米国防高等研究計画局(DARPA)は最近、最も検出が難しい「密集した都市部」で小型ドローンを検出するためのセンサーシステム開発状況について説明を行い注目を集めている。
参考:DARPA’s plan to use drones to find drones
完成すれば小型UAVがもたらす脅威に対抗する手段を確立できる可能性を秘めたエアリアル・ドラグネットシステム
米中央軍(CENTCOM)最高司令官のケネス・マッケンジー海兵隊大将が「小型ドローンのような無人航空機の接近を検出するのは困難で気づいたときには手遅れの場合が多く、これに対処するためのシステムや能力を獲得するため努力しているが十分なレベルに到達していない」と述べたように、現代の正規軍は小型UAVがもたらす脅威に対抗する手段を確立できていないのが現状だ。
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出典:U.S. Army/ Staff Sgt. Timothy Gray 商用のドローンに対する対処法を開発中の米陸軍第5機甲旅団
この状況について米国防高等研究計画局(DARPA)は「迎撃手段としてレーザーやマイクロ波を活用するカウンタードローンシステムを軍が開発しているが、このような兵器で小型UAVに対応するには脅威を検出できなければ始まらない」と指摘しており、特に小型なドローンは電動推進の採用が多く静寂性に優れレーダーや赤外線センサーに対しても低シグネチャーで安定的に検出するのが難しく、数m~十数mの高度を飛行する小型ドローンが起伏が激しい地形や障害物に紛れると地上配備センサーや車両搭載のレーダーで検出するのはお手上げに近い。
その中でも建築物が密集した都市部に紛れ込んだ小型ドローン検出はクラッターを大量に発生させる障害物が多いのでレーダーによる検出が特に難しく、この問題を解消するためDARPAは「Aerial Dragnet/エアリアル・ドラグネット」と呼ばれる新しい方式のセンサーシステム開発に取り組んでいる。
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出典:U.S. Army 米陸軍が試作したレーザー兵器(HEL MD)
簡単にいうとエアリアル・ドラグネットシステムは都市部上空に複数のセンサー(レーダー、光学センサー、音響センサーなど)を搭載したドローンを大量に飛ばして対UAVセンサー網をメッシュ状に構築、正体不明な小型ドローンを空から見下ろす形=つまりセンサーを検出対象に近づけることで検出精度を向上させることを狙っており、DARPAはレーダーが収集したデータから大量のクラッターを分離するためのアルゴリズムについても開発を進めていると言及している。
因みにDARPAは20km²の範囲をカバーするセンサー網構築に必要なコストを2万ドル(約216万円)に収めること目標にしており、既存のセンサーシステムに対するコスト面での競争力(東京都全域/2,194 km²の上空をカバーするセンサー網が2.3億円で手に入る計算)は非常に高い。
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出典:DARPA Aerial Dragnet
果たしてエアリアル・ドラグネットシステムがいつ実用化されるのかは不明だが、米議会も「UAVの接近を検出する技術を迅速に開発して完全な制空権を取り戻すため、あらゆるリソースを注ぎ込む必要がある」と軍の取り組みを後押ししているので必ず形にしてくると思うが、本当に20km²あたり2万ドルで構築できるなら日本にも是非導入したいシステムだ。
関連記事:米軍を最も安価に攻撃する方法を明かす米海兵隊大将、答えはコストコで売っている
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※アイキャッチ画像の出典:DARPA Aerial Dragnet
導入したいというか、これを日本でも開発できんのかい
空の交通事故をマスコミが煽るし、実際、ちょっと危険だと思うので、20mぐらいの塔かクレーン車が良いのでは?
日本のマスコミなら報道ヘリを過剰に近づけて逆に墜落事故を起こしそう。
報道ヘリもドローンも墜ちるという最悪の事故が起こりそうでもあるけど……
携帯の基地局や高圧線の鉄塔、高めの電柱や建物等既存の物を使えばいいのでは?
日本も開発できる可能性はあると思うのだけど、これは大量生産前提の価格だと思う
全世界に販路を持つ米軍需産業でもないと、この価格は中々難しいのでは?
