ノルウェー軍発行のForsvarets forum誌は3日、レオパルト2A7を選択した理由について「ロシアのウクライナ侵攻によって安全保障環境が変化し、今後欧州で重要な役割を果たすであろうドイツとの関係強化が重要だった」と明かしている。
参考:Støre: – Krigen har forsterket argumentene for dette tysk-norsk-nordiske samarbeidet
ロシアの脅威が現実的なものになったため隣国との安全保障関係を強化する必要があり「ドイツ製戦車を選択することになった」という意味だ
ノルウェー陸軍はレオパルト2A4の後継としてドイツ製のレオパルト2A7と韓国製のK2を比較検討、海外メディアは導入に伴う経済協力やK2がテストで良好な成績を収めていたため「ノルウェーは韓国の手を挙げる」と予想していたが、ノルウェー国防省は3日「陸軍の次期主力戦車にレオパルト2A7を選定した」と発表した。

出典:Forsvaret
ストーレ首相はレオパルト2A7を選択した理由について「品質や能力だけでドイツ製戦車を選択したのではなく、今後欧州で重要な役割を果たすであろう同盟国ドイツと協力し、北欧の隣国であるオランダやポーランドと同じタイプの戦車を手に入れるという安全保障政策面での意味合いも含まれている」と説明。
韓国製のK2は現実的な選択肢だったのかという質問について「ロシアのウクライナ侵攻が北欧とドイツの協力関係を強化するという決定に影響を与えた。韓国製戦車は高品質だと考えていたが最終的にドイツ製戦車を選択することになった」と回答、さらに「ウクライナ侵攻がなければ現在と同じ决定を下していたか」という質問については「そのようなことを考えている暇はない。ウクライナで戦争が起こり安全保障上の課題に真剣に取り組まなければならないのが現実だ」と述べている。

出典:Forsvaret
つまりウクライナ侵攻がなければK2を選択していた可能性があるものの、ロシアの脅威が現実的なものになったため隣国との安全保障関係を強化する必要があり「ドイツ製戦車を選択することになった」という意味だ。
因みにグラム国防相は先延ばしされてきた決定を発表した理由について「提出されたオファーの期限が切れると生産ラインの地位を失うため」と説明し、戦車を欲しがる国や戦車のアップグレードを希望する国は沢山あり「オファーの期限が切れると長い行列の最後尾に回ることになる」と述べたが、決定が遅れたことで初回の引き渡しは2025年から2026年にずれ込むことになったらしい。
関連記事:ノルウェーが次期戦車にレオパルト2A7を採用、ドイツが欧州市場を守る
※アイキャッチ画像の出典:Forsvaret
なんやかんやで作ったはしから売れてんスねレオくん
輸出元の国が近場というのはやはり強いな。
> 今後欧州で重要な役割を果たすであろうドイツとの関係強化が重要だった
まぁそうよね
韓国はノルウェーの隣国や同盟国って訳じゃー無いんやから
フィンランドだけでなく、ノルウェーも微妙にロシアと国境接してるから北欧有事の際は同時侵攻されかねないしな。
そうするとノルウェー、スウェーデン、フィンランドはなるべく同系統の装備で統一するというのは安全保障上で重要。
54両+オプション18両というのも、ポーランドの様にとにかく数が大量に欲しいという調達数でもないみたいですし、
北欧3国での連携のし易さが優先されたのは正しい判断じゃないかと。
土壇場で供与・移動が認められない可能性があるドイツ製を選択するとは意外だったけど、結局今は供与が許可されているのだから「次」の侵攻では大丈夫という判断だろうか?
韓国製も供与、移転を認める保証はない。
現に155mm砲弾のウクライナ移転は認めてないし。
NATO未加入なウクライナへの移転だから首を縦に振らなかったけど、すでに導入してる国同士の移転を拒否する理由はないと思う
ノルウェーの説明、「レオは生産ラインを抑えてるからK2よりレオの方が早く手に入りそうやから」
というものであれば納得ですけど、「ドイツとの関係強化がやっぱり重要だから」は何か本当の決め手の理由を隠して濁してる感を感じますよねw
「関係強化」とかどんな契約でも後付けでつけれる便利な社交辞令ツールみたいな理由であって、ノルウェーが明確に戦略として必要な理由とは思えません。
だってノルウェーはNATO加盟国なんで、有事を睨んでの動きとしてドイツとの更なる関係強化が戦略として必要なフェーズじゃ無い筈です。
有事が始まった今必要なのは、具体的な行動と、現物(兵器弾薬)の調達であって、関係強化とか有事に協力し合う仲間づくりはフィンランドスウェーデンは頑張りどころですが、ノルウェーみたいなNATO加盟国はもう終わっていますからね。
ドイツが一方的にリスクと費用だけ負っても割に合わないので、何らかの見返り(ウクライナへのLeopard2提供国は改修や新規製造でドイツから戦車を購入すること)があってもおかしくない気がしますね。
Leopard2 A4を貰ったチェコもA7を購入する見込みのようですし。
首相の決定事由質疑応答は、政治的判断を優先したと同時に韓国の面目にも配慮したという形でしょうか。
昨年、歩兵戦闘車と長距離精密射撃システムの共同開発についてコングスベルグとハンファディフェンスが合意したそうですが、韓国へはこちらの採用で応えるつもりかもしれません。
外野から見ると「この先ドイツ信用できねぇ…」とも思えますが
ノルウェーから見れば「この先もドイツが欧州で重要な役割を果たす」ってのが選考理由の1つってのは面白いですね。
K2が採用されればこのまま一気に欧州での採用もあるかと思いましたが、もしノルウェー同じように考える国があれば思ったよりレオパルト2の牙城は高いのかもしれませんね。
(元々レオパルト2そのものの信頼性は高いわけですし)
レオ2というより現体制のドイツ🇩🇪に問題あるわけだから、北欧3国で共通の装備で固めたのは正しいんじゃないかなぁ。。
いやまぁ、こう言ってるけどまた戦争が起きれば色々変わるやろ。
あくまで現時点でって話よな。
ドイツの技術は信頼が置ける
ドイツ政府はもっとしっかりしろ
このあたりが本音かな?
