ポーランドのウカシェヴィチ航空研究所は5日に開幕したMSPOに「無人機を狩る無人機」を出展して注目を集めており、HAASTAと呼ばれる無人機は「低速で飛行するShahed-136タイプの無人機」を機関砲で破壊する目的で設計されているらしい。
参考:Poland unveils HAASTA prototype for drone-on-drone warfare
参考:HAASTA – Polish drone for combat tasks at MSPO 2023
コンセプト自体は大変興味深いものの今直ぐ実用化されるという話ではなく、実際の戦場でどこまで通用するのかは謎だ
ポーランドのウカシェヴィチ航空研究所はイタリアのEuroTechと協力して「無人機を狩る無人機」を設計、HAASTAと呼ばれる無人機で射出装置で離陸し、パラシュート降下で回収され、作動範囲は標準的な無線で30km、メッシュリンクで80km、指向性アンテナを使用した見通し通信なら170km、衛星通信なら搭載燃料(最大10時間の滞空時間/飛行速度は120km/h~270km/h)に依存し、機首にはEO/IRセンサーが搭載されているが、機体下部の中央には5.45mm機関砲が搭載されている。

出典:Łukasiewicz-ILOT
ウカシェヴィチ航空研究所は「HAASTAは低速で飛行するShahed-136タイプの無人機が排ガスを捜索、これを識別すると5.45mm機関砲で目標を撃ち落とすよう設計されおり、将来的に7.62mm機関砲、12.7mm機関砲、20kg爆弾を搭載できるかもしれない」と述べているが、まだHAASTAはコンセプトの実証段階なので実用化に漕ぎ着けられるのかは不明で、ウカシェヴィチ航空研究所はMSPOに出展することで「潜在的な顧客の掘り起こし」を期待しているらしい。
ポーランド政府は国内の研究機関が実施する科学研究・開発業務を効率化するため2019年にウカシェヴィチ研究ネットワークを設立、ウカシェヴィチ航空研究所は同ネットワークの一員(22の研究機関と4,500人の研究者が参加)で、国際プロジェクトを含む研究プロジェクトの実施と研究結果の商業化を主な活動としており、ウカシェヴィチ航空研究所はボーイング、GE、エアバス、P&W、欧州宇宙機関などと緊密に協力して航空、宇宙、無人技術を研究している。
#ZbrojnaTV: Dron Haasta może wykonywać misje zwiadowcze i rozpoznawcze, a gdy zajdzie potrzeba – zbombarduje wykryty cel #MSPO2023 @MON_GOV_PL @SztabGenWP @DGeneralneRSZ @DowOperSZ @IWsp_SZ @TargiKielce
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— polska_zbrojna (@Polska_Zbrojna) September 5, 2023
要するにウカシェヴィチ航空研究所は防衛産業企業ではなく研究機関なので、HAASTAを実用化するには出資者や企業と手を組む必要があり、これを見つけるためにHAASTAをMSPOに出展したという意味だろう。
コンセプト自体は大変興味深いものの今直ぐ実用化されるという話ではなく、実際の戦場でどこまで通用するのかは謎だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Łukasiewicz-ILOT
FPVによるマン・イン・ループ方式なのか自律型なのか謎
自律型なら問題は敵味方識別
伝送映像だと機銃を撃つ際の反動とタイミングにズレが生じるので命中率が悪そうではある
と言って、ミサイルは高価で重い
機銃のために、映像が鮮明で頻度が高いと帯域を圧迫する
自立型の場合、それはもう運用上、戦域で区別するしかないのでは。
インフラ防衛目的ならそれでもいいでしょう。
「ヒューマン・イン・ザ・ループ」のことをおっしゃっているのなら、AIシステムのループ上に人間の判断や指示を挿入可能とした制御システムのことですから、作戦行動の変更、敵見方識別や攻撃判断等は人間が行うことでOKだし、現用技術で可能でしょう。
モニターしている人間の攻撃許可により、ドローン搭載のAIシステムがロックオン目標を撃墜判定まで自律的に攻撃するわけで、システム上問題無いのではないかと。新規開発が必要なのは命中精度の高い空対空機銃射撃アルゴリズムですかね。
その判断に大量のオペレーターや大データの通信が必要になるようなら現実的ではない不出来なシステムになるって話では
FPVではない方式のヒューマン イン ザ ループなら現行技術て現実的というご指摘と思います。大量のデータやオペレータが必要ではないので
