独WELT紙は17日、ウクライナがRCH155を独KMWから直接購入したいという要請に「政府がゴーサインを与えた」と報じており、駐独ウクライナ大使も「素晴らしい支援だ」と述べている。
参考:Deutschland liefert weitere Geschütze an die Ukraine
ロシアとの戦いが2年も3年も続けばRCH155の出番もあるかもしれないが、果たしてそこまで戦いが続いているだろうか?
ウクライナのレズニコフ国防相は7月中旬、ドイツのランブレヒト国防相に宛てた書簡の中で「独KMWからRCH155を18輌購入したい(2億1,600万ユーロ相当)」と要請、WELT紙は駐独ウクライナ大使の話を引用して「ドイツ政府はこの要請を承認するかどうか躊躇していたが、最終的にウクライナへのRCH155輸出と資金調達を承認した」と報じている。
RCH155とはPzH2000の技術を流用して開発したモジュール式の砲塔システム「AGM=Artillerie-Geschütz-Modul」をボクサーの車体に統合した装輪型自走砲で、PzH2000とほぼ同等の射撃性能を備えておりスイスと英国(予定)に提案しているが、開発が完了したばかりのRCH155を採用した国はない。
ただRCH155はPzH2000と部分的に互換性があり、武器システムの操作方法に至ってはほぼ同じなのでPzH2000を使用するウクライナ軍にとっては有り難い装備だが、ウクライナは独KMWから100輌のPzH2000を直接購入する予定(独政府は承認済み)なので、どちらかというとRCH155調達はウクライナではなくドイツ産業界の意向=実績作りではないかと勘ぐりたくなる。

出典:7th Army Training Command from Grafenwoehr, Germany / CC BY 2.0
新規に製造するPzH2000の引き渡しは2024年に始まる予定だが、RCH155の引き渡しは「早くても30ヶ月後=2025年前半」と独KMWが明かしているので、PzH2000ですらロシアとの戦争に間に合うのか微妙なのにRCH155に至ってはほぼ絶望的だ。
勿論、ロシアとの戦いが3年も4年も続けばRCH155の出番もあるかもしれないが、果たしてそこまで戦いが続いているだろうか?
関連記事:ドイツがPzH2000×100輌のウクライナ売却を承認、売却額は17億ユーロ
※アイキャッチ画像の出典:KMW
自衛隊も16式機動戦闘車ベースで155mm自走砲を作れば良いものを。
19式もFH70より逃げ足の観点からマシだけど、敵弾やNBC戦には不安が大きい。
その不安は大半のトラック式自走砲にも言えてしまうのでは…
何でそう適当な事が言えるんだろうな陸自にこれ以上高価格なおもちゃはいらない。99式全廃しての後継ならあり得る話だろうが、そんな物をわざわざ作るぐらいなら上陸阻止の為に長距離対空対艦装備調えて貰った方が良い。もしくは長射程の榴弾砲か。
こいつはモジュール構造採用したボクサーだから性能が高く安価に作れるわけで16式ベースにしたら魔改造レベルで高さが世界一のトップヘビー榴弾砲の完成だろう。もしくは仰角と砲弾数制限した中途半端な性能で高価な物しか出来ない。
メルケルによるウクライナのNATO加盟潰しからの生殺し兵器支援。
今般の侵略戦争対応ではドイツの姑息さが目につく。
ろくに武器供与してこなかった国の人が曲がりなりにも世界第4位のウクライナ支援国を批判する権利はないよ
ろくに、ではなく全くしてない国の人でした。
猛省します。
ドイツの場合は他国のウクライナ支援をあの手この手で邪魔してる様に見えるのが印象悪いのかと。しかもそのあの手この手の辻褄が合ってないし。
そもそもNATO・EU所属の複数の国がウクライナと国境を接してる以上、両方の中核国であるドイツと、加盟もしてない日本とじゃ求められるものも立つ名分も全然違うし、何より地理的要因が違い過ぎるので直接比較は無意味でしょう。
避難民向けの支援物資やら輸送支援やらは提供してるし、支援額で言えば独仏英を除く欧州国よりは多いくらいだし。
なぜ自走砲がよくて戦車は駄目なのかコレガワカラナイ
どっちも車体に砲塔が載ってるじゃないか(素人なみの感想)
結局スペインのレオパルド2供与の話は政府の支持集めで「倉庫でホコリ被ってて修理しないと渡せない」とか断ってたし(ガッカリ)
まぁドイツにしても旧ソ兵器をウクライナに「指輪交換」したポーランドやチェコにドイツ製戦車や装甲車わたす分で余裕ないのか実情でしょうけど
直した40台のマルダーもギリシャ行きに決まりましたし
戦車砲を積んだ自走砲なら良かと?
