トルコのDaily Sabah(デイリーサバ)紙は24日、防衛産業庁(SSB)が無人航空機に電子攻撃機能を追加するため専用の電子妨害装置開発に乗り出したと報じている。
参考:Turkey’s top defense body starts UAV stand-off jammer project
トルコがUAVに搭載できる電子妨害装置の実用化に成功すれば一通りの航空支援を無人化したことになる
トルコ航空宇宙産業が開発した大型の無人航空機「Anka」は偵察・監視任務だけでなくUAV専用の精密誘導兵器MAMシリーズを携行することで攻撃任務にも使用することが可能だが、米国製のRQ-4グロールホークが搭載しているようなSIGINT機能(ブロック30)を備えたタイプも作られているので敵の通信や電子情報の収集にも活用することができる。
これに敵の通信やレーダーの位置を特定したりシステムの作動を妨害する電子攻撃機能を追加するため専用の電子妨害装置を開発(IHA SOJプロジェクトと呼ばれている)するとトルコ防衛産業庁が発表、2023年までにプロトタイプを完成させて2025年までに実用化する計画だと報じられている。
恐らく多くの方はトルコに電子妨害装置が開発できるのか疑問に思うかもしれないが、トルコは航空機に搭載する電子妨害装置の開発経験は無いものの地上ベースの電子妨害システム「KORAL」を開発してシリア内戦、リビア内戦、最近終結したナゴルノ・カラバフ紛争で使用、2019年に実施されてトルコ軍の軍事作戦「平和の泉作戦(または平和の春作戦)」ではKORALが決定的な役割を果たしたと言われており、航空機搭載用の電子妨害装置を開発する実力は十分備わっていると見るべきだろう。

出典:U.S. Army 1st Lt. Jason Sweeney
因みに米陸軍もMQ-1Cグレイイーグルに搭載する電子妨害ポッドの開発して評価テストを行っている真っ最中で、最新のMQ-9Bもレオナルド製の電子妨害ポッドが統合されるなど航空支援の無人化は急速に進んでおり電子情報収集任務や電子攻撃任務に対応した無人航空機の潜在的な需要は非常に高い。
今のところ機体内に内蔵する形なのかポッド式にして無人航空機の機外に携行する形を取るのかは分かっていないが、トルコがUAVに搭載できる電子妨害装置の実用化に成功すれば一通りの航空支援(偵察・監視任務、近接航空支援任務、電子情報収集任務、電子攻撃任務)の無人化に成功したことになるので海外市場でのトルコ製UAV人気が更に高まることが予想される。
余談だが防衛産業庁はアセルサンが開発した国産AESAレーダーについても言及、このレーダーはF-16Vに搭載されているレーダーと同等の性能を備えておりF-16C Block30のアップグレードに使用される予定で、無人航空機「Anka」にも搭載(F-16Cのアップグレード用とは異なる構成)する予定らしい。
以上のようにトルコの無人航空機に関連した技術力の発展は目をみはるものがあるので今後も要注意だ。
関連記事:トルコ、実戦で効果的だった電子妨害システム「KORAL」の後継を開発中
※アイキャッチ画像の出典:Mustafa.KarabasTUSAS / CC BY-SA 4.0 無人航空機アンカ
余談の方のネタだけど、トルコのF-16はイランのペルシャ猫(F-14)みたいな「独自進化」をしてくことになるのかな?
