インドメディアは30日、政府筋の話として「もう間もなくフィリピンからブラモス発注が行われるだろう」と報じている。
参考:India, Philippines in advanced stage of negotiations on BrahMos missile deal
南沙諸島の一部を射程圏内に収めることができるブラモスのフィリピン導入は中国にとっては嬉しくないニュースだろう
インドとロシアが共同開発したブラモスは最高速度マッハ3.0+に加え強力なシースキミング(海面から約3m~4m)能力を備えた超音速対艦ミサイル(航空機搭載型/水上艦搭載型/潜水艦搭載型/陸上発射型)で、インド政府は独自の安全保障政策の一貫としてフィリピンに「約1億ドル/約110億円の調達資金を融資するので陸上発射型のブラモスを購入しないか?」と提案、数年に渡り両国間で交渉が進められていたが特に進展がなく新型コロナウイルスの影響や対中関係悪化を危惧してフィリピン側がブラモス導入を見送ったのではないかと噂された。

出典:Hemantphoto79 / CC BY-SA 3.0 地上発射バージョンのブラモス
しかしインドとフィリピンはブラモス調達に不可欠な「防衛装備品調達に関する法的枠組みを定めた協定」に署名(今年3月)を行い、この協定の調印式に立ち会い人として出席していたフィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防相が「私達はブラモス購入を進めている」と述べて輸出に向けた交渉が進んでいることをアピールしたが、インドメディアは今月30日「もう間もなくフィリピンからブラモス発注が行われるだろう」と報じて注目を集めている。
インド政府の関係者は「ここ数ヶ月の交渉で両国の話し合いは『かなり進んだ段階』に達しており、もう間もなくフィリピンからブラモス輸出に関する発注が行われるだろう」と語ったらしく、これが事実ならルソン島北部に配備することで台湾との間に広がる海域をカバーすることでき、フィリピン南西部に位置するパラワン島に配備すれば中国が領有権を主張する南沙諸島の一部を射程圏内に収めることができるブラモスのフィリピン導入は中国にとっては嬉しくないニュースだろう。

出典:Адміністрація Президента України / CC BY 4.0 地対艦ミサイル「ネプチューン」
因みに東南アジアや南アジアの国々は沿岸海域の防衛力強化のため地上発射型の対艦ミサイルに関心を示しており、中国が主張する九段線と自国の排他的経済水域が重複するナトゥナ諸島周辺海域の防衛力を強化に務めるインドネシアにはウクライナが地対艦ミサイル「ネプチューン(射程280km/マッハ0.7)」を売り込んでいる最中だ。
さらに国名は不明だがアジア地域の異なる2つの国がイスラエルから陸上発射型と海上発射型の徘徊型無人航空機「ハロップ」を調達しており、沿岸海域の防衛力強化に役立つ対艦ミサイルや徘徊型UAVの調達に走る国は今後も増加することが予想される。
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※アイキャッチ画像の出典:Public Domain 超音速対艦ミサイル「ブラモス」
米中の経済成長と、ロシアの衰退っぷりを見るに、プーチン死後は中国の手下になりそうなロシアさん。
そのうちフィリピンやベトナムに武器売るのも控えそう。
兵器は頑張って売るだろうけど、プーチン後は中華に喰われてモスクワ大公国に戻るよ。
そのときはロシアの代わりにインドやトルコが優秀な兵器を売りつけますよ
この件は、ミサイルの性能のみならず、インドから購入するってのが要点、必ずや中国に強い不快感を与える
インドとしても中国に対する嫌がらせ効果があるから、まさに一挙両得の政治的取引
南シナ海で海警局を使った脱法的警察力での傍若無人な振る舞いには
さすがにフィリピンもキレるでしょうね、対中関係悪化とか言ってられない。
対艦ミサイルと対空ミサイルは
日本の数少ない得意分野なんだから
どんどん売り込んだら良いのに
多方面に喧嘩を売るのはやっぱり悪手なんだなって(一敗)
個人的な話だけどもブラモスは昔、某ミリタリー雑誌で本体重量が2500トンと誤植されてて凄く困惑した
とはいえ数はそう多く買えないだろう。
だからと言って中国にとっても中々嫌な事ではあるだろうな。
いっそ日本が金を出してブラモスを東南アジア諸国に買わせまくるのはどうだろう?
ASM-3はもうちょっと時間が掛かりそうなのが辛いところ。
そういう強かな外交ができれば……
今頃台湾ともうまく商売やれてたろうに