Economist紙は6日「ザルジュニー総司令官が6個旅団で構成された軍団(2万人以上)を3つ編成中だ」と報じていたが、ポドリャク大統領府顧問も「2ヶ月以内に再編成が完了する」と明かしたため、5月までにウクライナ軍の反攻が始まるかもしれない。
参考:Ukraine is building up its forces for an offensive
参考:Mykhailo Podolyak: “Bakhmut è un successo strategico, fra due mesi la controffensiva”
ポドリャク顧問の話が真実なら「リシチャンシクのようにバフムートから撤退することはない」ということになる
Economist紙は6日「ザルジュニー総司令官が6個旅団で構成された軍団(2万人以上)を3つ編成中だ。昨年のウクライナ軍は主に中隊編成で反攻作戦を実行したが、英国での訓練は歩兵、装甲車、砲兵などの戦力が一緒に行動することを目的にしており、これを大隊や旅団に統合することを目指している=異なる兵科を単一運用するため諸兵科連合に基づいた軍団を3つ編成中で総兵力6万人以上という意味」と報じていたが、クライナのポドリャク大統領府顧問も「2ヶ月以内に再編成が完了するだろう」と明かした。
ポドリャク顧問は「ロシアは戦術を変更してバフムートに訓練された軍人の大部分、職業軍人の残党、ワグナーなどの民間軍事会社、刑務所から動員された囚人を集結させた。我々がバフムートで戦い続ける理由は『ロシアにとって最も有能な人材を消耗が激しい戦場に拘束することで攻勢を中断させること』と『我々の資源を春の反攻のため集中させるため』で現在の戦いは完全に有効だ。バフムートでは約7ヶ月間の戦いで約4万人のロシア人が死傷している」と指摘。
つまりロシア軍は最も有能な戦力を集中させて一気にバフムートを落とそうしたが、ウクライナ軍は包囲の危機に直面しても撤退せず「抵抗継続」を選択したため、ロシア軍の戦力の大部分はバフムートに拘束されたままで他の戦線で攻勢に出るのが難しく、そのお陰で春の反攻に資源を集中させることができるという意味だ。
さらにポドリャク顧問は「急いではないものの2ヶ月以内に再編成(反攻準備)が完了するだろう」と付け加えており、このままバフムートにロシア軍の大部分(人的資源と装備・弾薬)を拘束しつづければ他の戦線が手薄になるため反攻作戦の実施にはうってつけだが、ポドリャク顧問の話が真実なら「リシチャンシクのようにバフムートから撤退することはない」ということになるので非常に興味深い。
関連記事:ウクライナ侵攻380日の戦況、露ワグナーがバフムート北西の拠点解放を発表
関連記事:ウクライナ軍司令官がNATOに反論、バフムートの重要性は増している
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
「現代版スターリングラードの戦い」になる可能性があるわけですか。
逆にこの情報も欺瞞で攻勢は別の場所で行うのかも。
しかし、ロシア軍の攻勢規模がずっと現状のままだったら、ロシア軍の戦力は十分ではない可能性が出てきますね。
もしかしてバフムトの戦い
期間でいえばスターリングラードの戦いより長引いてますかね?
という事は、南部でウクライナは攻勢に出るのかな?
穀物の輸出に黒海沿岸部の確保は、必要だからね。
西側装備の美式師団が活躍するかな?
話が早々に表に出るってことはフェイクだな
今までのところロシアが調子良く戦ってるようにみえるときってだいたいあとで裏目にでるんですよね
バフムートを巡る攻防についてはOSINTなどにより専門家でなくともある程度客観的な情報が得られますが(管理人様の視覚情報に基づいたわかりやすい地図にはいつも感謝しています)、戦時中に当事国が正確な軍事情報や意図を公表するはずもなく、限界があるのも確かでしょう。
極論、何がどう正しく間違っているのかはただ待てばわかるのであり、当事者でもない人間が不確かな情報に基づいてあれこれと騒ぎ立てても、ともすれば妄論・曲論に流されてあまり建設的な議論はしにくいのではないでしょうか。
この情報を知ったロシアがバフムートに集めた戦力を他の戦線に振り向けるなら、バフムートの包囲攻勢が弱まる。いずれ大規模反攻があるのは間違いないので、ロシア軍もこの情報を無視できない。
という感じに、情報で敵を動かすバフムート援護 なのかな?
そもそもなんですけど、ロシアのスパイなんて腐るほどウクライナ内部にいるでしょうし、
少なくともパブリックに出てくる情報は事前につかんでいるのでは?
