韓国国防部傘下の国防科学研究所は2017年に沿岸海域で警戒任務を実行可能な無人水上艇「海劍/へゴム」の開発に着手、約5年間に及ぶ研究・開発や実証試験を経てUSV「海劍3」を完成させた。
参考:’24시간 바다 지킨다’···LIG넥스원, 해검-3호 실증사업 성공
無人航空機の開発で出遅れた韓国は無人水上艇の開発に積極的、今後のUSV需要で海外輸出のチャンスを掴もうと狙っている可能性が高い
この「海劍3」は初期型(海劍1や海劍2)よりも堪航性や戦闘能力を大幅に向上させたモデルでAI制御の自律運行技術(水上や水中の目標を自動追跡する機能や障害物との衝突を回避する機能を備えている)を採用、RWS(リモートウェポンステーション)、誘導ロケット弾、水中無人システム(UUV)といった機器を搭載可能で風浪階級4(波高2.5m未満)の海況でも警戒任務を実行できる安定性を備えているらしい。
開発を担当したLIGネクスワンは「海劍3が戦力化されれば悪天候下でも無人プラットフォームによる24時間の警戒任務が可能になる」と主張しているが、実証試験が完了したばかりなので今のところ海劍3が量産されるのかは不明だ。
しかし米海軍が開発を進めているゴーストフリート(幽霊艦隊)=無人艦艇で構成された海上戦力群は将来の戦場でゲームチェンジャーとしての役割を果たすことが期待されており、LIGネクスワンも今回のプログラムを通じて獲得した技術や経験を活かしながら高度な無人艦艇の研究・開発を継続していくと述べているのが興味深い。
因みに、このような小型で武装可能な無人水上艇は欧米でも開発が進められており米海兵隊は開発を進めている長距離無人水上艦(LRUSV)にイスラエル製の徘徊型UAV「Hero-120」を統合する計画で、英海軍は開発した無人水上艇「MADFOX」を海兵隊の演習に組み込み各種無人航空機(UAV)と協調させ戦場認識力の拡張に役立てる戦術開発に勤しんでいる。
トルコは昨年10月に発表した無人水上艇「ULAQ」のテストが完了して量産に入ると発表済みで、ULAQよりも強力な新しい無人水上艇のプロトタイプを2種類(無補給で96時間作動することが可能で600海里/40ノットの性能を備え誘導ミサイルを搭載したRD09と対戦魚雷を搭載したNB07)建造するなど急ピッチで海上戦力の無人化が進んでおり、空に続き海も無人化された兵器が彷徨くようになるのだろう。
現時点で韓国軍が海上戦術にどこまで無人艦艇を取り入れてくるのか謎だが、無人航空機の開発で出遅れた韓国は無人水上艇の開発に積極的で関連技術の確保も着実に進めているため、今後のUSV需要で海外輸出のチャンスを掴もうと狙っている可能性が非常に高い。
関連記事:米海兵隊、水陸両用戦闘車や無人水上艇にイスラエル製のカミカゼドローンを統合
関連記事:英国、無人航空機や無人水上艇を組み込んだ海兵隊のハイブリット戦を公開
※アイキャッチ画像の出典:국방 NEWS
海上無人機開発って日本はあまり話を聞かないな
海関係は長期航行無人潜水艇ぐらい?
機雷処理ロボットは違う気がするし
小型無人艇は走破性がなく搭載燃料も少ないから外洋には出られず用途が限定的だからね
国外に常駐させてる船や領海内でのテロや小規模戦闘を常時想定している国ならともかく、そうでないなら持つメリットがあまりないからその予算を別のところに回したほうがいい
日本の場合、そういうのより外洋に広がる広大な排他的経済水域の監視をしたいから大型で飛行距離(滞空時間)の長いドローンを導入しようとしているわけで
日本では無人船舶が開発中です。軍事転用もあるかと思います。
世界初、無人運航船の実証実験を開始
経済効果1兆円、国内の英知を結集し2025年までに無人運航船の実用化を目指す 2020.06.12
リンク
本邦のならもがみ型に搭載する水上無人艇がそうだろうね
割と最近の情報でEMDは中型のを4発搭載するっぽいのもわかったみたいなので本邦の場合、機雷掃海の無人化を起点にいろいろな方向に進めていくのだと思われる
沿岸部守るだけならこんなんでも十分かもなあ
扱うとしたら海上保安庁が管轄になるのか?
