トルコはギリシャの挑発行為について「戦争を引き起こす可能性がある」と警告を発しており、その動向が注目される。
参考:Turkey warns Greece against doubling territorial waters
参考:Turkey warns Greece over sending troops to Kastellorizo
もはや言葉ではなく力で優劣をつけなければ収まらないのかもしれない
現在、トルコとギリシャは互いが自国のEEZだと主張する東地中海の海域を巡って対立中で、特にトルコが派遣した海洋調査船を巡って両国の海軍の艦艇が接触事故を起こし、ギリシャ空軍のF-16Cをトルコ空軍のF-16Cが追い回すなど全面衝突に発展しかねない状況が続いている。
そんな中で両国の対立に新たな争点が浮上してきた。
一般的には基本線から12海里(約22.2km)の領海を設定している国が大半だが、ギリシャやトルコ等の国は隣国との関係上12海里ではなく6海里までの領海しか主張していない。仮にギリシャが12海里の領海を採用するとエーゲ海上のギリシャ領の島々が12海里の領海を持つことになり、トルコの「ボスポラス海峡」がもつ戦略的価値が低下することにつながる。

出典:w:en:User:Future Perfect at Sunrise / CC BY-SA 3.0左:トルコが主張する6海里 右:ギリシャが将来的に主張する12海里
上の図を見れば一目瞭然だが、ギリシャの領海が6海里までなら黒海~ボスポラス海峡~エーゲ海~地中海までの航路上で要所となるのはトルコ領海に含まれるボスポラス海峡だけだが、ギリシャの領海が一般的な12海里になるとエーゲ海の大半はギリシャ領海になるため、ロシアの黒海艦隊が地中海に出てくるためにはギリシャ領海を通過(無害通航)する必要がありギリシャの規則を遵守しなかったと認めれば、領海から直ちに退去するよう要求することも可能だ。
要するにボスポラス海峡を有するトルコは「黒海の番人」という立場を自負してきたが、ギリシャが領海を12海里に拡張することでロシア黒海艦隊の地中海進出を阻むことが可能=圧力(政治的に)を加えることも出来ると同時に、エーゲ海上でのトルコ海軍の動きを大きく制限(エーゲ海の公海が減少することでトルコ海軍が演習に活用してきた海域が使用出来なくなる)する事ができる。
しかし、この問題の核心はギリシャとトルコの領空問題だ。

出典:public domain トルコ空軍のF-16C
領空とは領土・領海の上空を指しており、領空は領海のように無害通航権が設定されていないためギリシャ領海の12海里に拡張を認めるということは事実上、エーゲ海のギリシャ内海化を認めるというとの同義でトルコは安全保障上容認することが出来ない。
そのためトルコはギリシャに対して領海を12海里に拡張しないよう長年要求し続け、ギリシャ側もトルコとの摩擦を必要以上に煽る領海の拡張を控えてきたのだが、現在ギリシャは議会に対してイオニア海(ギリシャとイタリアの間にある海)の領海を12海里に拡張する法案を提出しており、この法案にはイオニア海だけでなく他の海域に設定された6海里の領海も将来的に12海里へ拡張することが可能と示唆されているためトルコが猛反発、この法案可決は「トルコとの戦争を引き起こす可能性がある」と警告している。
さらにギリシャは最近、トルコ領から約2kmしか離れていないギリシャ領カステロリゾ島に兵士を配備したのだが、これにトルコが怒りを買ってしまった。
👇BlueStar1,civilian cargo ship that transferred armed Greek soldiers to Meis island despite Article 14 of 1947 Paris Treaty,now likely loading more Greek soldiers to be transferred to Rhodes island tomorrow.
CLEAR PROVOCATION KOMSU.Please stop escalation! https://t.co/4Ok20Pry9L pic.twitter.com/IZtgqU5FPx— METIN GURCAN (@Metin4020) August 30, 2020
トルコはギリシャ領カステロリゾ島は1947年に調印されたパリ平和条約で非武装化が義務付けられていると主張しており、今回の兵士配備はトルコに対する挑発で「このような企みは成功することはなく、ギリシャは当該地域を失うことになるだろう」と批判している。
領海問題もカステロリゾ島問題もどちらの主張に利があるのかは不明だが、今回のEEZ問題を発端に両国の利害問題が一気に噴出して収拾がつかなくなっていることだけは確かで、もはや言葉ではなく力で優劣をつけなければ収まらないのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain トルコ空軍のF-16C
カステロリゾ島の場所って、台湾の金門島みたいだね。
いつの間にか、挑発行為をしているのがトルコでなくてギリシアになっててワロタw
まあ、トルコの脳内限定なんだろうけど
もし開戦すれば、西側同士の兵器が衝突するのはフォークランド以来?
