オランダ海軍の潜水艦入札にはNaval Groupがバラクーダ級、HDWが212CD、SAABとDamenがC-71を提案していたが、オランダ国防省は15日「Naval Groupによる新型潜水艦の建造が決まった」「彼らは最も現実的でバランスの取れた提案を行った」と発表した。
参考:Bouw nieuwe onderzeeboten voorlopig gegund aan Naval (video)
Naval GroupがSAAB/Damenを破ってオランダ海軍の新型潜水艦を受注
約10年前に発表されたワルラス級更新は何も進展がないまま時が過ぎ「新型潜水艦を2025年までに4隻調達する」という計画が破綻、修正された計画も「実現不可能」と判明され、オランダ国防省は2022年4月「最初の2隻は2034年~2037年までに就役させる」と発表し、このタイムラインに基づいてNaval Groupがバラクーダ級、HDWが212CD、SAAB/DamenがC-71を提案。
オランダ海軍のニーズを満たすためSAABとDamenはC-71(旧C718)を共同開発、この提案には独自のメンテナンスとアップグレードを行うための技術移転が含まれ、Damenの直接関与も「評価結果に影響を及ぼす=競合よりも有利」と考えられていたが、オランダ国防省は15日「慎重な入札プロセスを経てNaval Groupによる新型潜水艦の建造が決まった」「彼らは最も現実的でバランスの取れた提案を行った」「この提案にはオランダ産業界にとって重要な役割が含まれている」と明かして注目を集めている。
この新型潜水艦はオルカ級と命名され、オランダは2023年4月「海軍の艦艇は敵のバンカーを破壊するのに十分な威力と射程を備えた攻撃手段を持っていない」「導入するトマホークはフリゲートと潜水艦に搭載される」と発表済みなので、新たに取得するオルカ級4隻へのトマホーク搭載は確定だ。
因みにバラクーダ級はシュフラン級原潜の通常動力バージョンで、同艦の推進システムはディーゼル+リチウムイオン電池の組み合わせになる。
追記:オルカ級4隻のプログラムコストは56億5,000万ユーロ(約9,170億円)だと報じられているが、これは建造費用ではなく調達、運用、保守、廃棄等にかかる総コスト=ライフサイクルコストなので注意してほしい。
関連記事:オランダ国防省、フリゲート艦と潜水艦向けにトマホークを取得すると発表
関連記事:スウェーデンとオランダが潜水艦輸出で協力、カナダ海軍にC-71を提案
※アイキャッチ画像の出典:Ministerie van Defensie
オランダは潜水艦の自力建造を諦めてたのか
じゃあバーベル級の血を引くのは日本だけになったな
自国建造はダメだったのでしょうか。
自国建造するには、日本のような毎年1艦竣工は無理でも、
4年毎に竣工で6艦維持(予備含み)くらいはしないとダメなのかな。
いざ(ドイツがロシアに再占領)となっても大丈夫と見込んだのかな。
残念なことです。
それともKの法則ならぬF(?)の法則が発動したりして。
受注→請負金が倍額化→ライバル登場→逆転、みたいな(黒い笑い)。
前回(オーストラリア)のことで考え直したかもしれないし、そんなことはないかな。
オランダは本当の新造という点では何十年も潜水艦を作っていない。そのような需要でわざわざ自国製造するのはコスパが悪すぎる。
NATO欧州の真ん中くらいに位置するオランダが国防に張り切る意味はないし。
ワルラス級の最後の艦の竣工が1994年でしたから、
今年で30年間ですね。メンテはしていたでしょうけど。
昔、米国がバーベル級潜水艦を造った時、その建造データ
を譲渡した相手先がオランダと日本でした。
米国にしてみれば、オランダは貿易立国/海洋国扱いなんですね。
過去からのオランダの国の有り様もそうだと思います。
陸側から攻められれば、ひとたまりもない国土ですから。
saab案が有力かな?と思っていたので、この決定は意外でした。
あさんや58式素人さんの言う通り、オランダは最初から次期潜水艦の自国建造を諦めていたのでしょうか?潜水艦建造技術の継承と言う意味ではもう遅かったのかもしれませんね。
しかし、バラクーダはオーストラリアの例でも知られた通り、スケジュール的に問題が有るのでは?
