米国やイタリアに続きスペインのサンチェス首相もキーウにまもなく到着する予定で、ゼレンスキー大統領と会談して「レオパルト2A4を含む新たな武器支援パッケージの提供」を発表する可能性に期待が集まっている。
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サンチェス首相がレオパルト2A4以外の武器提供をキーウで発表するのかに注目が集まっている。
まもなくロシア軍の侵攻開始から1年を迎えるウクライナを支持するため米国のバイデン大統領やイタリアのメローニ首相がキーウ入りし、ゼレンスキー大統領に新たな武器支援パッケージを提供すると伝えてNATOの結束をアピールしているが、スペインのサンチェス首相が48時間後にキーウ入りしてゼレンスキー大統領と会談するらしい。
サンチェス首相がゼレンスキー大統領に新たな武器支援パッケージを提供するかどうかは今のところ不明だが、22日にロブレス国防相が「ウクライナに提供するレオパルト2A4は6輌で3月末~4月上旬までに引き渡される可能性(サラゴサでのウクライナ人に対する訓練完了時期と一致)があり、ゼレンスキー大統領やNATOの要請に応じて追加提供の可能性もある」と明かしたが、サラゴサ兵站基地に10年以上も保管されていたA4の状態は非常に悪く「今回提供するA4は最も劣化が少ないものが選ばれた」と付け加えている。
つまり新たな要請に基づき保管中のA4をウクライナに提供するなら「状態が悪い車輌をオーバーホールしていくので時間がかかる」という意味だが、ミュンヘン安全保障会議でドイツのショルツ首相が呼びかけた「運用可能なレオパルト2の提供=運用から外れて保管状態のものではなく部隊運用中のものを提供すべきだと意味」についてスペインは否定的で、最新のレオパルド2E(A6の改良モデルで約200輌保有)は国の安全保障に不可欠なため提供候補から除外しているらしい。
恐らく2度目となるサンチェス首相のキーウ訪問は「レオパルト2A4を含む新たな武器支援パッケージの提供」をウクライナで発表すること=政治的なNATO結束を国内外にアピールすることが目的だと思われ、レオパルト2A4以外の武器提供に何が含まれるのかに関心が集まっている。
因みにスペインはウクライナ支援の内容を一部しか公開しておらず、TOWランチャーを装備するM113を20輌、装甲車輌のRG-31Mk.5E(救護タイプ)を4輌、155mm榴弾砲、105mm榴弾砲、地対空ミサイルのAspideのHawk、携帯式防空ミサイルのMistral、榴弾砲むけ砲弾を75パレット分、各種弾薬、商用車輌、重車輌、ディーゼル燃料を2,000トン、ヘルメットを5,000個、各種防寒着を7.7万着を提供しているのが確認されており、ウクライナ支援に消極的と非難されるほど支援規模は小さくない。
追記:ノルウェーも正式に8輌のレオパルト2A4提供(+支援車輌を最大4輌)を発表、フィンランドも23日にレオパルト2のウクライナ提供を議論すると現地メディアが報じているが「恐らく国際的なレオパルト2提供の枠組みに関与するという暫定的な決定が下され、提供するレオパルト2の種類(A4かA6)や数量(A4を約130輌+A6を約100輌保有)は出て来ない」と予想しており、まだまだレオパルト2提供への動きが加速されているとは言い難いものがある。
追記:キーウを訪問したイタリアのメローニ首相は「ウクライナへの戦車提供は議論していない」と述べている。
追記:米国がウクライナに提供するエイブラムスをウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)ではなく大統領権限(PDA)から引き出す可能性がある=輸出向け装甲を採用するエイブラムスを新たに製造してウクライナに提供するのではなく『米軍備蓄から引き出す=劣化ウラン装甲の米陸軍仕様』と一部で報じられているが、この発言はUAEの武器展示会に出席した国防総省関係者のもので公式には否定(国防総省の報道官はUSAIからPDAへの変更を否定)されており、仮に米軍備蓄からエイブラムスを引き出しても兵站の問題は解決されないと主張している。
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※アイキャッチ画像の出典:President of Ukraine 2022年4月にサンチェス首相がキーウを訪問した際の写真
MLRSと野砲持ってキッシーもキーウ行くんだよはよ!
憲法と国会法の規定に基づき、国会の開会中における国務大臣の海外出張は、事前にそれを衆参の運営委員会に通知しそこで承認される必要があります。
ロシアの嫌がらせ等を受けないようにお忍び訪問が基本になると思われるので、スケジュールが公にならない閉会まで訪問は難しいと思います。残念ながら6月の終わりまでは実現しない可能性が高いでしょう。
すでに極秘訪問計画立ててたのがマスコミに察知されて断念したと報道されてるね、運営委員会への報告義務以前に情報管理能力に問題がある、
まだ分かりません。
今朝の報道では、安全確保のため「事後報告を可」とする意見も委員会内で出ているそうです。特例として認める方向で調整がつけば可能性はあります。
あくまでもそれは慣例だよ。
絶対にやっちゃいけないなんて法律では縛っていない
法律で縛っているのは、あくまでも「出席を求められたときには出席しなければならない」と書いているだけ。
その出席要求も代替日を用意することで拒否もできるし、いままでもそれは幾度もやってきてる。
ようは岸田が行くか行かないか決めるだけの話
憲法と国会法のそれぞれ何条の定めでしょうか?
