韓国航空宇宙産業(KAI)は米国市場へのオールインを表明してF-50/TF-50開発を正式に発表、ロッキード・マーティンと共同で米空軍の高度な戦術訓練機、米海軍の戦術的な代替航空機、ゴスホークの後継機を取りに行くと宣言した。
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この10年で力をつけ海外で評価と実績を積んだため「夢物語だ」ともう笑う事ができない
韓国航空宇宙産業(KAI)は今年1月、防衛産業界の関係者やメディアを招待して「Global KAI 2050 Beyond Aerospace(2025年までの開発ビジョン)」を披露、これについてAviacionline Defensaで編集長を務めるのガストン・デュボア氏は「KAIがFA-50の単座バージョン=F-50の開発に言及した。もう一つのサプライズは(韓国)政府調達への依存を減らして海外輸出に重点を置くという戦略の発表だ」と明かしていたが、KAIはF-50とTF-50の開発を正式に発表した。
KAIの説明を要約すると単座のF-50はFA-50と比較して作戦半径が25%増加(後部座席の部分に燃料タンクを追加)し、コックピット内の改良、デジタル飛行制御の改善、空対空ミサイルや空対地ミサイルの統合、機体寿命の延長などを図る予定で2028年までに開発を終える予定らしい。
デュボア氏は「まだ世界中で運用されているMiG-21、F-5、A-37、A-4、アルファジェット、L-39といった旧式機はF-50に800機~1,000機の潜在的な市場を生み出す可能性がある」と指摘していたが、KAIもF-35AやF-16を購入する余力のない同盟国や友好国に対してF-50を提案すると述べており、更に興味深いのは「F-50をベースにKF-21輸出型の長所を加えてTF-50を開発する」という計画だろう。
デュボア氏が「政府調達への依存を減らして海外輸出に重点を置く」と言及したように、KAIも来年の経営計画について「2024年からは世界最大規模に米国市場に全てを投資する。米空軍は高度な戦術訓練機(ATT)を、米海軍も戦術的な代替航空機(TSA)とゴスホークの後継機プログラム(UJTS)を開始する予定で、この中から当社の利益を今後40年以上も確保できる可能性がある」と言及、F-50の米国向け仕様機=TF-50を開発してロッキード・マーティンと共同でATT、TSA、UJTSを取りに行くと宣言した。
ロッキード・マーティンは昨年6月、KAIと正式な契約を締結してATT挑戦に向けた協力を約束していたが、TSAとUJTSにも挑戦するというのは初耳で、3つのプログラムを全て受注した場合「ATT100機~400機+TSAとUJTS400機~600機=最大1,000機」の需要が発生すると予測している。
記事中に登場する「ATT、TSA、UJTSとは何なのか?」「パイロット養成に使用するT-7AとATT/TSAに求められる役割りの違いは何のか?」については過去記事で触れているためスキップするが、KAIの経営戦略は当然リスクを伴うものの、欧州市場(ポーランド)、アジア市場(マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン)、中東市場(イラク、エジプト)への進出に成功しているため、今後の成長には米国市場に挑戦するしかなくハンファディフェンスも米陸軍の次期歩兵戦闘車に挑戦中だ。
10年前なら「失敗するのが目にみえている」と鼻で笑っていたはずの米国市場への挑戦、この10年で海外からの評価と輸出実績を積んだため「夢物語だ」と笑う事ができなくなってしまった。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
北は核ミサイル、南は戦闘機(と戦車)。南北そろって「軍産半島」といったところでしょうか。
両国はいずれも兵器輸出を通して軍事力を高めており、ロシアや中国に並んで日本の大きな脅威になります。
韓国に移住しよ。あっちの方が自分のスキルを活かせそうだし。
韓国は日本以上にコネや派閥がものをいう社会なので個人のスキルを活かしかしたいのなら他国にしたほうがいいかと
そのこともあり韓国法務部によると2012年~2022年の間だけでも約26万人の韓国籍放棄・離脱者がでています
(国籍放棄・離脱者/人口1000万だと日本の約25倍)
韓国で必要なのはスキルではなく親ガチャ
FA-50のバックオーダーをF-50に変更を希望する国もでそう。
昨今の軽戦闘機としての需要は目を見張る物があるし、
F-50はその需要を完全に取り込むことに成功する可能性が一番ある、大本命といっても良い機材だと思う。
米国市場については、自分はやや懐疑的にみている。
もともとT-50が性能模擬機能を前提とした開発になっていなかったため、どうしてもTF-50は後付の機能になるために、
最初から前提としたボーイングT-7Aと相対しては不利は否めない。
と、同時に、ボーイングはもともと、B777といった大型機材向けの訓練コスト低減を目指して、
そのための小型機による性能模擬を、民間航空機産業でずっと研究開発を続けていた。
結果、より小型のボンバルディア社の機材を使って、
その実装とサービスの提供に20年以上前に成功し、提供し続けてきたという実績がある。
この分野においては、ボーイングに一日の長以上のアドバンテージがあるのは明らかだろうし、
KAIはもちろんLMにも実績がない以上、苦しい戦いになる外ないんじゃないかな?
