起工から11年経過しても完成しないインドの国産空母「ヴィクラント」が推進システムのテストを行うため海に出ると報じられている。
参考:India’s first Indigenous Aircraft Carrier ‘ready’ for basin trials in September
起工から11年目、ようやく海上公試に望むインドの国産空母「ヴィクラント」
インド初の国産空母「ヴィクラント(約4万トン)」は2010年に進水、2013年に就役する予定だったのだが、2005年に始まった材料の切り出しや竜骨の据え付けに手間取り起工がずれ込み、その後も造船所のインフラが不十分だったり、輸入するはずだったロシア産の鉄鋼が届かず国産品に切り替えたことで品質に問題が発生するなど様々な困難に直面、問題を一つづつ解決して船体が完成したのは2015年6月で、艤装作業もロシアから調達した航空機支援設備が届かず、全ての船体構造物や設備の据え付けが完了したのは2020年2月だ。
今後、空母「ヴィクラント」は来月中の港内で推進システムと艦内の電力システムに関するテストが行われ、年内に海に移動して海上公試を実施、2021年末までにインド海軍へ正式に引き渡され就役すると言われている。
最終的にインド海軍は空母「ヴィクラント」の同型艦をもう1隻建造して空母3隻によるローテーション体制を確立、アラビア海とベンガル湾に空母打撃群を配備する計画を掲げているが、インド初の国産空母「ヴィクラント」完成が大幅に遅れたため本当に3隻体制確立を実行に移すのか不透明な状況だ。
さらに空母の艦載機として導入したMiG-29Kも問題だらけで、新たに海外製の艦上戦闘機導入を進めるのか国産機で行くのかもハッキリとした方針が示されていない。
インドは2017年までにロシアからMiG-29K/KUBを計45機導入したが、インド海軍の報告によればMiG-29Kのフライ・バイ・ワイヤシステムや搭載エンジンのRD-33MKには幾つかの欠陥(詳細は明らかにされていない)があるため信頼性が低く、この問題は基本的な欠陥のため当然、ロシアの費用負担のもので修正されるべきだと要求しているのが、恐らくロシア側は欠陥を認めていないためインドが費用負担を行わない限り対応しないつもりなのだろう。
さらにロシア側がインドに提供する品質管理やサポートが不十分でMiG-29Kの稼働率が20%~40%台と低く、空母で運用してもまともに能力を発揮できないと酷評、一応、スペアハーツの供給問題に関しては2018年時点で解消していると言われておりMiG-29Kの稼働率も向上しているはずだが、上記の欠陥によってMiG-29Kの耐用年数は6,000時間から短縮される可能性が高いと言われている。
結局、インドはMiG-29Kを補完するため新しい海外製艦上戦闘機導入計画を進めており、導入候補にはF/A-18E/F、ラファール、MiG-29Kなどが挙がっているのだが、国産戦闘機「テジャス」の海軍仕様機が空母への着艦と発艦に成功したため、双発タイプの艦上戦闘機を新しく開発する計画に承認を耐えた。
果たして海外製艦上戦闘機を導入するのか国産機で行くのかインド海軍は態度を表明しておらず、今のところは海外製艦上戦闘機の導入計画がこのまま進められるのではないかという見方が強いが、インドは防衛装備品の国産切り替え(※)に大きく舵を切ったので、国産機調達に方針を変更しても不思議ではない。
補足:インド政府は今後5年間で海外から輸入している防衛装備品を段階的に輸入禁止にすることを発表、輸入禁止リストに挙げられた装備品の中には軽戦闘機、戦車、自走砲、各種装甲車両、防空システム、駆逐艦、対潜装備、固定レーダー、移動型レーダー、各種衛星、各種軍用トラック、小型無人航空機、各種火器などが含まれており、リストに引っかかる武器は海外から直接輸入することは不可能になる。そのためインド軍はリストに引っかかる武器を国産品に切り替えるか、取引企業と交渉して現地に生産(インド企業との共同生産)に切り替えてもらうしかない。
以上のような理由から、インドが実用的な空母打撃群を運用出来るようになるには長い時間を必要とするだろう。
しかしモディ首相が掲げる「Make in India」の元で着実に国内の製造業や防衛産業を育成しているので、何れこの難題を克服してくるものと思われるが目の前に迫った中国との軍事的対立に間に合うかは微妙だと言わざるを得ない。
関連記事:ボーイング、スキージャンプ台を使用したF/A-18E/Fの発艦テストを実施中
※アイキャッチ画像の出典:Indian Navy / GODL-India 空母「ヴィクラント」
うーん、これはロシアが悪い…
プーチンプリン無能。
とてもじゃないがコレでは中国の相手にならん
摩訶不思議インド時空のせいで勝ち目はなさそう
なんというか、記事中でロシアの名前がよく出てくる事w
航空艤装がロシア製というところが、不安しかない。
旧ソ連時代からロシア製戦闘機のエンジンは使い捨て前提で造られていますからね。
中国との紛争があるので大至急陸上機の調達をやらなきゃいかんのでこっちは後回しにされそうなんだよな
しかしテジャスは使えるとかホントかね
インド空軍は「テジャスなんて新型機の候補にリストアップすることすら拒否する」って言ってたような
ずっと続く混沌に馴れてて混沌してる自覚もなさそう
個人的には、2度と行きたくない国インド
11年もかかったけど計画中止にせずに、公試に持ち込めたの凄いな
初めての国産だしやっぱ大変なんだろうな
まともに能力を発揮できないとされるMiG-29Kの補完にMiG-29Kを提案…
凄まじいメンタルしてる…
ここで頓挫するとロシア製に対する信頼性が大きく損なわれるぞ、ぷーやんなんとかせーや
と言っても、ロシアも空母には力入れてないんだろうね
テジャスって80年代には開発始まってなかったっけ…
中国はほとんどの軍事装置・設備を国産化できているから当然速い。
中国の003型空母が進水するまでにヴィクラントが就役していればいいね。
そういえば、ロシアの空母は今どうしているのかな?
近代化継続中ですね。トラブルはあったけど2022年復帰は変わりないみたい。
mig-29k自体に問題があるのなら、ロシア海軍の機体も同様の問題があるのでは?su-33をmig-29kで完全に置き換えなかったのはそのせい?でも実際mig-29kかmig-35艦載型した選択肢がないような…
インドはインド的なタイムスパンで中国との紛争を解決するつもりなんだろう
建造期間はともかく排水量40,000tは羨ましい
本邦の造船所で作れる最大サイズってどんなもんなんやろか
スコルペヌ型潜水艦(通常型)・・・
こっちも大幅に遅れてるね
これはフランスの責任? (笑
基礎研究すら覚束無いのに武器輸入を禁止して国産にしちゃうとか凄いなw
艦載機の代替え、手っ取り早いのはラファールかな。
タイプ間の互換性がかなり高いし、既に採用決めてるのだから導入しやすいだろうし。
やっぱりアレかな、空母の厨房ではトイレで出したのと似たような食事が出てくるのかな
インド人は合理的だな
同じ日本人とは思いたくないほど品性の低い下品なコメント
同意
1度インドに行ってみなさい、下品なジョークを笑えなくなるから
中国軍の近代化と比べるとかなり遅れてるように見えるよな