オーストラリアのモリソン首相と首脳会談を行ったフランスのマクロン大統領は16日、大幅に遅れているアタック級潜水艦プログラムについて「フランス政府が完全かつ完璧に契約を履行することを約束する」と宣言した。
参考:Scott Morrison warns France to meet multi-billion-dollar submarine deal deadline
フランスのマクロン大統領がアタック級潜水艦プログラムの契約を完全かつ完璧に契約を履行することを約束
オーストラリアが進めているアタック級潜水艦プログラムは幾つかの問題に直面して国内から厳しい視線を向けられており、特に問題視されているのはプログラムコストが当初見積もりの500億豪ドルから800億豪ドル(現在は900億豪ドルと報じられている)へと高騰(※)している点とアタック級潜水艦建造に豪産業界がどの程度関与できるのか政府とNavalGroup(旧DCNS)との交渉が期限(昨年12月末)を過ぎても合意に達していない点で、このような不確実性からプログラム廃止を求める声も挙がっている。
但しプログラムコストが500億豪ドル→900億豪ドルに上昇したという根拠は飽くまで報道機関による推定なので本当に900億豪ドルも必要なのかは不明だが、当初のスケジュールから遅れているので当初見積もりよりも上昇していることだけは間違いない。
この問題にカタをつけるためオーストラリアのモリソン首相はG7出席後にフランスを訪問、両国の首脳はアタック級潜水艦プログラムの請負企業であるNaval Groupの関係者も交えながらパリで会談を行いマクロン大統領は会談後に行った記者会見で「アタック級潜水艦プログラムは両国のパートナーシップと信頼関係の柱で、フランス政府が完全かつ完璧に契約を履行することを約束する」と宣言、両首脳は同プログラムがインド太平洋で重要な役割を果たすというフランスの新しい地政学的戦略に必要不可欠であることを確認したと発表した。
具体的にはNaval Groupが提出した今後2年間をカバーしたアタック級潜水艦の計画案(アデレードにNaval Groupの造船所建設、ロッキード・マーティンによるアタック級潜水艦用の戦闘システム開発、アタック級潜水艦の詳細設計を完了させることなどが含まれている)をオーストラリア政府が納得するものに修正、これを今年9月までに再提出することを両首脳とNaval Groupが確認したらしい。
この会談結果についてオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は「アタック級潜水艦プログラムに関連した問題がオーストラリア国防省とNaval Groupではなく両国の国家戦略上の問題に格上げされたことをNaval Groupに示した」と評価すると同時に「モリソン首相は予定通り進んでいないと批判されることで被る政治的ダメージを軽減するため具体的な進展策を手に入れた」と指摘している。
果たしてマクロン大統領がオーストラリアとNavalGroupの間に入ることでアタック級潜水艦プログラムの問題が改善するのか修正案を見てみるまで分からないが、少なくともオーストラリアとの契約履行をフランス政府が保証したためNaval Groupの尻に火がついたことだけは確実だ。
関連記事:オーストラリア国防次官、アタック級潜水艦の失敗に備えてプランBが存在すると公式に言及
関連記事:アタック級潜水艦の遅れに直面する豪州、46億ドルを投じてコリンズ級潜水艦を延命
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※アイキャッチ画像の出典:Royal Australian Navy アタック級潜水艦の完成イメージ
契約の履行ってのが金銭面なのかスケジュール的なものなのかわからんからなんとも言えんな……
とはいえプランBじゃなくてこの案で行くのは確定したのは良いことか
これはオーストラリアに対して、いまさら逃げるなよっていう恫喝かもね
外野としては面白くなったぞ感高まりだが、オーストラリアにとっては面倒な事態かも
しかも書面で残ってるのか、単なる口約束なのかもハッキリしないからなぁ。
国家間の口約束なんてゴミだし。
オーストラリアにとっての問題の中心がプログラムコスト上昇ならば、いくら大統領が契約を保証しても、逆に高い買い物を強要するヤクザの脅しでしかない