接敵した機体からの警報に対応するなら判別→AIに射撃指令(人間は実行するかどうかの指令を出すだけ)ならパパっと処理できそうだからそんなに人要らないと思う
なので同時に映像を送る機体は少数でしょうから大データ通信は必要ないでしょうし、なんなら多少の誤射はコラテラルダメージでしゃーないから雑な映像や静止画による判別でも良いと思うけどね
そもそもこの手の最後の射撃判断は人間、って仕組みは西側的な枷でしかないから
どうせAIが全部こなす裏メニューが用意されるんでしょっと邪推しちゃう
写真で見る限り、機銃は目標と同高度かやや上から撃つのかな。
シャヘド136は飛行高度が50mくらいとされていたから、
下向きに撃つと、逸れ弾が心配ですね。都市部では撃てないでしょう。
開けた場所(ウクライナではドニプロ河沿いに来るとも)か海上で使うのでしょうか。
シャヘドの弾頭は40kgのHEATと自己鍛造弾/対人破辺効果の複合だそうなので、
発火したら落ちた場所には相当な被害が見込まれますね。徹甲榴弾もあるとか。
できれば、空中で完爆するか、信管不動の状態で回収するかしたいものでしょう。
単純に推進力を失わせるだけで良ければ、位置を特定した上で、シャヘド136より
倍ほどに優速(シャヘド136は185km/h)なドローン機体をシャヘド136の
プロペラ(木製、推進式)に後ろから衝突させるのが安価と想像します。
まだ決定打と言えるやり方がないのでしょうね。
相手側のレシプロエンジンの排気を探知するとなると海上(海面の乱反射)や都市部(似たような熱源が地上に点在)では運用の難易度が格段に難しくなりそう。
まずは都市郊外からの進入を防ぐ事から始めるんじゃないかなぁ
多分ですが、現在は、波長の短いレーダーが最良と思います。
もちろん、データの取捨選択のプログラムは必要でしょう。
日本の東芝で良いものを作っているようです。
現在のウクライナでどのような警戒組織があるかについて
記事を見たことはないです。知りたいものですが。
他所の記事ですが、ロシアはモスクワの周りに鉄塔を建てて、
その上にSAMシステムを載せるようになったとのこと。
以前から、パーンツィリを配備しているとは記事にありましたが、
鉄塔にどんなSAMを載せているかは、書いてありませんでした。
捜索レーダーだけかも、ですが。理由は見通し距離を伸ばすためとのこと。
サムネ見ると機首内蔵じゃなく胴下部の半回転銃座っぽいし
そのくせ装弾はと見るとバナナマガジンが鎮座しているし
出来損ないのガンシップもどき?1飛行で何機落とせる計算なんだろ
こいつの1フライトでSAM1発撃つより金が掛かるとも思えませんので1機落とせれば十分、3〜4機落とせるなら上々なのでは。
銃がほぼ既存の小銃そのまんまなのは「自国でご使用中、あるいは倉庫で眠ってる型落ちの小銃を小改造でご使用いただけます」というコンセプトなのでは。
ベルト式やドラム式でバンバン撃てるけど5.45mm専用、とかじゃ売れる相手が限られちゃいますし。
わかってはいましたが、この手の分野は攻撃側と防御側のいたちごっこですね
有人機の構想のように、そのうち自爆無人機の護衛機兼自爆機とか出てきそう
シャヘドタイプのドローンは沢山飛んできますので大量に来る機体を効率よく落としていく必要があります。
そういう要件からして記事の機体は形態からして余り期待できないと思いますけど、こういう安価な攻撃ドローンを撃墜するキラー兵器が充実して攻撃側ドローンが高価なものじゃないと突破出来ないようになっていく事で、戦争の勝敗が従来の通り西側が得意とする高価なハイエンド兵器で決まる構図に戻せるので、西側にとっては重要ですね。
今は貧乏国の安価なドローン大量攻撃でハイエンド戦に持ち込む以前に崩されかねない足元を掬われた形ですので、早くこういう安価なドローンの大量攻撃を有効に防ぐ対ドローン兵器が充実してほしいです
無人機を無人機でどんな方法で戦うのかと思ってみたら
まさかのハードキル
まさかの機関砲
まーシンプルだね
次はペンシルミサイルかな?
安価に航続・射程距離を稼ぐプロペラ・高翼揚力仕様のShahed-136
高価な誘導弾以外で堕とす方法となると当然の帰結ですかね(それでも安くは無い
海のある日本は多少ましとはいえ、キ印国家相手の専守防衛はつらいよ
航空機の黎明期のようになっていますね。
戦争は兵器のイノベーションを早める(対抗兵器の開発・低コスト化など)と言われてきましたが、歴史をなぞっている気がします。
ポーランドは防衛投資を進めている国ですが、軍事技術の開発が、どういった新しい産業や技術を生み出すのか(インターネット・GPSなどのように)注目したいと思います。
>航空機の黎明期のよう
まさにその通りですね。
これが実用化されたら、次は「より速く、より高く、より遠くに」でしょうか?