まさしく目には目を歯に歯を体現してるな
空中にドローン浮かべてセンサー網張り巡らせるってもうSFの世界だなあ
イスラエルはどうなんだろう。アイアンドームだけじゃなくてこういうのも採用するのかしら
ドローンに企業や政府の毒々しく欺瞞的な広報ネオンを搭載しサーチライトで地上を威圧させよう
ドローンがスピーカーで「Uncle Sam is watching you」って流しだしたら完璧だな
よし、スカイネットと名付けよう
反乱起こしそうな名前してんな
マジで採用されたら命名されるかも
座布団一枚
ソラシドエア「ワイの昔の名前はスカイネットアジア航空やで。呼んだ?」
このドラグネットドローン本体が攻撃されて無力化されたらどうするのだろう。
その為のセンサー”ドローン”だよ
空いた穴は予備機がすぐに埋める
システム全体に影響を与える規模の攻撃だと、事前に兆候を検出しやすくなる
固定施設ではそうはいかない
米軍ならクアッドコプターなんて無数に用意するよ。
ただ、都市部って外国なら良いけど、自国だと守備側は空の交通ルールを守る様だから外国向けかな。アメリカだと映画エンド・オブ・ホワイトハウスみたいに法律とかどうでもいいレベルの攻撃を受けてないと展開できないな。
当然ことながら、ドローンも電池や燃料の飛行時間制限がある為、予備の交代ドローンを準備しているだろうし、敵ドローンを検出次第、アンチドローンを分散配備してミサイルや体当たり攻撃を検討しているでしょうね。小型ドローンでは小型対空ミサイル車両の配備も限定的でしょうし。大型無人機体なら有人機で対応としても小型機体では追い切れないと思われます。
ドローン大量に飛ばして、となると気になるのは運用コストだなぁ。
雨が多く黄砂や花粉も飛来する日本の環境に合うかも心配だし。
電柱や送電塔、信号とか鉄道や首都高の高架やビルとかに
設置じゃダメなのかね?
ちょっと上に浮かべてセンサー網作るからいいんであって、地上くまなく置くんじゃ結局コストアップになるのでは。
アメリカだから国外というか敵地で使う想定なんだろう。固定局作れるならその方が安いに決まってる。
ならそれは記事含め「日本にも導入を」って言ってる奴らに言ってやってよ。
日本ではそれとドローンの複合型が現実的だろうな、基本は建造物に取り付けた物で監視して、それに不調があった時や監視に適する建造物のない土地をカバーするためのドローンの体制な感じで
アメリカさんは毎度金がかかりそうな対策法を出してくるしスケールの違いを思い知らされる
まああれこれ難癖を付けてみても軍用無人機の台頭は少しづつ進むだろうからこういう事前に試行は大事だね
マルチコプターだと定位は良いけど滞空時間の問題があるよね。ゆっくり飛べる有翼機で巡回した方が安くつきそう。
都市部のビルを利用して姿を隠しながら接近するドローンを検出するならば、結局カウンタードローンシステム自体も街路に入り込む形で運用することになるだろうから、同じく小型のマルチコプター搭載するか、ビルの屋上か壁面に固定するかになりそうだけれども
やはりドローンにはドローンになるんだな
まだまだ色々試している黎明期だよ
結局は実戦で大きな成果を挙げて最適解の運用はコレだってなりがち
コスト算出の条件が分からないと評価が難しいな。
センサードローンの滞空時間なんてたかが知れている。
脅威度が上がったときに短時間警戒網を敷くためのシステムではなかろうか。
予備機を大量に用意して次々交代させるのだとしたら、こんな低コストでは収まらないはず。
20k㎡で1時間当り2万ドルならリーズナブルだろうが、実現できるのは15分間当り2万ドル位がせいぜいでは。
次世代の戦争はハエと蚊取り線香のシュールなイタチごっこになるんやろうな
ディストピア一直線
これより安くしようとすると、上空600mくらいに大量のアドバルーンを浮かべるとか。
電力供給は有線。
ヘリウムは最近貴重なので、水素ガスを充填。
水族ステーションも増えたし水素社会とやらになれば水素の単価も下がるだろう。
V1に対抗する阻塞気球じゃないですかヤダー
アドバルーンじゃ景観悪化するから硬式飛行船に太陽電池パネルつけて浮遊させとこう
あ、静電気には気を付けてね
記事でも触れているけど上空600mの高度だと意味がない。侵入してくるドローンの高度に近い高度でセンサー網を構築するから小型のドローンしやすくなるんだ。
取り敢えず東京スカイツリー、東京タワー、牛久の大仏の頭頂部に付ければ関東はカバー出来るのでは?
