フランスのマクロン大統領は月曜日に開幕したパリ航空ショーで「SAMP/Tの運用がウクライナ国内で開始されている」と発表、これでウクライナが運用するミサイル防衛対応の西側製防空システムは3基になった。
Aster30Block1(PAC-3弾に相当)なら射程600kmクラスの弾道ミサイルを迎撃することもできる
イタリアのラ・スタンパ紙は先月15日「イタリア提供のSAMP/Tがウクライナに到着した」と報じたが、駐イタリア・ウクライナ大使は現地メディアの取材に「イタリアは防空システムを提供する役割を既に終えており、フランスの役割を待っているところだ。システムの実戦投入に関する正確な時期はまだ決まっていないがもう直ぐだ」と明かし、まだSAMP/Tの実戦投入には時間がかかると示唆した。

出典:Georges Seguin/CC BY-SA 3.0 Arabel
ウクライナに提供するSAMP/Tの長距離レーダーの「Arabel」はイタリアが、迎撃弾の「Aster30」とこれを収容する「ランチャー」はフランスが提供する予定なので、フランスの役割を待っているというのは「ランチャーとAster30がウクライナに到着していない」という意味だが、マクロン大統領は月曜日に開幕したパリ航空ショーで「ウクライナ国内でSAMP/Tの運用が開始されている」と発表して注目を集めている。
マクロン大統領は「フランスとイタリアが提供したSAMP/Tがウクライナ国内に配備され、既に運用が開始されており、重要な施設と人命を保護していると発表できることを嬉しく思う」と述べており、これでウクライナが運用するミサイル防衛対応の西側製防空システムは3基(米国とドイツ・オランダがパトリオットを1基づつ提供)になった。

出典:U.S. Army photo by Eugen Warkentin パトリオットシステム
因みに仏伊が共同開発してSAMP/Tは最大100個の目標を同時に追尾することができ、迎撃弾のAster30(作動範囲は高度3,000m以上の目標に対して100km/高度3,000m以下の目標に対して50km)を使用して16個の目標と同時交戦が可能で、Aster30Block1(PAC-3弾に相当)なら射程600kmクラスの弾道ミサイルを迎撃することもできる。
追記:ロシア人は「ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ少将がミサイル攻撃で負傷し、搬送先のドイツで治療を受けているものの重症だ」と主張していたが、駐ウクライナ・日本大使の松田邦紀氏と会談するためブダノフ少将が現れたと報じられている。