日本国憲法第63条
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁または説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
国会法第71条
委員会は、議長を経由して内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を求めることができる。
というわけで会期中に海外出張する場合、これらの権利と義務を損ねないように国会の進行と出張期間を調整する必要があります。それが衆参の運営委員会への通知と承認であり、これを行えば必然的に訪問スケジュールが公のものになります。(少なくとも委員会に所属する国会議員には)
私が問題にしているのはスケジュールが公になると危険だと言うことで、出席要求やその拒否、代替日の設定はその議論の前提として欠席日(≒訪問スケジュール)が明らかになるので、そのような折衝を事前に行ったうえで訪問するのは難しいということです。
ちなみにアメリカがロシアに事前通知したのは訪問直前(一時間前とも言われている)でロシアに対応の時間を与えませんでした。既に上で指摘されてますが、訪問するとして現実的なのは慣例を破っての事後通知でしょうが、野党がこれを認めるかは微妙な問題です。
ここまで出遅れるとお土産増やさないと格好つかないからますます行きにくい
悪循環だねえ、他国の顔色伺ってから動こうとかするから後手後手で出遅れる
もう終戦後まで行かないと決めたほうがいいな
金は出してるしいいんじゃないかな?
日本から物資送るにしても欧米とは比にならん時間掛かるし。
日本は日本で対中ってやっかい毎も抱えてるしね。
岸田首相は堂々とルール通りに通知して訪問すればいい。
どうせプーチンは何もできませんし、これでも一番最初に訪問したジョンソン元首相のハイリスクさとは比較になりません。
G7の議長国の首脳として強い意志をプーチンに示すべきです。
私は以前、ウクライナが全く感謝していない!と一般市民が炎上していた状況がトラウマでして、またあんな感謝強盗が見られると思うと…岸田首相には行って欲しくない感情が先行してどうにもなりません。
市民の対ロシア感情自体は過去最低などと聞きますが、全体で20兆におよぶ援助額中、我が国の表明した金額は1/1000、重鎮政治家が侵略戦争を支持する発言を繰り返し、在ロシア大使館が通常業務を続ける一方、在ウクライナ大使館はいまだ開かず(これもG7で唯一です)。
ロシアのプロパガンダにたびたびこの辺は持ち上げられてますが、日本はどこからも何も言われていません。つまりまったく相手にされていないのです。この状態で訪問したところで…
みんながやってるからやりたくなるのは心情でしょうが、指摘されて他人に「やることをやれ」と言われるとものすごく嫌な顔をするのが日本人です。各国がまだ着手してないことを探したほうが対外的にも国内的にも好印象を残せるでしょう。
>日本はどこからも何も言われていません。つまりまったく相手にされていないのです。
イギリスのジョンソンがキーウに勇敢に乗り込んで、アメリカは大量の武器をこれまで支援してきたのは
素晴らしい活躍とは思いますが、もうちょっと時間軸を広げてみたら、
英米がブタペスト覚書の約束を反故にした事への負い目、埋め合わせでしょう。
ブタペスト覚書には参戦条項はありませんが、ロシアの隣国の国に対して、
核兵器放棄と引き換えに国連安全保障理事会の常任理事国が侵攻してしてきた場合には機能しないようなザル条項を結ばせた事は詐欺に近いですからね。
筋としては本来は参戦すべき所を参戦しなかった。要は自分の失態のケツを拭いてる側面は多分にあり、
湾岸戦争のパターンと違って日本に「お前も積極的に参加しろよ」と言えるような立場じゃないことを自覚してるからかもしれません。
つまり英米が率先してウクライナ支援を大々的にやっている動機は純粋な正論の裏側に、約束を実質的に反故にした事で、自分たちが結ぶ国際的な約束事が今後信用を失う事を避ける為という自国の国益維持の面も強いように思えます。
また、ゼレンスキーも色々な国に武器支援を正式にお願いしてる割には、日本(韓国も)に対しては私の把握不足かもしれませんが正式に武器支援を要請していないですよね?
これも、今まで自分の国が侵攻されるまでは中国、北朝鮮に軍事技術提供をしまくった結果、極東アジアの軍事的緊張を増大させてしまった事実があり、武器供与を日本に求めたら、引き換えに中国、北朝鮮へ技術供与した内容の開示を日本側から求められて藪蛇になるのを嫌ってるからかもしれません。
侵略戦争は現代世界のあらゆる悪の中で最上段の悪なので、過去にウクライナがどんな悪さをしてようが、今回の戦争ではウクライナが勝利すべきですので各国の軍事支援は非常に適切ですし、日本も軍事支援を筋としてはすべきです。
ただ、今回は湾岸戦争の頃と違い日本は何も言われないのは、全く相手にされていないから、という事情では無さそうに見えますね。
韓国に関しては、ゼレンスキーが昨年4月11日に韓国国会においてオンライン演説を行っており、殺傷兵器の提供支援を求めています。韓国政府は紛争中の国へは武器輸出をしない政策を理由に、これに応えることはしていません。
今年1月30日には、ストルテンベルグNATO事務総長もまた韓国に対しこの政策を再考するよう求めています。
韓国に対しては政府の決断一つで実行可能と見られているように思います。
日本に対し同様の要請が無いのは、日本国憲法に根拠を置く防衛装備移転三原則の存在と内容が周知されているからだと推測します。
日本は国内法のくだらない縛りでどうせ援助してくれないと諦められてるだけでは?
やっぱり日英同盟時よろしく、東から圧力かけるのが1番だと思うんだよね。
具体的には北海道か日本海での軍事演習。
海空を東部地域に貼り付けるのは欧州には出来ない仕事だと思う。