17日に12万人分以上の署名をスイス当局に提出したF-35導入反対派は「来年3月末までに国民投票でF-35導入禁止の憲法明記を問いたい」と要求、これを無視してF-35導入を進めるのは「非民主的だ」と政府に圧力を加えている。
参考:Kampfjet-Initiative kommt – und wird wohl dennoch folgenlos bleiben
参考:Swiss lawmakers obtain enough signatures to challenge F-35 acquisition
参考:Gegner des F-35-Kampfjets verlangen Abstimmung
来年3月末までに国民投票を実施するには手続き上の時間が限られており、スイス政府がF-35A導入を強行するかどうかは微妙なところ
スイス政府は昨年6月にF/A-18C/Dの後継機にF-35Aを選択したと発表、しかしスイス社会民主党、緑の党、市民団体の軍隊なきスイスを目指す会は直ぐに「反F-35イニシアチブ=STOP F-35」を結成、F-35A導入の是非を問う国民投票に持ち込むため10万人分の署名集めを開始、この動きにアムヘルト国防相は「国民投票が実施され反F-35イニシアチブが可決されるような事態になればスイスは戦闘機を失うことになる」と語り危機感を募らせていた。
現地メディアも「政府がF-35Aを選択すると知っていれば昨年9月の国民投票で50.1%の賛成は得られなかった」と報じており、このままF-35A導入の是非を問う国民投票に持ち込まれると政府の決定はグリペンの時と同じ様に白紙化される可能性もあり、これを阻止するには国民投票が実施される前までにロッキード・マーティンと契約を結んでしまう以外に対抗手段がない。
ただ政府は「反F-35イニシアチブの結果を見てから契約を進める」と述べていたため、国民投票に持ち込むため10万人分の署名を「期日内に集めきることができるのか?」に注目が集まっていたが、反F-35イニシアチブは期日内に10万人分の署名を集めることに成功、これに慌てた政府は「ロシア軍によるウクライナ侵攻」や「他国の軍備増強」を理由に国民投票の実施を待たず契約(ロッキード・マーティンが提出した契約内容の有効期限は2023年3月末)を締結すると言い出した。
しかし反F-35イニシアチブは17日に12万人分以上の署名を連邦当局に提出、来年3月末までに国民投票で「F-35導入禁止(禁止期限は2040年まで)の憲法明記」を問いたいと要求しており、これを無視して政府が国民投票実施前にF-35導入契約を締結するのは「非民主的だ」と政府に圧力を加えている。
問題は来年3月末までに国民投票を実施するための手続き時間が限られている点で、今月中に内閣が「F-35導入禁止を問う国民投票に必要な条件が満たされた」と宣言する必要があり、11月9日までに来年3月末に実施する国民投票案を承認しなければならないらしい。
これを実現するためには「あらゆるレベルでの政治的な善意が必要だ」と言われており、スイスのF-35A導入は国民投票への動きを無視して契約を締結するのだろうか?、そとれも国民投票の結果が出てからF-35Aの導入手続きを進めるのだろうか?
関連記事:スイスのF-35A導入、反対派が国民投票の実施に必要な署名集めに成功
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
なぜF-35の導入に反対する人がいるのですかね?
日本と同じじゃないの。高値のポンコツはいらないみたいな。
我が国なんか置き換えの選択肢他になくてもF-35を爆買だのなんだの言う勢力ってのはいるわけですし。
スイスでF-35の導入に反対している勢力を検索しました。
スイス社会民主党、緑の党、市民団体「軍隊なきスイスを目指す会」が結束して反対しているようですが、明確な理由はわかりませんでした!
見かけた意見では、国内の米国依存が高まる事を危惧や、国防の機密が米国に漏れる危惧、高いコストを危惧する声が上がっていました。
いかがでしたか?があれば完璧だった
>市民団体「軍隊なきスイスを目指す会」
すげえなそんな会があるんか。スイスなんて歴史からして軍隊あってなんぼの国なのに。
周辺国(独仏伊墺)にヤバい国が無いのは分かるが、単なる防衛のタダ乗りなんじゃないかと思ってしかたがない。
STOP F-35のHPを見ると、F-35は侵略戦争専用に開発されてて、航空警察任務には不向き。
しかも多くの欠陥がある、いまは気候変動や医療制度に金を使うべきだ云々と書いてあるね。
もちろん、ちゃんとした意見を持ってる人はいるんだろうけど、
このHPの内容だけ見ると我が国の反対派と通じるところはあるなぁとは感じる。
左ぐるぐる勢なことは確かですね
(民間防衛の)教えはどうなってんだ教えは!
ウクライナ戦争前からの話だし、今投票したら普通に賛成多数になる気も。
わかんないんだよな。スイスには兵役があって国土も要塞化されている、そしてアンケートでは60%が「国のために戦う」と答えるなど、国防には積極的なイメージがあったんだけどな。以前はグリペンを否決したんだから、安い戦闘機を望むってわけでもなさそうだし・・・
グリペンEは、別に安くない
F-16よりも高価になっちゃってるし
極端に考えれば40%は「国のために戦う」気がないと言う事ですからね
それに「国のために戦う」と答えた人の中にもF35は必要無いと考える人もいると言う事でしょう。
振り返って、我が国でF-3開発可否を国民投票に掛けたらどうなるでしょう?
