米海軍は予算不足でバージニア級原潜の後継艦(SSN-X)建造を2031年から2035年に変更していたが、Defense Newsの取材に「2040年代初頭にSSN-Xの建造を開始する」と明かし、DDG-X開発を維持するためSSN-XとF/A-XXへの資金供給を遅らせるつもりだ。
参考:Navy delays next-generation submarine start to early 2040s
DDG-Xの開発を維持するためSSN-XとF/A-XXへの資金供給を遅らせるという意味だろう
昨年成立した財政責任法の制限を受け、2025年度予算案に含まれる国防関連の予算(国防総省向けの資金と核兵器の開発や維持に関するエネルギー省向けの資金など)は1%増の8,952億ドルに設定され、インフレの影響をカバーできないマイナス予算を受け入れるため、国防総省は前年度の計画から100億ドル以上の削減を余儀なくされている。
米海軍も財政責任法の影響を受け、F/A-XXへの投資を15億ドルから5億ドルに、毎年2隻づつ発注してきたバージニア級原潜を1隻に削減、フォード級空母5番艦の調達を2028年から2030年に、大型無人水上艦の調達を2025年度から2027年度に延期し、資金供給が維持されたプログラムも軒並み予算が削減されていたが、SSN-Xの建造時期も2040年代初頭に変更するらしい。
シーウルフ級はソ連のアクラ型に対抗できるハイエンドの攻撃型原潜として、後継艦のバージニア級は沿岸海域での作戦能力や陸上攻撃等の多用性を重視して開発され、BlockIV×10隻とBlockV×10隻の建造が決まっており、BlockVI×5隻とBlockVII×5隻の建造もほぼ確定しているが、米海軍は2021年春「SSN-Xを2031年に建造する」と言及していた。
米海軍はSSN-Xのコンセプトについて「バージニア級にUUVや海底センサーを組み合わせようなものになる」と述べていたものの、ロシア海軍の復活を受けて「シーウルフ級に先祖返りする」と示唆し、2022年度予算案の中で「あらゆる環境下で隠密性を維持したたま高速航行が可能」「バージニア級よりも多彩で多くの武器を搭載できる」と説明していていたが、開発予算の確保が困難なため2031年から2035年に建造時期を変更。
さらに予算状況が悪化してDDG-X、SSN-X、F/A-XXの同時開発が難しくなり、Defense Newsの取材に米海軍は「2040年代初頭にSSN-Xの建造を開始する」と明かし、これは「DDG-Xの開発を維持するためSSN-XとF/A-XXへの資金供給を遅らせる」という意味だろう。
因みにDDG-X開発への資金供給も遅れ気味だが、今のところ米海軍は「2032年からの建造開始」を維持している。
関連記事:米海軍は資金不足、中国海軍とのギャップが287隻対395隻に拡大する可能性
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関連記事:海軍長官、F/A-XX、DDG-X、SSN-Xの開発を1つに絞れと指示
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※アイキャッチ画像の出典:Photo by Petty Officer 1st Class Charlotte Oliver
>ロシア海軍の復活を受けて
今年のアメリカ大統領選挙でバイデンの続投が決まればウクライナ支援は継続され、ロシアの海軍力を削ってくれるかもしれない。一方トランプが当選してしまったらウクライナ戦争は中途半端な状態で停戦、豊かな東ウクライナを獲得したロシアは陸軍を立て直した後に海軍力の強化を図るだろう。明日の平和と西側の結束の維持のためバイデン大統領の当選を強く望む。
長い時間軸で見れば中国とロシアは少子化と移民流出による人口減は避けられず、現在のペースでの軍拡は困難になる。アメリカは黒人とヒスパニックの出生率が高く移民の流入が続くので人口は増加し続け、長期に渡る軍事力の維持が可能と思われる。軍隊は大量の若者と税金を必要とするので老人の割合が増える社会では社会保障費に予算が割かれ、税収を確保するため若者を従軍させるような余裕はない。
