バフムートを守るウクライナ軍の状況は危機的な状況に陥りつつあり、露ワグナーが「ソレダル北西郊外」を制圧し、バフムート包囲を阻んできた「クリシェイフカ」もロシア軍の手に落ちた可能性が浮上している。
参考:Военкор Ярем
参考:Honza
死守か、撤退か、バフムートを巡る戦いはクライマックスを迎えている
ソレダルの行政境界区に含まれる「Sіlj駅周辺=Ⓐ」を露ワグナーに制圧されたことが視覚的に確認されため、ウクライナ軍は「ソレダル全体」を完全に失った格好だが、バフムートとシヴェルシクを繋ぐ幹線道路「T0513」も機能しなくなっている可能性が高い。
さらにバフムート戦線で戦闘に従事していると推定されるチェコ人義勇兵が「もうクリシェイフカは我々のものではない。ここの戦いで多くの戦士を失ってしまった。とにかく何が起きても我々は諦めず任務をやり遂げる覚悟だ」と明かしており、これが事実ならコンスタンチノフカ経由でバフムートに接続する幹線道路「T0504」が遮断される危機に瀕している。
どれだけバフムート市内が要塞化されていても「M03」と「T0504」の接続が遮断されればウクライナ軍的にはチェックメイト(厳密にはチャシブ・ヤールから高台経由の00506というルートもある)で、バフムートもリシチャンシクのように一気に落ちるかもしれない。
There are Unconfirmed Reports this morning by some Members of the Ukrainian Military that Russian Forces have Captured the Town of Klishchiivka to the Southwest of Bakhmut. pic.twitter.com/Fd0hqnXoCT
— OSINTdefender (@sentdefender) January 16, 2023
果たしてウクライナ軍はここ死守するのか、それとも撤退の準備を密かに進めているのか、、、どちらにしてもバフムートを巡る戦いはクライマックスを迎えている。
因みにSіlj駅周辺を制圧したことを示す動画も存在するが、ウクライナ軍兵士の遺体も出てくるので注意して再生(動画サイズが大きいので再生にはTelegramアプリが必要)してほしい。
BREAKING : Czech mercenary says that Ukraine has lost #Kleshcheevka. #Ukrainewar #Ukraine #Bakhmut pic.twitter.com/4yJuoIJr4c
— Henri (@PravicaSK) January 16, 2023
追記:クリシェイフカについて言及したチェコ人義勇兵(@HonzaUA)は当該Tweetを削除、これはMagyarと名乗るウクライナ軍兵士が「ソレダル西郊外の岩塩坑施設をロシア軍に奪われた」と明かしたことを受けてマリャル国防次官が「軍が許可していない情報の公開は罪になる」と激怒した影響か、情報自体が間違っていたのかどちらかだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Военкор Ярем Sіlj駅周辺を制圧したワグナーの様子
敵ながらお手本のような連続包囲……
とはいえまだ包囲は完成していないので早くバクムトを捨てて撤退の決断が行われることを望みます。
パウルス元帥を生まないように。
まさにスターリングラード包囲戦後半戦の逆二重両翼包囲作戦を彷彿とさせる戦況図で、やはり今回もロシア軍の武器は、戦車の集団に大量の榴弾砲、そして冬の寒さ、雪です。
マンシュタインのような指揮官が、戦車をかき集めて救援作戦をしないといけない状況ですが、スターリングラードではマンシュタインの救援作戦も結局失敗しました。
今回のロシア軍の司令官は、ジューコフとかコーネフではなく、ゲラシモフとスロヴィキンですが、もちろんスターリングラードの戦いなどを強く意識しているかもしれません。
T0513道路、M03道路、T0504道路と、いずれもすでに遮断されそうですが、道路が遮断されるとバフムトから退却するにしても、重装備を放棄して、雪道を徒歩で、雪中行軍で退却するしかありません。ソフィア・ローレン主演の映画
「ひまわり」
の舞台もウクライナでした。
フォーブス紙の記事によるとバフムトに投入されていたのは、ウクライナ軍の中でも最精鋭の戦車旅団や、空挺旅団などだったと言われ、もっともソレダルに投入されていた空挺旅団の兵士はイギリスで訓練を受けて帰国したばかりだったといわれますが、とにかく非常に大きな損害になるでしょう。
どうも
ここ最近は貴方と喧嘩ばかりしてきたけれど、この点についてだけは同意せざるを得ませんね
只、個人的に今のロシア軍の手口は逆二重両翼包囲作戦と言うよりは全縦深同時制圧に近いかなと言う感じがします(特にソレダル方面への連続攻撃はそれに近い)
それと、漸くロシア軍も長年培って来た作戦術(この場合はソレダルからバフムートへ向けての連続攻撃までの作戦上の連携)を使って来る様になった感じでしょうか?