その上での今のロシアの動きでしょう。
ハルキウなどの東部奪還作戦は、「ヘルソンを奪還する」という公開声明にロシア軍が誘導されたのでスムーズに進みましたよね。ロシアのスパイもかなり摘発されたので、大規模反攻の主軸がどこになるか、なかなか情報入手がむずかしい気がします。
ロシアがウクライナ軍の反攻主軸を予想して動くのを待って、バハムートから大規模反攻が始まるかも、ぐらいに、ぼんやり考えています。つまり、「バハムートへの増援」と見せかけて大規模反攻の主力をバハムートに移動させるのが狙いなのか? など色々想像しています。
もっとも、ロシア軍の動き方しだいで作戦が変更されるでしょうが。
>ロシアにとって最も有能な人材を消耗が激しい戦場に拘束することで攻勢を中断させること
反攻作戦の可否も含めて真なるところはウクライナにしか分かりませんが、ロシア軍の予備役動員に関して言えば当初に懸念されていたような全戦線同時の電撃突破は未だに発生してないんですよね。30万人が有効に使われていれば、電撃突破とは言わなくても南や北にバフムト市のようなポケットが最低でもあと1,2個出来ていても不思議はないと思うし、その意味で攻勢主力を吸引するための場所という説明も方便と断じきれないのかもしれないですね。
ポドリャク氏の話通りだったとしても再編成が5月までかかるとしたら、その間バフムートを保たせる事が出来るのかはかなり疑問ですよね。
そんなにかかってしまうとロシアが攻勢限界に来ていたとしても、もう一度攻めに転じるだけの時間が十分にあるように思えます。
でも「2か月以内」ですから再編成はもう終わっていてすぐにでも反転攻勢に出られるのだとしたら納得です。
撤退を呼びかけるアメリカやNATOの報道こそがロシアを油断させる欺瞞情報であったとしたら……。
ちょっと希望的観測過ぎますかね?
まああと二か月間もバフムトがロシア軍の包囲攻撃を阻止し続けられるかどうかですが、すでにロシア軍は一部でバトムツカ川を渡って、西岸に進出し、修理されたクロモべの橋の真近に迫っています。
あと二か月で合計18個旅団を編成して、大反撃という計画ですが、去年までに中隊ごとに反撃を行っていたというウクライナ軍が、いきなり6万人での反撃というと、指揮官や司令官、参謀の不足も考えられますが、そのへんは人工知能のAIとか、自動的に作戦計画書を起案してくれる作戦計画立案ソフトのようなので補うのでしょうか?あるいはポーランド人や、イギリス人といった外国人の義勇兵の参謀を配属するのかもしれません。
もっともバフムトがウクライナ軍の予想以上に早く陥落してしまうと、大反撃作戦の計画も大きく狂ってしまいます。
ロシア側の記事も見てみると現在進行形でバフムートに大量の予備役が送られているのは事実のようですね。
表向きの情報を統合すると春季の大反攻のためにはバフムートのロシア軍を何としてでも張り付けておく必要があるため、ある程度の出血を覚悟の上で増援部隊を送っているように見えます。最早キルゾーン、キルレートの概念は重要ではない!あまり語られませんが初期のキーウ侵攻時は莫大な兵士の出血と引き換えにロシア軍を食い止め、頓挫させました。
今同様のことがバフムートで行われている!ここが正念場!!!
>最早キルゾーン、キルレートの概念は重要ではない!
この主張に反対はしません。
ですがウクライナ、西側にとっては重要な概念だとおもわれます。
ロシアサイドでは重要でないかもしれません。
ウクライナもNATOもこれを最近主張していて
そのことについて西側報道も多数されていることから
そのことが分かります。
>初期のキーウ侵攻時は莫大な兵士の出血と引き換えにロシア軍を食い止め、頓挫させました。
これは私も重要な点だと思います。
高橋杉雄さんも少し前twitterで発言してました。
電撃戦に対して首都防衛には犠牲を厭わず止めなければ
負けてしまうところでした。
ウクライナの損害が大きかったのはロシア電撃作戦の侵攻初期とマウロポリ
セベロドネツク、リヒチャンスクの陥落した時期だと思います。
今のバフムトでは
その当時に比べればウクライナ損耗が多いかもしれませんが
ロシアも損耗が激しく一方的に削られている状況でないのは
明白だと思います。
ウクライナ軍は包囲殲滅は避けたいでしょう。
決定的な損害なくバフムトにとどまれるのか一番で
市街から徐々に下がっていく遅延防御でジリジリ下がっていくのが二番目
一気に撤退してスラビャンスクを前線にするが
あまりウクライナが取りたくない線なんだと思います。
バフムトも大事なのだけれど、他所の記事を読んでみると、
スバトヴォ方面でロシア軍がクピャンスク前面に、
およそ2個師団相当の戦力を集めているとのこと。
対するウクライナ軍は1個師団弱相当のようなので
こちらでもじきに激戦が始まるような気がします。
スバトヴォとクレミンナはロシア側の兵站の要なので、
どちらかが陥落すれば、ロシアのバフムトでの攻勢も無理でしょう。
ロシア側はまだ力を残しているものと思います。
> ロシア側はまだ力を残しているものと思います。
少し話題から外れますが
ヘルソンでもロシア軍が増強されて厚みを増してますね。
ドニプロ川の中洲の島で小競り合いをしているようです。
しかしロシア兵は
どこから湧いてくるのでしようか ?
おいコラで、動員かければいくらでも動員できそうな雰囲気がロシアにあります。
数年前まで、あれだけ盛り上がった反プーチン集会も黙らせました。