インド太平洋関連

豪海軍とAndurilがGhost Sharkを公開、開発は予算超過もなく順調

豪海軍はXLUUV(Ghost Shark)開発をAndurilに発注、2025年までに3隻のプロトタイプを豪海軍に引き渡すという野心的なスケジュールを掲げていたが、豪海軍とAndurilはGhost Sharkのプロトタイプを17日に公開して注目を集めている。

参考:First Autonomous Undersea Vehicle ‘Ghost Shark’ Prototype Ready
参考:Ghost Shark Debuts in Australia

Ghost Shark開発は予算超過もなく予定よりも早く進んでいる

米海軍は、英海軍、仏海軍は特大の自律型無人水中機(XLUUV)開発で先行しており、これに追いつくため豪海軍はXLUUV(Ghost Shark)開発をAndurilに発注、2025年までに3隻のプロトタイプを豪海軍に引き渡すという野心的なスケジュールを掲げ、2022年末に開発に使用するプロトタイプを豪海軍に引き渡していたが、豪海軍とAndurilはGhost Sharkのプロトタイプを17日に公開して注目を集めている。

出典:Australian Ministry of Defense

Anduril Australiaは「3年で3隻のGhost Sharkを製造するというスケジュールは非常に野心的だったが、この計画は予算(1.4億ドル)超過もなく予定よりも早く進んでいる」と述べ、Ghost Sharkの開発が順調に進んでいることをアピールした。

豪海軍がGhost Sharkにどの様な能力を求めているのか定かではないが、Anduril Australiaは「モジュール式を採用しているGhost Sharkは豪海軍の任務要件に対応できる多目的能力を備えている」「豪海軍にとってGhost Sharkは機動的な戦力増強手段になるだろう」と言及しているため、米海軍のOrca、英海軍のCetus、仏海軍のOUDDに似た構成になるのだろう。

出典:Australian Ministry of Defense

因みにAndurilと豪海軍はGhost Sharkを「XLUUV」ではなく「XLAUV」と呼んでいる。

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※アイキャッチ画像の出典:Anduril

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コメント

    • jimama
    • 2024年 4月 19日

    >>##開発は予算超過もなく順調##
    なんていい言葉
    いやもうほんとこれだけで十分偉業ですわ

    30
    • ばく
    • 2024年 4月 19日

    これが納品までずっとこうであればええなぁ。最近は予算も期間も超過デフォだし…。
    国問わず最後に問題なく順調で完了した兵器って何だろう…そもそもあるのか?

    7
    • 暇な人
    • 2024年 4月 19日

    え?予算って途中から増えるものをいうんじゃないんですか?

    7
    • kitty
    • 2024年 4月 19日

    XLUUVってなんかクトゥルー味のあるスペルだなあ。

    3
      • 犬の〆
      • 2024年 4月 19日

      そのまま読めそうですよね。
      ついでにバージョンごとのネーミングにしても良さそう。
      ダゴン級とか。呪われそうだけど。

      1
    • 犬の〆
    • 2024年 4月 19日

    この手の兵器こそ日本が積極的に取り組んだらいいのに、と思うのは素人だからですかね。
    人員のコストも少ないし色々使いようがあるように思うのですが。

    2
      • あまつ
      • 2024年 4月 19日

      何でやってないと思うの?
      目の前の便利な機械で調べてみようとか思わない?

      4
        • 犬の〆
        • 2024年 4月 19日

        情報のアンテナが皆さんのように高くないようで、、すみません。
        川崎重工業が自律型無人潜水機(AUV)の開発をしていることや、三菱重工業が自律型水中航走式機雷探知機について開発していることは知っていましたが、それ以上の具体的な計画が日本にあることは知りません。
        日本は海底ケーブルの保守安全などの分野や、もちろん潜水艦の技術でも優れたものを持っているので、単純に「こうしたものなら日本もそれなりのものができるだろうに、計画もないのは残念だな」と思った次第です。

          • ネコ歩き
          • 2024年 4月 19日

          XLUUV相当品は「国家防衛戦略」中「無人アセット防衛能力」で概ね10年後までに実践的な能力を獲得すると述べられており、装備化計画は2030年代前半を目指して粛々と進行中ですよ。
          先行研究と併せ「長期運用型 UUV」関連要素技術の研究開発が2029年度まで行われます。任務に応じて換装可能なペイロード・モジュールの開発も別途行われるはずです。

          5
            • 犬の示して
            • 2024年 4月 20日

            ありがとうございます。なるほど、少々出遅れているものの、計画は進んでいるんですね。

    • 下僕
    • 2024年 4月 19日

    こういうのどうやって遠隔操縦するんだろうと思ってましたが、AI技術の進歩は凄い勢いだから自律的な運動だけでなく、敵見方識別、攻撃、攻撃回避など友人潜水艦でやる事は全部自律してできそうですね。たまに浮上して指令を受信するんでしょうか。そんなだったらスゴイなあ。

    1
      • 犬の〆
      • 2024年 4月 19日

      近海に限定するなら音響通信とかも使えると思うんですよね。暗号技術と組み合わせれば。
      日本のように限定的な海域を防衛する用途であれば、、、難しいかな?

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