ロシア国防省は「ソレダル解放によってバフムートの敵を大釜に入れることが可能になった=事実上のソレダル占領宣言」と発表したが、ウクライナ国防省は直ぐに「我々は市内中心部で戦っているのでロシアの主張を信じるな」と反論した。
参考:Минобороны: освобождение Соледара позволит взять в котел ВСУ в Артемовске
参考:Украинские военные в Соледаре опровергли заявление Кремля о захваченном городе
参考:Ukraine defence minister: We are a de facto member of Nato alliance
参考:Situation in Soledar remains critical, soldiers tell CNN
ロシア軍がソレダルの大部分を占領したのか、ウクライナ軍が中心部で現在も戦っているのか、まだ誰にも答えは分からない
ロシア国防省は13日「ロシア軍はソレダル市内の敵陣地に陸軍航空隊、ミサイル部隊、砲兵部隊で集中的な攻撃を行い、予備戦力の移動、弾薬の補給、敵が他の防衛ラインに移動する試みを阻止した。さらに空挺部隊は別方向から秘密裏に作戦を実施して戦いに優位な高地を占拠、北と南から街を封鎖することに成功した」と明かし、ソレダル解放によってバフムートの敵を大釜(包囲という意味)に入れることが可能になったと主張した。
つまり1月10日に報告されていた高地=Ⓐの占拠は空挺部隊によるもので、これでウクライナ軍は市内中心部~郊外間の移動が制限され「ロシア軍は北と南から街を封鎖→大釜内に捉えたウクライナ軍兵士を掃討(3日間で700人以上と露国防省は主張)した」という意味なのだが、ウクライナ国防省は直ぐに「我々は市内中心部で戦っているのでロシアの主張を信じるな」と反論した。
公開された動画に登場する兵士の主張を要約すると「ソレダルからウクライナ軍が撤退したというロシアのプロパガンダを信じるな」「自分達の部隊がソレダル中心部で現在も戦っている」「ロシア軍が背後に回り込もうとしたが別の部隊がこれを阻止した」「我々は自分達の仕事をしっかり最後までやり遂げる」「動画の撮影日は12月13日(後に参謀本部が1月13日に訂正)」と述べているので、これが事実ならロシア軍は市内中心部の制圧を達成していないことになる。
ロシア軍の空挺部隊が占拠した主張する高地=Ⓐの状態は視覚的に未確認で、管理人が確認した視覚的な証拠=ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼⒽⒾⒿもソレダル中心部を完全にカバーしている訳では無いため、もし「自分達の部隊が『ソレダル中心部』で現在も戦っている」という話が正しいのなら「青で示された範囲」をウクライナ軍が保持している可能性も否定できないが、後方に繋がる開口部は1km以下なので「中心部に留まって戦うリスク」は非常に高い。
そこまでのリスクを犯してソレダル中心部で抵抗を続ける戦術的意味があるのかは不明だが、レズニコフ国防相はBBCの取材(13日)に対して「ロシア軍は毎日500人~600人の戦死者を出しているが我々はその1/10(1日50人~60人)だ」と述べて明かしているのも興味深い。
ソレダルを守るウクライナ軍の第46独立空中強襲旅団に所属する兵士はCNNの取材(10日)に「市内の状況は危機的で壊滅した部隊の数をもう誰も数えていない」と明かしており、もはや戦死者比率「1対10」という数字は対外的にウクライナ優位を示すための「アイコン」と化しているのだろう。
果たしてロシア軍はソレダルの大部分を占領するに成功したのか、それともウクライナ軍はソレダル中心部で現在も戦っているのか、まだ誰にも答えは分からない。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ジャングルや山岳地域や砂漠ではなく、多くの民間人が生活している市街地での正規軍同士の戦闘を1年も続けるような戦争が起きるなんて1年前までは考えられなかった。日本も全く他人事ではない。ウクライナ関係のニュースはもっとメディアで取り上げられるべきだし、通常国会でも日本の安全保障について現実を直視した建設的な議論が行われることを強く望む。
前線はワグナーだけという話でしたが、空挺のような高度な作戦が行われているのであればどうやらロシア正規軍もこの正面で活動しているようですね。
むしろ昨今の二重包囲機動はワグナーから正面を引き継いだ正規軍が行ったと考えるのが妥当なのかも。
正規軍の作戦なのであれば協調的な攻撃が用意されているはずなのでウクライナとしてはなんとか突破口形成を阻止したいところですね。
空挺は去年からワグネルに対して重火力支援をしていましたよ。
TOS-1などの攻撃は空挺によるものです。
砲撃支援はしてる話が前々から出てましたね。
ただ今回前線に出張ってきたようなので変化を感じています。
「人間の盾」を使う戦い方を常套としていたウクライナ軍が、その手を使えなくなれば壊滅させられるのは、この通りのものなのでしょう。
民間人を犠牲にしつつ、死傷者を都合よく敵のせいにする手口を、有効活用できなければ、本来の両軍戦力差が反映される形で戦況が推移するでしょう
え?
