ポーランドのブラスザック国防相は「新型潜水艦の取得プログラムを年内に立ち上げる」と表明、AIP機関による長距機航行能力と巡航ミサイルによる対地攻撃能力を備えた潜水艦を想定しているらしい。
参考:Defence24 DAY: Poland to Procure Submarines With Cruise Missiles. Orka Project to start soon
完成品を海外から調達して国内の造船所で運用維持していく形を検討しているのだろう
ポーランドのブラスザック国防相は23日「スウェーデンと早期警戒機の導入に向けて交渉が進められており、短期間で交渉がまとまることを望んでいる」と言及して注目を集めているが、ディフェンスメディア主催のカンファレンスの中で「新型潜水艦の取得プログラムを年内に立ち上げる」と表明、この計画は「オルカプロジェクト」と呼ばれており、AIP機関による長距機航行能力と巡航ミサイルによる対地攻撃能力を備えた潜水艦を想定しているらしい。
#BREAKING Poland to start #Orka submarine project this year. The program will include offsets – as Head of @Poland_MOD @mblaszczak announced during @Defence24Day. The submarines are to include land attack cruise missiles #Defence24Day #D24D cc @DefAeroNews @navalnewscom
— Jakub Palowski (@JakubPalowski) May 24, 2023
ポーランド海軍は旧ソ連製のキロ級潜水艦「オゼル」に加え、ノルウェーから購入した4隻の中古潜水艦(205型潜水艦の派生型で207型もしくコッベン級潜水艦)を運用していたものの、2021年までにコッベン級潜水艦は退役し、老朽化したキロ級潜水艦の能力は非常に限定的で、ブラスザック国防相は「欧州と欧州外の潜在的な潜水艦供給企業をオルカプロジェクトに招待する予定だ」と述べている。
つまりポーランドは新型潜水艦の潜在的な調達先にドイツ、フランス、韓国を考えている可能性が高く、ブラスザック国防相は「調達する潜水艦の維持やサポートを行うためオフセット協定=関連したサービスを国内で行うための技術移転を求めることになる」「オルカプロジェクトの入札アプローチはオーストラリアの潜水艦入札モデルを参考にした」とも述べており、調達する潜水艦の数や要求要件については後日詳細を発表する予定らしい。
現段階では情報が少ないので何とも言えないが「現地建造」には言及していないため、完成品を海外から調達して国内の造船所で運用維持していく形を検討しているのだろう。
関連記事:大幅な軍備拡張に乗り出したポーランド、今度は早期警戒機を調達か
関連記事:ポーランドがCAMMを発注、前例のない技術移転で英国が19億ポンドの契約を獲得
関連記事:ポーランドがK9の車体を流用したヘビーボルスクを開発、エイブラムス部隊向け
関連記事:欧州最強の陸軍を目指すポーランド、1,400輌のボルスク購入契約に署名
関連記事:訪米中のポーランド首相、JASSM-XRの取得や劣化ウラン弾の国内生産に言及
関連記事:ポーランドが米陸軍からAH-64Eを8機取得、NSMの大量調達も進行中
関連記事:ポーランドPGZ、共同開発国としてKF-21計画に参加する意思を正式表明
※アイキャッチ画像の出典:tomasz przechlewski/CC BY 2.0
ブラウンウォーターネイビーであることを考慮すると候補国だと安価な韓国製かな、スウェーデンでもいいと思うが。
あまり特定の国に偏り過ぎるのも良くないと思うけど、最近の調達が目立つだけで実際はそこまででもないのか。
韓国はカナダの潜水艦調達の候補にも挙がっているので受注タイミングが被らなければ対応可能という目論見なのでしょうか?
韓国の場合、海軍の潜水艦は陸軍の様に優先的に更新しなければいけないという兵器では無いのですが造船所の建造能力次第といったところでしょう(韓国では好調な兵器受注から国をあげて兵器開発と生産体制を確立するようにしていくと韓国メディアが報じていた)
韓国の場合は韓国からポーランドまで回航するのにえらく遠いというデメリットがあるが、VLSを搭載した通常型潜水艦である利点が強くはある
スウェーデンに関してはA26と呼ばれている潜水艦が22年着工したけど、20年強建造が途切れていたという実績がある
ドイツは輸出実績は多いが、ポーランドとの関係がなぁ
安価かどうかは別として、三つの選択肢の中では韓国が強いはあると思う
ポーランドだと、主たる作戦海域はバルト海でしょうから、日本の潜水艦の出る幕は無いでしょうね。
任務も、巡航ミサイルのプラットフォームだけでなく、特殊部隊の支援もある一方、ハンターキラー任務の要求は大きくは無いと思われますし。
バルト海だと、スェーデンかドイツの潜水艦が手堅いとは思いますが、値段と技術の移転面で韓国が有利でしょうね。
問題は、潜水艦を作り始めてから然程経っておらず、技術的に未成熟な製品な可能性が高い点でしょうか。
また垂直発射管をアピールすると思われますが、未だ韓国自体も建造段階で作戦運用した事が無い代物だという点でしょうね。
また、戦闘システムも100%韓国製な筈がなく、その輸出で揉める可能性があるかもしれません。(この辺、プレゼン段階では可能だと言い張ると思いますが)
調達だけなら韓国製が有利だけれど、
将来的なアップグレードまで考えると、近場でメーカーアップグレードが可能なドイツやスウェーデンが有利なので、
甲乙つけ難い
陸軍国のポーランドにおいて、一体どういう場面で巡航ミサイルによる対地攻撃能力を付与した潜水艦が必要になるのでしょうか?