ミリオタからすれば
「なんで反対するんだ」
的な意見になるのは分からんでもないけど
「どこの国にも売国奴がいる」
とかの的外れな意見を見るとちょっと浅はかではと言いたくなる。
国民皆兵、徴兵制が国民から支持されてる←過去の国民投票はいずれもギリギリなラインだし、制度自体も男性若年層からは変化する労働環境になじまないって声がスイス最大の保守政党、国民党の支持母体青年同盟からも毎年上がってます。
そして毎年国民議会、全州議会で槍玉に上げられる「富裕層子弟の徴兵忌避疑惑、都市部への優先配属疑惑」「軍需産業と軍の癒着、腐敗」もさることながら
毎年上昇する税金、カットされる公共サービス、州によっては徴兵以外の地域への無報酬奉仕義務の発生、これらに対して連邦も州政府もちゃんと反論、説明が出来てないのが大きいかなぁと。
>そして毎年国民議会、全州議会で槍玉に上げられる「富裕層子弟の徴兵忌避疑惑、都市部への優先配属疑惑」「軍需産業と軍の癒着、腐敗」もさることながら
どこも悩んでいることは一緒なんですね。それだけ平和が長かったということなんでしょう。(「軍需産業と軍の癒着、腐敗」は平和じゃなくてもおきますが・・・)
それにドイツが闇落ちするとかない限り、比較的戦争から遠いのも間違え無い。そしたら軍備に金をかけて欲しくないのは十分理解できる話。
その辺、年がら年中北朝鮮からミサイルが飛んでくる我が国のほうが危機感的には先行してるのかもしれない。
軍隊なきスイスを目指す会なんて有るんだ。てっきり我が国特有の病気かと•••
しかし国の方針やらについて選挙は兎も角、使用する戦闘機まで選挙で決めるのは些か違う気がする。極論すると使用する装備一つ一つ選挙で決めるなんてアホなことになるし
スイスは必要な署名数が集まれば国民投票を行えると言うのが保障されていますからね
署名さえ集まればどんな軍用装備でも国民投票の対象になりますよ。
正直100万人以上にしないとだめじゃあないかなー?。
スイスの永世中立は武装中立によって成り立っていると知らない奴がスイス本国にすら居るんだな〜と思った。
過去50年間、スイスのGDPは右肩上がりに増えており、カネに困っているとは思えないのですけど、昨今のインフレが、スイスの反F-35Aイニシアチブを刺激しているんでしょうかね。
いちいちこんな案件にまで憲法持ち出す必要あるのか?
それが民主主義だと言われても違和感あるぞ
これは直接民主制のデメリットがかなり強く出ている例かなと。
間接民主制が最適と言う訳じゃ無いけど、
経済や外交、安全保障の分野など、国民感情に左右されてはならない分野は、
やはり議会と内閣での決定に委任できる間接民主制のほうが適してる気はする。
そもそも、憲法に載せるべき内容じゃない。
狂っている。
日本の感覚だと違和感を感じる人が多いのもわかる。
日本は改憲手段が極めて困難なよう設定された世界でも少数派の国。
だから憲法は一言一句、神聖にして冒すべからず=絶対不可侵的な思い込みが強くなる。
それに比較すれば欧州は世界情勢の変化に応じ柔軟に改憲できる国が多い。
ポーランドやバルト三国、そして日本と違う所は独仏伊墺に囲まれて、危ない独裁国家とお近づきでない所かな。今は建国以来、初めての平和期間かもしれない。
そんな国にF-35が要るのかとスイス人が判断しても仕方がないとはいえ、せめてハイジャックだけは対応できるだけの能力は維持してくれ。
一応、今年の3月にタメディアというところが行ったアンケートでは軍事費増額に賛成派が45%、現状維持派が41%、削減派は8%だそうで。
リンク
管理人さん手間おかけします
A候補 税金を下げます。但し福祉も減らします。
B候補 福祉を増やします。但し税金を上げます。
一部の国民 税金を下げろ、福祉は増やせ!
これ思い出した。
F35の場合は、何がバーターになるんだろうか?
スイスの大多数はドイツ語圏市民だということを留意されたし
隣と同じゲルマン系なんだよ、そして東西問わずに預金を受け入れている金融国
ざっくり「憲法」と言っても扱いは国によって色々…とは聞くけれど、
特定の戦闘機を導入するかどうかを書いておくようなものなのかしら…?
明らかにおかしいよね。
憲法の役割としては、国家権力に制限を加えるものだが、個別具体的過ぎる。
F-35の戦闘能力は確かに高いが、強く政治的な影響力に左右されるもので、中立を謳っているスイスには劇薬が過ぎるのでは?
データリンクが必須で、独自の改造が(イスラエル以外)許されないF-35は、米国は気分次第で戦わずに無力化が行える兵器とも考えられるのではないだろうか。
あらゆる作戦行動のデータがバックドアから米国に流出する(陰謀論的)懸念を考えれば、導入反対もわからなくもない。
また、導入国より遠く離れた国で有事が発生した場合、そのスペアパーツが枯渇しメンテナンスが滞る可能性もある。
(という意見を10年位前に見かけた)
ステルス機の外販がF-35しかねぇーからしゃーないで終わるんだよな。