インド太平洋関連

韓国空軍は胴体着陸で損傷したF-35Aの修理を断念、廃棄か教育機材か

韓国メディアはバードストライクが原因の胴体着陸で損傷したF-35Aについて「修理費用が1,100億ウォン=約116億円と高額なため、空軍は当該機の廃棄もしくは教育機材としても活用を検討中だ」と報じている。

参考:[단독] ‘독수리 충돌’ 1,100억 전투기 손상 심각…폐기 검토

まだバードストライクとアビオニクスの動作に異常が発生した原因が判明していないので何とも言えない

韓国では昨年1月、訓練飛行中だったF-35Aのエアインテーク付近に鳥が衝突、この衝撃でアビオニクスの動作に異常が発生(3つの降着装置、通信装置、酸素発生装置など飛行制御とエンジン以外の機能が停止)し、忠清南道の瑞山基地に胴体着陸を行いパイロットと機体を失わずに済んだが、現地メディアは「損傷具合を精密検査した結果、この機体は胴体、主翼、機体構造体、エンジンが酷く歪んでいると判明、修理にかかる費用についてもロッキード・マーティンは1,100億ウォン=約116億円と通知してきた」と報じている。

この修理費用は新規調達とほぼ変わらないため現実的ではなく、現地メディアは「当該機の廃棄もしくは教育機材としても活用を空軍は検討している」と報じており、ロッキード・マーティンがボーイングのような対応を行ってくれるか注目しているらしい。

韓国では2006年にF-15Kを墜落事故で失ったが、当時進めていた2次導入でボーイング側は「20機分の費用」で「21機のF-15K供給」に応じたため、韓国空軍は追加負担なしで事故機分を補充した格好(事故原因の責任をボーイングが認めて無償提供に応じたという噂があるが公式の立場ではない)だが、ロッキード・マーティンも現在進めているF-35Aの2次導入で「同じ対応を期待している」という意味だ。

出典:Public Domain F-15K

まだバードストライクとアビオニクス異常がどのように関連しているのか判明なため何とも言えないが、もしロッキード・マーティンが事故機の補填に無償で応じるなら興味深いことになる。

因みに海自の護衛艦はまぎりは済州島沖で実施された多国間演習(Eastern Endeavor23)に参加、現在は自衛艦旗を掲げて釜山港に停泊中で国防部は「国際的な慣例なので問題視しない」と表明、メディアも過去の経緯を取り上げつつ「関係改善の流れが維持されている」と報じており、まだ世論が変化を受け入れるのに時間がかかるかもしれないものの日韓関係は確実に前進を始めた。

※パトリオット→パイロットに修正しました、、、

関連記事:胴体着陸した韓国空軍のF-35A、機体左側にバードストライク痕を確認
関連記事:韓国空軍のF-35Aが胴体着陸、アビオニクスの異常で降着装置の展開にトラブル

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Louis Vega Jr.

反攻作戦に向けた準備と阻止、ウクライナ軍とロシア軍がミサイルで殴り合う前のページ

タイ空軍はF-35Aの調達を米国に断られ、F-15EXとF-16Vを提示される次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    インドは困窮するロシアからの石油購入量を増やす方針、中国を意識か

    インドは伝統的に安全保障分野での関係が深いロシアから石油の購入量を増や…

  2. インド太平洋関連

    資金不足? 豪陸軍が次期歩兵戦闘車の調達数削減を300輌に削減か

    豪陸軍は資金不足の影響で次期歩兵戦闘車の調達数削減(450輌→300輌…

  3. インド太平洋関連

    インド市場での生き残りを模索する米英露、フランスも軍用エンジンの現地製造を提案

    インドを訪問中のパルリ仏国防相は19日、モディ首相が推進している「Ma…

  4. インド太平洋関連

    台湾が国産潜水艦の1番艦を公開、2024年末までに海軍へ引き渡し予定

    台湾の蔡英文総統は28日「我が国で潜水艦を建造するのは不可能と思われて…

  5. インド太平洋関連

    F-35の値下げが原因? 韓国、第4.5世代戦闘機「KFX」の海外輸出に赤信号か

    韓国が開発中の第4.5世代戦闘機「KFX」にとって、F-35の機体価格…

コメント

    • おさげ
    • 2023年 5月 29日

    パトリオットはパイロットの誤記?
    まぁ、パイロット(職業軍人)はパトリオット(愛国者)と言えますが

    16
    • bon
    • 2023年 5月 29日

    >パトリオットと機体を失わずに済んだが
    どこからパトリオットが出てきたのかと思ったが、パイロットの事だよね?