ロシアの脅威が現実的なものになったため安全保障関係に疑念が生じた隣国製戦車では無い物を選んだポーランドさん、一言お願いします。
ポーランドは自国生産できるから、輸入依存度を低くできる車種を選んだのでわ?
ノルウェーは生産国じゃないから、ドイツが戦車供与を決めたタイミングをみて隣国と同じ車種を選んだんじゃなかろうか
ドイツの戦車供与に左右される状況は変わらないので、ポーランドが工場建てて国内生産するならそこからK-PL-NO戦車を買うということも出来たかもかも(そこまでK戦車を応援している立場ではありませんが、此度のドイツはね…
とりあえず、「明日は我が身、とりあえず何でもいいから沢山欲しい、次期国産戦車開発までの繋ぎ+戦車開発技術の習得」といったはっきりとした目標があるポーランドとは状況もドクトリンも大きく異なる。そもそも色々言われる通り次期MBTの優先度が低い。国産戦車開発やライセンス生産品の第三国への移転もノルウェーは考慮してないから、技術移転云々の韓国のセールスはあまり旨味にならなかった。そして、既存のレオパルトのユーザーでもあるから乗員教育の面も考慮した。(ポーランドみたいに使用する戦車の根本を変える必要もない) 部品供給の点から考えてもどう考えてもレオパルト2が最適。
諸々考えるとノルウェーがレオパルト2A7を選択したのは残当だな。
>乗員教育の面も考慮した
陸上自衛隊の16式機動戦闘車も製造コストのほかに74式戦車の乗員を教育体系を大きく変えずにそのまま活かせる目的で主武装が105mmライフル砲に乗員4名という組み合わせになった様です。
ノルウェーからするとK2は軽量(55トン)で西側規格の戦車の中では車高が低いことから冬季の雪原や森林の多い同国の運用環境に適していると評価されていました。しかし乗員が3名に減ることによりリストラされる装填手の扱いや事実上、装填手を兼任することになる砲手(ルクレールなど主砲に自動装填装置を採用した戦車では即応弾を使い切るとサブの弾薬庫から補充するのは装填手の役目)に新しく教育をしなければならないので既にレオパルト2A4を運用していることもあって教育体系を大きく変えずに済むレオパルト2A7を選択したのは自然な流れなのでしょう。
ポーランドの場合、戦車(T-72およびPT-91)の生産ノウハウがあってトルコの様に自国製戦車を新規に開発したいという要望があったので技術移転を最大の売りにしている韓国のK2が選ばれています。また戦車の教育体系が東側→西側に変わるもののK2はT-72系列同様に乗員3名で運用されているので乗員構成に変化がなく機種転換訓練も意外とスムーズに進むのではと目論見もあると思います。既にポーランドは韓国に戦車教育を行う乗員を派遣し最初にK2を受領した部隊が教育隊となりポーランド国内で機種転換教育を行う様です。
これはドイツがようやく安全保障に真剣に取り組む前兆と考えていいのかな?
チェコも新造のA7を購入する可能性があるようなので、ヨーロッパ各国のアップグレードが難しいA4の後継はA7とそれ以降のモデルになりそうですね。
MGCS実用化の2040年ごろでは特に新造の車両が新しすぎますし、今後もアップグレードの継続が求められるので、MGCSがどういった形に落ち着くのか、そもそも本当に継続するのか気になりますね。
個人的にはMGCSの成果が一部反映されるだけで今後も数十年は続投なのではないかと考えていますが…
これノルウェーの話だよな?元の記事見た上で凄く混乱する内容としか。
まず隣国であるオランダとポーランドと同じ戦車の件だが、オランダは戦車部隊を解体している。ポーランドは間に海で繋がっているとは言えデンマークとスウェーデンが立ちはだかり、レオ2は最終的になくしても良いと思っている流れにあるレオ2採用の理由としては疑問。
レオ2絡みの隣国というならレオ2最新型の採用をしているデンマークと自国仕様を量産したスウェーデンの方が自然だし、将来的にKF51へのアップグレードの可能性を含んでそうな欧州戦車を採用した位の理由の方がまだすっきりする。