伊空軍のゴレッティ参謀長はF-35プログラムへの出資で利益を得たように、プッシャープロペラを採用するデファイアントXの開発で米国と手を組む必要があると主張した。
参考:Italy Air Force chief wants in on US next-gen helicopter tech — pronto
乗り遅れて同分野の後追いになることだけは絶対に避けたいイタリア、デファイアントXへの開発に投資か
イタリア政府はEUの復興基金から2,000億ユーロ(約25兆円)の配分を受ける予定で、この資金の一部を米陸軍の「FVL(Future Vertical Lift:将来型垂直離着陸機計画)プログラム」に投資して国内の防衛産業の維持・発展に役立てることを検討中だと2020年9月に報じられていた。
次世代の回転翼機開発で先行するFVLプログラムにレオナルドを参加させることを狙っており、ロッキード・マーティンと「FVLプログラムを通じて得られた技術による民間機開発」「FLVプログラムの下で開発された機体の欧州輸出や現地サポート」で協力できないか協議中だと当時報じられていたが、伊空軍のゴレッティ参謀長は最近「F-35プログラムと同じような利益を得るためには投資を迅速に行う必要がある」と米メディアに明かし注目を集めている。
ゴレッティ参謀長は「ウクライナで従来型の回転翼機が地対空ミサイルの餌食になっている。将来の回転翼機はスピードと作戦範囲の拡張が不可欠で、プッシャープロペラを採用する回転翼機が主流になり、F-35と同じように欧州でも採用されると信じている。米国で採用された技術は遅かれ早かれ世界中で採用される」と述べ、F-35プログラムと同じような利益を得るためには初期段階でプログラムに参加することが重要だと述べているのが興味深い。
つまり次世代の回転翼機の趨勢が定まってからプログラムに参加しても得られるものが少なく、プッシャープロペラを採用する回転翼機の分野で第一線に立つには「早急な投資が必要」で、これに乗り遅れて同分野の後追いになることだけは絶対に避けたいという意味(米陸軍曰く8つの国がFVLプログラムに興味を示しているらしい)だ。
因みにFVLプログラムにはベルが提案するティルトローター機もあるのだが、ゴレッティ参謀長は「ティルトローターのヒンジに多くのメンテナンスが必要なら稼働率に影響が出るため、プッシャープロペラの方が効率的だ」と述べている。
関連記事:イタリア、米陸軍が進める次世代ヘリ開発プログラムに出資を検討
※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin DEFIANT X
新機軸を採用した「デファイアント」
縁起が悪すぎるけど大丈夫?
いわゆるトレッキーならば喜ぶネーミング
新機軸にリスクはつきもの、やってみないと何ともだが、こういう場面で出遅れるのが好きな我が国は参加しないのかな
このヘリお気に入りだったから、ぜひ正式採用されてほしい
レオナルドってデカいティルトローター機を開発してたけど、この計画ではデファイアント側に行かせるんだね
ティルトローターに限界を感じたのか、単に技術を磨くためなのか
興味を示してる8つの国ってのが気になる
常識的に考えてUH-60任務の純粋な後継を求めるなら既存ヘリの上位機種であるデファイアントXしか選択肢たりえない。ティルト機はローターを使った垂直離着陸が出来るって話だけで、それをしてヘリの上位互換として位置付けるのは甚だ疑問。
ティルトローターに限界を感じたと言えばそうかもしれないがティルトローターとヘリは別物であるって事が分かっているから仮に米陸軍採用が無くてもかなりの需要が見込めると踏んでるからだろう。
ティルトローターを採用するなら長距離航行・機体速度を重視して大抵の任務が開けた土地への展開をするだけって軍隊だけだと思う。逆にそれを重視しないならば既存ヘリとほぼ似たような使い方ができる上位互換機を選択する。
自分的にベルのv-280の方がお気に入り。映像をみると飛行してるときの安定感がすごい。オスプレイの経験が相当生きてるんだと思う。早すぎるかもしれないが、飛行性能的には傑作機ではないかと思う。
レオナルドとアグスタウェストランドが開発したティルトローターのAW609が開発終了したから、今度はこちらにもツバつけておこうという腹かな。
AWとレオナルドは11年にベルとの合弁会社を解消した時に何かあって、V-280を開発しているベルと一緒に仕事したくないだけかもしれないが。
てかAW609はレオナルドの日本語ページがあって
『AW609は日本の都市部と遠隔地のつながりに変化をもたらします。傷病者の搬送や人員輸送に理想的に適合したAW609は、滑走路の建設など自然環境を破壊する大掛かりなインフラ整備を必要とせずに、本州と離島をつなぐ革命的な可能性を持っています』
と書かれていて笑ったわ。富士重工も関わっているからか日本国内の需要を心得てる。
UH-60とかの中型ヘリの置き換えと考えると
ホバリングへの遷移も多いだろうから複合ヘリのほうがパイロットの負担は低そう。
しかし復興基金ってRRF(復興レジリエンス・ファシリティー)のこと?
あれって気候変動への対応策などのグリーン化や
官民のデジタル化の名目で発行されてるはずなのに流用して大丈夫?
グリーン化とデジタル化に最低57%使えという条件みたい
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ティルトローター方式の過大評価は異常
マシになったとはいえ複雑で高価で危険に決まってる
特殊部隊乗せて台湾に急行するとか以外はコンパウンドヘリで十分だよ
グリーン化とデジタル化に最低57%使えという条件みたい
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JAXAで開発してる複合ヘリを、防衛省と川崎かヤマハで実用化出来ないのかな。役にたちそうだけど。
速度が遅いより早ければ確かに対空ミサイルによる撃墜は少なくなるだろう。
しかし、携帯型対空ミサイルの2,400km/h(マッハ2)に対し、巡行速度460km/hではそれを求めるには無理がありそう。
振り切るための速度というよりは敵兵士に捕捉される時間を減らすための速度と考えた方がいいと個人的に思う
かつてアパッチでほんの少しだけ巡航速度が速くなっただけでも敵に狙われにくくなる効果はあったらしいので、それを踏まえると460㎞の巡航速度で匍匐飛行も出来るなら敵に捕捉されるリスクの低減にはかなり効果はあるんじゃないかなと
ティルトローターはVTOL出来る艦載固定翼機が欲しい海軍向けで、陸軍はスピードの速いヘリコプターが欲しいわけだから、棲み分けは見えていると思う。