航空、それも軍用とくれば米国産業界の頂点に君臨する数社の複合企業体が牛耳っている世界ですからね。ここで受注をとれるなら韓国はもうアメリカで何だって売れるでしょう。他方、最近のアメリカは国内産業保護・中国への通商規制を意図する特別措置法を臆面もなく出すようになってしまっていますから、そのあたりの規制が怖いところですよね(現に自動車減税絡みで韓国は北米向けEVの税制優遇を外されて論争になっています。まして軍産複合体の牙城である軍用機ですからね…)
国防絡みは民間と違うからガチにアメリカの国益損ねない体制作れるかに掛かっている。実際に韓国の部品製造国やセキュリティ絡みはどうなっているんだろうね、LMと組むなら変なことにはならないだろうが米国納入分とそれ以外の地域だと使う部品が違いますとか出てくるかもな。
今だと通信もしないような部品すら中国排除されてる。その部品の性能が筒抜けだから機体性能を考える上でプラスになるかもしれないから排除されているだけかもしれないが結構徹底してるよね。
韓国人は嫌がるでしょうし、日本人のみなさんからもツッコミが入りそうですが、個人的にはミリタリーパワーとしての大日本帝国の後継国家として頑張ってるなという誇らしいような不思議な気持ちです
そもそも大日本帝国の後継国って誇らしいのか?
大日本帝国に関する価値観
旧日本軍に関する投稿だけかいつまむと
この板でも相当ネガティブなものに変化してきてるから
貴方は価値観のアップデートが必要でしょう
はい、すみませんでした。反省します。
韓国も日本もアメリカの傀儡国家だからね。
全てアメリカの都合です。
大日本帝国の実質的な独立した後継国家は、存在しません。
これから自律へ向けて動き出すのですよ。そんな卑屈な表現で我が国を貶めないでください。
あの栄華を極めた古代ローマ帝国も
あまりにも長期にわたり軍事・経済両面での衰退が続き周辺国に酷く劣後する時代になってくると国民は卑屈になっていました
日本が国民が自律または誇りなるものを取り戻すには、
いずれにせよ今あるような長期にわたる停滞衰退ではなく、実際の経済成長が必要でしょう
仰る事はちょっと理解できます。自分も韓国の政治には大日本帝国的なものを感じてきました。竹を割ったような直線性、正しい事は迷わず成せという明快さは彼の国の美点でありますが、これは裏を返せば浅慮で沸点の低い衆愚政治であり、この辺はまさしく大日本帝国のデモクラシーの部分の血筋ですよね。韓国の場合は勤王概念が無いことや米国的な個人主義、二大政党制の対立軸が王朝時代の派閥抗争の文化に回収されているなど大日本帝国の面影だけでは説明できない要素のほうが多いですが、正直言うとどこか誇らしい気持ちは自分にもあります。
そこは「大韓帝国」って言ってあげなさいよ。
元々F-16の取り引きに絡んでロッキード・マーティンから技術的支援を受けて作った練習機だったお陰でF-16の訓練に丁度良いんだよねこれ。
競合機種側がそうした訓練効率面でしくじっていて、育成にあまり向いてない指摘を受けてたのも都合が良かった。
そして、ウクライナ紛争で旧式ソ連機等の旧式機を大量廃棄&刷新する流れに乗っかれたのも大きいね。
見込みの中から実際にどれくらい契約成立するかは分からないが、比較的廉価で兵器システムの訓練が可能な兼用高等練習機としては見込みが出てきたかも。ロッキード側はこいつとセットでF-16を売りつけたいだろうし。
F-16Dでは駄目なのか?
ラインがたらんであっぷあっぷしている上にフルスペックだと高いから
KF-21がこの立位置に来ると思ってたけど、やっぱ高くなるのかな?