    14
    • kitty
    • 2023年 5月 29日

    Bird Strike対策はされてたはずなのに、飛んできた鳥が冷凍されていたんでしょうか…。

    2
      • tofu
      • 2023年 5月 29日

      対策が何のことを言ってるかわからないけど、発生自体を根絶する方法はないし
      発生したら冷凍チキンだろうが鷹だろうが、人死にがでなけりゃ御の字、くらいなものじゃない

      33
      • hiroさん
      • 2023年 5月 29日

      バードストライク対策と言ってもタービンプレートの材質を替えるくらいでは。
      韓国のケースはエアインテークに吸い込まれたのではなく、体重10kg程度の鷲が衝突した衝撃でアビオニクス不具合が発生したと報告されていたと思う。
      岩国基地の米軍F-35 もバードストライクで損傷した事故があったけど、吸い込みではなかったね。

      15
      • 台湾大好き
      • 2023年 5月 29日

      そのジョークは風防だからジョーク足り得るんで!エアインデークだとなかなか対策は難しいでしょうね。(着陸後、パイロットが「こんがり焼けてたか?」と聞いた、的なジョークなら成立しそうだけど😂)
      実際、対策はぐるぐる目玉や空砲、嫌がる音波、鳥の餌を予め豚に食わせる!などアナログなものに留まっています。ロケットみたいな機外から酸化剤を取り入れない構造でない限りイタチごっこですね。

      10
      • nachteule
      • 2023年 5月 29日

       航空機の対策なんて限界があるでしょうに。戦車みたいに正面装甲でがっつり対策なんて無理だし、ある程度の強度を持たせて内部搭載機器とのクリアランスは程ほどにするしか出来ないだろうし。対策対策と言うけど速度による威力を舐めた発言としか思えない。

       空軍の説明じゃ自重20トンを超える機体が時速900kmで重さ10kgの鷲と衝突したときの衝撃は約30tと推定されると説明している。ぶっちゃけ単純な計算でも時速が100km低い状態でも30mm機関砲より威力がある、速度が半分でも20mmバルカン以上の威力でそれ対策するならバリアでも開発するしかないでしょう。

      3
    • K(大文字)
    • 2023年 5月 29日

    >忠清南道の瑞山基地に胴体着陸を行いパトリオットと機体を失わずに済んだが

    いつものコピペ対策とは思うけど、少し笑ってしまいました。まぁ、空軍パイロットであればおおむね愛国心に満ちた人たちではあるでしょうが。

    旭日旗掲揚の件は、やっと普通の対応になったか…という疲労感。
    国防部の説明では「国際慣習に沿った対応だ」ということですが、では前回の騒動は「韓国側の対応が国際慣例から外れたシロモノだった」のか?
    どうも、韓国内ではそういう議論もなく、なんとなぁくで有耶無耶になりそうな気がしますね。そこを突き詰めてこそ、韓国が常識的な対外関係を築けるようになる好機にできると思うのですが。

    12
      • 333
      • 2023年 5月 29日

      >そこを突き詰めてこそ、韓国が常識的な対外関係を築けるようになる好機にできると思うのですが。
      無理ですよ。左派政権になれば元の木阿弥。

      8
    • ラト
    • 2023年 5月 29日

    > パトリオットと機体を失わずに済んだが
    これどういう事?パイロット脱出させた後にパトリオットで撃墜しようとしたって事?それとも胴体着陸させた時にパトリオットにぶつかりそうになったの?

    5
      • 匿名
      • 2023年 5月 29日

      パイロットは脱出してパトリオットで撃墜しようとしたけどパイロット不在だからパトリオットにぶつかりそうになって、
      でもパトリオットもパイロットも無事だったということだな

      3
    • 匿名
    • 2023年 5月 29日

    海軍旗あげてるのに問題視されないって奇跡やん…
    それとも後で急にキレだす前触れか?

    6
      • tofu
      • 2023年 5月 29日

      世論は知らんけど、現政権は日韓関係改善に全力を注いでる印象
      そして良くも悪くも支持率には影響無いみたいね。

      これが政権変わったらどうなるか、というのは不安要素だけど今のところは変に邪推はしなくてもいいのでは。

      19
        • 名無し
        • 2023年 5月 29日

        これまで散々ちゃぶ台返ししてきたので
        「次もやる」というのが極めて妥当な推測でしょう

        7
          • tofu
          • 2023年 5月 30日

          手のひら返しはいつも支持率低下の挽回のための人気取りと政権交代後の方針転換でしょ
          現状支持率が30%くらいで安定してて、対日政策に関わらず変動していないのでしばらくは人気取りの反日も無さそうだし、政権交代のそれについては言及済みです。
          もちろん、他に具体的な不安要素があるならぜひ教えて欲しい。本腰入れて韓国ウォッチしてるわけじゃないし。