出典:Emine Dzheppar
この写真はウクライナのエミネ・ジェパル外務次官がFacebookで公開している。
関連記事:伊首相がキーウを訪問、SAMP/Tを含むウクライナ支援パッケージを発表
関連記事:イタリアが提供したArabelはウクライナに到着、SAMP/Tの実戦投入はフランスの役割まち
※アイキャッチ画像の出典:Italian Army/CC BY 2.5
ISWがウクライナの反撃は一時停止される可能性があると言っているな
ささやかな土地奪還すらかなわないのではないのか?
迎撃弾不足&システムの不足の二つの問題がウクライナを悩ませていますが、解決に向かうと良いですね
あとブダノフ少将生きていたんですね、よかった(コナミ)
これは見事な写真です。
まあ、ロシアは昔撮影された写真と主張するのでしょうけど。
ザルジニー司令官も動画が出ましたね。
たくさんあるモニターの中、テレビ番組を受信しているモニターだけモザイク無しなのは日時特定に使えという自信があるのでしょう。
しかし、ロシアはこんな事を続けていると誰も信用しなくなりますし、恥ずかしくないのでしょうか??
まあどちら側にしても「恥ずかしくないのか」と言われれば、基本戦争が始まって仕舞えば正義なんてないわけですから、羞恥心とかそういうのは捨てますよね。
勝った方が正義で負けた方が悪。歴史はこれの積み重ねなわけですから。
尤もウクライナ側もロシア側も自分達が把握している情報を広報しているだけという擁護もできますが。
この戦争の情報の取り扱いの複雑な所は、ロシアはロシア国民さえ欺ければ十分なので、何の証拠がなくても荒唐無稽な戦果でも、好き勝手言い続けていられるのに対して、ウクライナは諸外国の支持を得なければならないので、ある程度実態に基づいた主張と、視覚的証拠が求められる点に違いがある事です。また、一方的に自国が戦場となっているウクライナは、都市部の被害や反攻作戦の詳細など一部の情報は秘匿しなければなりません。
この立場の違いを無視して「どちらも大本営発表だ」と結論付けるのは単純な思考ですが、本質を見誤ります。
まあ、中国あたりが「ロシアは着実に戦果を挙げている、西側諸国は無駄な支援は止めて速やかに停戦した方がいい」とでも言ってくれれば、ロシアの主張にも多少なりとも説得力が加わるのですが、中国がロシアの戦果を支持した事がほとんどないので、さもありなんという感じですね。
本土防空用の地対空ミサイルは、十分な数を用意すること、そのためには自前で生産する必要があると思い知らましたね。
国もミサイル工場の建設費を出すと言ってるけど、新対艦ミサイルや反撃用ミサイル、島しょ防衛用滑空弾、中SAMファミリーの大量生産を想定すると、今後日本は世界有数のミサイル生産国になるんでしょうね。
さすがにそこまで装備を生産・配備する体力は現在の日本にはないと思いますが…
バブル真盛りの好景気な頃なら兎も角、人口もGDPも右肩下がりな令和の時代にそれを求めるのは余りに過酷ではないかと
北朝鮮ばりに先軍主義を強行していくならば実現も可能でしょうが、そもそも生産施設すら海外へアウトソーシングしまくった挙げ句、数少ない国内施設も外資に買われてる有様では…
対艦ミサイルはダメかもしれませんが、地対空ミサイルシステムは防衛用として輸出すれば量産効果も出ると思いますけどね。
今回のロシアによる侵略を機に議論されると良いのですが。
防衛省の政策評価を見ても、ミサイル関係は主なものだけでも、
12式地対艦ミサイル能力向上型(スタンドオフミサイル)及びファミリー化
極超音速誘導弾
島嶼防衛用滑空弾及び能力向上型
中SAM改善型
HGV対処誘導弾
があって、予算規模もミサイル以外の他の項目とは桁違いなんですよね。
これ全部の開発費と調達費は軽く1兆円を超える規模になるでしょうから、防衛費増やさないとどうにもならんでしょう。
それでもF3よりは安いですが。
あんな日本を恫喝するような意味不明な動画を出されてノコノコ会いに行ったのか…
ブダノフ局長は例の日本国旗が映った動画に続いてまた日本を絡めてきたね。水面下で何かが進んでいるのかな?
なんか不思議なんだな。
イスラエルは同祖論や杉原千畝氏の件があるからわかるんだけど、ウクライナとは因縁無い気がするのに日本とウクライナだけの国旗って何だろう。
因縁深いロシアやベラルーシがアレだからか ?
自分ならやっぱりEUに擦り寄って、私たちもヨーロッパ人だと叫ぶと思うんだが。
ザルジニも死亡説を垂れ流している方々がいましたが
ロシアのプロパガンダ報道と最近姿が見えないとか言うよく分からない根拠しかなかったのでさもありなんですね
近頃、ウクライナ軍の高級指揮官の死亡情報が頻繁に流れるので、
不思議に思っていたのですが。
他所の記事を見ると、かなり目立つ指揮車に乗っているとのこと。
それで、オルランとランセットに、見つかるのだとか。
他人事ですが、やり方を変えた方が良いのかな、と思います。
58式さんを疑うわけではないですが、生存情報が確認されたザルジニーさんやプタノフさん、シルスキーさんでは無いとすると死亡した指揮官は誰ですか ?
その手の死亡情報には疎くて。
誤解される書き方をして申し訳ないです。
素人は、指揮官の死亡情報の確認していたのではなく、
死亡記事が書かれた根拠(原因?)に関心があったので。
他所の記事に、ウクライナ軍のコマンドポストについての
説明があり、コメントに書いた次第です。
何故、ロシア軍が記事の三氏の所在(?)を知り、
攻撃することができたのか、ということです。
ウクライナ·ロシア双方が相手国に大量のヒューミントを仕込んでいるでしょうし、通信傍受やSNS情報の解析等々ターゲットの動向確認の手段的はあると思います。
2014年のドンバス戦争では、ウクライナ軍指揮官の母親に息子が負傷したと嘘の連絡をして、母親が息子の個人携帯に電話した電波解析で殺害したりしていますしね。
日本も暗号通信の解析で、山本五十六連合艦隊司令長官を待伏せされていますし。
私もウクライナ軍の高級指揮官(旅団長級以上)が戦死したと言う情報は知らんですね
序盤戦で数人大佐級が戦死していた記憶はありますが