欧州関連

スウェーデン空軍、次世代戦闘機の戦略立案を11月まで終える

スウェーデン空軍の参謀総長を務めるエドストローム少将は17日「現在進めている次世代戦闘機の戦略立案を11月まで終える予定だ。戦闘機の開発・製造能力が証明された地位に留まり続け、第5世代機の開発で主導的な国であることを望む」と述べた。

参考:Swedish Air Force crafting new fighter strategy amid Russian aggression, NATO ascension

スウェーデンは中立政策を捨てて集団安全保障へ移行するため、11月までに立案作業を終える次世代戦闘機の戦略に注目が集まる

スウェーデンは次世代戦闘機や既存の戦闘機のアップグレードに必要な技術開発で英国と協力すると2019年に発表、英国が主導するテンペストプログラムにサーブが参加することで必要な技術の目指しており、2020年6月には「次世代戦闘機の開発を開始する」とフルトクヴィスト国防大臣が発言、2022年6月にサーブはスウェーデン国防装備庁と次世代戦闘機に関する契約を締結したと発表していたが、スウェーデン空軍の参謀総長を務めるエドストローム少将は11月までに次世代戦闘機の戦略立案を終えると明かした。

出典:Saab

ウクライナ侵攻やNATO加盟などスウェーデン空軍を取り巻く環境は大きく変化しており、独特な要求要件に基づく戦闘機開発にも影響を及ぼすと見られているが、エドストローム少将は「NATO加盟によるスウェーデン空軍の役割について判断を下すのは時期尚早だが、戦闘機の開発・製造能力が証明された西側3ヶ国の一画に留まり続け、将来の第5世代機開発で主導的な国であることを望む」と述べた。

どちらにしてもスウェーデンは中立政策を捨てて集団安全保障へ移行するため、11月までに立案作業を終える次世代戦闘機の戦略に注目が集まる。

因みにスウェーデン空軍は戦闘機部隊の拡張=7個目の戦闘機部隊創設を検討中で、これが実行に移されれば2035年に退役予定だったグリペンC/Dを維持したままグリペンEを60機調達する必要があるらしい。

関連記事:サーブ、スウェーデン国防装備庁から次世代戦闘機に関する契約を受注
関連記事:グリペンの後継機開発へ、スウェーデンが次世代戦闘機の開発に着手

 

※アイキャッチ画像の出典:Saab Gripen E

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コメント

    • 匿名希望
    • 2022年 7月 18日

    西側3か国ってどこだと思ったら、アメリカ、フランス、スウェーデンとのこと。
    テンペストも5世代…

    4
      • NHG
      • 2022年 7月 18日

      スウェーデンはテンペストに参加してるから米・英・仏の3開発グループって意味じゃないかな

      1
        • 匿名希望
        • 2022年 7月 19日

        元ネタにスウェーデン、フランス、アメリカと書いてありました

      • ネコ歩き
      • 2022年 7月 19日

      独自に戦闘機を一から開発・生産し現在もその地位と技術力を維持している国、という定義じゃないでしょうか。

      1
    • NATTO
    • 2022年 7月 19日

    カクカクした塗り分けの迷彩が珍しい。
    スウェーデンの地形にあわせてる?

    • 折口
    • 2022年 7月 19日

    これから伸びに伸びるであろう第三世界向け需要を考えた時、ラファール/KF-21はステルス性を備えない4.5世代、Su-75にしてもSu-57の技術から飛躍的に向上/高性能化するとは考えづらく見た目の雰囲気ほど低RCS性は追求されていないのではと言われる中で、スウェーデンがグリペン級のサイズと価格性と運用性と汎用性を備えたステルス戦闘爆撃機を市場に投入できれば注目はかなり集まるのではという気がしますねえ。
    問題はステルスグリペンをスウェーデンが必要としない可能性があるというあたりですが(NATO加盟国なら空軍機は同盟国に空中退避すればいいだけなので高速道路からの運用云々はマストビーではなくなる)

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