          ただまあ言ってることも気持ちもわかるけど、現状を無視して「韓国はいつもこうだ」と決めつけるだけなら、ネット上の困ったさんと同じなのでは?と思ってしまう。
          彼らが主張するような断交みたいなことが出来るわけもなく、むしろ安全保障環境としては関係構築を否が応でもしないといけないわけだし。

          5
            • 名無し
            • 2023年 5月 30日

            ご自身でおっしゃっている通り、政権交代後に無かったことになるでしょう。
            これまで繰りかえされてきたことですから、当然では?

            むしろなぜ次は大丈夫と思えるのかがわからないです。前科100犯の詐欺師が「次は本当!」って言ったら信じるか?という話です。

            信頼は行動の積み重ねなのです。それは国家間も同じ。

            4
            • 名無し
            • 2023年 5月 31日

            ・韓国における政権交代とは易姓革命であり、前政権の否定=ちゃぶ台返しから始まる
            ・大統領選に僅差で敗れたイジェミョンは、日本に宣戦布告寸前だったノムヒョンを超えるアレな逸材ムンジェインをさらに超える左派で、日本は敵性国家と公言している
            ・今のユン大統領は、マイナスをゼロに戻そうとしているに過ぎず、何も褒められることではない。国として当たり前のことをしているだけ。

            これに日本も呼応するべきというのは、例えばアメリカに自分から喧嘩売ってから、関係改善すると言って呼応しろ、褒美をよこせ、と言っているのと全く同じ。そんなマッチポンプな焼け太りが許されるわけがない。

            5
        • 戦略眼
        • 2023年 5月 29日

        世代が代わりつつあるのかもしれない。
        70年代後半からおかしな世代になってしまい、今のような事になると思っていた。
        今社会の中核にいる世代は、日本のアニメやゲームに慣れ親しんで、自分たちで作るようになった人たち。
        今後は、普通の付き合いになるかも。

        2
      • バーナーキング
      • 2023年 5月 29日

      単なる「苦しい時の用日ムーブ」でしょう。

      9
      • K(大文字)
      • 2023年 5月 30日

      奇跡というか、旭日旗の件については最初から韓国の「感情」の問題ですからね。
      感情論であるのなら、彼らの気分次第で唐突に大問題にもなるし、今回のように有耶無耶にもなる。
      彼らが感情レイヤーではなく、「国際慣習」「国際法規」といったレイヤーで物事を見ることが出来るようになれば、互いにより安定した関係を築けると思います。
      が、個人的には、今のところ期待していません。なにせ、国防部は国際慣習に言及すれど前回対応に対する総括が無いから。韓国世論も然り。
      期待をすると、外れたときに…ですからね。

      3
    • 7MGTE
    • 2023年 5月 29日

    機体の一部をキーホルダーやイヤリングに
    相当儲かりそう。もう一機買えたりして

      • 匿名
      • 2023年 5月 29日

      謎の中国人観光客が店の前に並んで一機分買い占めるんですね、わかります。

      7
    • HEAT信奉者
    • 2023年 5月 29日

    尹大統領の対日政策批判政策は「すべて無視する」らしいですよ

    1
    • 折口
    • 2023年 5月 29日

    とっくの昔に復帰しているものと思ったら、こんな事になっていたんですね。でも韓国の第二次F-35調達ってB型にするって話だったような…?(KCVX白紙化以降この辺の話訳分からなくなっていますね)

    当時も不思議に思ったんですけど、国防部の発表通りバードストライクによるアビオニクスの異常停止が起こったのなら事態は深刻で、本来なら韓国以外の全ての運用国でも飛行停止措置を取ってもいいくらいだったと思うんです。でも実際は韓国空軍以外はほぼスルーだったんですよね。米軍以外の運用国は米国の対応を見て追従しないことを決めたとしても、韓国国防部の正式発表とは別に、事故原因が設計上の不備ではないと判断できる知見が共有されていたんですかね。韓国国防部の情報公開体制は必ずしも信頼性が高いとは言えない部分がありますし、特にF-35の配備運用に関しては日本以上に政治派閥闘争の焦点になっているので、何かしらあったりするんですかね…。

    8
      • shkk
      • 2023年 5月 29日

      どんな被弾にも耐えられる設計は重量的にも無理なわけですし
      逆に大事な操縦系統が残ってるから設計通り正しく機能したと思ってるんじゃないでしょうか

      (それなりに気を使ってるとは思うけど)降着装置や無線は操縦系統の故障よりはやはり優先度が低いわけですし、他国で喪失の原因となった降着装置の抗堪性が低いと問題視されないなら運が悪かった程度なのでは?