> アメリカは黒人とヒスパニックの出生率が高く移民の流入が続くので人口は増加し続け、長期に渡る軍事力の維持が可能と思われる
そんな先のことはわからなんが、まずは今年の新兵採用数を目標に達してからだな
2020年のアメリカ国防総省のレポートでは17〜24歳の若者の71%が兵士に適さないと報告されています。
人種、収入別にはなっていませんでしたが、マックが主食になって薬物汚染の酷い貧しい地区に住む黒人とヒスパニックにはあまり期待出来そうにありません。
アメリカは外国と戦う前にまず肥満と薬物と戦い、勝利する必要があると思います。
>アメリカは外国と戦う前にまず肥満と薬物と戦い、勝利する必要があると思います。
プーチンに見透かされてるのに直さないあたり、根が深そう。
パックス・アメリカーナの夢が続くのを願ってるみたいですね
黒人大統領オバマが宣言したようにアメリカが世界の警察官の
時代はすでに終わりました。
移民問題はアメリカの格差対立を深刻にし益々内向的な政権に
なるのです。対してロシアは米欧資本が撤退したが生産設備は
タダ同然で手に入れ、マックを代替営業し日本が失敗した民間
航空機産業も復活している。中国は米欧の半導体規制を乗越え
先端半導体の開発が急ピッチで進んでいる。中露の’軍事力強化
繋がっている。 日本はGAFAに支配された経済植民地で衰退
パックス・アメリカーナの夢が続くのを願ってるみたいですね
黒人大統領オバマが宣言したようにアメリカが世界の警察官の
時代はすでに終わりました。
移民問題はアメリカの格差対立を深刻にし益々内向的な政権に
なるのです。対してロシアは米欧資本が撤退したが生産設備は
タダ同然で手に入れ、マックを代替営業し日本が失敗した民間
航空機産業も復活している。中国は米欧の半導体規制を乗越え
先端半導体の開発が急ピッチで進んでいる。中露の’軍事力強化
繋がっている。 日本はGAFAに支配された経済植民地で衰退
米の軍需産業は実現可能な納期を示すべきでは…
建造時期の先延ばしは、結果的に高くなる事もあるのが難しいところですね。
ラインの再稼働に時間がかかったり、高度な部品メーカーが潰れたり、製造を止めたりする事があるからです。
原子力潜水艦は、原子炉だけでなく、(潜水艦として)高度なバルブやスクリューなども必要になるのが難しいですね。
記事は、発注側の問題かと思います。
仰る通り、受注側に問題があるものも見かけますよね。
受注側の問題も大有りだと思いますよ
予算が足りないって言うけどそもそも馬鹿みたいな高コスト体質になってるのは企業側にかなり責任があるはずだし
独占・寡占のため、どうしようもないという本質に、行きつきそうな気がしますね。
特殊な商品のため(特に原潜)、特殊な認可・膨大な設備投資・ノウハウなどが必要であり、新規参入が見込めない業種です。
企業間競争が生まれにくく、10年後も20年後も、似たような問題は続いていくでしょう。
しかし、乾ドックに揚がった潜水艦のケツの写真なんて、日本なら絶対防衛機密だとか言って撮らせませんよね。
おおらかなんだなあ。
言っては何ですが中国をぶっちぎって一位のアメリカでも不足になるのですな
あ、中国には表に出てない軍事費が云々は承知していますので結構です
建造時期の先延ばしは、結果的に高くなる事もあるのが難しいところですね。
ラインの再稼働に時間がかかったり、高度な部品メーカーが潰れたり、製造を止めたりする事があるからです。
原子力潜水艦は、原子炉だけでなく、(潜水艦として)高度なバルブやスクリューなども必要になるのが難しいですね。
純粋に老朽艦の更新メインで取捨選択しないと現在のひどい財政状況では無理ではという感想。タイコンデロガの更新が遅れている間に何隻の中国の新型艦が就役するんですかね。
日本はオーストラリアに続いてFFMを売り込むチャンスかもですが、米軍の案件はややこしそうです。
2026年までに055型駆逐艦(第2バッチ分)は3隻就役予定ですな。
003型空母や076型強襲揚陸艦も2026年までに就役する予定です。
退役するタイコンデロガの代替はもちろん、アーレイバークも排水量不足で弄くり回すのも限界、CGXも諦めてDDG-Xに一本化したのだからこれだけは何とかして欲しいところです。それに2038年より遅れるんだろうな、多分。
