日本に向けて航行中の英空母打撃群から艦隊防空を担当する45型駆逐艦「ダイヤモンド」が離脱、同艦は重大な故障が発生してシチリアの港に回航されたらしい。
参考:Royal Navy warship HMS Diamond suffers ‘serious defect’ and detaches from HMS Queen Elizabeth strike group
参考:HMS Diamond suffers serious defect during Carrier Strike Group deployment
英メディアは「同艦のガスタービンエンジンWR-21が故障した可能性が高い」と報じて注目を集めている
英空母「クイーン・エリザベス」を中心とした空母打撃群はインド太平洋地域に展開するため母港ポーツマスを5月末に出港、今月6日にはスエズ運河を経由してインド洋に入ったのだが空母を護衛するために随伴していた45型駆逐艦「ダイヤモンド」に重大な故障が発生、同艦はスエズ運河に入る前に空母打撃群から切り離され現在はシチリアのアウグスタ港に停泊している。
英海軍のスポークスマンはダイヤモンドの離脱について「技術的な問題に直面して修理が必要になったため」と説明するに留まり、詳しい故障箇所について明かしていないが英メディアは「同艦のガスタービンエンジンWR-21が故障した可能性が高い」と報じて注目を集めている。

出典:MOD / OGL v1.0 45型駆逐艦「ダイヤモンド」
45型駆逐艦が搭載するWR-21は中間冷却器や廃熱再生器を採用することで優れた燃費を実現した先進的なガスタービンエンジンなのだが、ノースロップ・グラマンが設計した中間冷却器は極端な高温の気候条件下で稼働すると故障しやすいという設計上の欠陥を抱えており、これが故障すると統合全電気推進を採用した45型駆逐艦が必要とする電力量をディーゼル発電機ではカバーしきれないため艦全体がブラックアウトに陥る問題に悩まされてきた。
この問題を解決するため英海軍は45型駆逐艦にディーゼル発電機を追加して中間冷却器が機能しない自体に陥ってもブラックアウトを避けられるだけの発電量を確保する改修工事を進めているのだが、1隻あたり2年間の工事期間が必要になるため1番艦デアリングと2番艦ドーントレスまでしか工事が終わっておらず、3番艦ダイヤモンドは改修工事を受けていない状態で今回の空母打撃群に参加していた=つまり英メディアは東地中海を航行中に中間冷却器が故障したのだろうと予想しているのだ。

出典:Brian Burnell / CC BY-SA 3.0 45型駆逐艦「デアリング」
ただ45型駆逐艦の機関システムは比較的簡単に取り外して交換できるよう設計(乾ドックに入渠する必要がない)されているので「英海軍のサポートチームはダイヤモンドを短時間で復帰させることが出来ることができるかもしれない」と英メディアは期待しているが、今回の技術的問題が推進システム全体に関わるのなら空母打撃群への復帰は難しいかもしれない。
因みに空母打撃群には4番艦ドラゴンが随伴しているので艦隊防空を担当する45型駆逐艦が0になった訳ではないが、高温多湿の東南アジアを航行中に改修工事が未実施のドラゴンも故障してしまえば英空母「クイーン・エリザベス」を中心とした空母打撃群の艦隊防空は米海軍から派遣されたアーレイ・バーク級駆逐艦のみになってしまう。
果たしてダイヤモンドは素早く修理を終え空母打撃群に合流することはできるだろうか?
関連記事:残念過ぎる英海軍の45型駆逐艦、停電問題と人員不足で4年も港で係留中
※アイキャッチ画像の出典:LPhot Daniel Shepherd/MOD / OGL v1.0
そのまま日本に持ってきて日本で改修した方がマシなものになりそう
艦内はデルタ型だらけの可能性が高いので、消毒代も上乗せだね。
何故に、未改修で不具合が予想に難くない艦を高温多湿な東アジアに向けて随伴させるのか? 全く理解に苦しむ。
だって艦隊防空に使えるフネは45型だけで、1番艦も2番艦も工事中だから仕方ないでしょ
記事中に書いています
横からだけど、どこにですか?
