アゼルバイジャン側はナゴルノ・カラバフ地域の完全な非武装化を、アルメニア側は非接触線への不可侵を保証するよう要求しており、争いの種火が消えて無くなることはないだろう。
参考:Azərbaycan Ordusu “Qisas” əməliyyatı keçirib
参考:Pashinyan talks Russian peacekeepers in Karabakh, Artsakh Army and security guarantees from Azerbaijan
参考:There is no Armenian soldier in Nagorno-Karabakh
アゼルバイジャンが絶えず停戦協定に違反するため非接触線を守るアルツァフ国防軍が必要
アゼルバイジャンとアルメニアとの間で発生した軍事衝突の詳細が判明、アゼルバイジャン国防省は「ラチン県とキャルバジャル県に跨るキルクニズ山周辺を占拠する動きに関連してアルメニアの武装集団がアゼルバイジャン軍陣地を攻撃、自国の兵士が死亡したため報復として敵駐屯地(40.139776, 46.548554)をTB2で攻撃、榴弾砲D-30数門、軍事装備、弾薬を破壊した」と説明。

出典:GoogleMap ナゴルノ・カラバフ地域の状況
これに対してアルメニアのパシニャン首相は「アゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフ地域に存在しないアルメニア軍の脅威を悪用している。非接触線に沿って配置されているアルツァフ国防軍をアゼルバイジャンは問題視するが、ロシアとアゼルバイジャンが非接触線への不可侵さえ保証すればアルツァフ国防軍は必要ないが、アゼルバイジャンが絶えず停戦協定に違反するため必要性が生じる」と反論。
ただアゼルバイジャンは「ナゴルノ・カラバフ地域には依然としてアルメニア軍や非合法の武装集団=アルツァフ国防軍が存在しており、自国領でもある同地域の非武装化は絶対に必要だ」と主張している。
今のところ衝突が拡大するのか収束するのかは不明だが、争いの種火が消えてなくなることはないだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Azərbaycan Respublikası Müdafiə Nazirliyi
ロシアは援軍に来れないし、EUはガスで懐柔済み。実に強かだなアゼルバイジャンは。
後は調子に乗りすぎて、イラクの二の舞いにならなきゃいいんだが。
ケツ持ちにトルコがいるし、イランも一枚噛んでいるんでしょうから、ナゴルノ・カラバフ地域を超えて拡張を始めるようとしたら、この2カ国が止めるんじゃないんでしょうか。
ナゴルノ・カラバフ地域だけは、どちらかが悪いという次元を超えてるので、欧米も首を突っ込めないでしょうし。
国際的にはアルメニアによる不法占拠だから、アゼルバイジャンが占領しても追認するだけ
紛争による解決は望ましくないが
実際、超長期的に見た時トルコやアゼルバイジャンが新たなロシアみたいな立ち位置になる可能性もなくはないと割と大真面目に思うわ
西洋と同等、或いはそれ以上に発展したトルコが一切の野望を見せずに大人しく西洋と同調し続けるか?今の段階ですら危うい関係なのに
あり得ない話では無いと思うのですが、どちらもソコソコ強い国が周りに結構あるので、突出しすぎれば今のロシア、いやそれ以上に周辺国からボコボコにされるんじゃないでしょうか。
それに今更汎テュルク主義なんてやっても、他にもアクの強いイデオロギーがあのへんはたくさんあるわけですし。
大真面目にとは言ったものの深く考証を重ねた結果の上に出した話でもない与太話なので…
ただエルドアン政権自体に汎トュルク主義を再現する意図があるかはわかりかねますが、少なくともトュルク圏内における影響力の拡大とそれを目指した行動は今の段階でも明確に見ることができます
私自身は汎トュルク主義を再現しようとトルコが行動に出るとはあまり考えていませんが、単に影響力を確保する過程において衝突する可能性は十分にあると思っています
周辺国との軋轢に関しても現在の段階で既にトルコはアゼルバイジャン、シリア、リビア等において積極的な介入を行っており、将来的にもこの方針が維持される可能性は十分にあるのではないでしょうか?
トルコ周辺地域(トュルク圏内に限らず)においてトルコの伸長を抑えてきたのはロシアの圧倒的なプレゼンスです
そのロシアはウクライナ侵攻により、自身のプレゼンスだけでなく、それを担保していた総合的な国力自体をも大きく縮小させていくことになるでしょう
当然ながらこの地域におけるトルコのプレゼンスは拡大していくと思われますし、その過程でトルコの挑戦的な姿勢が続けばトルコ自身が新たなロシア化してしまう可能性は小さなものでもないのかなと
現地のアルメニア系住民の人権が最大限尊重されることを祈るしかない。
なんかもう色々とグチャグチャだなぁ、、