国営メディアの取材に応じたトルコ国防省調達部門のトップを務めるイスマイル・デミール氏は「大統領が言及した空母建造はトルコがグローバルパワー(世界規模の秩序形成・維持を担う力をもつ国家もしくは大国)へ成長するための不可欠だ」と語った。
参考:Turkey’s defense industry rolls up sleeves for aircraft carrier
トルコは戦力投射の象徴とも言える空母を保有することでリージョナルパワーからグローバルパワーへ転身を図る
スペインのサンチェス首相との首脳会談後にエルドアン大統領は「我々は強襲揚陸艦アナドルの建造で協力を行ってきたが次はもっと大きな空母を作りたいと思っており、この計画ついて既に親愛なる友人(サンチェス首相)と合意している」と述べたためトルコメディアやスペインメディアは「両国は共同でトルコ海軍向けの大型空母を建造する」と報じて注目を集めたが、トルコ国防省調達部門のトップを務めるイスマイル・デミール氏は大統領が言及した「大きな空母」について興味深い主張を行った。
まずエルドアン大統領が言及した『大きな空母』とは一般的に空母として分類される艦艇のことを指しているらしい。
強襲揚陸艦アナドルは一見すると空母のような飛行甲板を備えているためトルコでは「空母」だと報じられることもあるが、同艦はF/A-18のような大型の有人戦闘機を運用する能力はなく艦尾には上陸用舟艇を収容できるウェルドックを備えているため厳密に言えば空母に分類されないとデミール氏は指摘して「エルドアン大統領が言及した『大きな空母』とはアナドルとは異なり空母に分類される艦艇のことを指している」と説明した。
さらにデミール氏は「空母というプラットフォームの概念自体が変わり始めており、我々はプロペラ推進やジェット推進の無人航空機(UAV)/無人戦闘機(UCAV)を運用できるタイプの大型艦を導入するのが適切なのではないかと考えている」と明かして、この新しいコンセプトについてデミール氏は「スペイン側と協議を行った」と言っている。
スペイン海軍向けに建造された強襲揚陸艦フアン・カルロス1世の設計を流用して建造されたトルコ海軍向けの強襲揚陸艦アナドルは当初、V/STOLタイプの固定翼機の運用を除外したためスキージャンプを省略した飛行甲板を装備する予定だったが、途中でトルコ海軍がF-35Bの導入を決定したためスキージャンプとF-35B運用に耐える耐熱甲板を備えた設計に変更され建造された。
しかしF-35プログラムから追放されてしまったため艦載機のないまま軽空母仕様の強襲揚陸艦アナドルが完成してしまったが、トルコはこのプラットフォームで無人戦闘機(UCAV)のバイラクタルTB3、ジェット無人戦闘機(UCAV)のMIUS、軽戦闘機バージョンの国産練習機ヒュルジェットを運用を行う計画を進めており「このコンセプトを更に発展させ大型化したものをスペインと共同で行う」とデミール氏は言いたいのだろう。
まぁ最も興味深いはリージョナルパワー(一定の地域内で秩序形成・維持を担う力をもつ国家)に分類されるトルコがグローバルパワーへの移行を明確に言及してきた点と、そのための手段の一つとして「空母保有」というわかり易いアプローチを追求してきた点で、誰もがUAVやUCAVを空母や強襲揚陸艦で運用すればという発想に至ってもコレを本格的に実行へ移している国は米国(MQ-25/開発中)とトルコ(TB3とMIUS/共に開発中)だけだ。
さらに言えばジェット無人戦闘機の艦載運用計画が具体的に進められているのはトルコだけなので、このチャレンジ精神だけは目を見張るものがある。
但し戦力投射の象徴とも言える空母を保有することでリージョナルパワーからグローバルパワーへ転身を図るという政治的なレトリックは、F-35Bの登場や将来的にUAV/UCAVを空母や強襲揚陸艦から運用する国が増えると霞む恐れがあるが、チャレンジ精神にあふれるトルコの取り組みはミリオタとして非常に興味深い。
関連記事:トルコとスペインがトルコ海軍向け大型空母の建造で協力すると合意、無人機分野でも協力
※アイキャッチ画像の出典:Baykar 強襲揚陸艦アナドルで運用予定のMIUS
エルドアンはオスマントルコの夢を見るか
まぁ無謀な夢だよな。
そもそもトルコ地政学的からすれば空母要らんだろうけど、そういう見栄に予算掛けるようになると必要な予算不足で泥沼になりそう。
せめて周辺国のどれかと同盟関係になれよと言いたい。あの地理で全方位牽制しつつ空母までって失笑する。
軽空母用ドローンの運用実績作る目的もあるんじゃないかな
軽空母や強襲揚陸艦を持っていたり持とうと考えている国は少なくないから、それ用のドローンを自国で実機稼働させて売り込みかけるのなら例え実戦に使うあてがほぼ無くてもある程度は元が取れ、その後次第では黒字になりうるという計算なのかも
古今東西、国力に見合わない巨大建造物を造り始めたら終わりの始まりってのはよくあるパターンだよね。
なんか韓国と被って見えるな
韓国は与党・野党が機能してるから(論戦激しすぎるけど)、
エルドアンの独裁状態と比べるのはちょっと違う気がするのん
アナドルを韓国に譲ってあげて下さい。
リラ安すぎて工業輸出が捗っているし、自信がついているのかも
リラの下落幅が4年で1/10なせいで国民生活にしわ寄せが来てるんだよ
グローバルパワーを裏付ける経済基盤が続くかも目が離せないですね。
世界史を読み直しておくか…
トルコ陸軍は空母という金食い虫に納得するのかな?
