オーストラリアのグレッグ・モリアーティ国防次官は2日、フランスのNavalGroupと進めているアタック級潜水艦プログラムが頓挫した場合に備えた検討を行っていると議会で明かした。
参考:Defence looking at alternatives to French submarines in case $90 billion program falters
プランBの存在を公式に認めるもアタック級潜水艦プログラムを「必ず前進させる」と主張するモリアーティ国防相
オーストラリアが進めているアタック級潜水艦プログラムは幾つかの問題に直面して国内から厳しい視線を向けられており、特に問題視されているのはプログラムコストが当初見積もりの500億豪ドルから800億豪ドル(現在は900億豪ドルと報じられている)へと高騰(※)している点、アタック級潜水艦建造に豪産業界がどの程度関与できるのか政府とNavalGroup(旧DCNS)との交渉が期限(昨年12月末)を過ぎても合意に達していない点で、このような不確実性からプログラム廃止を求める声も挙がっている。
補足:プログラムコストが500億豪ドル→800億豪ドル→900億豪ドルへと高騰するという指摘の根拠は飽くまで外部機関による推定金額であり、豪政府による公式なコスト見積もりは500億豪ドルのままなので推定金額が本当に当たっているのか不明。

出典:Marion Doss / CC BY-SA 2.0 潜航中のコリンズ級潜水艦
そのため複数の豪メディアは「政府が進めている潜水艦契約は破綻するだろう」と予測していたがNavalGroupと豪政府は今年3月、500億豪ドルと予想されているアタック級潜水艦プログラムの約60%をオーストラリア産業界に再投資することで合意した。
ただアタック級潜水艦プログラムは設計のベースとなるシュフラン級原子力潜水艦を通常動力に変更する作業に遅れが生じており、NavalGroupがオーストラリア産業界に再投資する具体的な手段に関する説明も不足している状態で、この問題を解決するためモリソン首相は今月11日に英国で開催されるG7に出席後フランスを訪れマクロン大統領と首脳会談を行う予定だ。

出典:Borvan53 / CC BY-SA 4.0
この会談でモリソン首相はプログラムの遅れやアタック級潜水艦の建造にオーストラリア産業界がどの様に関わっていくのかを強く主張すると現地メディアは報じているが、今月2日に開催されたオーストラリア議会の公聴会ではNavalGroupと進めているアタック級潜水艦プログラムが頓挫した場合に関する議論が集中的に行なわれ注目を集めている。
労働党(野党)のペニー・ウォン上院議員はアタック級潜水艦プログラムが頓挫した場合に備えて「プランB」を考えているのかと質問、これにモリアーティ国防次官は「過去12ヶ月間このような課題について確かに検討した」と語ったためアタック級潜水艦プログラムにプランBが存在することを公式の場で初めて認めた格好だ。

出典:Public domain ギリシャ海軍の214型潜水艦
ただし現地メディアが報道していたドイツの214型潜水艦に関する調査は事実ではないと否定、さらに政府や国防省内で検討しているプランBの選択肢が何なのかについては機密に該当するため明言を避けている。
今のところドイツの214型潜水艦、コリンズ級潜水艦のアップグレード、A26型潜水艦の派生型(改良型コリンズ級)、米海軍が開発を進めている超大型水中無人機「Orca/オルカ」などがプランBの候補として噂されているが、飽くまで政府や国防省の本命はアタック級潜水艦の調達でモリアーティ国防次官はプランBの存在を認めても「計画を必ず前進させる」と公聴会で主張しており、直ぐにアタック級潜水艦プログラムからプランBに乗り換える気はなさそうだ。

出典:Saab AB A26型潜水艦
しかしモリソン首相とマクロン大統領による首脳会談の結果が思わしくなければプランBへの変更も現実味を帯びてくるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Official U.S. Navy / CC BY-SA 2.0 コリンズ級潜水艦とロサンゼルス級潜水艦
まさか、おうり・・
っていう夢を見た。
私に腹案がある、キリッ
トラストミー
あ・・・(察し
オーストラリア国内に金を落とす契約がしたかったんだからそうりゅう型にしとけば良かったのにとは言うまい。
原潜に改造する前提ならシュフラン級を数年前からフランス軍に教えてもらい運用実績を作り、シュフラン級を購入するのがベストなんだろうけど。無理なんだよなぁ…悲しいなぁ…
勝手にしろ
将来の原潜保有を考えたら通常動力前提の日本の潜水艦はドタキャンされる程度に話にならないんじゃない
将来のって言ったってアタック級の調達にもしばらくかかるって話だったのに。そりゃ半世紀くらい先の話か?