記事を信じるならば
> 1番艦デアリングと2番艦ドーントレスまでしか工事が終わっておらず
言い換えれば1番艦と2番艦は工事が終わっている、と読めます。
なのに3番4番を派遣したのはなぜか?に対する答えは
私は記事からは読み取れませんが…
これはあくまで推測ですが
工事自体は完了しても、いったん降ろして他艦に回した乗組員が揃わず
軍の領収試験も終わってなければ。例え工事が終わっても任務に戻せる
状態では無いのではと思います
ここの1年前の記事ではこんな感じでした
リンク
私も横からですがw、記事にはないが、その理由は推定できるかと。
2年もかかる工事が終って、ある程度の期間が経たなければ搭乗員の錬度が高い状態には無いと思われます。デアリングとドーントレスがそういう状態だった可能性はありかと。
イギリスから地中海インド洋を経て太平洋に至る長期航海ですし、練度の高い艦を選ぶのは普通の判断かと思います。
海自の編成、ローテーションを見れば完全にイギリス海軍と完全に一致するわけではないが状況が想像できる。
基本2年をでローテーションして、最初の半年は入港整備、人事異動、次の半年が訓練で、その中でも単艦行動から始まって、最終的には艦隊群行動と順番に訓練して戦闘行動可能に認定されて、そのあと半年2期(すなわち1年)が行動してその後は最初に戻る。
当然長期整備とか挟んでいるから一概には言えないが、単なる部品交換なら簡易で最初の整備の時期ではないが、工事というのであれば比較的大規模で、それ以外の整備や人事異動とが噛んでいて、1番艦、2番艦は現在訓練中で艦隊行動可能、戦闘行動可能な認定を受けてないのでは?
逆を言えば、3番艦、4番艦は艦隊行動可能、戦闘行動可能認定を受けているのでは?
他にもっと重要な仕事がある・・・
(緊張してると言われてる黒海には45型は1隻が派遣されてます)
整備のローテも有るでしょうしね
かつて七つの海を支配した英海軍の末裔が、インドにすらたどり着けないとはこれにかに。
まぁ実際、北海や北大西洋を中心に運用する想定の船が真夏の中近東で故障するのはある程度仕方ないと思うけど、東アジア地域でのプレゼンス発揮という趣旨にはケチがついちゃいましたね。
前記事にも関連しますが、これではフォークランド防衛も怪しくなりますね。
しばらくはアルゼンチンに再びフォークランドに手を出す力も気力も無いって
敗戦の直後にガルチエリ政権が崩壊した悪夢を現政権も恐れてるよ
なんとなれば、あの時超大国アメリカは当然イギリスについたし、アルゼンチンに泣きつかれたソ連は何も出来なかった
その繰り返しにしかならない
アルゼンチンは、イギリスからの兵器の輸出規制の影響で更新もままならず苦しんでるから、正直それどころではないと思う
アメリカがイギリスに配慮しないはずがないので、アメリカからも買えないし
中国が売り込もうとしてるらしいけどどうなんだろなぁ
イギリス海軍が新型に期待するのも無理はないなぁ
先駆的な試みを行って失敗して酷い物になってしまう、というのはイギリス海軍らしいと言えばイギリス海軍らしくはあるけれど。
とはいえ、次の26型や31型には相当な自信を持っているようなので、英海軍的にはそれらが就役してからが本番なのかも?
統合電気推進自体は。今や民間船でも使われているありふれた方式で、もはや目新しくもありませんし
統合電気推進を採用した艦船がどれも高温地域での運用に不具合を抱えているわけでもありません
そもそも統合電気推進なんて採用しなければ良かった・・・と言ってしまえば、確かにそうですが、
45型の問題は中間冷却器の設計不良ですから、言わば製造不良であり、統合電気推進自体の問題では
無いのです
統合電気推進は戦闘機がレシプロからジェットに移行したのと同レベルに必要不可欠な要素だけどな
その必要不可欠な技術で英国は間違いなく世界最先端の蓄積を得たって事
この規模の艦船で導入するとなると難易度は跳ね上がるでしょ
統合電気推進なんて採用しなければ良かったとかそういう事は一切言ってないのに、なぜ突然、統合電機推進だけを熱く語り出すのかw
イギリスじゃなくてアメリカが悪いってのが笑える
英海軍もシンガポールから撤退して50年ぶりの東征だし仕方ないのかもしれない
香港返還の時に”オーシャンウェーブ”で結構な艦隊を派遣されているのだが…。
たかなみと同じ時代に作られたのに一方は12目標対処で国産ミサイル搭載でもう一方は2目標。冷却器云々を加味してもどうしてここまで差がついたのか冷静に振り返って考えてみるべきだと思う。当時FCS-3が出来上がっていたにもかかわらず造船所に仕事を回すためだけに発注して使えない兵器をだらだらと生産して対艦ミサイルすらちゃんと迎撃できないゴミを5隻も作ってしまった。
UAVの普及の遅さもそうだが政策決定の遅さは正直他国をバカにできない酷さだと思う。
寝てるのか? それとも頭に問題があるのか?
イージス艦のこんごう型があるだろ
1番艦が1993年3月25日に就役してる、45型就役の16年前にな
だいたい、たかなみの就役が2003年3月12日で
45型は1番艦でも起工が2003年3月28日で
たかなみが完成した後に建造始めてるぞ?