有識者の方は、ぜひご教授いただきたいです。
有識者じゃないけど一番安全な攻撃プラットフォームである事は間違いない。ロシアがウクライナの弾道ミサイルやロケット砲を狩れていないからやっぱり必要性が分からんけど。ミサイル部隊をより多く揃えた方が良いよなぁ…?
サンクトペテルブルクとカリーニングラードのロシア海軍の封鎖と
オーランド諸島保護のため
タダの軍オタですが
単純に相手が嫌がるからだと思いますよ
潜水艦から数発の巡航ミサイルを発射したとろこで
たいした火力にはならないけど
海中から陸地攻撃できる潜水艦がいるかもしれないと
思わせるだけで
相手はそれを考慮に入れざるおえないし
リソースを割かざるおえない
そしてありえないと思うが
核搭載巡航ミサイルのブラフだけでも
相手は相当ストレスでしょう。
>核搭載巡航ミサイルのブラフだけでも・・・
日本もそれが出来たらいいのにね。
(お金ないからね)
ポーランドは潜水艦を海上戦闘のためではなく、秘匿性の高い火力投射プラットフォームとして運用したいのかな?
だとしたら日本とは真逆、大陸国家ならではの目線だね
わざわざVLSを設けずとも魚雷発射管を発射口として使えば船体サイズも抑えられるだろうし、これからは通常動力潜水艦も対地攻撃能力を備えるのがスタンダードになりそう
>「オルカプロジェクトの入札アプローチはオーストラリアの潜水艦入札モデルを参考にした」
参考になるのか…?
反面教師としてならあれ以上は早々ないですよ?
土壇場でひっくり返して原潜導入するって意味の可能性もある
そして共同で維持整備する地域同盟POUKUS(ウクライナも入れたら「POUKRUS」)結成までいけば・・
ジョークですけどね
GDP比5%でも収まりそうにないですねポーランド。しかし、ロシアはあれだけの国土でGDPはポーランドの2.5倍「しかない」って本当に中国の経済植民地になってしまいそうですねこれは
よくわからんなー
火力投射が目的なら非効率的な潜水艦じゃなくて水上艦で良さそう
NATOに所属してる以上、欧州で水上艦を運用出来なくなるほど制海権を喪失なんて考えられないしね
対中国でも見据えてくれてるのか、将来的に核でも所持する目論見か(邪推)
すごいなポーランド
やる気メーター振り切れてるじゃん
強いポーランドの復活か
戦後にロシアが著しく弱体化したり、分裂したりしたとき、ポーランドは調達した装備の大半を持て余すことにならないだろうか。
砲弾とかならともかく、ほかの装備は、かなり扱いに困ることになりそう。
単に対地攻撃するだけならUUVにVLSを積めば良いのではという発想が思い浮かぶ
何を目標にどんなミサイルを撃つつもりだろう。興味津々です。
それによってVLSのサイズが決まるのでしょう。
バルト海は浅いし(潜行深度は150mで十分とか)、狭いから、
水上を移動すればすぐにバレそうな気がします。
とすると、根拠地を出る時からAIPで運行するのかしら。
とすれば、ディーゼルエンジンは非常用で良いのかな。
根拠地もブンカーにして衛星や飛行機に見えないようにして?。
中共の海南島の潜水艦基地みたいですね。あれでも、入出港は上から見えるそうですが。
極低速で移動すれば、聴音機にはかからないのかな。
船体をステンレス鋼にすれば磁探にもかからないのかな。
バルト海には海流はないのかしら。沈船はやたらにあるそうだけど大丈夫かな。
水上に出ないなら、航法(ポジショニング)はどうやるのだろう。
色々と妄想が広がります。
通常動力型では普通重視されない巡航ミサイル搭載能力を必須要素に入れてるのが面白いですね。黒海の戦いがまさにそんな感じですが、閉じた海に面した国の艦隊は有事に母港およびパトロール海域の全てを補足されたうえで全滅する可能性が常にあります(ウクライナ海軍はそれを恐れて自沈したし、ロシア黒海艦隊も敵にトマホークがあったら初日に全滅しているだろう)。
カリーニングラードから撃てばポーランドの沿岸海域はカリブルの対艦型でもほぼ射程に収まるので、ポーランド海軍もまたロシア軍の奇襲によって全滅するリスクをはらんでいます。近年のポーランドの軍拡によって欧州防衛におけるポーランドの重要性はさらに増しており、ロシアがヨーロッパに牙を剥く時にポーランドを最初に・徹底的に叩くという想定はあり得る事でしょう(核が出てくる可能性も)。そんな条件下でも作戦行動中は潜航してパトロールする潜水艦なら助かる可能性が高い、という辺りを狙っての事なんじゃないかなと思います。この種の巡航ミサイル潜水艦を使った生存性の高い戦術を最初に始めたのはソ連で、それが一巡して戻ってくるのは皮肉ですね。
ロシア相手にそんなものは優先順位が低いだろうに。
別にそこまでカネのある国でも無し、限られたリソース(軍事費)の使い方を間違えてるなあ。
大国になりたい病、ナショナリズムなのかな。軍事的じゃなく政治的な動機だよね、これ。
韓国にもそれが濃厚にあるが、ポーランドは韓国ほどのカネも無いのに。
ロシアの脅威を真面目に考えるなら、普通に陸軍・空軍の強化にそのカネを回せよと。
そりゃ直接の関係の無い我々からすればロマンはあるけどねえ。
バルト海封鎖じゃなくてサンクトペテルブルク攻撃用かね。どんなミサイル積むかは知らんが、射程1000km越えだとすると、発射する場所によってはモスクワやセベロドビンスクを攻撃できるか。