ロシアキッズ……?
以前の記事(7日)「ロシア軍がバフムート周辺で大きな前進を遂げる、ソレダルの防衛ラインを突破か?」から、1週間たっても「?」がとれない現実に目を向けるべきでしょうな。
他国に侵攻し、都市や町村を戦場にしている以上、「ウクライナが人間の盾を使用している」といつでもどこでも強弁できるわけで、そんなロシアの言い分としての「うまく進まない」理由を鵜呑みにするのは、いかがなものか。
ウクライナ軍が人間の盾を使っているというのは、具体的にどのような作戦なのでしょうか。なんの情報に基づいて述べておられるのか教えてもらえませんでしょうか。
なるほど侵攻された国は民間人を巻き込まぬ様、即時侵攻される惧れのある地域から全住民を避難させよ、と。アホなんですか?
戦争に現地住民が巻き込まれるのは侵攻した側が100%悪いんですわ。
ウクライナがどうかは知りませんが、さすがに民間人の避難は侵攻された側がやるべきでは。
日本で考えて民間人の避難もせずに沖縄市街で自衛隊と人民解放軍が交戦したりしたら日本政府がとんでもなくぶっ叩かれますよ。
朝鮮戦争の漢江人道橋爆破じゃありませんし。
民間人の避難が完了するまで侵略者が律儀に待ってくれるのならウクライナにも責任があるかもしれませんね。
ですが去年から人道回廊はしばしば名ばかりでしたし、戦闘が一度始まってしまえば避難なんて至難の技でしょう。
じゃあ、中国には事前に綿密な侵攻計画、スケジュールを事前に日本政府及び沖縄県に提示し、忠実に実行する義務がありますな。
そんなわけありませんね。
攻撃を察知出来ず奇襲を受けた結果市民に犠牲が出たとしたらそれは単純に日本の諜報力不足のせいです。
へえ、すると日本が民間施設にミサイルを撃ち込んで多数の犠牲者が出ても、迎撃できない中国の能力不足のせいということになるわけだ。
当然そうですね。
そうさせないために交渉を用いるのが外交であり、防備を整えるのが軍事です。
国民はその社会契約のために税金を払っているわけで、それが達成出来ないなら中国共産党あるいは人民解放軍の怠慢です。
その点、ロシアは戦地のウクライナ民間人を中央ロシアやシベリア辺りに強制疎開させてるそうで、とてもとても、とても人道的ですねぇ…😉
オマケに、成人男性は強制徴兵して職まで提供しているとか…🤔
いやぁさすがロシア、西側の国ではとても真似できませんわ!👏😭
歩兵の正面衝突になればロシア有利でしょう。
ウクライナ側の火力切れを感じます。
共産圏と物量で戦う事は難しいですね。
勝敗を決したのは歩兵の正面衝突ではなくソレダル市外からの二重包囲ですよ。
機甲戦力のギャップが大きくなって市街戦に引きずり込んで消耗を強いる戦術を成立させづらくなってるのかもしれません。
ソレダルにおいては、ウクライナ軍が如何様に広報しても、実際の所は最後の抵抗でしょう。
ワグネルとロシア軍の虎の子が惜しみなく投入され、一万人の小都市には過剰過ぎる程の火力投射が行われ、ソレダルは完全に破壊されたにも関わらず、ソレダルは未だ落ちていないと主張し、奮戦を演出するのはどうなんでしょうか。
以前にも、戦略的にバフムート周辺でロシア軍の息切れを起こさせるのは理解出来ますと書きましたが、戦術的にいずれ放棄される死地にて、捨て肝の様にウクライナ側の兵士を犠牲にしなければならないのは、やはり受け入れ難いです。
militaryland.netでソレダル周辺の地図を確認したのですが、ウクライナ軍が布陣しているソレダル東側から後方は丘陵地帯で、しかもウクライナ軍が陣地を構えていますので、最悪ソレダル全域がロシア軍&ワグネルに占領されてもこの丘陵地帯で長期間抵抗が出来るとウクライナ軍が判断しているのかも知れません