MCV「呼びました?」
何か第二次世界大戦の教訓でドイツの戦車は二度とロシアに砲を撃ってはいけないだかなんだか
暗黙のルールだかがあるみたいな話を見た覚えが、日本の憲法みたいな感じやな
ふむ、砲塔が回らなければ良いのでは。
砲兵科の所属にするのと、名前にヤークトを付けなければ戦車扱いは避けられる。
「戦闘車」とか「重装甲車」とかに名前を変えればセーフにならないかな?ドイツ製なら重トラクターとか。
お相手のロシアも重航空巡洋艦とかやってるし・・・
一見バランス悪そうに見えるが、重量がアーチャーより重い35〜39トンもあるから大丈夫・・・だよな? 記事のじゃなくてユーチューブの動画だとけっこう揺れてたが。
あと19式なんてザコじゃなくてこれ買えとか言う奴が現れそうだが、C-2どころかA400Mでも運べないこれを新たに導入するより空輸できるし射程長いし弾種が多様化できるからHIMARS買った方が良いと思う。
だって上陸作戦の予定地に固くて撃破に手間がかかる戦車が防衛してたら、上陸側が困っちゃうじゃないですか〜(素人の発言です)
返信ミス。
分かるとは思いますが「伸縮性のあるボクサー型のスパッツに近い装甲車」さんへの返信です
30か月後なんてプーチンがこの世に居るかどうかすら怪しいんだが
俺も死んでから30ヶ月ぐらい経つけど、今もこの世に留まってるから意外と居そう
成仏しろ(直球)
エロイムエッサイム
正直2025年納品では、戦後のウクライナ軍再建需要の先行発注みたいな話になっちゃってますね。
何にせよ、30ヶ月後にはプーチンのいない世界になっていてほしいものです。
ドンバス、クリミアまでとなると休戦は有っても終戦にならないかも。そうなれば38度線挟んでにらみ合うなら間に合うのでは?
推測だが西側はそれ目標に支援の品目調整してる感はあるな
管理人さんが指摘されてるとおり、実績づくりのために押し付けられてるっぽい。
でもこれで、至急に必要な装備品を得られるのなら、ということかと。
そこをドイツがちゃんとケアしてくれるかというと、若干、不安も感じる。
ウクライナはヨーロッパにとって対ロシア防波堤としての役割がある以上、たとえ戦闘に間に合わなくても戦後を見据えた軍備は続けなければ
結果として経験豊富な軍事大国が生まれることになるが、それが世界の不安定要素に繋がらないように西側は政治的、経済的に支援を続ける必要がある。
ここまで来たらプーチンが消えたあとまでウクライナの面倒をみないと、
戦後のウクライナが野望の国トルコと枢軸関係を立てたりすると新たな波乱が巻き起こる
この戦争規模縮小してもプーチン大統領が失脚か寿命で死ぬまでしそうだから、ドイツ戦車が活躍することはありそう。
権力維持のためにもあと四年ぐらいはプーチンが権力握り続けて戦争状態続けそうだからな
>どちらかというとRCH155調達はウクライナではなくドイツ産業界の意向
ドイツ軍需産業界は、ショルツ政権がウクライナへの武器援助を遅らせた結果、巨大な商機を失ったと視ており、ドイツ社民党(SPD)への支持を見直すと脅しています。しかし、エネルギー産業界に軸足を置くSPDは、ロシアとの関係修復を望んでおり、ウクライナへ過度に肩入れする気はないので、ショルツ政権はウクライナへの重火器販売を許可しても、納期を遅らせるように工作するでしょう。ウクライナ戦争が長引くほど、エネルギー産業界もショルツ政権も苦しくなります。
これでポーランドからの印象もどんどん悪くなっていくと…
似たようなのを現代さんが作りそう。
台湾も雪豹シリーズで出してくると思う。
いろいろウクライナも自走砲使ってるけど、PzH2000を気に入ったから(謎のエラーが出るまで酷使してるし)その装輪バージョンだから買うんじゃないのかな
ウクライナの戦場で自走砲は陣地移動も頻繁、戦域も東も北も南もと広かったりと
装輪車両の機動性が大幅にプラス評価なのかもしれない