イスラエルのエルビット・システムズは15日、アジア太平洋地域の国に155mm榴弾自走砲「SIGMA」を供給するため1億600万ドル/約120億円の契約を獲得したと発表した。
果たしてアジア太平洋地域のどの国がSIGMAを購入したのか現時点で明かされていない
イスラエル国防軍は155mm榴弾自走砲「M109A5」を更新するためエルビット・システムズにトラック搭載型の155mm自走榴弾砲「SIGMA」を発注、この新しい自走砲は米企業のオシュコシュ製重高機動戦術トラック「HEMTT」の10×10輪駆動タイプ「PLS」に52口径155mm榴弾砲(完全な自動装填装置付き)を組み込んだもので、3人の乗員はNBC(核・生物・化学)兵器に対する保護が施された区画から降車することなく全ての操作を行うことが出来ると言われており、BAEシステムズのアーチャーに似た構成だ。
これまでの情報によればSIGMAは2023年頃の実用化を目指して開発が進められていると言われていたが、エルビット・システムズは正式な実用化前にアジア太平洋地域の国がSIGMAを正式に発注した発表している。
エルビット・システムズは今回の契約について「契約額は1億600万ドル/約120億円で契約期間は5年間だ」と説明しているので、恐らく調達規模は10輌~20輌程度(管理人の推定)で2026年までに顧客へ引き渡しを終える内容なのだろう。
果たしてアジア太平洋地域のどの国がSIGMAを購入したのか現時点で明かされていないが、恐らくイスラエルとの取引実績がある国だと思われるので=インド、フィリピン辺りが購入したのかもしれない。
因みに仏防衛産業企業のNexterが製造するトラック搭載の155mm自走榴弾砲「カエサル」は現在サウジアラビアから大量調達を予感させる見積もり依頼(147輌のカエサル6×6、112輌のカエサル8×8、118門のLG1/105mm榴弾砲、153輌のTITUS装輪装甲車)が舞い込んでおり、潜在的な購入国に浮上していたベルギーが先月正式に調達(カエサル6×6を9輌)を決定するなどセールスの好調をキープしている。
米陸軍も155mm牽引式榴弾砲を更新するためトラック搭載タイプの自走榴弾砲(英国のアーチャー、フランスのカエサル、セルビアのノーラ B-52、イスラエルのATMOS、米国のブルータス)を集めて実射試験を実施、提案された中から155mm牽引式榴弾砲の後継を選ぶのか、それとも試験結果を元に米陸軍の要求に沿ったものを一から開発するのかは不明だが、トラック搭載タイプの自走榴弾砲には非常に多くの関心が集まっているものの、装軌式の自走砲を駆逐する存在(米陸軍はM109シリーズの自走榴弾砲を今後も維持予定)ではないため何処まで普及するのは未知数だ。
関連記事:サウジアラビア陸軍、トラック搭載の155mm自走榴弾砲「カエサル」を大量に追加導入か?
※アイキャッチ画像の出典:Elbit Systems SIGMA
実はミャンマーだったりして…。
自走トラック榴弾砲、基本的なコンセプトだけ共有してても製品ごとにかなり差異があって面白いっすねぇ。砲まわりだけ完全独立の装甲パッケージにしたところで測位だの射撃管制だの連接するシステムが脆弱かつ展開に一定時間食うようではあまり意味ない気もするけど。既存の装軌ベースの装甲榴弾砲も停車即発砲即離脱が出来る訳でもないし
別に連接するシステムが近くにいる必要も無い、位置情報UAVからデータ貰ってもいい。
装軌は通常弾レベルなら全周砲塔で全周射撃が出来る事とアウトリガーや駐鋤(203mm除く)展開不要、悪路もある程度走れるしそこらへんは住み分けになる。
羨ましい。
幅3,2mの自走榴砲塔を3m以内に抑え車幅3mのTEL車体か25t級アーティキュレートに搭載が本来の姿のはずが2、5m車幅のにアウトリガ追加したのが売れ筋だね
アーチャーも現行はHX2にインテグレードで車体幅こそは2,5mだしカエサル6輪が空挺向けの過剰縮小タイプにも関わらず装輪車載型で普及はこれが先行したからイメージで誰もA222なんて想像しない結果だろう
でも本来の装輪自走榴は全幅3m以内(砲塔幅3mならギリ有人化可能)でアルミ製装軌よりかかなり重量化するくらいが適正だろうと思う
イスラエルでさえ、M109A5を装輪自走砲で更改するのか!
射程が延びたから、射点が選べるということか?
2、5億のボクサー装甲車でなくても0,3億の高機動トラックでも軽装甲化は可能だし10輪のボクサーとか売ってないし・・・ってなる
だからコマツさんは2,5m幅で2両連結式にして最小旋回半径12mに抑えたバケモン装甲車を考案したわけだ・・・昭和基地で配備すんのかレベルの超大型のレッドサラマンダーだね
対砲撃レーダーで発射地点がすぐばれるから
ベトナムかカンボジア辺りかね