無人機版「空の要塞」が登場する日も近い!?
これは、仰る通りと思います。
例えば、B52やAWACSを合わせたような設計思想の機体を開発して、使い捨ての無人機を大量に搭載・運搬、一度に管制するという時代がくるかもしれません(衛星通信を使って遠隔の方がよいかもですが)
無人機の場合は「より速く」の部分が「より長く」になるんじゃないかな。
音速を越えるのは無人でも有人でも関係なくコストの高騰を招くので、速度は遷音速の下の方でほぼ頭打ちになるかと。
それより食事もトイレも必要ないのを活かして24時間どころか数日や数週間、滞空して任務を続ける機体が出てくるんじゃないでしょうか。
現状でも太陽電池だけでモーターグライダーを飛翔させ続ける事はできてる訳で、気密なしに雲の上を飛べるUAVならもっと容易でしょう。
まあ実運用にはそこに任務やら通信やらに必要な機材積んで電力供給して…という話になりますので電力供給や重量に制限のある太陽電池による無限飛行が採用されるかは分かりませんが、哨戒・監視系の任務では「長く飛べる」というのはそれだけで大きなメリットになりますので、確実にその方向に進化はすると思います。
機関銃(砲)だと命中率とか流れ弾の被害とか懸念されるんじゃないかな
ハイドラ70のレーザー誘導弾なら安くて正確そうだけどどうだろうか
IRシーカーやRFシーカーより安く済みそう
上でも言及してる方が居ますが機関砲で撃ち落とすというアプローチはかなり技術的に難しそうな気がしますね。
無人戦闘機というより再利用可能なSAMみたいな考え方で、一直線にドローンに向かって飛んでいって近接信管付きのロケット弾を撃って帰ってくる、みたいなアプローチの方が良いのかも。
どうやら、目的地付近に飛んでくるのは、夜間のようです。
ですから、IR/RFシーカーは必要ではないかと思います。
APKWS(ハイドラ70ベース)は重量が15kgだそうですから、
ドローンでも小型の機体は無理と思います。
むしろ有人機の方が良くはないでしょうか。
単座/単発/低速の小型機に19発のポッドを吊るして、
開けた場所で待ち構える形を想像します。
ゲパルトが実際に大活躍しているから、足の速い守備範囲の広い空飛ぶゲパルトみたいなのできたら活躍するでしょうね。
戦闘機と違ってパイロットの育成も安価に期間も短くできるだろうし。
MIGをドローン・巡航ミサイル狩りに使わなくても良くなるかもしれないですね。
どう考えても牛刀割鶏ってやつだ。
ところでヘルソン辺りでまたバイラクタルが活躍し出してピックアップトラックなどの装甲なし車を破壊しているそうですが、攻撃ヘリやA10の無人機バージョンて考えられてないんですかね。
もうロシアは戦車が枯渇して活躍の場がウクライナでは無くなってるかもしれませんが。
T80はほぼ全滅らしいですね。
全滅したのはT-80BVMでは? ロシア軍はこいつの他にもT-80BVやU,UK,UE-1,UM2など保有していますので割と在庫は残ってると思います。
魚雷が誕生したときに魚雷艇による戦艦へのチープキル対策として魚雷艇駆逐艦(略して駆逐艦)が誕生した時の事を見ているような気がする
むしろ戦闘機の誕生では
以前人間エースvs空戦AIのシミュレーション行った際、AI側は正確無比な照準合わせで人間エースをガンキルしまくっていたらしいので、防空ドローンは将来有望と思いますね
対ドローン迎撃ドローンの目をくらますために、デジタル迷彩(?)ドローンが登場しそうな勢いですね。
ウクライナ「ぜひうちで実証実験を!!」「貴重な実戦データを大量に提供出来ますぞ!!」
中型~大型のUCAVクラスになる場合はこういうのもアリなのだろうか
機関砲と書いてあるから最低ライン12.7mmかなと思ったけど5.56mmのアサルトで肩透かし食らった。
欲張っちゃいけないんだろうけどインターセプト考えると300km巡航ぐらいの能力有ればいい気がする。機銃に関しては軽量12.7mmが無い以上はそれ以下の口径搭載が限度じゃないだろうか、ペイロードが劇的に上がらないなら後は威力と射程上げるために軽量ロケット搭載して終わりなきがする。
装甲なんかないに等しい激しい回避運動もしない安価なUAVを優速なUAVで七面鳥撃ちするなら高初速で低反動、流れ弾の被害も小さい5.45mmは悪い選択じゃなさそうですが。
アサルトライフルポン付けみたいな見た目も「(自国で運用中の)既存の小火器を多少の改造で搭載可能」と解釈すればむしろ売りになるのでは。
コレのためだけに専用弾薬導入するのは大変でしょうしね。