2014年10月、スウェーデンはストックホルム沖でロシア海軍の潜水艦とみられる「不審な活動」の証拠を掴んだと発表したが、これは全くのデタラメであるとスウェーデンメディアが報じている。
参考:Regeringen lägger locket på – slutrapport hålls hemlig
スウェーデンの海域にロシアの潜水艦が侵入?真犯人は気象ブイ
2014年10月16日、スウェーデン海軍はロシア語による会話を傍受したとして、同国の領海にロシアの潜水艦が侵入しトラブルに見舞われたのではないかと判断、軍の艦艇や航空機を動員しストックホルム沖で大規模な捜索活動を実施。
この捜索は1週間続き、約180万ユーロ(約2億2,000万円)の費用が掛かったとされ、捜索終了後に同国の国防大臣は「スウェーデンの海域に外国の潜水艦が存在した事実を確認した」と語り、ロシアの潜水艦または小型潜水艇による侵入という見方を強めた。

出典:ru:User:Курганов Илья Сергеевич, cropped by ru:User:Vlsergey / CC BY-SA 3.0 アクラ型原子力潜水艦
スウェーデンでは冷戦時代、旧ソ連の潜水艦と見られる侵入事件が度々発生していたため、国民も政府の発表について疑いをもつことはなく無く、今回もロシアの潜水艦による侵入だと信じてしまった。
ロシアは、もちろん自国の潜水艦による関与を否定している。
しかしスウェーデンメディアは最近、この事件の真犯人はロシアの潜水艦ではなかったと報じて話題になっている。
スウェーデンメディアは、この騒動はスウェーデン海軍の潜水艦が「ロシア語による会話」を傍受したことが発端で、当時、海底に潜水艦がいた痕跡や潜水艦の船体の一部だと見られる破片を発見したなどと不確かな情報が飛び交う中、スウェーデン政府は捜索によって得られた証拠提示を「軍の探査能力に関わる」という理由で拒否、ロシアに全ての責任を擦り付ける格好で事件の幕引きを図ったと指摘した。

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しかし、その後の調査で傍受した「ロシア語による会話」の正体は、故障した「気象ブイ」がストックホルム沖にある別の気象ブイへ発信した「信号」であることが確認されたと言う。
会話を傍受したという潜水艦は設備が古く音源の「発信方角」を特定出来なかったが、同海域にいた別の潜水艦に記録された音源を分析した結果、音源の「発信方角」には故障した「気象ブイ」があり、問題の時刻に同ブイから信号が発信されていたことが確認され、この事実は2015年5月に提出された海軍の報告書によってスウェーデン政府も把握していたと報じている。
結局、スウェーデン政府は真実を公表することなく、この報告書自体を「機密」扱いにすることで真実に蓋したとスウェーデンメディアは報じており、これが事実ならスウェーデン政府は憶測だけでロシアを犯人扱いしたことになる。
今の所、スウェーデン政府はこのような報道に対し「ノーコメント」を貫いているが、今後の展開によってはロシアが謝罪を求めてくる可能性もあり、非常に注目される。
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ロシアだし疑われても仕方ないんだよなぁ
故障した気象ブイの信号がロシア語の「ように」聞こえた、ってことですか
別に狼少年状態自業自得なロシアの肩を持つわけじゃないけど、スウェーデンのやり方もまるで韓国の反日無罪のようで、なんだかなぁですな
こうやって相互不信が維持されていくわけですね
可能性として、ロシアが実験的に気象ブイをハッキング、試しにロシア語の会話と聞き取れるような信号を発信させた、はあるでしょうね。
平時におけるスウェーデンの探知能力を探るのであれば自軍の物的証拠を残さずにできる非常に良い訓練にはなります。
スウェーデン側もハッキングが証明できなければウヤムヤにするしかないでしょうし。
いやない
そうなら故障なんて言い方になら無いし、政府がノーコメントとかにもならない