      4
      • ぽわうふふ
      • 2023年 5月 29日

      左空気取り入れ口に入った鷲は内部隔壁を貫いてウェポンベイに入り、ウェポンベイ内にあったランディングギア作動用油圧導管、電源供給配線などを破損させたと2022年3月3日に公表された事故調査報告に書かれてました。
      事故調査は韓国12名、米国14名(米空軍、LM社)の米韓合同で行われました。
      機体欠陥による事故ではないことが確認されたため2022年3月第2週から韓国空軍F-35の訓練が再開されました。

      15
        • 折口
        • 2023年 5月 29日

        自分が知らなかっただけで調査が行われて問題がないことが確認されていたんですね、補足感謝です。勉強になります。

        9
        • 名無し
        • 2023年 5月 30日

        >左空気取り入れ口に入った鷲は内部隔壁を貫いてウェポンベイに入り

        隔壁を貫通したのですか、すごいですね。
        あとこれは、単発機なのとSの字ダクドの影響もあるのかな?
        F-15とかの双発機で直線的?なダクトだったら、エンジンにそのまま吸い込まれたでしょうし。

        4
        • ネコ歩き
        • 2023年 5月 30日

        すっかり忘れてましたが、’22/3/5付けハンギョレ新聞日本語電子版が韓国空軍の事故調査結果発表を報じてましたね。感謝。
        記事によれば、衝撃によるウェポンベイ内の損傷を最小限に抑えランディングギアの作動を保障する改修を韓国空軍がLMと協議する計画とのことでしたが、その後どうなったのか。
        結論として機体の欠陥ではないと結論されているので、LMが代替機を無償提供することはまず無いのでは。

        2
    • 2023年 5月 29日

    f35一機失うのは痛いですが死人が出なかったのは良かったですね。機体は変えがききますが人はきかないので。現ユン大統領で日韓関係は普通の状態に戻って来ましたが後任がどう動いてくるかですね。

    10
    • さめ
    • 2023年 5月 29日

    バードストライク後に冷静に胴体着陸させたパイロットの練度に敬意を表するとして

    バードストライクはいつになっても悩みの種だねぇ
    インテークにカッターとかつけられないもんかね

    9
    • 鼻毛
    • 2023年 5月 29日

    部品取りに使えないのかなーって思ったけどF-35のメンテナンスはデータベースに修理部品が細かく登録されてたりする特別なやつだし、墜落の衝撃で品質が安定しないパーツ群を混ぜるのは無理なのかな

    • daishi
    • 2023年 5月 29日

    パイロットも無事、機体も損傷してるとはいえ残っているなら事故の流れや詳細を調べることもできるでしょうからヨシですね。
    LMが買い取って事故内容の調査機体にするという手もあると思うのですが、
    ・すでに調査が完了しているのでLMが保有する必要性が薄い
    ・同じ事象が再現する可能性は低い
    ・再現性があるが原因が特定できて問題が回避可能なので、調達国への連携で済む
    あたりが考えられそうですが、まだ交渉中なので詳細が出てこない状況かもですね

    1
    • チェンバレン
    • 2023年 5月 29日

    >>動作に異常が発生(3つの降着装置、通信装置、酸素発生装置など飛行制御とエンジン以外の機能が停止)

    飛行制御とエンジンだけは冗長性のおかげで生きてた感じか
    よく冷静に胴着できたものだ

    何かの衝撃で機能停止するのは兵器としてちょっとな
    原因がわかるといいのだが

    3
    • samo
    • 2023年 5月 29日

    修復不能なのは胴体着陸で損傷した機体のみで、
    高価なアビオニクス関連の部品やエンジンはほぼ無傷なので、
    機体を新造したとしても、生き残った部品を組み込むのなら、価格はかなり抑えられそう
    なら、メーカー側も補填にのってくるかもね

      • バーナーキング
      • 2023年 6月 01日

      >高価なアビオニクス関連の部品やエンジンはほぼ無傷なので、

      >胴体、主翼、機体構造体、「エンジンが酷く歪んでいる」

      となればアビオニクスも無傷では済まないでしょう。

      2
    • モモ太郎
    • 2023年 5月 31日

    >まだバードストライクとアビオニクス異常がどのように関連しているのか判明なため何とも言えないが、
    「判明していないため」でしょうか?

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  2. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  3. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
PAGE TOP