原子力発電所すら民意で作れなかったオーストラリアが原潜保有に踏み切れるのかなぁ
いや豪海軍が求めてる性能からしたら原潜がいいのはわかるんだが
オーストラリア国民の核アレルギーは凄いらしいから原潜なんて導入できるのかな?
法で原子力の軍事利用を禁じてるから、改正が先だな
豪州は通常型にこだわってるから、こんなに苦労してる
既存の原潜をわざわざ通常型に設計変更してくれって要求して、このざまになってる
原潜保有なんて全く考えられてないと思うけど
まぁ原潜が欲しいってのは良く言われてるがハードル高過ぎるよな
そうりゅう型にしておけば、ここまでコストは上がらなかったかもしれませんね。
まぁ、売り手側が何をほざいたところで・・・
結局売ったモン勝ちみたいなところあるな。特にフランス
売り逃げしようにもここからどう挽回するかだぞフランス
計画が失敗しても一応金は産業界に回ったのだから、広い目で見るとさほど彼らにダメージはないのかもしれません。
豪海軍も中途半端に欠陥品を渡されるくらいなら大失敗して潰れてくれた方が楽なはず。
むしろ協調国の対中戦力を当てにする日本とアメリカの方が被害を被っていたりして…。
オージー側の立場で考えてみればいきなり実績もないそうりゅうを買うのはハードル高いしある程度実績のあるフランス製選ぶのも理解できる
実績(何の?)のない潜水艦VSペーパープランの潜水艦VSダークライ
ダークライ「・・・えぇと、内部の人間を全て眠らせて悪夢を見させるという盤外戦術でもいいでしょうか・・・?(震え声)」
バラクーダだって実戦経験は無い(記憶違いでなければ)でしょうし
かと言って兵器輸出や海外の企業との生産開発の分野なら確かに
フランスの方が実績ありますしね
実績云々でフランス製と言うのは、実は的外れだぞ
何故なら問題の豪州潜水艦コンペの時、日本のそうりゅう案と一緒にドイツの216型案も蹴られているんだが、実はこの216型案は212/214型の拡大改良型だった為、実績等の面ではそうりゅう案を凌いで最有力候補と目されていた
しかも、216型案を提案したドイツ側は技術供与は勿論の事「建造費用の見積もりは固定価格で出し、もしも建造後にコストの増加が生じたらその分は全てこちら側が負担する」と言う好条件を提示していたのに、原潜の設計を通常動力型に変更すると言う魔改造案を出したフランスに敗れた
恐らく豪州がドイツ案を採用していたら、現在起きているアタック級の費用増大も負担するのはドイツ側と言う事で話が終わっていただろう
此の事から考えると、この豪州潜水艦の選定結果はマトモな代物では無かった可能性が非常に高いと思う
考えが甘いぞ~それ
「建造後のコスト増はこちらドイツが負担=建造前のコスト増はオーストラリアの負担」ぐらいヘーキで言うで
もしそれをやったら「見積額が入札当初と違い過ぎる」事になりますから、現在日本と米国との間で揉めているF-15JSI改修計画と同じ様に、建造前に計画ストップと言う事になると思いますよ
「建造前のコスト増はオーストラリアの負担」って、フランスが言うていますやん。
それでも、価格が高騰しても進めるってオーストラリアは言っているんだから、計画ストップにはならんでしょ。
216型もショートフィンパラグーダ同様ペーパープラン扱いされてたと思うんだが
実績があるのはそうりゅうだけだぞ
後の2国の案は決定時点ですら実艦が存在しないペーパープランだった
上の「216型もショートフィンパラグーダ同様ペーパープラン扱いされてたと思うんだが」との書き込みに対する答えでもありますが、実は豪州に提案されていたそうりゅう型もペーパープランですよ?