補給路が狙い撃ちなので長期間の抵抗は困難かと
そこなんですが、丘陵地帯から少し離れた場所にM-03と言う幹線道路が通っているので、苦労するとは思いますがウクライナ軍の補給路が完全に遮断された訳でも無いみたいです
勿論、無理なら無理で数日の間に撤退すると思いますが
マリウポリの徹底抗戦はロシアの進軍を遅らせる時間稼ぎとなり、犠牲に見合ったものと言えなくもないですが
ソレダルに対するウクライナのこだわりはちょっと過剰と言えますね。
以前にバフムート東部では整然と撤退し、陣地には何も残さないウクライナ軍の引き際の見事さがあっただけに
今回の引き方の下手さ加減は残念です。
ウクライナの郷土意識の強さは、ウクライナ軍の強さでもありますが、柔軟に対応できない脆さもあります。
西側からの追加支援も決まってますし、いったん戦線を整理して立て直してもらいたいものです。
犠牲になる兵士には酷な話だけど、ウクライナ軍全体での最適化という話になるのではないかな
ソレダルを早期に放棄することでウ軍の損失を0に抑え(当然露側の損失もゼロ)ても奪還作戦で200の損失をだしたら宇側が損をするだけ
だけどソレダルで粘ることで露側に200以上の損失を強いれてたなら、奪還時に200の損失を出しても釣り合う勘定になる
さらにソレダルを放棄したことの他部隊への影響(心理的なものだけでなく補給や手当に駆り出される人的・物的資源や時間的猶予)も考えるとソレダルで粘ったほうが利が大きいと判断したとか
この地域はもう数日は静観していないと確定情報は得られないと思います。
一方で北東部の情勢は宇軍の攻勢が強そうなのに、明らかに宇軍露軍双方の情報統制が進んでいるよう。
ここの戦況はスバトボ以南の露軍の補給線に直結するだけに気になります。
Google Mapsの航空写真で地形を見ましたが、ソレダルの西側は耕作地で遮蔽物がほぼなく、市街地の西端には南北方向には鉄道と幹線道路が走っていますがいずれにしても撤退戦ができるようには見えません。
ほとんど樹木も生えていない平原です。
残酷な話ですが下手に撤退を企画して追撃・全滅させられるより市街地に籠って戦ったほうがましな感じがします。
リンクまた、管理人さんがこの記事(1/7)の後半にまとめてくださっていますが、この拠点は戦線の維持・突破にかなり大きく響いてきそうです。
その点ではクレミンナ攻略など、ここにロシア軍を足止めする意義はあるかと思います。
というか、ここが落ちて足元が凍結していたら、コンスタンチノフカまで一気に戦車で抜かれるような。。。
二次防衛ラインを構築するくらいならソレダル防衛に戦力を回すかさっさと撤退すると思うんですよね(つまりがら空き)。
もちろんそうであるからこそ、ソレダルの西側には大きな障害物になりそうな地形がないからこそ、ソレダルの地下岩塩鉱山は、数年かけて地下要塞化されたとも言われ、あるいはソ連時代からそうだったのでしょう。
ソレダルから退却して、T0513道路沿いに、また新しく陣地、防御線を作ればいい、というような簡単な話ではなく、またどうしてロシア軍がソレダルの制圧にこだわるのかわからない、では戦況は何もわからないでしょう。
クレミンナ南方の森林を抜けて、ロシア軍の第76親衛空挺師団が、シヴェルスクの方面へ攻撃を始めているという話もあり、それが事実であれば、もはやクレミンナ攻略どころではなく、さらにバフムトの北や南でもウクライナ軍が退却を始めているという話もあります。
