの部分は今絶賛疑獄化していますが、ドイツの兵器産業に固有の文化なのかドイツ人ビジネスマンの気質なのか…
以前の話ですが、ラインメタルもハンガリー向けにリンクスの輸出を決めた上にライセンス生産も認めた為、下手をするとNATOのサプライチェーンから排除される可能性(ハンガリーがNATO加盟国なのにロシアの代弁者となっている為)が有ると報じられていましたから、その失点を挽回するのに必死なんでしょうね
提唱し、検討したという実績だけが欲しかったってことですかね。
その通りです
ポーズだけでもやらないと今後が不味いと言う企業判断なのでしょうね
実際に来年に工場を作るとして。
西部のどこに置くのだろう。これはウクライナの軍需企業にも言えるけれど。
FPVドローンは町工場的な場所でも出来るそうだけれど、AFVはそうではないし。
今までも、ウクライナの企業がどこに疎開したか記事を読んだことはないし。
一方で、IFVの改造やモデルチェンジは、けっこう頻繁に実施している様子です。
空襲を避けたければ地下工場か、ヴァレンティンのような工場ブンカーでしょう。
WW2に、ドイツがかなりトンネルを掘った話は聞いたことがあります。西部ですね。
ブンカーを造るのは手間ですから、既存のトンネルなのでしょうね。きっと。
傍から見てると大風呂敷広げ過ぎで、現実味の感じられない話だ事で。
既存の生産ラインが既に有って現在進行形で生産も続いている砲弾ですら、途中で注文打ち切られたらたまらんから新規の工場作ってライン増やす増産体制にしてほしければ10年契約で購入の確約をしろ。
と言われて二の足踏んでるような状態で。
それよりはるかに高価な装甲車の生産工場を、いつミサイルが飛んで来るか判らないような場所に新規で建設する、しかも工場は3ヶ月で完成し即刻出荷開始出来るとか、工場従業員の完熟訓練も出来ないし、何より工場生産できるレベルの成人男性がウクライナ国内にはどれだけ残ってるんだろうなぁ?
それにインフラ破壊されて電気や燃料の安定供給に苦労しそうだし、そもそも割り当てきちんとしてもらえるんだろうか?とか
いろいろとツッコミ所が多すぎる話ですなぁ。
今までのロシアンAFVの生産はやめてドイツ車に変更するだけだろ。
砲塔は完全輸入で車体はノックダウンでも現地生産には変わらん。
特に古すぎのフクスとかBTRより多分簡素だぞ。リンクスにしろ廉価仕様で砲塔はどんなんかも分からん。いうほど驚きもない。
完成車の仕向地がウクライナとは書いてないし
単に人件費の安い国で作りたいだけなのでは
ロシアが北に砲弾を発注するのと同じ
欧米からの資金提供が減れば高額な車両の大量購入も出来ないでしょうが、その辺りは考慮する必要が無いのでしょうか?
上の方で書かれていた方もいましたが、輸出を考えないと工場が維持できないと考慮してしまいます。