台湾は米国から待望の主力戦車「M1A2T エイブラムス」を108輌調達する予定で現在受け入れ準備を着々と進めてる。
参考08:Taiwan preparing for M1A2T tanks with help from U.S.
危機意識の高い台湾、導入するM1A2Tの維持に必要な技術移転を米国に要求
台湾は老朽化した米国製戦車M60A3を更新するため108輌の「M1A2T エイブラムス」を売ってくれるよう米国に要請、米国務省はM1A2Tを含む計20億ドル相当の対外有償軍事援助(FMS)を昨年7月に承認、米議会もこの契約を承認したため両国政府は昨年11月に正式な契約を交わしM1A2Tを含む武器販売は無事成立した。
そのため台湾は2022年に予定されているM1A2T引き渡しに備え国内の受け入れ準備を進めており、台湾陸軍はわざわざ米国から専門家を招いて戦車訓練施設や野外演習場の近代化改修に取り組んだり、国内企業にM1A2T用の訓練シミュレーター開発を依頼するなど待望の主力戦車「M1A2T エイブラムス」到着に向け万全の準備を進めている。
さらに台湾は外交状況が変化してM1A2T維持に必要な消耗品やサービスが入手出来なくなる事態に備え、120mm滑腔砲が使用する砲弾の国内生産や保守に必要な技術の移転を要請しており両国政府間で交渉が進められているらしい。

出典:U.S. Army photo by Cpl. Guy Mingo
この辺りの危機意識は米中関係に翻弄されてきた経験から来るもので、台湾陸軍の退役軍人である羅智源氏(最終階級は中将)は今回の武器販売契約成立について勘違いするなと警告している。
今回の武器販売契約は米国が困っている台湾を助けるためや、米国が台湾のことを兄弟のように思っているから実現したと考えるのは誤りで、この取引は純粋に米国と台湾の国益が合致した産物に過ぎないと語り、特に台湾側がこの取引を成立させるために支払った代償を考えれば当然の結果だと指摘している。
要するに彼は、米議会の議員に寄付という形で莫大な額(恐らく数十億円規模)を支払い「台湾同盟国際保護強化イニシアチブ法(台湾法まはた台北法)※1」を成立させてきた台湾の努力などを考えれば当然の結果であり、これを米国やトランプ大統領の好意だと勘違いするなと言いたいのだろう。
※1補足:因み台湾法が成立したからM1A2T エイブラムス購入が可能になった訳ではない。あくまで台湾が米国から武器を購入するため重ねてきた努力の一つという意味

出典:Public Domain習近平との米中首脳会談(2017年4月7日)
ただ彼は現在の台湾軍が抱える問題点についても警告している。
台湾軍は徴兵制から志願制への完全移行が完了したためリベラルな考え方をもつ兵士が多くなり軍の規律やモラルが低下していると指摘、さらに国や軍への絶対的な忠誠心も今ひとつ欠けているため教育や訓練を見直さなければ国を守る事はできないと話しており、日本人には馴染みが薄い台湾軍の内情や米台関係に対する考え方など中々興味深い話だ。
台湾からしてみれば米中関係が悪化すればするほど米台関係が親密になるため、現在のトランプ政権は台湾にとっては福の神かもしれない。
関連記事:日中韓の戦車と比較? 台湾が導入するM1A2T「エイブラムス戦車」は最強
※アイキャッチ画像の出典:Public DomainM1A2 エイブラムス
日本人は台湾を過大に評価するけどレンホーも台湾人でしょ。間違っても日本の装備品を台湾へ輸出してはいけない。翌日には人民解放軍に筒抜けだ。潜水艦なんてもってのほか。
別に台湾人全てを盲信・評価なんかしちゃいないけど、それにしたって「台湾人ハーフの日本の野党の1議員をもって台湾全体の評価を云々する」のはあまりに恣意的。「鳩山も日本人だぞ」という根拠で日本を評価されるより酷い話だ。
少なくとも医学的には半分日本人でしかも「当選させた責任」は100%日本にあるんだから。
その通り。
台湾の尖閣諸島領有権主張や、中国・韓国と変わらない排他的経済水域外での乱獲行為等を見ても台湾は警戒すべき対象と見るべきだろうね。
蓮舫は台湾本省人では無いはずだよ。本人は保守派と云うが、アレは“中華の保守派”だ。
台湾への信用云々を語る前に、台湾から信用/期待されていない日本の有様を語るべきでは?
台湾から日本への兵器調達オファーが無いのは何故か? 日本の対中姿勢の由縁ではないか?
アフターコロナの世界で、日本こそ変わらねばならない。日本が変われば台湾も変わるだろう。
台湾の10式戦車配備は諦めねばならない様だが、F-3には期待している。そして、本当に期待してるのは日本の変化だ。
台湾が共産党の手に渡れば日本の独立も危うい
1108輌?
何個師団分になりますかね
管理人さん。1108輌→108輌への修正、ありがとうございます。
FFMのモンキーモデルか退役したDDを安く譲渡するくらいなら大丈夫ではと思う。対中包囲網を形成していくなかである程度の軍事協力が必要であるが、おっしゃるように台湾でも日本で言うR4のような親中派は多いので、その度合はアメリカと足並みを揃える必要があると思う。
これは一番上のコメントに対する返信です。
>退役したDDを安く譲渡するくらいなら大丈夫ではと思う。
ゆき型は艦齢40年近いしVLSも無い、中国海軍の新型艦艇に対峙するにはさすがに旧式過ぎると思う。
能力的にはたかなみ型クラスじゃ無いと意味が無いのでは?
台湾もだけどアメリカだってバイデンが大統領選挙勝ったら手のひら返ししかねない。
民進党とトランプ政権という組み合わせが崩れたらアメリカと台湾の蜜月は後退必至。
防空能力のバランスがかなり中国有利になっていたのと戦車の老朽化が顕著だったから顧客としてF-16のアップデートやM-1戦車の売却は認めたけど、この先も台湾が望む兵器を売ってくれるとは限らない。
政治動向の変貌・変容は、まあお互い様。
中国がバラ撒く金額に比べれば、台湾のロビー費用なんてはした金かもしれんし。
要は入れ込みすぎない、ってのが肝心なところなんだろうな。