ロシア軍としては、戦車の台数に余裕があれば、このまま一気に西の方へ抜いていきたい、というのは当然考えられる話です。
情勢は気になりますが肝心なのは何が起きたかであって別にライブストリーミングが見たい訳じゃないですから静観も大事ですね
興味深かったのが11日のウクライナ側ソレダル現場の視点で、新編で練度に問題がある部隊がソレダル両翼の街に配置されたため突破されてしまったという認識のようです。
リンク
あっちがああ言えばこっちがこう言い返す状況ですがロシア内部でもワグネルがソレダルの作戦に正規軍は参加していないと主張し攻撃成功の功績のパイの奪い合いをしているのでこういったノイズも状況の不確かさを助長しているのでしょうね。
リンク
現地の部隊が
>市内の状況は危機的で壊滅した部隊の数をもう誰も数えていない
と言ってるのに国防省が戦死者比率10:1だって言うのはどういうわけでしょうね。
本当に10:1ならここまで押し込まれてないでしょ。
戦力差が10倍もあるわけ無いんだから。
情報戦も結構だけど露骨すぎると信用が暴落するだけだと思いますが、一度言ってしまったことは撤回出来ないんでしょうね。
もはや戦死者比率「1対10」という数字は対外的にウクライナ優位を示すための
「アイコン」
と化しているのだろう。
というのはまさにそうだと思いますが、こんなよくわからない混戦状況では、自軍に限らず死傷者の人数などわからなくなって当然であり、また決して今に始まったことでもないでしょう。
もちろんこれだけの激戦であればロシア軍も側にも当然死傷者は多数出ているでしょうが、少なくともウクライナ軍がその人数を正確に把握できていないことは確実です。自軍の死傷者の人数さえもよくわかっていないのです。ウクライナ軍優位の
「アイコン」
というよりはもはや幻想、幻影です。さらに問題なのはそれを前提に状況判断を行い、作戦計画を立てることです。
まだソレダルの中心市街にウクライナ兵が残って抵抗を続けているのは事実かもしれませんが、それがどういう結果になるのかは他の地区での戦況にも左右されるでしょう。
もし動員兵を正面から突撃させてたと言う話が本当なら10対1もウソでもないかもしれない。
それとは別にアフリカ各国から傭兵をかき集めてきたとのこと。
ワグネル以外のPMC軍団がロシア国軍やワグネルより強いとウクライナ側の証言が1週間前位から出てきて様子が変わってきた。
そのPMCがアフリカ人部隊を指すのかはわからない。
PMCは正面から歩いてくるのではなく遠回りしてでも迂回して見えにくい経路から素早く移動してくる。
攻撃のしかたもいやらしくやっかいとのことで対応が厳しいとのはなしがある。
長年の内戦で鍛えられた歴戦のプロが来てしまったのか?
残念だけど、こういう部隊に対しては10対1は無理なのかもしれない。
様相がかわったので、どうなってるのか分からないからコメントも様子見なんでは?
ロシア軍は1月6日アメリカ軍が提供発表したブラッドレー戦闘車もウクライナで四台破壊したと発表しましたね。そんなにはやくアメリカ提供するほど追い込まれているでしょうかね。
本当ですか?
ウソくさすぎる。
こないだ発表したばかりで、仮にAmazonの小口便でも届かないんでは?
ハイマースの件といい、こういうのを重ねるからロシア情報を信じられないんだな。
やっぱりしばらくは様子見かな。
本当に破壊してたら画像を提示すると思います。
M113かオランダが渡したAIFVの見間違いでは無いかと。