何故なら豪州政府は、武器管制システムにコリンズ級でも使用されているアメリカ製のAN/BYG-1を搭載する事を要求していた為、そうりゅう型その物では無く改良型の共同開発となるはずだったからです
その上で指摘すると、豪州の潜水艦選定作業の段階で日本案とドイツ案は原型となる通常動力潜水艦が既に就役済み(日本がそうりゅう型、ドイツは212/214型)で、ドイツ案の216型ではAIPは212型の物を流用する事が決まって来て豪州への技術供与も決まっていました
これに対して、フランスのシュフラン級ブロック1A案は、原潜を通称動力潜に魔改造するプランである上に、原型であるシュフラン級原潜の一番艦が就役したのは、何と2020年の11月6日です
一回り大きさが違う212型(4000t⇒1800t)はさすがに原型といえないのでは。
構造がだいぶ違ってくるし。
目先の金より機密性を保つ方が大事だから
日本は関わらないでくれ
白人同士で白黒つけろ
どっちも白いから無理
最初から2計画にしていたら良かっただけでは?
先行プラントして日本から改そうりゅう級購入、後発プランとして米国かフランスから原子力潜水艦の購入
将来的に原潜が欲しい、なんて話どっから出て来たんだ…
BプランはKじゃない。陸上兵器導入テストも実施しているし営業も強い
航続時間の問題は隻数増やすなり工夫次第、中身をタレス製品使用で義理立て可能
やっぱり日本製兵器は信頼が無いので、眼中にも無い様だ
信頼があったドイツ製を蹴ってる時点で全く意味のない話
シュフラン級の動力源変更型とかいうペーパープランの時点の方を重視して案の定大迷走してる時点で元々信頼の有無なんて関係か無かったのは明白だし
別にそうりゅう型マンセーではないが、
ドイツは潜水艦運用出来てないと聞く。
ちゃんと運用してるのトルコとかの周辺国では?
それはドイツ軍の話であってドイツ製潜水艦の話じゃない
現にドイツ製潜水艦を問題なく運用してる国は幾つもあるし、通常動力型のシュフラン級なんてペーパープランよりも遥かに信頼と実績がある
それを蹴ってる時点でこの選定に信頼なんて要素は意味がないと言ってる
最初期は海軍からおやしお型かそうりゅう型を輸入したいっていう話が
出てきてたのに豪州国内企業に金が落ちないって政治側で問題になって
そこから迷走が始まったので
貴方の書き込みは全くの見当違いだよ
>やっぱり日本製兵器は信頼が無いので、眼中にも無い様だ
この書き込みが見当違いなのは同意だが、武器輸出は性能はもちろん技術移転や購入国の産業に対する投資がセットで行なわれるのが当たり前になっているのでこの点は日本の弱点だと思う。
高額な武器導入になれば政治的に揉めることも珍しくないし、これに向き合っていかないと日本の武器輸出の将来は切り開けないのではないと思っている。
FFMではその辺も踏まえてか共同生産の提案になってるね
なので、やはりそこに切り込んでいかないといけないという認識はあるんだろうね
フランスの大企業、重要産業は政府が大株主なので、大統領の裁量で何とかなってしまうのだろ
政府に直結する案件だから税金使って何んらかの補填も容易い
オーストラリアの国防相はモリアーティさんなのか
犯罪卿とは違うぞ
やはり犯罪歴がないといけないのですね
モリアティは国防次官。国防大臣はピーター・ダットンですね。
現状でも、長期任務が敬遠されて潜水艦乗組員確保に苦労してるってゆうし、もともとオーストラリア軍の人員規模は大きくないから、プランBがいきなり無人潜水艦への飛躍であっても驚かない
オルカの採用も検討されてるだろう
コリアかドイツだな
日本は関係ないから好きにすればw
記事呼んだ?
