マレーシア空軍は現在運用中のF/A-18DとSu-30MKMを2030年代に更新する予定で、インドが売り込んでいる国産戦闘機テジャスに興味を示しているらしい。
参考:Malaysian team to visit soon for LCA trial
マレーシア空軍の次期戦闘機としてテジャスMK.1Aを売り込むインド、価格と無人戦闘機とのチーミング対応で競合機よりも有利か
インドは数年前から次期戦闘機を検討しているマレーシアにテジャスを売り込んでおり、インド側はマレーシア空軍が同機を導入して高稼働を維持するため現地にテジャスのオーバーホール施設を設立することを提案するなど積極的なアプローチを続けてきた結果、マレーシア空軍の関係者がインドを訪問してテジャスMK.1Aの製造施設を見学すると現地メディアが報じている。
現在開発が進められているテジャスMK.2の技術(国産AESAレーダー、デジタルレーダー警告受信機、電子妨害ポッド、ネットワーク中心の戦闘に対応など)を先行して取り入れたMK.1Aの戦闘能力は第4.5世代相当だと評価されており、今後の戦闘に欠かせない無人戦闘機とのチーミングにも対応しながら4,000万ドル台で調達可能なためマレーシア空軍の次期戦闘機候補(グリペン、FC-1、FA-50)の中で最も調達性に優れているのは間違いない。
補足:テジャスMK.1の機体設計はレーダー反射断面積(RCS)低減の発想が取り入れられていないため複合材料の採用や電波吸収コーティング、S字形状のダクトを取り入れ限定的なステルス性能を備えたテジャスMK.2の開発が進められている。
ただトルコは同じイスラム教国家のマレーシアに対して第5世代戦闘機TF-Xプログラムへの参加を正式に提案中で、もしマレーシア空軍が第5世代戦闘機に興味を示せば第4.5世代相当のテジャスMK.1Aでは太刀打ちできないかもしれないがTF-Xの調達コストは1億ドルだと言われているので調達性ではMK.1Aに分がある。
特にインドは今年2月に開催されたエアロ・インディア2021でテジャスを中心としたエア・チーミングシステム=テジャスMK.1AやMK.2に随伴して作動する無人戦闘機「Warrior」を発表しており、欧米が実用化を目指している有人無人チーミング能力まで提供可能な総合パッケージとしてMK.2を見ると非常に魅力的な提案だ。
補足:グリペンは機体単価は安価だと言われているが、それはグリペンC/Dまでの話で発展・拡張型であるグリペンE/Fは相当高価(運用コストについては依然として安価らしい)だと言われており、同機を導入したブラジルのグリペンEは1億ドル~1億3,000万ドル(推定)もするらしい。さらに中国との共同開発したFC-1をパキスタンがマレーシアに売り込んでいるらしいが、海洋権益で中国とマレーシアは対立しているためFC-1が選ばれる可能性は低い。
因みに韓国は開発中の次期戦闘機KF-Xの潜在的な輸出先に東南アジアを挙げており、いずれ売り込みをかけてくることは明白だが機体単価が6,000万ドル前後と高価で搭載兵器を欧米からの輸入(国産化の計画は存在する)に頼っており専用のエア・チーミングシステムに関しても今のところ計画がないため、ここでも国産戦闘機+国産兵器+国産エア・チーミングシステムをパッケージで提案できるインドの方が有利かもしれない。
マレーシア空軍の次期戦闘機の導入は2030年代なので現段階で勝者を予測するのは早計かもしれないが、テジャスMK.1Aのマレーシア輸出は十分実現性がある話ではないかと管理人は思っている。
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※アイキャッチ画像の出典:Venkat Mangudi / CC BY-SA 2.0 国産戦闘機「テジャス」
ヒンドゥー対イスラムという宗教的構図よりも、ミャンマーという地域の不安定要因を挟んだインド、マレーシア両国が、協力関係を模索する可能性としては、デジャス採用は可能性あります。
まだ形もないKFXはどうだろ、いや、ロシアが割り込んで来そうな予感もある。
KFXは試作機の形ができてるだろうがい
それでもバッチ1到達までに数年かかるし、記事にある通りFA-50で挑むだろう
ロシアには現在のラインナップにはローコストな戦闘機はなく、噂されるローグレードの戦闘機は形はない
アメリカもロシアと同様にローグレードな戦闘機はラインナップにないが、ボーイングがT-7を軽武装させる案を出しているのでなくはないが、アメリカ・スウェーデン製であるために運用者にとってコストが軽では済まないだろう
2030年代予定だからね、ロシアの開発力ならば途上国向けのお手頃戦闘機計画でも立ち上げるかと期待したんだが、
2030年代の話とは言え、計画が遅れに遅れインドでも配備数が少ないテジャスをマレーシアが配備する事は無いと思うが
少ないといってもF-2並みの規模はあるけど
インド洋と太平洋の接点の国だからなあ・・
インドからするとパキスタンとそれを支援する中国の兵器なんて買わせる訳にはいかんよな
アメいっぱいぶら下げてでも阻止しないといけない事情なのはよく分かる
(それと、FA-50のクラスを考えると競合すらしてなくて浮きすぎてて意味がわからん)
価格的にM346,EMB314, Dassault/Dornier Alpha Jet, JF-17 Thunderあたりで無いと買えないだろ。政治的対立があっても。機能もりもりで大丈夫か?
多くの機体が開発されたセンチュリーシリーズの再来ならとても楽しみなことではある、売る方は競争が大激しくなって変だろうが。
F16とF35しかいない空はあきあきだ、ハイエンドから普及型まで色々楽しめそう。
取得コストが低くてブラモス等のインド製兵器も搭載出来る、米露欧の兵器が入り乱れる国出身だからその全ての運用能力も持ち合わせてるだろうし、国軍もあまり採用したがらないと評されてたけど低コストのプラットホームとしては優秀なのでは、ソフト面で優秀なインド人だからUAVとの連携も心配が少ない。なんか化けたなこいつ、ハイローのロー枠なら十分すぎる。
しかし、インド人の金銭へのがめつさを考慮すると後々高くつく可能性もあるからちょっと怖い。
軽戦闘機の開発のノウハウは十分に持っているのは事実なんですけどね。
グリペンEやF-16Vがロー枠には収まり難いシロモノになっちゃいましたからね。
グリペンの位置付けが中途半端になった?
以前の売りのローコストは、グリペンE/Fの価格高騰と後進の追い上げで失い、
性能は中型の4.5世代機に及ばない、と。
今更、グリペンC/Dの近代化的な機体も無いだろうし。
マレーシアの次期戦闘機って、候補の機体を見るに大分お安い機体ばっかですね
軽攻撃機としてのホークの代替ならば兎も角、Su-30MKMの代替としてみると随分と小さく
マレーシア軍自体の2021年度の予算が約39億米ドルらしいので中型以上の機体の購入や運用はやはり厳しいっていうのがあるのでは?
面白い選択肢だと思う
東南アなら米中二大国(かつては露だったねぇ)から距離を置いてインド製の戦闘機を選んでもおかしくない
それにもっと現実的にお金の問題だってある
まぁ、ただ空飛ぶ的になるだけの箸にも棒にもかからないような性能だとお断りされるだろうが…
10年以上先を予定する更新計画でしょ、今はあちこちのお店で商品カタログを下見してるようなもんだから。
F18とSu30を更新するのに安価な軽戦闘機という選択になるのか疑問だよ
これからのアジアは荒れることはあっても安定は考えられないから
インドが戦闘機を売るとは…時代は変わりますな