欧州関連

エストニアとフィンランドが対艦ミサイルの運用を統合、フィンランド湾からロシア海軍を締め出す

エストニアのペヴクル国防相はフィンランドのカイッコネン国防相と会談後、両国は必要に応じてロシア海軍をフィンランド湾から締め出すため「沿岸ミサイル防衛を統合することで合意した」と明かした。

参考:Viron puolustusministeri Iltalehdelle: Suomen ja Viron ohjuksilla luodaan Suomenlahdelle Nato-sulku
参考:Minister: Estonia, Finland to integrate coastal missile defense systems

有事の際にフィンランド湾からバルト海に抜ける航路を両岸から対艦ミサイルで封鎖されるとロシア海軍は困ったことになるだろう

エストニアのペヴクル国防相はフィンランドのカイッコネン国防相と会談後「両国の沿岸ミサイル防衛を統合することで合意した。エストニア軍とフィンランド軍が保有する対艦ミサイル(ブルースピアとRBS15)の射程はフィンランド湾の開口部(52km~120km)より大きく、両国のシステムを統合して全ての情報を共有できるようにする」と明かし、必要に応じてロシア海軍をフィンランド湾から締め出すことが可能になると付け加えた。

さらに両国はバルト海周辺諸国の領空保護についても議論を行い「当該国だけでロシアと接する空域を守るのではなく、これを1つの領空と認識してNATO加盟国が保護する必要がある」と述べ、エストニアに米空軍のF-35Aを駐留させる案を議論しているらしい。

因みにソ連時代のバルト艦隊はカリーニングラードのバルト(バルチースク)海軍基地とクロンシュタットのレニングラード海軍基地に分散していたが、エストニア、ラトビア、リトアニアが独立したためバルト艦隊の主力はバルト海軍基地に集約されており、フィンランド湾の奥に位置するレニングラード海軍基地には対潜・掃海大隊と潜水艦大隊しか配備されていない。

出典:Pibwl/CC BY-SA 3.0

ただレニングラード海軍基地には大規模な造船設備が集中しているため、有事の際にフィンランド湾からバルト海に抜ける航路を両岸から対艦ミサイルで封鎖されるとロシア海軍は困ったことになるだろう。

関連記事:イスラエルとシンガポールが狙う東南アジアの対艦ミサイル需要

 

※アイキャッチ画像の出典:Israel Aerospace Industries Ltd

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コメント

    • hogehoge
    • 2022年 8月 13日

    いや問題は対潜戦でしょう。
    潜水艦狩りの能力向上こそ必要。

    6
    • 折口
    • 2022年 8月 13日

    カリーニングラードの海軍戦力にしてもフィンランド・ノルウェイのNATO加盟協議開始以降はいよいよ活躍の余地がありませんし、正直ロシア側はバルト海方面の海軍戦力をどう評価してるのか結構気になるところです。SSMの射程を考えればバルト海に居てももフィンランド湾に居ても逃げ場がないですから、哨戒機や掃海艇や艀以外の艦隊は置いとくだけ無駄だと思うんですよね。

    このたありのどん詰まりがソ連崩壊後の先制核使用ドクトリンにつながっているんでしょうけど、逆にロシアの好戦的姿勢は確実にロシアのヨーロッパ側地域の立場を危うくしてるように思えてならないです。このままロシアが欧州方面でも好戦的なオプションを取り続けたら、それこそ自身がアイデンティティにしている「ヨーロッパの強国」であるところのヨーロッパ部分が消えてしまうような事態さえ長期的にはありえるんじゃないかなあ…。もちろん、ロシアが北アジアの独裁国家と呼ばれるようになっても誰かが困る訳では無いですが。

    29
      • 折口
      • 2022年 8月 13日

      スウェーデンですね、失礼

      3
      • 鳥刺
      • 2022年 8月 14日

      「ペテルブルグは欧州への窓」、おっしゃるようにロシアにとってバルト海における海軍のプレゼンスは歴史的・文化的アイデンティティに関わる問題ではあるんですが、実の所、この30年間の内外ひっくるめた諸状況が悪過ぎて、バルト海艦隊は、もう実効性を期待できる存在ではありませんね。

      欧州から追放されたロシアの文化的アイデンティティはどこに向かうのか??? 正教圏と言っても文明内容的にはあやふやで求心力や魅力に著しく欠けていますし…

      17
    • パセリ
    • 2022年 8月 13日

    フィンランド、スウェーデンの加盟で名実共にNATOのバスタブになったわけだし、バルチック艦隊も平時にしか活躍出来ん艦隊になったな

    16
    • 鳥刺
    • 2022年 8月 14日

    西側対艦ミサイルが来たら即行オデーサ沖から逃げ出すロシア海軍じゃ、この封鎖線はどうにもなりませんね。てかクロンシュタットまで届くミサイルが来たらどうするんでしょう?運河で白海まで逃げますかね?
    陸を占領して解囲しようにも、エストニアはNATO加盟黒、フィンランドも歓迎されて申請中。見事に詰みました。

    大戦中に、ドイツ軍が湾口を横断する機雷堰でソ連バルト海艦隊を封殺し切った(活動再開はフィンランドの降伏後)故事再びですか。ピョートル大帝から始まった、ロシア海軍のバルト海における存在の終焉です。

    11
    • くらうん
    • 2022年 8月 14日

    スロバキアがついにMig-29供与かな

    3
    • スポンサー・ドリンク
    • 2022年 8月 14日

    プーチンは童話「北風と太陽」を読まなかったんですね。

    7
    • リドンラメ
    • 2022年 8月 14日

    え、でも原潜以外の海軍要らないって割り切れるのうらやましくない?
    他にリソース割り振れるんだし

    1
      • tarota
      • 2022年 8月 14日

      北海艦隊にリソース全振りできるね
      その方がいいかもしれない

      3
    • 58式素人
    • 2022年 8月 14日

    妄想でものを言いますが。
    ロシアはペテルブルグ防衛のために、二重の防衛線を敷くのではと思います。
    第一防衛線の海軍は、BND能力のある海上要塞みたいな船を
    フィンランド〜エストニア国境を結ぶ海上に設置するのでは。
    付属する中小艦艇と潜水艦と共に、新たなバルチック艦隊として。
    他の水上艦と潜水艦は、北方艦隊と太平洋艦隊に集約するのでは。
    そして、時間をかけてラトビアを経済的に侵略すれば逆転できます。
    今回の戦争でロシアの西と南は詰まるので、東の日本はこれから大変かな。
    太平洋艦隊は日本の強敵になるのでは。以上、妄想でした。

    • ブログ更新ありがとう
    • 2022年 8月 14日

    日本も、台湾とミサイルを統合して運用できたりしたら、単独運用するよりも対中国のときに役立ったりしないですかね?

    改良版の地対艦ミサイルは射程も1500kmに延長されるようですし。

    1
      • きっど
      • 2022年 8月 14日

      問題は、台湾が未だにまだまだ信頼のおける存在では無いこと
      長きに渡った国民党支配時代により、軍までもがスパイだらけですし
      それに、台湾も尖閣諸島の領有権を主張する仮想敵国であることを忘れてはならない。公式に領有権主張を撤回し、信頼のおける同盟国であることを政治的に示すまでは、こちらからも手を差し伸べるのは無理だ

      11
        • ブログ更新ありがとう
        • 2022年 8月 14日

        やはり、そこがネックになるんですよね。理想は台湾と韓国が信頼の置ける国で、3カ国合同で中国有事に対応出来るようになることなのですが…

        3
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