いつの世も戦争の原因は陣取り合戦。
この状況になったら双方とも引けない、引いたら政権が終わるから戦争を選ぶしかない。
もしどちらかがF-35を持っていたら圧倒的に有利になら殻戦争は起きないかもしれない。
ギリシャ領海の12海里への拡張を認める、認めないもなにも
誰かの許可がいるような話でないなら、恫喝で止められものかね。
ギリシャのご機嫌をとるどころか、今までは恫喝や挑発が通用していたのね。
‥‥リラ空売りすればええんか?
この件については、どちらかというと、ギリシャがロシアの虎の尾(熊の尾?)を踏む話に繋がる気もするな。
ロシア的には、トルコがギリシャを屈服させるために、武器供与等を拡大させるきっかけになるのかもしれない。
他国からのギリシャ議会への工作を疑ってしまう自分は、心が心が汚れているのでしょうか
これはトルコがギリシャに破れた場合、失うものが多すぎますね。それは即ちギリシャを支持するアメリカとフランスにとっても旨みが大きいということで、結論をいえば、トルコが今の路線を維持するなら敗北が確定しているということです。
トルコやりたい放題だったからアメリカ、フランスが激怒してんじゃないのか
ギリシャが何の後ろ盾もなく挑戦的な事するとも思えん
いや、この2国は日韓以上に仲悪いんだよ。まさに歴史的な宿敵
ですよね。
紀元前は小アジアをめぐってペルシャと戦った舞台ですしギリシャ人の入植都市までありました。
ギリシャも400年近くオスマン帝国に支配され戦って独立を果たしたりで感情はもう最悪。
仲がいい方がおかしいというものです。
国交あるのが不思議なくらいだからねえ
お互い首都にシャトル便が飛んで、どちらの国にも交通機関でお互いの言葉でアナウンスがある日韓(と中国もか)なんて
世界から見たら甘い甘い
日中韓のあれは中韓の言いがかりですから。
「戦争も辞さない」と言ってしまうと、これ以上何か起きたときに
本当に戦争をしなくてはいけなくなってしまう(北朝鮮を除く)ので、
これはかなりマズイですね。
金エルドアン「敵の頭上に無慈悲な鉄槌を下す」
地域の狂犬になっちゃったねトルコ
「次の試合で貴様を絶対にブッ○してやるぜ」と相手を挑発した後マイクを丁寧にリングに置くプロレスラーの様だ。
NATO的にはギリシャの肩持ちたくても静観するんじゃねーの?
フランスが乗り気なぐらいで今、事を起こしても足並み揃いそうにないし
トルコもそういうNATOの足元見てるからグイグイ出てるんだろうけど、こういう時こそ偶発的な衝突が起こりそうで怖いな
なんやかんやフランスも手出せなそうよな
事の発端は宗教ではないけど、それでもキリスト教国vsイスラム教国の図式だしな
フランスやNATOがまたイスラムの国を攻撃したとなれば移民を中心にものすごく反感買うし、それこそヨーロッパ中でテロが起きるからうかつな事は出来ないよ
んでトルコはそこら辺の事情をわかってるからこそ強気なんだろうな
トルコはこのままいけば、破滅の道を辿るようにしか思えない。ギリシャの後ろ楯はアメリカ、フランスのようだが、トルコはどうするのだろうか。ロシアくらいしかいないだろうが、支援などの情報は見受けられないし、ロシア機を撃墜等しているためロシアが付くとは思えない。
NATOもECも揉め事は望んでないにせよ、最終的な決断で棄てられるのは必ずトルコのほう
ギリシャがいくらダメダメでも、ヨーロッパ文明の源流であり、どんなに背伸びしてもトルコはイスラムでアジアなんですよ。
どうしても白人対非白人の構図に落ち着く、だからこそこの対立は深刻にならないとこで止めないと
実はロシアは歴史的にギリシャとも親密なので、この対立を収めることでプーチンが得点するのをヨーロッパは嫌がっていると思われる