無人機の運用だとだいぶコスト下がるかもしれないが。
あと、シリア内戦でロシアの空母がトルコになにか印象与えたのかな
エルドアン大統領の無茶苦茶な経済政策のせいでトルコは通貨安とインフレでえらいことになってる
この大統領、軍事面では有能かもしれんが経済面ではダメすぎる
トルコリラやばすぎて笑っちゃうよね
輸入品とかまじでどうなってんのか
だからこそUAVの国産化を進めるとともに、輸出して儲けようとしてんだろうね。リラ安はUAVの低価格化にも貢献しているわけで。
高度成長期前の日本とやってることは同じでは?
日本の高高度成長を支えたのは民生分野ですよ、軍事分野であれが出来たわけではないです
金額が違い過ぎるでしょう、無茶苦茶な経済生産政策で被る民生分野の痛手を、あの程度の
軍事分野で補えるとは到底思えません
これは下の人と一緒かな。
確かに日本は民生分野で成長しているから、軍事のトルコとは違うな。実際トルコの民生分野は成長しとるんかな?
してなかったらロシアみたいな歪な国になりそうだが。
成長してても極端な通貨安とインフレは確実にこれから国内に問題起こすからなんとも言えない
ハイパーインフレに突入しないことを祈るしかない
トルコは高高度成長して来たのは事実ですよ、だから今の姿があるとも言えるけど
それにあぐらかいて、大統領が俺様の経済論で中央銀行を牛耳って無茶苦茶やり
始めたので、海外の投資家もみんな引き始めています
これ、第二次世界大戦時のドイツっぽいね。
日本ですら地域大国(GDPは大国だけど)なのに、トルコで大国ってどうなの?(地域大国っぽくはあるが)
世界史的な感じではトルコと中国が覇権国家として仕掛けてきて、それまでの大国(アメリカ、EU)と戦い、
ロシア、イラン、インドなどは様子見で勝ち馬に乗るって感じかな?
日本としては北朝鮮も絡んでくるだろうから、必ず巻き込まれるだろうけど、迷惑やなぁ。
どのくらい被害だ出るか気になるところ。
出来れば沖縄県南部だけであって欲しいけどな。
中国が米国と開戦するということ?
北朝鮮なんか関係無く日本も渦中に放り込まれるだろうが、中国は日本全土に攻撃可能な軍事力があるんだから、何処にいても安心できない。
あと沖縄南部が何処を意図しているか不明だけど、こういう書き方は感情的に不快です。
コメ主だけど、世界史的な流れとして新興の大国が地域の覇権を取ろうとする結果、開戦の可能性が高まっているってこと。
実際にするかどうかは分からんけど、軍拡して実際に使用しなかったケースはソビエト崩壊の時くらいだから、相当やばい環境になっている現状。
沖縄県南部とは、尖閣周辺が台湾有事に巻き込まれる、ということで、紛争だけで終わればいいけどね。
事実しか書いていないので、感情的に不快って言われても、困るなぁ。
緊張をあおる国(中国や北朝鮮やトルコなど)に言ってくれ・・・。
そして、なんどめだトルコリラ大暴落。
トルコ経済を攻撃する外国勢力などの陰謀がある。
神(アラー)と国民の助けで経済的な独立戦争に勝利すると宣言。
アタチュルクの世俗主義からは、だいぶ離れていっているが
ナゴルノカラバフで軍事的な自信を付けているエルドアン・トルコなんですけど
このまま、中国の様にトルコも育てて、あとで後悔するパターンなんですかね。
ところで煽り抜きにトルコリラ大丈夫か?