広大な日本の領海だとUAVの方が役に立ちそう
移動速度が桁違いだし
日本だと対馬や沖縄、小笠原諸島ぐらいしか小型無人艇の配備先思いつかない
緊急時にのみ展開することになりそうな気がするが
C-130でそのまま輸送できるサイズの無人艇はあるのかな?
空中投下からそのまま発進できればなおさらいいと思う。
半島有事の際に日本海側に配置して武装難民対策するなら相当需要は見込めるかなって
ただ莫大な数必要だし臨検拿捕は出来ないんで異国船打払令でも出ない限り上手く運用出来ないとは思う
>【風浪階級4(波高2.5m未満)】の海況でも警戒任務を実行できる安定性を備えているらしい。
>開発を担当したLIGネクスワンは「海劍3が戦力化されれば【悪天候下でも】無人プラットフォームによる24時間の警戒任務が可能になる」
太平洋岸民的には【】部がしっくり来ないが
内海半島的にはこれで十分なのかね。
波高2.5m以下が条件だと、年間の半分は日本海に出られないなあ。
日本海のみならず、対馬海峡一帯や済州島周辺は海流が速いことで有名。冬場はかなり
荒れる。そこにプラボートを浮かべても、ブイのように波に翻弄されるか、転覆しかねない。
こういう無人艇は基本的に沿岸地域国家(韓国、トルコ、イスラエル、ドイツ、シンガポール等)の防衛向きだから日本みたいな広大な領海を守る点では役不足だろうけど発電所やら工業地帯、湾港といった湾岸地域の防衛目的で導入はできないだろうか?
もがみ型に搭載される予定のUSVの研究の段階で防衛用途だけじゃなくて重要施設の監視活動とか物流人員移送用みたいな用途向けも視野に入れて技術開発を継続してるって書いてあったから、そのうちそういう用途の無人艇の話が具体的に出てくるかもしれないね
そういう場所だと、日本では海上保安庁やセコムのような警備会社の仕事になるかと
そうなると非武装か軽武装でしか許されないので、軍用から武装を取り払い
消防艇と兼用できるように強力な放水銃を搭載した奴が出てくるのかな
内海というか黄海向きだよね。対馬海流は強烈だけど、自由に動けるんかな。
韓国は黄海の北との接続水域を漁師どころか人民軍の兵士が普通に越境してきている状況だから、人手不足な海洋警察や軍にはこういうのは役立つんだろうな。でも相手は北朝鮮だしなぁ、平然と拿捕したりされそうな…
これ、言ってしまえば陸装備に近い
港湾基地警備や着上陸戦警備に最適
特に基地警備が貧弱な自衛隊には喉から手が出るほど欲しいね
日本の研究も早く実を結んで実戦に耐えうる実機が出る事を祈るよ
日本も瀬戸内海みたいな内海警備とか沿岸部のフロッグマン対処、基地警備に必要不可欠よな
どんな大型駆逐艦や潜水艦も停泊中に攻撃されたり基地が爆発されりゃ全部無力化される
実機もそうだけど個人的に日本の場合、注目は今やってる千歳基地の5G基地化、無人化・省人化の実証実験の方かな
あれで無人機による警備に必要な設備や通信環境のデータを沢山収集するみたいだから
防衛予算も次は何か今までとは変わりそうな空気も出て来てるので今後は設備面の方にもしっかり力を入れていってほしい所だね
こう見るとトルコと韓国っていろいろとつながっているんだね。
地理的な環境が似てるからでしょうね。
(どちらも半島国家)
太陽光で充電しながら目標海域で長期監視業務
いざ命令下ったら燃料電池で突撃 みたいな
使い方ができそう 船は燃料切れても墜落しないから
無人水艇✖
無能水艇〇