確か、ロシア軍は昨年動員した30万人の内の約20万(残り10万は囚人兵と一緒に肉壁)に昨年秋の徴兵で相当数の予備戦力を訓練して来たはずなので、それを集中してバフムート方面へぶつけているのではと言う印象ですが、如何でしょうか?
こうなると、マンシュタインのような指揮官が戦車をかき集めて救援作戦をしようにも間に合わないでしょうし、今ウクライナに必要なのは最早救援作戦に必要な指揮官と戦力では無く、NATO軍の全面介入しか残されていないのかも知れません(20日のラムシュタイン会議でその話が出て来るのか?)
まあNATO軍が全面介入するにしても、ドイツが事実上のロシア支援国という状況では、ロシア軍よりも先にドイツ軍を攻撃して壊滅させる必要があるかもしれません。
というのは半分冗談ですが、ポーランド人義勇兵などはすでにかなりの人数がいるとも言われ、この記事でもチェコ人義勇兵の話が出てきます。
イタリア軍とか、ルーマニア軍、ハンガリー軍・・、などというとまさにスターリングラードを彷彿とさせます。
>>ロシア軍は昨年動員した30万人の内の約20万(残り10万は囚人兵と一緒に肉壁)に昨年秋の徴兵で相当数の予備戦力を訓練して来たはずなので、それを集中してバフムート方面へぶつけているのではと言う印象ですが、如何でしょうか?
バフムト方面にいるロシア正規軍は106空挺と57旅団のみですね。
前線正面はワグネルです。
ソルダルより北はLPRの第6コサックとチェチェンアフマトもいましたね。
動員兵が視覚的に確認されたことは一度もないです。
動員兵の一部が実戦配備が確認されているのはクレミンナより北の地域でロシア正規軍が多くいる地域ですね。
ほとんどはベラルーシかヘルソンやロシア領内で訓練中です。
ウクライナが増援を送れないのはそれらをどこにぶつけてくるか分からないからです。
バフムトに動員兵を大量にぶつけてきたならウクライナも予備を送れます。
第106親衛空挺師団というのは、有名な空挺軍の精鋭師団ですね。クレミンナやスバトボの方面には第76親衛空挺師団がいると言われます。
他にルガンスク州軍とチェチェン軍、ワグナー社の部隊ですか。まあ兵器弾薬の補給が万全、十分ならば、それらだけでもバフムト周辺のウクライナ軍を押し込むのには十分でしょう。
ワグナー社の部隊が、動員兵を肉の楯にしてうんぬんは、確かに宣伝目的の作り話だったのかもしれません。ワグナー社と別の部隊がいたとしても、それらは現役兵の部隊かもしれません。
だとするとこれからさらに大きな攻勢が始まるのでしょうか?
