ショルツ首相が率いるドイツ新政権の安全保障政策が早くもフランスとの摩擦を引き起こしていると報じられている。
参考:German proposal for an EU arms-export regime faces uphill battle
これを本気でやれば必ずフランスと共同で進めている第6世代戦闘機開発は空中分解してしまうに違いない
今年9月に実施された総選挙によってドイツでは社会民主党、緑の党、自由民主党の3党による新連立政権が発足、この3党は連立を組むため基本的な政策方針の擦り合わせ行った結果を文書にして発表したのだが、この中で新政権は「拘束力のある共通した武器輸出政策をEUに導入するため取り組む」と謳っており、独自の政策や基準に基づく武器輸出の権利を主張するフランスと早速摩擦が生じているらしい。

出典:Bundesregierung
今のところショルツ新政権が共通した武器輸出政策の導入をどれだけ真剣に取り組むのか不明だが、特にフランス防衛産業界は自国向け需要を満たす以上の規模に成長しているため海外輸出は産業基盤の維持に不可欠であり、これをショルツ新政権が提案する政策によって制限(EUやNATOの方針から外れたエジプトやブラジルへの武器輸出に積極的)を加えられれば大打撃を被るのは目に見えている。
そのためフランス軍事省の関係者は「EUレベルで武器輸出政策を統合しようとすると大きな困難に直面するだろう」と語り、EUの設立合意文書にも海外への武器輸出に関する決定は「国家の特権であると明記されている」と付け加えて牽制、一般的なEU加盟国の武器輸出政策より厳しい基準(特に人権問題)を適用するドイツの理念を「一方的に押し付けるな」と言いたいのかもしれない。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Alexander Cook AtlanticTrident21に参加中のラファール シ
ドイツは2018年に発生したジャマル・カショギ氏殺害事件に関する説明に納得できないとしてサウジアラビアに対する武器の禁輸措置を発動、これにより同国向けのタイフーンやA330MRTTの輸出はストップしてしまいエアバスは同機に使用されているドイツ製部品を取り除き代替品に変更しなければならなくなり関係国から非難を受けても頑なに禁輸措置を継続しているが、リビア内戦介入を理由に禁輸措置を発動したトルコには抜け道が用意されている。
ドイツはリビア内戦に使用されない武器や軍需物資に関しては輸出を継続、さらに政府の許可が必要ない軍事転用可能な装備品や物資まで含めるトルコ向けの輸出額80億ドル(約8,600億円)を超え「トルコはドイツ防衛産業界における最高の顧客(ドイツ武器輸出額の1/3はトルコ向け)だ」と言われており、フランスからすれば「ドイツも自国産業のためなら理念も人権も使い分けているじゃないか」と文句を言いたいところだろう。
果たしてショルツ新政権はどこまで本気で取り組むか謎だが、これを本気でやれば必ずフランスと共同で進めている第6世代戦闘機開発は空中分解してしまうに違いない。
※アイキャッチ画像の出典:Bundesregierung
>果たしてショルツ新政権はどこまで本気で取り組むか謎だが、これを本気でやれば必ずフランスと共同で進めている第6世代戦闘機開発は空中分解してしまうに違いない。
予想通りというか何というか。
そもそも一筋縄ではいかないってのは、彼らが一番良くわかってるだろう。
ただ資金のために集まったってだけなんだから。
これはKNDSのEMBTも頓挫だな
まあフランスは真の意味で死の商人みたいなトコロあるからねぇ・・・
同じく武器商人のドイツとは、基準が違うだけで大差ないよな
発言の目的はフランス等に対する外交的イニシアティブにとることであって、それ以上ではあるまい
でないと自己否定につながる
こいつら本気でEU統合する気があるのか
ある意味、今のドイツのショルツ政権はEUから逃げ出した英国のジョンソン政権よりも始末が悪いんじゃないか?
この政権、下手をするとロシアに接近しかねないぞ…。
いつもの事だけど、もはやある種の精神的な病気だな
それにしても、他の分野ならともかく兵器に関してよくドイツ入れて共同開発なんてする気になるよ
独仏の次期戦闘機もどうなることやら。疫病神
兵器の稼働率を上げて、NATOとしての義務を果たしてから言え
ディーゼルゲート見ても、FIFAやスキー連盟見ても分かる通り、ヨーロッパの上流階級なんてろくな連中じゃない。
NGBT、SDGsにしても、倫理的優越性を盾に白人の地位を維持しようするための詭弁でしか無い。
グレタやシーチワワみたいなのが、白人種にしか湧かないのが何よりもその証明。ダブスタになるのは、ある意味当然。
確かに…自動車に限ってもディーゼルゲート事件以後のEVシフトなんて、完全に欧州側による「俺達がルールだ」と言わんばかりの行為だしな。
尤も、白人種以外の人種はどうかと言うと、中韓・中東諸国にインドや中南米、そして我が国にもお察しな奴等ばっかりしか居ないので、本当に人類皆兄弟(皮肉)だと思うよ。
テドロスとか文在寅とかいると思うけど
まあでもグローバル利権屋は白人に多いよな
紅茶片手にブリテン島から眺める大陸の様相は絶景だろうなぁ
メルケル氏の欧州委員会での振る舞いは「聞き役の調停者」と評されていた(南欧デフォルト危機以降は多少強権的な措置の行使も増えてはいたが)そうだけど、裏を返せばトップの人選次第では欧州全域に対してドイツがかなりの権力を行使できるということにもなるし、今後あらゆる事柄でフランスとは繰り返しぶつかっていくんでしょうね。第4帝国とはよく言ったもので。
本件に関しては言っちゃあれだけど、ナチ関連の話で「ドイツ人がやった虐殺や迫害」を「人間がやった虐殺や迫害」にすり替えて「俺も悪い部分があったかもしれないし、ここはみんなで反省しよう」と自分にかかる責任を全体の責任にするいつものパターンと一緒だよね。
EUはインターナショナルではなくてスーパーナショナル
でも色々と歪みがでてきてるね