ギリシャ議会は20日、トルコが強く反対していた領海の拡張法案を承認して注目を集めている。
参考:Greece OKs doubling territorial waters in Ionian Sea
参考:Greece’s Ionian extension does not affect Turkey, MFA says
イオニア海以外の領海拡張にも言及したミツォタキス首相の狙いは27日から始まるトルコの協議への牽制球か?
ギリシャは隣国との関係を考慮して一般的な12海里(約22.2km)ではなく6海里(約11.1km)の領海を設定してきたが、イタリアとの排他的経済水域(EEZ)策定が完了したためギリシャ政府はイオニア海の領海を12海里へと拡張する法案を議会に提出したが、この動きに反対してるのがイオニア海と無関係のトルコだ。
この法案はイオニア海の領海拡張を想定したものなのだがトルコは同法案を根拠にギリシャ側がイオニア海以外の領海も6海里から12海里へと拡張するのではないかと懸念しており、ギリシャに対して「領海拡張への動きはトルコとの全面戦争を引き起こす可能性がある」と強く牽制していたが、今月20日にギリシャ議会は提出されていた領海の拡張法案を承認してしまった。
さらにミツォタキス首相は法案採決前に行なった演説の中で「ギリシャはイオニア海以外の領海拡張の権利を保留しているがクレタ島東側の領海拡張を計画している」と語り、トルコ側が危惧していたイオニア海以外の領海拡張を具体的に表明した格好だ。
これに対してトルコ外務省は「ギリシャの領海拡張法案はイオニア海に限定されたものでトルコが重要な権利と利権を有するエーゲ海方面には影響を与えない」と声明を発表、さらに「航行の自由やトルコの公海へのアクセスを制限するエーゲ海の領海拡張は行われるべきではない」と付け加えてギリシャの領海拡張がエーゲ海に及ぶことを牽制している。
因みにギリシャとトルコは今月27日、深刻な軍事的対立を引き起こした東地中海の排他的経済水域(EEZ)問題を話し合うための協議を行う予定で、このタイミングでの領海拡張法案の承認はトルコに対して「EEZ問題で話し合いが決裂すればエーゲ海の領海を合法的に拡張する」と脅しているようなものかもしれない。
果たして27日から始まる両国の協議は穏やかものになるのか荒れ狂った激しいものになるのか非常に注目される。
関連記事:トルコとの戦争も辞さないギリシャ、来週中にも領海拡張法案の採決を実施
※アイキャッチ画像の出典:seligmanwaite / CC BY 2.0 ギリシャ海軍のエリ級フリゲート2番艦「リムノス(F-451)」
ギリシャが強気に出る根拠は何なんですかね
軍事優位じゃないよね、引くに引けない内政向けパフォーマンス?火遊びとしか
国内のからの圧力は一番怖いからのぅ
それが理由で戦争始めた極東の島国もあるし、ま多少はね
去年夏、ギリシャは東地中海を巡るトルコとのEEZ問題でトルコ側にあしらわれ、フランスを除くNATO諸国にも相手にされなかったから、今回「出来る所」から反撃を始めたって所かな
既に、ギリシャはフランスからラファール戦闘機を導入する事を決め、米国からもF-35戦闘機等の兵器導入を進めているから、戦争になった時の準備に加えて味方となり得る国も見定めた上で、今回の行動に出たと思う
次は27日に予定されていると言うトルコとのEEZ協議がどうなるかだけど、これは簡単に話は進まないと思う
結構面白いニュースだと思うけど日本のメディアは取り上げないのかな?
海外メディアのニュースを翻訳するだけの現地特派委員しか居ないから
生の情報をいち早くってのは無理だね
精々BBCかCNNが数週間前に流した物を翻訳して流すくらい
トルコとギリシャ開戦で欧州は景気回復。近場の戦争は儲かるから羨ましいよ。
砲火の下を難民の大群がああ!!
そもそもトルコに反対する権利あるのか?
