台湾の国防安全研究院は脅威が高まる小型ドローン対策にRWS(リモートウェポンステーション)を統合したアンチドローンシステムの開発を提案して注目を集めている。
RWSと既存のドローン検出システムを組み合わせた簡易のアンチドローンシステムはベストではないものの現状最もベターな選択肢か
台湾国防部が設立したシンクタンク「国防安全研究院(国防安全保障研究所とも呼ばれてる)/INDSR」は今後の戦場で課題となる「小型ドローン対策」についての報告書を16日に発表したのだが、中々興味深い提案を行っている。
小型ドローン対策に関する報告書の内容を要約すると以下の通りだ。
リビア内戦やナゴルノ・カラバフ紛争で活躍した武装可能な大型の無人航空機に注目が集まっているが、米陸軍が定めた基準で「カテゴリー1(重量約9kg/作動高度約360m/作動速度185km以下)」に該当する小型ドローンの脅威も日増しに高まっており、戦場の偵察・監視、搭載したセンサー機器を利用した精密誘導兵器の誘導、電子戦、自爆攻撃など使用され大きな効果を挙げている。
補足:米陸軍が定めた基準とは無人航空機を性能別に5段階に分類した無人航空機システム(Unmanned Aircraft System:UAS)グループのことを指している。
グループ1:重量約9kg/作動高度約360m/作動速度185km以下(RQ-11レイヴン、RQ-16T-ホークなど)
グループ2:重量約22kg/作動高度約1,000m/作動速度460km以下(スキャンイーグルなど)
グループ3:重量約600kg/作動高度約5,480m/作動速度460km以下(RQ-7シャドーなど)
グループ4:重量約600kg以上/作動高度約5,480m以下(RQ-5ハンターなど)
グループ5:重量約600kg以上/作動高度約5,480m以上(MQ-9リーパー、RQ-4グローバルホークなど)
このカテゴリー1に分類されるドローンは純粋な軍事向けだけでなく商用向けのドローンを改造したが多く流通して加速度的に戦場への普及が進んでおり、特に商用向けドローン市場で支配的な地位を獲得している中国と対峙する台湾は「この脅威から逃れることは不可能だ」と報告書の中で指摘、さらに「この手のタイプのドローンはサイズが小さく現在の高性能な統合防空システム『IAMD(ミサイル防衛や航空機迎撃向けに構築された防空システム群のこと)』で安定的に検出したり迎撃することが難しいためカテゴリー1タイプのドローンに対応した野戦防空能力の再構築が急務だ」と警告している。
国防安全研究院が野戦防空能力の再構築に有望だと挙げているのがRWS(リモートウェポンステーション)を統合したアンチドローンシステムで、フランス軍、ドイツ軍、ロシア軍が整備を進めている取り組みを紹介して「台湾も類似したシステムの開発を行うべきだ」と報告書の中で提案しているのが、このシステムを国防安全研究院が推すのは「技術的な成熟度が高いシステム同士の組み合わせで比較的短期間の内に獲得できる」という要因が大きい。
フランス軍はカナダ企業が開発したドローン検出システムとコングスベルグ製のRWS「M151」をVAB装輪式装甲車に搭載した野戦防空車輌を製造してテストを行っており、ドイツ軍は2023年に順番が回ってくるNATOの高高度即応統合任務部隊への参加に備えるためドローン検出レーダー「Spexer2000/3D」を統合したRWS搭載のボクサー装輪装甲車を10輌発注済みで、実際に効果が証明されれば他の部隊にも配備を行うことを検討しているらしい。
さらにロシア軍は全地形対応軍用車両GAZ-2330にRWS「Arbalet-DM」を搭載した特殊車輌「TIGR-M」を製造、ドローン検出レーダーの種類は不明だが少なくとも周囲2.5kmまでの小型ドローンを検出できRWSに搭載されたIRセンサーも周囲1.5kmの小型ドローンを検出することが可能で、2020年に実施されたテストでは10機以上のドローンを無力化することに成功したと紹介している。
要するに既存のドローン検出システムや実績のあるRWSを統合して車輌に搭載すれば比較的簡単に移動可能なアンチドローンシステム=野戦防空能力を獲得することができ、一般的なRWSが採用する12.7mm機銃弾は入手性も良く低コストなので「専用に開発された高度な近接防空システム(スティンガーなどの短距離対空ミサイルを搭載した専用システム)よりも優れている部分が多い」と言っているのだ。
勿論もっと広いエリアをカバーできる強力なドローン検出システムが実用化され、残弾数を気にしなくていいレーザー兵器(電力供給が確保できればの話)と組み合わせたシステムを導入するのが最もベストな選択肢かもしれないが、このような兵器が手頃な調達コストで入手可能になるのは当分先なので「RWSと既存のドローン検出システムを組み合わせた簡易のアンチドローンシステム」は現状最もベターな選択肢と言えるだろう。
関連記事:無人機による攻撃を受けて目が覚めたインド、アンチドローンシステム導入に動き出す
関連記事:米陸軍、対UAV対策として近距離防空システム「IM-SHORAD」調達を決定
※アイキャッチ画像の出典:Kongsberg Defence & Aerospace AS
自衛隊も研究してんのかなぁ
ゲリラとか船とか
FFMの もがみ に搭載した国産RWSって、ボロクソに言われてるで。
リンク
そのボロクソに言ってる人、この手のサイトで名前出したら駄目な人じゃないですか、ヤダ〜。
しかも自衛隊批判が先に立つから、矛盾した事も平気で書く人ですしおすし。
キヨなんとかさんとかハンダなんとかさんとかの言うことと逆に張っておけば大体正しいと言う風潮
M2よりM3の方がいい、とか輸入なら半額で済む、とか自分こそ表面的な数字しか見てないんだよな、こいつ。
そいつボロクソにいう事が目的で基本頓珍漢な事ばっかり言ってるからあんまり真に受けん方がいいぞ
たまにまともな事いってるとかいう擁護もあるけどそんなもん探す時間あったら別の情報ソース探ってる方が遥かに有意義で時間も掛からんし
なお、そのまともな事を言った事に対する擁護のツイートに対して何故かボロクソにキレ散らかすリプライを本人が返した模様
この先生、文章が下手だな。
もう少し言いたい事を我慢するのが良いくらい。
ちょうどRWSで盛り上がってたのこれかぁ。レーダーまで積んで自律追尾するRWS、それもう無人砲塔だよな。
管理人のいう広範囲をカバーできるタイプの迎撃システムが普及する余地はあると思うけど、レーザーも銃弾も見越し範囲でしか作用しないので、SPAAGみたいに車列に随伴できる極小範囲の防空システムも一定の需要はありそう
アショアごときで政治問題化してるんだから、日本じゃ陸上だとこういうのはもっと無理だな。
これの何が問題かといえば低空飛行するドローンを水平射撃に近い浅い角度で実弾射撃すること。
しかも12.7mmとなると威力と飛距離がマジでヤバい。
政治的問題も考慮すればコスト度外視しても、マイクロミサイルの方が難易度低いだろうな。
気球に積んで撃ち下ろすのはどーかね。
令和の時代に阻害気球が蘇る。
ジェット式ラジコン飛行機を突っ込まれて簡単に落とされそうな気が
そういうのを撃ち落とすための装備では?