まさかフランス政府がオーストラリア政府の負担増をカバーするはずもない
フランスの大企業は混合経済の名残で政府が大株主なんだよ
政府企業の関係が非常に密
プランBの脅しがよっぽど効いたのかな
とはいえそもそもプロジェクトの要件自体が無茶なんだから、頭ごなしに発破かけたところで事態は悪化するだけだと思うが
最後のが引き渡される頃には古い設計の艦だけど、従来の潜水艦とは別のものが登場して補えるのかも?(逆に足を引っ張るか)
仏政府が「完全かつ完璧に契約を履行することを約束」したわけだから最終的にスケジュール遅延は回復されねばならない。
努力目標ではなく1番艦引渡し及びそれ以降の建造は契約時の計画通りに行われると仏政府が約束したわけですね。
それが実現できればプログラムコストの上昇も豪政府が了承できる範囲に収まることになるのかと。
蒼龍級を豪州に無償供与して在日米軍の思いやり予算をしばらく(建造費分)停止する
みたいな方法なら万事上手く行くんじゃね
何が嬉しくてオーストラリアの支払いをアメリカが肩代わりするんだ…。政治的にも一切実現性無いでしょ
豪の雇用創出で仏が選ばれたのだから、もう日本も他国も出る幕ない
雇用創出のために国内で建造するってのはまあオーストラリアの決断だから良いけど
その技術基盤維持のために継続的に建造を続けないといけないってのは、果たしてオーストラリアにその覚悟はあるのかちょっとだけ疑問
まあだからこその規格外のプロジェクト義務なのかもしれんけど
覚悟とは違うと思う
豪州からは自動車製造業も逃げた、撤退した(アメリカ、日本、EUのメーカー)から、製造業はどうしても欲しいって事情はあると思う。
だけど、理由はお高い人件費だから低位(低い収益率)の製造業は無理。
何故にこういう高い賃金にしたのか? は知らないけど、現状のままだと鉱業、水産業、羊の放牧(中東諸国への輸出)、製紙の原料としてのユーカリの林業(ちょっとした?問題がある ※)だけの国になってしまうって恐怖は豪州政府はもっているのでは?
※ ユーカリは気温が高くなると発火物質のテルペンを放出して、落雷で山火事となるけど、自然保護団体の力が強い、そもそも、水が少ないし、山火事の消火能力が低く、大規模な山火事が毎年、発生してる・・・だけど、大事な収入源だから止められない。
何故人件費が高いのか?それは人口が少ないのに資源はいっぱいある富国な上に、労働者が英国病をだから。
古い事例ですがある豪州の某鉱山での実話。17時になると鉱石輸送の超大型ダンプが停止する、あと10メートルで鉱山の集積場なのにだ。そしてドライバーは迎えのバスが来るまでそこで待っている。バス来るまで17時半過ぎるし、自分でそのまま集積場に入れば17時10分には帰宅できるのに、絶対時間外は仕事しない。
なんでオーストラリアとフランスが決めたことに日本が介入せにゃならんの。
オーストラリアはフランスに決めたんだから、それ以外の国は全部外野
外野が余計なことを言ったところで、当事者の恨みしか買わない
そんなことをする意味がどこにある
オーストラリアが日本に泣きついてきたならまだしも、そうでないなら当事者が決めるべきこと
思考が安直すぎる
台湾や尖閣でいつ衝突してもおかしくない状況下で在日米軍を撤収させたいの?
日本の防衛戦略は米軍無しでは成り立たないから、下手するとロシアにも牙を剥かれるぞ
基地の予算削ったぐらいで出ていくような軍隊なら
戦争始まったら光の速さで逃げ出すと思うぞ
その発言はほぼ全ての軍人に対する冒涜だな。
当初の豪側の要求からすると
素のそうりゅう級だと航続距離が不足するんじゃないかな
その他にも陸上への長距離打撃能力と特殊部隊の支援能力にAN/BYG-1も不足・・・というか無いよね
ということで仕様の大幅な切り下げしないかぎり素のそうりゅう級ではだめかと
まあ、私の想像なんで聞き流してもらって良いんですけど
一番に問題になっていたのはアデレードに建設するというNaval Groupの造船所関係じゃないですかね。
豪側としては当然ながら既存造船所での国内建造が最も望ましい。仏資本の新造船所建設は新たな雇用を生むが既存造船所の受注増と雇用確保に繋がるのか?
豪造船所にも分担が予定されているのでしょうが、その比率は豪側が満足できるものなのか?
新造船所の建設費負担に関しNaval Group側はどのような考えなのか?