トルコの防衛分野の躍進はやっぱり実戦が貢献するからだろうなあ。
我が国もどっかの国と戦争をすれば自衛隊の武装が……(お目々グルグル)
「トルコに電子妨害装置が開発できるのか疑問に思うかもしれない」
作れないとは思わないけど、作ったものの中身のどれだけが「他国製品頼み」なのかは疑問というか懸念?を持ってる
出る杭は打たれるのが常の世で、トルコがそれらの妨害があったとしても製造・運用が可能な製品なのか、という疑問
まぁ、素人考えですけどね
本文中にもあるけどAESAも国産化できるとこまで来てるし対策は進めてるだろ
冗談抜きで、グロホ止めてこっち買わないか。
重整備はアメリカに運ぶしかなく、米軍通信衛星としかリンクできなく、ELINTまで無効化されたUAVとか要らんだろ。
電子戦能力の程度は解らんけど、現代戦の検証とかアグレッサーとかにもちょうどいいよ。
米国との政治的軋轢をこさえてまで導入する価値無し。
NATOでF35の部品まで作ってる国から装備買うのは軋轢になんてならないから。
西側陣営内でそんなこと言ったり圧力掛ければ自由貿易協定違反で、そっちの方が遥かに問題になる。
F-35の参加企業からトルコ企業を外す予定らしいよ。
ただすぐには変えられないので現状はトルコ企業も参加したままっていう状態らしい。
なので、トルコから買うとアメリカが、と言う懸念も的外れとは言えない。
トルコを買うかは別として、もうグロホに手を出すのは反対
高いゴミになりそう
TF-Xのレーダーはこの国産レーダーになるだろうからエンジンを除けば順調とは言えなくとも着実に前には進んでるな
なんだかなー
素人が言うのも何だけどこの進化の方向は間違ってる気がする
安さがウリのUAVなのに機能あれこれつけたら高くなっちゃうのでは
有人機の代替になると考えれば、充分にペイしますよ
もっとも、トルコ自身にも将来はわかってないからいろいろ試してる段階に見えます
ああそうだよね、人件費も高い。
自衛官の給与も防衛予算だからね。
人が死んだから野党やマスコミがワーワーいうという問題もあるからなぁ。
多少高くても、その手の事を考えたら十分安いという事に。
安価な兵器なのは今のうちだと思うよ、UAVも戦闘機と同じで多用途化と性能向上に伴って価格が高騰するし
無人機対策が世界中で盛んに行われてるから、それを防ぐためにあれこれ対策を施していく事になるかと
戦闘機は元が高価だし、機種を増やせばその分パイロットとその育成課程も必要だから「せっかく作るならアレもコレも」の貧乏性でマルチロール化やら海空統合やら共同開発やらで雪だるま式に肥大化するけど、
UAVは元が相対的には安価な事、増やしてもインフラの負担増もそこまでではない事、何より堕ちても人的被害が発生せず、リスキーな任務に投入し易い事を考えると
「3機分の機能を備えた2機分の価格の1機」より「個別の機能を備えた2機」の方が重宝されるだろう。
なので「高性能で高価な機体」が登場する可能性はあるけど、それに引きずられて全体の価格が高騰する事は無いと思うよ。
安さだけじゃないですよ。
育ったパイロットの命は替え難いから危険な任務を ほど積極的に無人化させるのは理にかなってる。
これに一本化する訳ではないですよ。進化ではなく多様化と捉えた方がいい。
電子情報収集機等による、恒常的な測定活動あっての
電子妨害装置開発・更新だと思っているので、その辺の
偵察用の資産・装備はトルコ君どうなってんの?って感じ
実戦に勝る収集機会はないので世界で最も充実しているのは間違いないですよ。収集自体難易度の高いことでもないし。
近接航空支援はパイロットの命を最も脅かす危険な航空支援作戦の代表だから、無人機に任せたいのはとてもわかる。
でも電子攻撃ってどうなんだろうね?積極的に無人機にやらせるメリットってなんだろう。
支援作戦じゃないけど敵防空網制圧もとても危険な作戦だからこれも無人化すべきかな。
電子攻撃も、自ら盛大に電波を出すのだから対等な相手には直ぐに特定されて応射が来るよ
去年の総火演でも、電波妨害装置を逆探で特定して応射で反撃して無力化していたし
なので、防空網制圧と共に可能ならば無人化したい危険な任務の一つ
そうか、仮にアクティブ系を電子攻撃で潰せてもパッシブ系は受信するだけだから電子攻撃の放射が逆にビーコンみたいに見える訳だ
上の人が書いてるけど任務上ステルスで隠れる事が出来ないんで危険度高いでしょ
戦闘となればまず真っ先に電子戦機ブッ壊さないと話にならんわけで
最優先攻撃目標の電子戦機を無人化出来たらかなり嬉しいと思うぞ
財布は痛いが人的損害なしにバンバン敵に嫌がらせできるのはポイント高い
トルコもアメリカのUAVをパクっているな。
中国といいトルコといい、ヤツらには独創性がないのか。
アメリカのパクりではない兵器を作る能力が無いようだ。
所詮、ヤツらの頭脳はアメリカ人以下だな。
アメリカという国は世界中からの人材の寄り集まりだから強いんですよ、白人だけでなくそれこそ中国系やトルコ系も有能ならば仕事ありますから
もうちっと現実的なコメントをよろしくね
何だか貧者のパンみたいな感じになってきてるな。
無人機が人気だが無人機だけで戦闘するわけじゃないと思う
トルコが無人機と有人機をどのように組み合わせて運用し戦闘するか
安価な旧式有人機と最新の無人機の組合せはアゼルバイジャンが実施してみせたし
トルコはそれ以上の各種組合せを考えて実験していると思う。
トルコってF-16cの独自拡張権利あるんですか?
彼らがそんなもの気にするかな?
トルコは正式に米国からF-16のソースコードを入手して独自に弄る権利を持ってる。調べもせず馬鹿にするのはやめよう。
別にバカにする意図はないよ。
ニッチもいかない事態になったら気にもしないって。
国防がかかっているのだから。
気にするもしないも、正規にイジる権利持ってる、って書いてくれてるのに何故無視する…