就役は2009年7月、6年も違えばいろいろ違うだろう
時系列を無視して日本を下げる事ばかり言うのは、韓国人のいつもの特徴で酷く分かりやすい
防空艦である45型駆逐艦を海自艦艇と比較するならDDGと比較しましょう。サイズも用途も全然違うしね。
あと金額もたかなみ型の倍以上だった筈。
それはフェアな批判とは思えない。
45型が先進的で、たかなみ型以降の海自艇が遅れていると批判するのは簡単だが、”今”動いているかどうかで言えば、1, 2番艦が艦隊に随伴できず、3番艦が機関部故障で離脱というのは、搭載兵器が優秀でも工業製品として問題があると言われても仕方がない。
海自は予算に限りがある中で先進性よりも確実性を取ったともいえる。
もし海自の艦隊が45型と同程度の稼働率というのなら、政策決定の遅さという批判は一定の妥当性があるが。
またFCS3を搭載しなかったことを持って”ゴミを5隻”というが、それはFCS3の搭載コストや、対空対潜の役割分担を考慮した結果ではないのだろうか。
無尽蔵に予算がない以上、すべての艦艇にすべての機能を、という戦略は妥当かどうかを考えるべきでは。
時系列を全然理解してないね。
いろいろ言いたいが、聞き齧った情報だけでもっともらしいことを言っている。少なくともニワカで
あることは間違いない。
ああ、いつもの記事の内容を無理やり捻じ曲げて日本批判へと結論を持っていく、日本と日本人が嫌いな方々ですか
もしかして朝日新聞社員?
しかも英空母「クイーン・エリザベス」で新型コロナが流行し、100人以上が新型コロナに感染している模様。
作戦は変更しないらしいけどね。
ワクチン接種は全乗組員終わってるから重症例は殆ど無いらしいからね。国で言えばイスラエルとかと同様の状態なんじゃないの。只、厳しかった上陸関連が更に制約掛かりそうで乗組員の方々は大変そうだけど。
何もしていないのに勝手に大破していく空母打撃群とか話にならない
これで、QE級の持病である水漏れ病まで再発して、QEまでドック入り必要とかなったら
ほんに笑えません
仮に両方だめになったらホバート級を派遣してもらう形になるのかな
アリだと思う。英連邦同士、協力していこう。
東地中海ってそんなに高温になるんですかね。よっぽど紅海やインド洋の方が温度高い気がしますが。製造不良ではなく設計不良かさらに前段階の要件定義の失敗のような。
そもそも問題のある中間冷却器の換装では無く、補助ディーゼル発電機を積んで電源喪失を避けるって
消極的対処法なので、2年の期間と多額の改修費をかけても、根本治療じゃないんですよね
だから早期退役論まで出ちゃってる有様
トホホ・・・
やっぱりなりましたか・・・(泣)
ここは海自から防空担当艦を派遣して、恩を売る手もあるよね。
さすがにイージス艦は出せないけど、あきづき型なら、ペルシャ湾くらいまで行ってエスコートできるのでは?
東南アジアくらいまで来れば、イージス艦派遣出来そうだね。
単に西側の協調をアピールするためでも、エスコート艦派遣はいいアイデアですね。
実際問題あきづき型を空母打撃群に配置するならどの位置になるんでしょうね?
FCS-3Aの探知距離公称370㎞じゃ防空艦として力不足ですし・・・かと言って通常の駆逐艦として使うには勿体ない性能ですし。正に帯に短し襷に長し・・・
弾道ミサイル対応以外だったら、探知距離370kmで十分じゃないの?
どうせ水平線に隠れるんだから。対艦ミサイルはシースキミングするんだし。
安価な防空艦として、イージス艦の補完に当てれるから、意外と使い道あるんじゃないのか、と個人的には思う。イージス艦が戦略的防空艦だとすると、あきづき型は戦術的防空艦、って感じかな。
しかし、海自は結構贅沢だな。
イージス艦8隻にあきづき型4隻。アメリカ以外の西側で防空艦がこれだけあるのは珍しいよね。
370kmだとその水平線から高度10000m程度を飛んでる飛行機が顔を出した時の距離だし、Cバンドレーダーで監視してるので遠距離と悪天候で減衰するので、航空機に先手を取られる危険性をはらんでる。実際BMD3.6対応のこんごう型が低空監視が疎かになるので、低空防御を目的としてFCS-3とタレスのイルミネーターを積んだわけだし。
それに仮に水平線上の目標探知出来ても、ESSMでは確実に航空機に先手を足られて悠々離脱されるので、何かしらの(と言うかイージス艦)とセットを組ませるかSM-2みたいなロングスピアがないと、空母の対空護衛は危険すぎると思う訳ですよ。
それ、向こうからしたら「嫌味か?」って感じで受け取られかねないぜ?