安価でとりあえず空戦も出来る攻撃機なら、欲しがる国は多いかもね。
>安価でとりあえず空戦も出来る攻撃機
ここがポイントなのでしょうね。Mig-21やF-5を運用している国は後継機として対空・対地ミッションといったマルチロールが可能で、かつ安価ということを求める国が多いでしょうからF-50やFA-50は条件に合う機体になりえます。
KF-21については4.5世代戦闘機という位置づけなのでハイローミックスでFA-50/F-50がローだとするとハイにあたる機体になります。FA-50/F-50を導入した国がより高性能な機体を求めた場合に同じ韓国製の機体で部品供給などのメリットを強調して導入することをKAIは狙っているのだと思います。
オタクとしてはこの手の軽戦闘攻撃機だいすきだから是非とも物にして欲しいね
日米王中露がシノギを削る第5世代第6世代主力戦闘機はなんか技術的性能的には素晴らしいんだけど、なんかこう…ワクワク感が無いんだよね何故か
海軍のある程度はとれるんじゃあないかなー?
ぶっちゃけてボーイングのラインのほうがたらんだろう
海軍の練習機の仕様がおかしい。
着艦訓練の出来ない高等練習機は、役に立たないのでは?
『アメリカ軍が採用する』『アメリカ企業と協業している』というのは軍事産業の分野ではやはり大きいよな。
川崎P-1のように『電子機器がアメリカ軍とのインターオペラビリティを確保している』のも重要ではあるけど、採用にあたって顧客が重要視するのはそこじゃないし。
防衛産業ってどこの国も儲からんイメージがあるけどその辺どうなってんだろう
韓国はインフラや造船は公金で大赤字でも輸出させてる印象あるしまずは実績ありきで採算度外視でやるのかな
同じセミナーでは今まで推測だったKF-21ブロック3にもKAIのロードマップで触れていましたね。
韓国軍でのブロック3採用はないかもしれませんが、KAIとしてはKF-21の次の第6世代を開発するには、随伴ドローンと合わせて、高度ステルス化とウェポンベイの実証機が必要と考えているようですね。
T-7がどうも遅延するような話もあるし、すでに技術的にこなれているT-50系にも芽はあるかもしれない。
一方、空自のT-4後継にはM-346の売り込みがかけられている模様。
でもほしいのはT-7?
正直どっちもいらねぇーが本音では?
M-346はスクール関係で一定数の需要はありそうだけど
T-4をしばらくは改修して使うみたいだし。
T-4の改修がコクピットにおよんだ場合どう改修するかで求めている機体の方向性は決まりそうだけど
そもそも「アメリカが〇〇をする」「外国企業がアメリカで〇〇をする」というプランでうまくいった例なんてどれほどあるでしょうか
インフレ、水資源の枯渇、インフラの脆弱さ(電力、輸送など)、自然災害、治安の悪さ、技術不足、それに人手不足
軍民問わずビジネスなんてできる環境じゃありません トランプもバイデンも躍起になって工業を取り戻そうとしてますが逆に撤退ラッシュが現実です 裏を返せばそれだけヤバイってことですかね
あまりに人手不足で不法移民の児童まで狩りだしてしまって大スキャンダルになったのが韓国ヒュンダイのアラバマ工場でしたね・・・(その後いくつかの州で児童労働が合法化されたそうですが)
米空軍はちょっと偏った考え方をしてる。注力したい機種に偏重してる所があるので、そこの調達に役立つかどうかかな。
逆に練習機の機種にも拘り出すと難しくなるかも知れないが…ローコストでまとめて他の機種に予算を集中みたいなのなら可能性もある。
成功するにせよ失敗するにせよ、米国市場に食い込もうとする心意気だけは賞賛できるわな。
何をどう言うたところで、FA-50が2022年の戦闘機受注額第3位にランクインしたことは変えられへんのやから。
これはないですね。
なぜなら、筆者は表向きの広報を鵜呑みにした内容しか書いていないからです。
T-50系列はF/A18で使用しているF404エンジンを元にコストダウンしていましたが、F414エンジンのスーパーホーネット移行と物価高でエンジンは初期見積の倍以上の値段となってしまっています。
F5代替のKF21はF414ですが、これを搭載するスーパーホーネットも延命込みで2035年までの運用となっており、部品高騰は目に見えています。
韓国でこの部分が楽観的なのは、ハンファエアロスペースでF414ベースの高出力エンジンを国産化するという不確定要素を政治的利権も含めて安易に考えているからです。
国産化した際のコストは、ありえない希望的観測での生産台数を元に算出していて現状生産減のコストアップは見えていません。
この点でTF50はKF21とともに影響を受ける為「安物買いの銭失い」になる可能性が高いのです。