独駐在米国大使のリチャード・グレネル氏は、NATOが2014年に約束した国防費の増額(GDP比2.0%)を守ろうとしないドイツに対し、米国がドイツに派遣している地上軍をポーランドへ移動させる可能性を再び持ち出した。
参考:US Threats to Withdraw Its Troops From Germany Leave Gov’t Coalition Split
なぜドイツに3万5,000人もの米軍が駐留しなければならないのか疑問も多い
2018年、ドイツに駐留している米軍の移転、もしくは撤退にかかる費用について米国防総省が検討を始めたとワシントン・ポスト紙が報じ、その可能性についてトランプ大統領と軍関係者が話し合いを行ったと言われている。
これはあくまで選択肢の一つ似すぎないが、ドイツに駐留する3万5,000人の大部分を米国へ帰還させるか、一部もしくは全てをポーランドへ移動させる案などが検討されていると報道されたが、米国防総省の担当者が、この報道内容を完全に否定し、NATO加盟国、特にドイツは胸を撫で下ろした。
しかし最近になって、独駐在米国大使のリチャード・グレネル氏が、再びこの案を持ち出し、NATOが2014年に約束した国防費の増額(GDP比2.0%)を守ろうとしないドイツを批判し始めた。グレネル氏は、自分の国を守るためにドイツは国防費を支払うべきとして、これを促すためにも米国は、ドイツ国内に駐留する米軍をポーランドへ移動させるべきだと考えているトランプ大統領を称賛した。
ロシアの飛地領であるカリーニングラードや、ロシア陣営のベラルーシに接するポーランドは、NATOの対ロシア最前線の加盟国にもかかわらず、同国には4,000人規模の米軍しか駐留しておらず、6月、ポーランドは米国のトランプ大統領に対し米軍の増派を要求し、当面1,000人規模の米軍をポーランドへ追加派遣することで合意した。
この追加派遣される部隊には米軍の特殊部隊が含まれ、兵站部門や、師団司令部の設置など、今後の本格的な米軍駐留についても協議が行われたと言う。
米国にとって国防費増額を渋るドイツよりも、駐留軍のコスト負担や、「トランプ」の名を冠した新しい軍事基地建設のため20億ドル(約2,100億円)提供、F-35A購入手続きを進めるポーランドの方が、魅力的に映るのは当然だ。
グレネル氏は、今回のポーランドへの米軍追加派遣は本国から新たに派遣するのではなく、ドイツに駐留している米軍を移動させ賄うべきだと主張し、ドイツを苛立たせている。ドイツ社会民主党所属の議員Thomas Hitschler氏は、このような米国の下品な態度は、ドイツに懐疑心をもたらし、米国主導のホルムズ海峡有志連合へのドイツ軍派遣の意思を悪化させるだろう警告した。
もし、ドイツ国内に駐留する米軍がいなくなれば、ドイツは自力で国を守らなければならないが、悲惨な状況から抜け出すことができない現状のドイツ軍では、到底、国を守る事はできないだろう。
東西冷戦時、NATOの最前線だった西ドイツに対し、米国がNATO派遣軍最大の兵力を駐留させたいた事に反対するものはいなかったが、冷戦終結後、NATOは東へ拡大発展し、それに伴いロシア陣営との対立線もドイツからポーランドへ移動した現在、なぜドイツに3万5,000人もの米軍が駐留しなければならないのか疑問も多い。
ドイツはNATO加盟国として、国防に対する消極的な態度を改めない限り、ますます欧州で立場が悪くなっていくだろう。
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ここで焦るならまだ希望はあるだろうけど
対露の前線が遠くなった上に増強されるならもっと軍事費減らせるじゃん!と内心喜んでそう…
義務を果たさず旨みだけ吸う寄生虫みたいな国だなぁ
それで黙ってEUやNATOの財布・工場をするならそれもありかもしれないけど、難民受け入れとか環境保護とかをやかましく騒ぎ立てて他の国にも押し付けようとする辺りがね……
在独米軍の何割かをポーランドに前方展開するなら、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、バルト三国、
全員がWIN-WINでしょう。困るのはロシアだけ。ドイツも韓国並みにアメリカから冷遇されていくでしょうが