というのもあって、既に開発完了している高射機関砲システムの40ミリ自己破壊弾頭が有効だと思うのだけど、自走化のための台車がまだ無いとか低価値目標相手にはコストが高すぎるのか、一向に出てこないのよね
これって今の自衛隊は87式自走高射機関砲をあてるしか無いのかな?
有効射程は3500㍍、ただ高過ぎて50両位しか配備されて無いよね
まず小型ドローンは検出出来るんかな?
>まず小型ドローンは検出出来るんかな?
87式のレーダーだと、流石に厳しいかも。
バックアップ用だが光学あるし、本気で探知するきならレーダーも光学も最新レベルに変えればいけるとは思うけどな。
マトモにやるならエアバースト弾も欲しいから費用対効果どうなのかね。
やるとしたらセンサの刷新とエアバースト弾は欲しいよね
でも、87AWは数が少ないしやるんだったらMCVの車体使って即機連とかに追随出来るようにしたいよね
空自はVADSをアプデだな。
空自のVADSは去年で運用終了してるから・・・その・・・
安価なドローンには安定した安価なシステムで対応か
台湾の現実主義に敬服だな、出来もしない妄想など語らないとこが中華なんだねえ
「中華」という言葉がそもそも
できもしない、ありもしない妄想の
産物だけどな。
まあそうだね(笑)
しかし中国人はリアリストには違いないから、国内少数民族を弾圧してまで中華に飲み込もうとしてるし
台湾こそ真剣にその現実を理解してるよ、次は自分たちだと
2㎞先に当てるにはスナイパーみたいな射撃制度が必要だけど射撃中のM2がそこまでの精度を出せるとは思えない。それにドローンは方向転換が瞬間的にできるので相手を認識してる状況では3秒後の予想射撃は躱されるだろう。通り抜けていった弾は数キロ先の市街地に直撃するだろうし、20㎜にして時限信管付けた方が正しいのでは。
一昔前の狙撃の世界記録はM2で狙撃したものなんですがそれは
あとドローンの機敏な動きはレース用とかのイメージで言ってると思うけど、軍用の(マルチコプターとしては)重くてデカいドローンにそんな動きは無理
というか、実際問題シリアでロシアの対空機関砲に普通に撃ち落とされてるし夢見過ぎ
投網出来るようなドローン出来ないもんかな。
これのこと?
> 米国防総省の対ドローン兵器、まるでパーティークラッカーのようなもので敵をやっつける
リンク
思った以上に高度だた。
ありがとう。
陸自を例にすると車載M2をRWSにすると対AHの対空自衛で使えるかで問題になって、対空照準環で人力操作に等しい能力は単価、質量上昇次第で解決可能とあったが実運用向けの現実的な選択肢では対空面で相当劣化してると思う。
これを小隊同時射撃でソフトキル狙いのただの弾幕ではなくAH比で極めて小型の無人機を捕捉し撃ち落とすにまで格上げするとなると話が別次元だろね。
レンジ500mから1km以上行くでしょ?同じ距離を戦車の射撃統制で狙うは車両サイズでもあの精度(ガンの限界)だから要するにRWSで戦車砲塔より高精度って事だけど元が対人用のもんをいじくり回してもジャベリンでヘリも撃てますよ程度の話にしかならないと思う。なんせ50BMGだし。
攻撃ヘリとマルチコプターで迎撃難度を比較するなら圧倒的に前者の方がキツいと思うけどな
そもそも攻撃ヘリは.50程度なら掃射に耐える装甲をしてるというのはさておいても、数km先からロケットやミサイル、チェーンガンで攻撃可能な攻撃ヘリと
ほとんど直撃まで持ってかないといけないマルチコプターじゃキルゾーンが違いすぎて比較するまでもないというか
日本もRWSは研究してたな
何故か車両には載せず「しらぬい」と「もがみ型」に載ったが
米軍のカテゴリー表いいね
ドローンの話題の時はいつもこの表最後に貼っておいてほしいわ
毎回想定するカテゴリー外の話を無知か意図的か知らんがごっちゃにして話す人間のせいで
いらん対立が起きてるからさ