間もなく開かれるラムシュタイン会議ではレオ2の供与が議題に上るようだが、まさかウクライナがレオ2を手に入れるために東部戦線の危機的状況を演出している、ということはないよな。
上の方でも書きましたが、今の戦況はレオ2の供与どころでは無く、NATO軍の全面介入が必要な状況かも知れません
心配するに越したことは無いですが、NATO全面介入とはただ事ではないですね。
というか≒第3次世界大戦・核戦争なので真面目な議論としては簡単に口には出来ない内容だと思いますが…。
NATOとしてはどさくさに紛れて周辺国のNATO入りを進められましたので元は取っています。たとえ今後キーウが落ちて全土が親ロ政権に戻ったとしても、モルドバまで政変が起きたとしても、全面介入は無いでしょう。
NATO介入はないでしょうね。
それこそ恐れていた核戦争になってしまいます。
ただ、キーウは落とさせないと思います、今後も支援継続しつつ弾除け囚人が死滅するのを粘り強く待つしかないかと。
バフムートもソレダルも人口7万人程度の町なのに、防衛に掛けるエネルギーが大きすぎたと思います。
この程度の規模の都市を取ったり取られたりは、夏以降も繰り返されてきたことだったのに、ここだけ絶対防衛に拘り過ぎたと思います。
確かに要衝ではありますが、適切に撤退すれば、この後も防衛線を構築して痴態戦術を続けられたはずです。
ウクライナが拘り続けたせいで、戦略的な価値以上に象徴的な価値が生まれてしまって、敗北感を高めてしまったと思いますね。
ウクライナ軍は戦線を整理して防衛ラインを引き直すべきだと思いますが、外野が思うよりも郷土意識と言うのは強いのでしょうね。
クレミンナ方面での攻勢が落ち着くまでバフムートは確保しておく必要があったから、防衛をやらざるを得なかったんじゃないの
Bakhmutが落ちると北のSiverskへの補給線が絶たれてkreminna攻勢への影響が出るから、という説明も聞きますが、Lymanが抑えられていれば西側からの補給で問題無いとの意見もありますし実際どうなんでしょうね。
実際のところはBakhmutやSoledarの価値というよりもウクライナ軍の精鋭がどの程度消費されてしまったかの方が問題なのではないでしょうか。
まぁこれでレポパルド2の供与を引き出せればウクライナにとっては長期的にはイーブンなのかもしれません。
これからしばらくの間、ウクライナ側の損失が続くのでしょうね。
”バックハンドブロウ” が行われるまでの間と思いますが。
今度のラムシュタイン会議でのドイツの出方次第では、戦車砲はどうなるでしょうね。
当面、英国の120mmオードナンス砲が頼りかな。やっぱり砲弾が心配ですね。
英国に投資して、砲弾の再生産をしてもらわないとでしょうか。
ラインメタル砲は、レオ2に載っているものは使えないでしょうから。
そうすると、狙いは、英国/ヨルダン/オマーンのチャレンジャー1/2かな。
代わりはルクレルクとか。レオ2は市場を失うかもですね。
図らずもワグネルによる囚人兵を用いた人海戦術が功を制した形になってしまいましたね。囚人兵を前進させてウクライナ軍に発砲させることで陣地を特定して後方から味方お構い無しに砲撃を行うという手段は第二次世界大戦のソ連から変わっていません。
屍を築きながら数の暴力で前進するという戦法は短期的には効果があるかも知れませんが囚人兵の補充が続くか疑問です。イギリスが供与するチャレンジャー2は陣地やトーチカへの攻撃にも効果のあるHESH(粘着性榴弾)を運用できるのでウクライナ軍には反撃に活かして欲しいです。
ウクライナが負けるほど世界大戦が近づく…
なんか親露派の人の中ではスターリングラードみたいな聖地になってますが、バフムートってもう戦略的に意味がないって言われてませんでしたっけ
もともと戦略的に意味がない地だったのだが、
ウクライナ軍側があまりにも精強部隊を投入しすぎたため、部隊の存亡を介して、
その勝敗が戦略的な影響に繋がる地へと育ててしまった。
バフムト攻防戦の結果がどうなるか分からんが、とにかく第二のマリウポリだけは避けてくれ
ちょっと前のヘルソン奪還あたりまではウクライナのターンで今はロシアのターンだということだろう
大負けさえしなければまたターンが回ってくるさ
まさしくその通りですね。
攻防は入れ替わるものですからそれまでいかに損失を少なくして相手の攻勢を受け止めるかが重要です。
ですからなおさらこのば
途中送信失礼。
なおさらこの場で包囲されるわけにはいかないので土地に拘らず弾性的に防御した方がよさそうです。
ロシア軍も温存していただろう。T90Mを大量に前線に出してきたから、ウクライナ軍としては耐え所でしょうね。
ウクライナ軍の主力のT72とT60だと遭遇したら必ず負ける相手だから戦闘は苦しいでしょうね。
いつの間にかソレダルだけでなく、バハムートも危ういのか。
イギリス国防省とか戦争研究所あたりはソレダル落ちてもバハムートは落ちない(確信)って言ってたけど、大外れじゃないか。