本来ならギリシャは日本のように全ての領海は12海里にする権利を持ってるのにトルコを優遇して6海里にしてあげてただけなんだろ
日本が韓国に貿易面での優遇を与えていただけなのに優遇を廃止したら「自分たちは優遇を受けて当たり前だ」と主張する韓国と同じだろコレ
Google地図で「エーゲ海」を検索すると分かるのだけど、実を言うとエーゲ海を北東方向へ行くとマルマラ海を通って、最終的には黒海の入口に当たる世界的に重要なチョークポイント・ボスポラス海峡に至るのだけど、そこが問題なの
現状の領海6海里制だと、ボスポラス海峡を通る船はエーゲ海を航海する時にギリシャ・トルコの領海を通過せずに公海を通って地中海か黒海へ行けるのだけど、もしもギリシャが領海12海里制を取ったら、エーゲ海を通る船はギリシャ領海を必ず通らないと行けなくなる
これはトルコだけで無く、ロシアやウクライナ等の黒海周辺に港を持つ国にとっては死活問題となるので、下手をするとトンデモない国際問題になる
ジブラルタル海峡のせいでスペインと地中海諸国は戦争になっているかというと、そんなことはないですよね。
国際海峡に指定すればよいわけです。
外交交渉もなにもなく脅し一辺倒じゃそんな話もできなくなってしまいます。
トルコは外交努力が足りません。
ちょっと君、釣りのつもり?
ボスポラス海峡はね、近くにあるマルマラ海・ダーダネルス海峡と共にモントルー条約で通行制度が定められていて、立派な国際海峡だよ
俺が問題にしているのは、エーゲ海の方なの
地中海から黒海へ行く場合、地中海からエーゲ海・ダーダネルス海峡・マルマラ海・ボスポラス海峡を経て黒海へ向かう
黒海から地中海へ向かう場合はこの逆を行くのだが、もしもギリシャが領海12海里制を取ると、ブログに掲載されている地図にある通り、エーゲ海を航行する際には必ずギリシャ領海を通らねばならなくなる(領海6海里制なら、ギリシャ・トルコ両国の領海を通らずに公海上を通れる)
つまり、ギリシャがエーゲ海で領海12海里制を取ると、ボスポラス海峡が国際海峡になっている意味が事実上無くなる訳
分かったかな?
その説明でわかったのは、ギリシャの真の目的はトルコとのゴタゴタを国際的問題に格上げすることで、海峡利権に関わる諸国の干渉を引き出し有利に展開したいという姑息だということ。
とくに卑怯とは思わないが、慰安婦を米国に言いつける半島と同じ手口なのが(笑)
実は、先に挑発されたのはギリシャなんだよね
昨年夏、トルコが東地中海で海洋掘削調査を行ったのが切っ掛けで両国のEEZ問題が燃え上がり、ギリシャは軍艦同士の衝突事件や戦闘機の空中戦を経てEUに対トルコ制裁を要請したが、リビア問題等でEU各国に貸しを作っているトルコ側が一枚上手で、ギリシャはフランス以外のEU諸国からは全く相手にされない儘、対トルコ制裁は立ち消えになってしまった
なので、今回ギリシャはエーゲ海を人質にする事で、トルコだけで無く対トルコ制裁を潰したフランス以外のEU諸国にも脅しを掛けている部分が有る
まあ姑息ではあるが、欧州ではこう言う阿漕な手段を使わないと国として舐められる一面があるのは事実だからね
反対する自由は誰にだってあるだろ
まったくその通り。
結果の責任は本人にありますけどね。
しかし周りが被る迷惑は誰も責任を取らないのでね。
なにも起きないに越したことはないです。
東地中海が紛争海域になると、海上物流が滞り、欧州の物価が跳ね上がる。
バイデン「…」
民主主義の勝利だ()
国内も国外も融和とは程遠いっすねぇ
まあ確かにギリシャの強硬な対応は、日本にしても
対中対露での、日本の領海内にある国際海峡の扱いに関して見習うべきものがある
領海ではないが、日本海の経済水域200海里を旧ソ連に奪われた自民党政権の言い訳は、まさかと思っただの。
アメリカ言いなりに慣れきって、せめぎあう冷戦下の緊張感が足りないから海を失い今日の漁業関係者の苦しみを生んだのはボンクラ自民党だよ
後の祭りだがね
さあ面白くなってまいりました
この件で、ロシアとトルコとウクライナが共同声明出したら面白いんだが
ギリシャとロシアは古くから悪くない関係を続けてるし、ロシアとウクライナは冷たいバトルを続けてるから、共同声明はないわw
さて、どうなるものやら。