次期戦闘機調達プログラムを進めるスイスはロッキード・マーティン、ボーイング、エアバス、ダッソーからそれぞれ最終提案書を受け取った。
参考:Aircraft makers sweeten their offers in high-stakes Swiss warplane race
やけに気合の入った提案で勝負をかけるエアバス、ロッキード・マーティンも修理及びオーバーホール担当施設の設置で対抗
スイスは現在F/A-18C/Dの後継機調達を進めており、今年9月に実施された投票でスイス国民はプログラムコスト約65億ドルの次期戦闘機調達プログラムを実施することを承認、これを受けてスイス政府はF/A-18C/Dの後継機として提案されているF-35A、F/A-18E/F、タイフーン、ラファールの中から1機種を選び2022年までに契約を結ぶ予定だ。
果たしてスイスの次期戦闘機の座を射止めるのはどの機種だろうか?
機体の性能や機体単価だけで選択するならF-35Aが相当有利な状況だがスイス政府は非常にレベルの高いオフセットを要求しているため、勝負はオフセットの内容次第だと言われている。
スイスの次期戦闘機調達プログラムに参加する企業は受注金額(最大65億ドル:約6,750億円)の80%に相当する金額を相殺するためのオフセット提案が必要で、スイスの防衛産業に対して直接投資20%+間接投資40%、冶金・機械、電子・電気工学、光学、時計、自動車、化学、航空・宇宙、IT、ソフトウェア分野の民間企業や大学などの研究機関へ20%の投資を行い、最大54億ドル(約5,600億円)を相殺する提案を行わなければならない。
この困難な受注競争で最も優れたオフセットを提案しているのは意外にもエアバスで、これまで一度も認めてこなかった現地企業によるタイフーン最終組立を提案しており「スイスのオフセット条件を十分に満たすことが出来る」と主張、さらに国土が狭く戦闘機の騒音に悩むスイスに対してタイフーン導入国が訓練受け入れを提案中で「タイフーンを導入すればスイスは戦闘機の騒音を国外に輸出できる」と語っている。
エアバスの次に魅力的なオフセットを提案しているのがロッキード・マーティンだ。
ロッキード・マーティはF-35プログラムに出資していないスイスにF-35のキャノピー製造と修理及びオーバーホールを担当する施設(欧州分担当)を設置してスイス人雇用をすることを提案、さらにスイスが導入するF-35Aを維持するための作業(機体とエンジンの整備の一部)をスイス国内で行えるようにすると言っており、追加費用を負担すればスイスが導入するF-35の一部を国内で組み立てることも可能でライフルサイクルコストの観点から見るとプログラムコストの節約に繋がると説明している。
今のところボーイングとダッソーはスイスに提案したオフセット内容を明かしていないため比較することはできないが、恐らくエアバスやロッキード・マーティンに劣らないオフセットを提案している可能性が高い。
果たして誰がスイスの次期戦闘機の座を射止めるだろうか?
管理人的には気合の入った提案を行っているエアバスと第5世代戦闘機を提案しているロッキード・マーティンの2択ではないかと思っているが、ボーイングが捨て身で両者のオフセットを上回る内容を提示してくれば勝負は三つ巴になるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Jason Wells / stock.adobe.com
字面だけ見ればものすごい傲慢に見えるが実際にやる内容はしょぼい…
プライドだけはいっちょ前的な?
オフセットは普通に害悪なのでは感がすごいな
あとオーストリーにいってタイフーンの使い勝手はきいてきた方が良いと思うの
中立国なんだからスホーイとミグにも募集しときなよ
もう肝心の戦闘機よりも投資目当てでしょこれ
鬼滅のビックリマンチョコ的な感じですね(  ̄- ̄)
商品そのものより、オマケが重要…
>戦闘機の騒音を国外に輸出できる
なんか草。
ようは国外で訓練できますよってだけなんだけど字面で笑う
とっととグリペンにしとけばよかったのに
ボーイング「戦闘機の騒音にいちいち文句つけるのはNG」
F/A-18「ドゴオオオオオオオオオ」
厚木に第5空母航空団がいたとき、数km離れた場所にいてもホーネットのエンジン音が聞こえてきて驚いた覚えがあります。
スイスは日本に比べれば人口密度は少ないし、国防を理解しているので、騒音問題とかは起こらないというイメージがありますがどうなのでしょうか。
山勝ちの国だから、飛行場の作れるような平野部にこそ人口が集中してます、
それに個々の人権を重んじる国ですから
グーグルアースで確認してみ。
山間部のほんのちょっとの平らな土地に、基地があちこちにあるから。
現地に行けばわかりますよ、その山間部って意味が
これだけいろいろやっても儲けが出るものなのか…
なんか輸出する側からしたらめんどくさいだけですね。オフセットって。
日本もF35のときの選定時に、オフセットを要求できたのだろうか。
開発国でもないのに国内で組立して国内で整備もできるんだから恵まれているとは思う。それがオフセットかどうかは知らないけど。
組み立てするったって全部できるわけでなく「核心部分」は日本人排除でしょ。
整備も同じ。
これを恵まれてるというかどうか。個人的には形だけ「顔を立てた」としか思えませんけどね。
それもそうか
技術移転求めてくるよりはマシかもしれない
前の記事のF-3輸出がどーとか言っている議員に見せてあげたい内容。
ほんとね、国防族議員こそ、世界では井の中の蛙状態ですよって、その自覚の無いこと
スイス周辺国との関税障壁の低さ、国境の自由度の高い往来、国防への高い関心などが保証された故に出られる強気のオフセット要求姿勢
普通の国じゃこうはいかないだろうなあ
スイスのスクランブルは定時上がりでハイジャックの時にフランスに対応してもらったんだろ。そんな国なのにこんな高飛車な条件付けてよく平気でいられるな。EUもこんなんで実際に戦争できるのかよ。
それがヨーロッパの現状ですよ、
スイスまで実際の戦場になるって、それは戦争の全体図として誰が誰とどう争ってる状況か考えれば、
果てしなく遠い現実
アルメニアや台湾、半島じゃないんだから
ドイツが中共に本格的に飲み込まれたら即最前線ですよ。
マンガ読みすぎ
ドイツとスイスの関係すら理解してない
中学生以下
中共に完全に飲み込まれたら周辺国とのそれまでの関係なんてあってない様なもんだぞ。
それはドイツがEU抜けてNATOから外れるということですか(笑)
そのような状況になるまでに必要な条件を考えてからレスしてくれ
子供相手は疲れる
タイフーン以外にしたら、議会がダメ出しするという例のパターンが。で、後悔する。
タイフーンのアップデートに真剣さを感じないのは、やはり平和ボケのせいか。
F-35のキャノピーはコーティングの歩留まりが悪くて稼働率問題になってると貴ブログでも書かれてましたが、1年経過して解決したんでしょうか。
解決してないならスイスに製造拠点作って製造数で歩留まりをカバーするってことになりますね。
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