これでオリジナルの通常動力潜水艦建造可能国がまた一つ減りましたね。
どうして自国建造しないのかと思って調べたらワルラス級作った会社RDMは1996年に潰れてるのですね
引き取ったのがDAMENグループですが潜水艦は第二次大戦後は作って無いですし、どこまで30年以上受注が無かったRDMの潜水艦技術者を現在まで維持出来たか私では調べられませんでした。
もしかしたら既に技術者やノウハウは失われて久しかったのでフランスの助けが必要だったのかも知れません
実質アタック級の復活か
ワルラス級もインド洋に駆り出されたりしてたしバグラーダ級がスペック通りに完成すればオランダ海軍の無茶振り…もとい高度な作戦に組み込まれていくだろう
理由が最も現実的ですか。実質に他は失格扱いじゃん。
うーん、やはり年一隻ペースで造れないようなとこの潜水艦の建造能力低下が顕著だな。
現実的…なのかなぁ。
アタック級の時も思ったけど、「原潜の通常動力化」って「オール電化のポツンと一軒家で電気と水道が止まった」くらいの状況なんで船殻以外ほとんど全改修とかになりそうなんだけど…。
「シュフラン級の船殻にスコルペヌ級の中身を詰め込む」だと船体規模の差が大き過ぎるし。
まあ今回は「アタック級の遺産」が使えるからマシ…なのか?
10年前にやるよと言ったきりだったら
下請けなんて廃業してるとこいくらでも出てるレベルだからしょーがない
いつ発注来るかわからないもののためにライン空けとかないといけないなんて無理
生き延びるためにはそれ以外の仕事も受けなければいけないし
受けてしまえばその仕事の方が優先される
作れと言えば何年たっていてもすぐ作れる?
増やせと言えば何倍にでもすぐ増やせられる?
軍事関係は工業とかその辺舐めすぎでは?
まさに、仰る通りです。
EU指導部・ヨーロッパ諸国を見ていても、ウクライナ戦争での対応に、少し感じる場面がありました。
政治屋が、いつも困った時に企業や社員の面倒を見てくれるとは限らないですからね。
本気ならば、平時から生産ライン維持のために、資金を投入してるだろうなと。
軍事関係は砲弾やらでww1以降毎回戦争のたびに死人だしてるわけで舐めていないと思うよ?
ただ議会とかで金がつかんのだ・・・
そして抑止力考えると正面装備頑張らざるを得なくて後回しにせざるを得ない
結果こう言う事になって\(^o^)/かと
一般的に、生産ラインを一度閉じると、再開するのは難しいですからね。
重厚長大型の産業の場合、下請け企業も多くなりますから、ゼロから彼らを探して・お願いして・生産再開や新規生産して貰わなければなりません。
軍需生産の中でも、機密性の高いものは、特に面倒くさいなと。
生産開始に時間がかかるうえに、許認可が面倒くさく、外販も難しいため量産効果が働きにくい特徴があります。
資本効率が悪いですから、余程の好条件がない限りは、新規参入は見込めません。
結局軍需工業を民生から切り離してそれだけで維持するのは無理があるってこと
アメリカもヨーロッパも自由貿易主義の建前の中で軍需だけを例外扱いにして保護すれば大丈夫だと思い込もうとしてたけど
仮に維持できたとしても技術的に劣ったものしか調達できなくなったりすることもあるし
たとえばハーモニックドライブっていう主に産業用ロボットの関節とかに使う精密減速機があるけど
アメリカは軍需向けのものをわざわざ技術的に30年以上遅れた民生用途では競争力がない古い製品しか作れない企業から調達してたり
国内調達できるようにするのは大事だけど軍需だけで維持しようとするとそういうことが起きがちになる
じゃあCOTSで商用品使えや!って話も出てくるけどこっちはこっちで
軍用の仕様満たしてくれるか怪しい(気候や被弾時のあれこれ)
頻繁に物がかわって適合性の確認に金人物のコストかかったり
いつディスコンされるかわからんとか
規格そのものが消えてしまう場合もあったりでなぁ
そもそも論なんですがオランダが潜水艦で何処で何をしたいんでしょうか。
4000t級の通常動力型潜水艦って、ツッコミどころが多いと思うんですが。
韓国みたいにAIPもVLS12基も積みたいとか言うならまだ分かりますけど。
想像を交えて言います。NATO軍全体の括りで考えて。
オランダ海軍はスカゲラック海峡を出てからの、
北海、/ドーバー海峡/ビスケー湾/ノルウェー海/北大西洋の
防衛を担当する海軍部隊(他にはデンマーク/ノルウェー/英国/etc)
に組み込まれていると思います。
ノルウェー海と北大西洋は外洋です。ですから大型になると思います。
トマホークは今回の要求に入っていますね。VLSでなくても良いと思います。
英海軍は魚雷発射管から運用しています。
そのために、わざわざ米国に魚雷発射管用のものを作らせています。
AIPも要求していますね。ここは様子見ではないでしょうか。