この辺りを協議すれば揉めると思うんですよね。
オーストラリアもフランスも、お互いに相手をけん制しているだけで、なんら問題の解決になっていないのは確か。この話は、これから長く尾を引くだろうね。
中国大勝利だよな結局
オーストラリアの親中派動かして、いちばんヤバそうなフランス案に誘導
現物がないものを普通の神経をしてたら、普通は選ばん
大株主であるフランス政府がケツ持ちするってんだから多少の損益出ても履行する方向で解決するだろうよ
何らかの経済支援など別の方法で補填するやり方もあるしな
フランスは他の自由経済諸国とは違う
他国から見れば企業と政府の癒着と取り沙汰されるような事でも問題ない
軍事に限らず製品は二流でも政府の強力な後押しで成果が出る
フランスは政府が株主なのもあり、簡単に公的資金投入するしな
頑迷とも言えるほどの自国産業保護政策とっているし、この潜水艦プランは大口案件なので何がなんでも成立させるだろうよ
タイフーンラファールの欧州次期戦闘機の件で自国産エンジンをゴリ押したようになりふり構わず成立させるよ
そのチュルボメカは結局潰れたけど
未だに実物が存在しない潜水艦の輸出で最大限の利益を得たいフランスと、潜水艦などの軍事技術を得るついでに古い潜水艦を更新したいオーストラリア。
四兎を追う同床異夢は碌な結果にならないということを理解してるのかな。
利益よりも散々投資してきた案件がパーになる方がよほど打撃
利益が出なくとも実績が上がればいいし、そんな事業はいくらでもあるよ
社会人で経験積めば分かる事
加えて政治的な要素も絡んでるし利益は度外視よ
利益無視で実績だけを求めるなら、フランスは潜水艦単価をだいげい型の10倍にはしないだろう。
マクロンが言ってることでしょ?
マクロンが約束を守ってきたことなんて無いに等しいんだから、どうせまた破る
かつての盟主。大英帝国が潜水艦を供与できないのが寂しいなあ
別にイギリスが潜水艦建造能力を喪失している訳でもないのに何を言ってるのやら…
原子力潜水艦しか作ってないからオージーの候補に上がらないだけでしょ
同様の理由でアメリカも除外だから
そうりゅうにアメリカの戦闘システムなんてトリッキーな話から始まって
原潜計画を通常動力にとか言うトンデモ案で七転八倒してるんじゃない
♪マクロンなら契約履行に自信が持てます
そりゃ、ライオンだ。
アタックは花王。
動力系にソ…、サフランをゴリ押ししてきたりするのかな。
日本はF-15JSIでボーイングと揉めてるけど、バイデンが
「完全かつ完璧に契約を履行することを約束する」
なんて言うとは、とても思えないな。
むしろ片棒担いでそうだ。
日本はまだ契約してないからな、見積もりを取っただけ
オーストラリアはもう契約してるから事情が違うよ
タヌキがキツネに騙されたようね」ってマックで女子高生が話してた。
フランスの本音は、シュフラン級建造の目処が立ってからアタック級建造に取り掛かりたいのでは?
フランスではシュフラン級は2030年頃に6番艦が就役し、その後は艦齢が30年を超えてくるル・トリオンファン級後継艦の建造に入ると思われる。
そのタイミングで余剰になるシュフラン級の建造施設をアタック級に回すのが効率的だから、スケジュールはフランスの都合次第じゃないかと。
アタック級はオーストラリアで建造するんだけど…?
建造には設備がいる。フランスで使った施設を移転するんでしょ。
あと、オーストラリアで建造すると言っても、100%は無理だし。ソナー、潜望鏡、兵装など、フランスからの輸入は多い。特に建造初期は、船体等のパーツもフランスから送ることになると思うよ。
海きれいやな~
フランスの保証なんてイギリスの保証と同レベルの紙切れだしなぁ
潜水艦の兵器としてのアドバンテージは、いまも有効ではあるけれど、
そのうち探知能力が向上して、その地位や役割が低下するかもしれないね
一応同盟関係にはあるけど一国の決定なんだから好きにすれば良いと思う。将来的に戦力化に失敗して日本の負担が増える云々に関しては、同盟関係は韓国レベルであてに出来るならあてにしたいと考えておけば良いとは思うんだがな。
少なくとも今のオージーの要求する潜水艦を作る能力というか作る計画は日本にはないのだから、そうりゅう型の事を蒸し返すのは止めるべきだろう。通常潜水艦で4000tクラス/戦略打撃能力/特殊部隊潜入に優れる/ポンプジェットを装備した艦が10年以内に実現出来るなら世界トップクラスの性能を得る事は可能でオタとしてはわくわくする話で、どれだけの犠牲を払ってもやりきってもらいたいなと思う。ポンプジェット云々で突っ込みする奴いるかもしれないけど、少なくとも海外情報を見る限りだと日本で一般的に言われている理由で採用しないって感じじゃないんだけどな。そこら辺の新しい情報出てこないのが日本の軍事面で残念な所。