プランBに韓国なんて入ってないから全く関係ないぞ
書いてはないけれど大どんでん返しってことも。
F-35の重整備をオーストラリアで引き受けてくれたら潜水艦安くするよとかなんとか。
あ~、韓国らしい営業交渉術だ。
韓国ならやりかねないな。
プランBに乗り換えるつもりがないならプランBなんて言葉は出てこない。
雇用で選んでるのだから、どこどこから買えばよかったのには違うと思うよ
プランBはプランAが頓挫する事態に備えた次善の策という位置付けが普通でしょ。
アタック級が諸々の事情で頓挫確定的となった場合に最小限の被害で代替できないと意味が無い。
取得計画が大幅に遅延し潜水艦戦力に穴が空く事態は安全保障上適切じゃないし、コリンズ級の延命改良を併用するかもしれません。
アタック級の計画は現時点で想定よりかなり遅れててコリンズの延命改修は既に規定路線。
その上でアタックの話が流れた場合を考えると「おやしお」より古いコリンズの更なる延命という線は考え難く別の案でなくてはプランBになりえない。
ここまで来てポシャった場合を考えると戦力の空白を避けるためにはどこかから中古艦を買ってくる以外に選択肢は無いんじゃないかと思うが・・・大穴でコリンズ再生産って線も・・・
コリンズ級に懲りんず改造するのか…
受注さえしてしまえばあとは外貨を巻き上げるだけ巻き上げて完成品をポンと渡して終わりにしたいDCNSと、
自前で作る技術力はないので買うとは言ったが国防費をなるべく国外に流出させず国内雇用につなげたいOG政府。
最初から話が噛み合ってないし、どこかの段階でこうなることは明らかだった。自前で作る能力がない時点でヨーロッパ勢に足元見られてるのに自分が主導権持ってると思ってるOG政府の姿勢は疑問だけど、それ以上に欧州の武器商人怖いっすねえと思う。
欧州の元国営系重工はどこも不採算を埋めるために輸出に血眼だから、受注段階で無理な営業攻勢かけて、いざ契約したら違約金条項で逃げられないように縛って金だけは是が非でも巻き上げてくってのは兵器に限らず鉄道や船舶やインフラでも一緒よ。
それにしてもアタック級のネームシップ受け渡しが2045年って、その頃にはそうりゅう型は完全に退役してるだろうに、こればっかりは本当にバカな買い物したよな。
将来を見据えての欲張りな要望を盛り込みすぎた選択だけど、数あるペーパープランの中で一番マシな選択した結果なんだからこのまま行くつもりなんだろうな。
少なくともオーストラリアの次世代潜水艦に求める能力である「戦略打撃、特殊部隊の運用能力」に関しては全ペーパープランの艦の中で一番堅実な成果を出せるのがアタック級だと思うんだが?巡航ミサイルの運用とか、特殊部隊の出し入れとか特殊部隊の装備を艦のどこに設置するとか、運用とかに裏打ちされた作り方はされるはずだし。ドイツとか日本は各国とかの交流で知見はあるだろうがそれが反映されているかと言われると大いに疑問。
米製戦闘装備を統合する前提だから豪は受注国への設計丸投げは出来ません。
「運用の裏打ち」は豪米の持つ知見が反映されるのが基本でしょ。
その理屈だと、ドライデッキ・シェルターとエアロックの位置も変更し放題な訳だ。シュフラン級ベースにする意味なくないか?それが通じるなら、そうりゅう型も216型も基本性能や船体強度に影響する想定していない装備を搭載する為の船体構造変更を強いられる訳だ。魔改造に責任なんか持てないから選ばれなくて正解じゃないか。
そうやって選ばれなくて正解と言って強がってるから駄目なんだよ。
そんな一言で済まされる話か? これが問題起きてもまだ乗員の安全が担保されそうな陸戦兵器とか水上艦艇なら魔改造も有りだと思うが、潜水艦って結構微妙なバランスの上に成り立っているのを理解した上で話しているのか教えて欲しい。艦内の配置もそうだし、食料や燃料消費でのバランス変化、人が持ち込む装備の管理とか海水濃度変化も考慮しつつ航行するんだから適当に作っていいもんじゃないだろ。
すでに検証済んでいる物を変えるという事は再検証が必要な事理解しているのかな、その費用や期間を見て貰えるの?それは貴重な同盟国だから日本が負担すべき物として済ませるの?
プランC;台湾の新型潜水艦計画に合資/参画して、国内生産の合意取付して艦形を大型化か延長する? 大きさがはっきりしないけどスコルペヌ級ベース?だし、戦闘システムは米国製でAIP搭載
現行プランは、大きな困難を伴いそうなので、軍部が見直しを要請している可能性はありそう。
プランBは、軍部から政府への対案のことかもしれないね。
フランスが関わると碌なことにならね