下がる材料はあれど、上がる材料はない。
つまりハイレバFXで稼ぐチャンス(
オスマントルコ帝国時代から全く変わってないな。国力とは政治力、経済力、軍事力の総合力で決定されるが、トルコは国力=軍事力だと思っている節がある。このままでは軍事大国にはなれても大国どころか地域大国の座すら危ういだろうね。
オスマン帝国の絶世時は世界最大の経済大国でもあったから今の政策は的外れになる
経済と軍事の規模で決まることであって空母は関係なかろうさ
ドイツに空母無いけど小国か?
タイに空母あるけど大国か?
だから政治的なレトリックだって意味じゃないの
超音速ミサイルやドローンが出てきているのに、空母はハイリスクだと思うんだけど。
海外植民地があるならともかく。
どこぞに植民地でもこさえるつもりなのだろうか
リビア紛争に干渉してるだろ
台湾有事では、限定的な核の使用も検討されているとか
もし、そんなことになれば、ほんとうに限定的で済むのかどうかわからない
乗っかってくる国もあるかもしれないし
歯止めが利かなければ、北半球はあかんかもしれないので
移住先を物色していてもおかしくはない
この国はどこからそんな資金が出てくるのやら
軍事は、内政では公共事業でもある。
重工業はモノもヒトも大量に使うから、経済振興という視点からは有効なんだよ。
勉強になった
最終的な完成品として工業製品を作るには、部品と材料、その元になる素材が
必要ですがトルコ国内で全て自給出来る筈も無く輸入に頼る部分も多いでしょう
そうなれば極端過ぎる通貨安は輸入には大きなマイナス要因です、国内物価にも
関わるので、輸出入のバランスを考えなければ国内経済への悪影響は必ず出ます。
世界の武器輸出額の中でトルコは1億4100万ドルです(2020年度データ)
トルコの名目GDPは7,170億ドルですから、武器輸出がGDPに占める割合は
この数字からも影響力などたかがしれていると分かるでしょう。
何事も極端な方向へ振れば必ずお返しが来ます
マクロな視点で経済を考えず、ミクロな視点で経済政策を推し進めたら
経済振興どころか破綻の道しか見えて来ないと、この大統領には分からない
のでしょうか。
もう一つ、外務省のトルコ概況を読むと
(4)トルコ政府は、2023年(共和国建国100周年)までに、世界第10位の経済規模及び
輸出額5,000億ドルという目標を持つ。
とあります。
今の武器輸出額が10倍になったところで、全体輸出額の中で、その存在感は微々たるものです。
次回の大統領選・議会選は23年6月までに行われます、今の極端な通貨安政策はその選挙対策
の一環とも言われますが、国民生活や民間産業への悪影響が懸念されているので、エルドアン
大統領がもし次の選挙で負ける様な事になれば、色々とひっくり返るかもしれません、この国。
ついでに空母の場合、母港の整備も必要だろうからこれまた一大公共事業
乗務員とその家族の家を作るだけでちょっとした規模の街になる
そんな金があったら、マラッカマックスに対応したコンテナ埠頭の一つでも
作ればいいのにって思う。
クーデター以降のドアン大統領はトルコをイスラム世界の盟主に返り咲かせるという反世俗・共和主義的な主張を隠さなくなったし、その手段として地中海や紅海を超えて北アフリカや湾岸諸国やインド洋にまで影響力を拡大できる空母取得に動くのは必然だと思ってた。とはいえ未だに欧米の影響力が根強く残りつつロシアと中国の手も伸びてきている湾岸地域まで出張って何かできるとは思わないし、リビア内戦など北アフリカで深入りしたらロシアやフランスとも対立する事になるだろうし、修羅の道だなぁ。
地形、地勢的に”トルコ”という国で空母が運用できるのか?という話なるわな。
言ってることが韓国と同じように見えるわな。
スペインに上手く金出させられただけとしか思えない