既存のレーダーとはまた違ってUAV検出用の小型センサーだから、取り付ける事自体は可能でも付けた後が面倒かと
高所は地上とは比較にならない強い横風に晒されるんで、雨風の影響でセンサーが壊れていないか、壊れていないにせよ不具合が生じていないか定期的に点検が必要だから電気工事の作業員の高所作業頻度が少なくとも倍にはなるんじゃないか
既存の大型レーダーの整備ならともかくUAV検出用小型センサーのためにそこまでやるのかという話なりそう
アメリカくらい民生ドローンが普及してればそりゃあUAVをそのまま使った方が安く済むし後々の事を考える必要もないから
大仏は却下だ、罰当たりめw
え?
いばらき守ってくださってるなら装備のアップグレードくらいは罰当たりにならなくね?(笑
迎撃手段はロケットパンチで。
お主、さては金目教、甲賀幻妖斎だな
アジナチャクラに装着 クレアボイアンス
これセンサーを追加したり変更したら、そのまんま市民社会の監視システムにも転用できるよね、
ちと緊張するな
バックドアのプログラム(国産)でドローンが東京とか地方都市とかで密かに監視任務をする様になるってか……。
え?徘徊老人とか迷子の動物も見つけられる様になってきたな
常時、超能力者に悪意を走査せしめて、対処するでもしない限り、無理なんじゃないかな。
センサーを建物の屋上に取り付けて
張り巡らせばドローンは要らないだろ
ま、どうせ費用と時間を食いつぶしておじゃんになるだろうね
いつもの事だけどw
エアリアル・ドラグネットの技術は野外でのドローン検出にも発展する基盤技術になる可能性を秘めてるんだから、建物に固定するセンサーじゃ意味がないよ。
あと日本はまともに小型ドローンを検出する技術開発にすら挑戦していないのに視野の狭い物の見方で馬鹿にするのを止めたら?
建物の屋上に取り付けたセンサーでいったいどの方向を走査するんだい?
まさか真下なんて言わねーよな
横失だけど、そりゃ屋上の端(対角の2箇所?)につけて真下から90°、じゃないの?
わざわざ屋上の真ん中に上向けて設置しやしないでしょ。
反対側90°が死角になる上、何かしらの構造物が隣接していたらクラッターが生じるんで結局ダメやね
対角2箇所、って書いてあるのが読めない?
2つ設置したって(なんなら4角に設置したって )UAVに積むより安上がりでしょ。
固定センサーでクラッターの影響除去ができない様じゃUAVに積んだら尚の事、都市部の対UAV用途じゃ使いもんにならんよ。
質量 速度 機動 繁殖力 総合力ではカラスが最適
遺伝子操作による特攻カラス でどや?
この分野で先行しようや どの国もとっくに触ってると思うけど
生物兵器が自力で繁殖しだしたら敵味方関係なく被害を出して手に負えなくなるのが定番のオチなわけだが…
というより東西冷戦期にその手の動物を使う試みは既にやっていて頓挫しているね
今の科学技術でやったらどうなるかはなんとも言えん
その手の兵器で思い出したがさ、
中国って遺伝子操作したサルを作ってたよな?
人間の遺伝子を組み込んだヤツ。
あれも一種の生物兵器じゃね?
犬をドイツ戦車のしたに入る様に訓練して、実戦でタイマー付き爆弾をセットして離すと、一定数が怖がって飼い主のところに戻ってくる。(ただし、こっちの被害とあっちの被害を考えると戦果としては優秀だった)
ですね。
DARPAのイメージ図に描かれた街並は米国外ぽいですね。
光学センサも搭載すれば有用性は更に高まりそうですが当面は重量やコスト面で課題があるかも。
もし、これが自衛隊の管轄になったら、国土交通省が航空法を盾にして規制すると思う。
だから、日本では法制面が障害になって実現しないと思う。
官邸の意向で警察の管轄にされると思うよ
そういう国だから