予算の選択と集中を考慮すれば、攻撃型原潜は後回しにせざるを得ないでしょう
ロシアも当面海軍に予算を割くことは難しいでしょうし、こちらは気にする必要はありません
中国がかつての日本みたく「今の海軍戦力比なら勝てるかも」とか暴発しないと良いのですがこの軍縮見て
単純にシーウルフ級の復活で良いのでは。
原子炉のメンテフリー化を確実にする必要はあると思うけど。
はて、ロシア海軍って復活しましたっけ
自前のDDG諦めてSSN-XとF/A-XXに投資した方が良いと思うんですが
原子力潜水艦はすでににっちもさっちもいかない状況で、FA-18EFの後継といっても現行機種のF-35Cがあるし、一番芽があるのはDDG-Xではないでしょうか。(それにすでに空母の存続自体将来的に危うい状態ですし)
それとDDG-Xって、満載排水量が大きい13500tで、中国の055型駆逐艦(満載排水量13000t)に対抗するとなると、他の大型イージス艦のまや型や世宗大王型でも小さいなので、自前にするしかないのではないでしょうか
ほかに同じくらいのイージス艦となると失敗したズムウォルト型(満載排水量14797t)か、すでに珍兵器の匂いのする日本のイージスアショア搭載艦(満載排水量15000t~16000tらしい)しかない
最近の兵器は珍妙な見た目のが多いですね 最新技術を駆使して作ったとは思うのですが、、、、
バブルのピークに中東でへんてこな見た目のビルが大量に作られたことを連想します
祭りが終わりつつあるということでしょうか・・・
>バージニア級原潜を1隻に削減
AUKS原潜にリソース回せるということ?
レーガンがヤングレポートを無視するからこういうことになる
アメリカの製造業を復活させるためにわざわざ自分で委員会作ったのに結局知財保護と他国への通商圧力以外の政策は採用しなかったし
それで日本を構造協議で締めあげて弱くすることには成功したけど
自分が強くなる方法を考えないと根本的解決にならないって全然分かってないんだよなアメリカ人って
まあ、委員会の座長は製造企業の社長だけど大統領の経済顧問は市場原理主義の新古典派の経済学者だから
提言通りの産業政策が実行される可能性ははなからほとんどなかったけど
議論とは関係ないですが、トップの写真見るとやはりスクリューにはシュラウドリングは付けてるんですね。布?のカバーはかけていますが、シュラウドリングは二重につけているように見えます。どんな構造なのかなあ。
行政の統治能力のなさも酷いけどこれはアメリカ企業の質的劣化のせいで予算不足がどうとかだけの問題じゃないしマインドセットを完全に転換しないと20年後にはまじで中国に負けてるよ
日本は一蓮托生なんだからなんとかしてくれないと
中国の成長速度を考えると20年いるのかなって気がする
10年前とは質が違う
YMTCのNAND、ロジック半導体の進歩、EV、ディスプレイ、造船にインフラ
製薬やバイオ方面が弱いけどハード主体の製造業は脅威としか言いようがない
未だにパクリとか爆発とか嘲笑してるのは技術力が見えてないのかな
まあ、国の要求と平気で違う予算付けてくるし議会も議会だけど
なんかもうとにかく一貫性がないよね
行政も議会も企業も
だいぶ前に都知事だった石原新太郎氏が日本の官僚はなにが自分たちの取柄かって訊いたらコンティニュティー(継続性)だって答える馬鹿って言ってたけど
コンティニュティーはやっぱ大事
>自分たちの取柄かって訊いたらコンティニュティー(継続性)だって答える馬鹿って言ってたけど
より正確に言うとコンティニュティー(継続性)とコンシステンシー(一貫性)だって答える馬鹿って
過去に、DDG-X、SSN-X、F/A-XXの中から1つに絞る必要があるとの記事がありましたが、その答え合わせですね。
継続的にフォローしてくださるのは、本当にありがたいです。
ちなみに、その時、私はSSN-Xと予想しましたが、既存艦のメンテナンスも十分に出来てない現状、新規開発が後回しになるのは当然ですね。
結局米海軍はSSN-Xをどうしたいんだろうな
UUVの母艦にしたいのか各種ミサイルのプラットフォームにしたいのかハンターキラー性能を極めたいのか
全部詰め込もうとするとそれこそシーウルフ級のようなコストの高騰で失敗するだろう
アメップさぁ…なんだい?この体たらくは