韓国の釜山で開幕したMADEX 2023でハンファオーシャンが魚雷発射管を備えた「Combat XLUUV」を披露、中国やインドに続き武装タイプのXLUUVのなので多くの注目を集めている。
参考:Hanwha Ocean Unveils Combat XLUUV
海外勢もUAV、UCAV、USV、UUVを持ち込んでアピール、この手の展示会で関心を集める話題は無人装備品に移行した格好
一般的に水中で活動する無人機は「UUV=Unmanned Undersea Vehicle(防衛省はUUVもUSVも一括に無人航走体と呼んでいる)」と呼ばれているが、数ヶ月の長期任務に耐えられる大型の水中無人機は「XLUUV」と呼ばれており、将来の水中戦で大きな役割りを果たすと考えられえているため各国が競うように実用化を進めている。
Hanwha Ocean, based in South Korea, unveils the Combat XLUUV, an unmanned submarine, at the International Maritime and Defence Exhibition (MADEX) 2023. With a displacement of 60 tons, this submarine is equipped with two torpedo tubes. #CombatXLUUV #MADEX2023
⚓:@navalnews pic.twitter.com/yE3SsIjmLE
— Naval Journal (@NavalJournal) June 7, 2023
韓国の釜山で開幕したMADEX 2023でもXLUUVについて新たな発表があり、ハンファオーシャン(旧・大宇造船海洋)は魚雷発射管を備えた「Combat XLUUV」を披露、このXLUUVについてNAVAL NEWSは「船体の全長は23メートルで重量60トン、船体の側面に沿ってコンフォーマル・アレイ・ソナーが配置され、推進システムにはKSS-III Batch2から流用したAIP機関とリチウムイオン蓄電池の組み合わせが採用されている。2基の魚雷発射管からはLIG Nex1製のタイガーシャークを運用する可能性が高い」と報じているのが興味深い。
現在開発されているXLUUV(米国、英国、フランス、ロシア、中国、インド、日本、台湾、オーストラリア)の中で魚雷の運用を有するのは、今年2月のNAVDEX 2023(UAE)で中国が披露したXLUUV(魚雷発射管を4基搭載)とインド国防省が4月末に開発を指示したXLUUV(最大全長50m/総重量300トン未満)だけで、フランスがテスト中のOUDDはISR任務向けの設計だが、船体下部にはF21重魚雷を収納できるサイズのミッションベイを備えており、他のXLUUVは今のところ非武装=ISR任務向け(米Orcaは機雷の運搬を想定)という位置づけだ。
Teasing… 🤫
Ready to get some explaination about this Marvel-like drone carrier being displayed?!Follow @navalnewscom to get the latest updates 😉#MADEX2023 pic.twitter.com/okkBm8Lmkn— Martin M. (@FS_Lafayette) June 6, 2023
そのためCombat XLUUVは注目を集めており、ハンファオーシャンはNAVAL NEWSに対して「防衛事業庁から受注したXLUUVの概念研究は年内に終える」と話しているが、他にも「GHOST Commander」と呼ばれる無人システム(UAV、UCAV、USV、UUV、XLUUV)の母艦も披露、現代重工業も無人戦力を統制する専用艦艇(HXC-23)を、LIG Nex1も武装タイプのUSV「海劍シリーズ」に加えUUVやUAVを展示して韓国海軍の将来コンセプトを実現するためのアイデアや技術力をアピールしている。
米海軍はUnmanned Surface Vessel Division One=USVDIV1と呼ばれる無人水上艦の運用や統合を専門に扱う司令部を昨年5月に創設、2045年までに150隻の無人水上艦で構成されるゴースト・フリート(幽霊艦隊)を建設する予定だが、韓国海軍も無人戦力を本格的に取りれるため3つのナンバー艦隊の内1つを「無人艦隊」に置き換える大規模な再編計画を行う予定だ。
新たに創設される海上無人艦隊司令部は無人水上艦(USV)、水中無人機(UUV)、無人航空機(UAV)で構成され、海軍戦力の1%に過ぎない無人戦力を2025年頃までに9%、2030年頃までに28%に引き上げ、2040年頃までに海軍戦力の45%を無人戦力に置き換える予定で、戦力構造の変更に伴い海軍の人員に占める徴兵比率も37.1%から20%に低下=大幅な省力化が達成できると主張している。
今後の装備調達における有人装備品の割合は減少し、無人装備品の割合が増加するのが確実視されているため、この手の展示会で関心を集める話題も有人装備品から無人装備品に移行した格好だ。
関連記事:韓国海軍が大規模な再編、2045年までに戦力の45%を無人戦力に置き換え
関連記事:台湾、海軍向け無人水中機のプロトタイプ「SEAWOLF 400」を公開
※アイキャッチ画像の出典:MADEX
ブラウンネービーだから、順当じゃないかな。
日本が後手を踏む典型的な発想ですね。
あなたのコメントを拝見していていつも思うのですが“戦略眼“というハンドルネームは皮肉ですか?
韓国の防衛産業は少子化を見据えて無人化や輸出に勤しんでおりますな。
日本も見習わないといけません。
面白い構想ですね。イギリスもこんな計画あったような気がする。
ところで、仮想敵国は何処でしょうかね?北?中国?日本?
日本も基礎研究・要素技術をしっかり蓄積して、方向性が決まったら一気に変換して欲しい。
ガ〇ラスの戦闘空母っぽい。
海自も人気なくて人手不足なんだから見習ったほうがいいかもね。陸空から人員移すとかも言ってるし、結構ヤバい。
沿岸艦隊を無人化して外洋艦隊を人員を振り分けるつもりなんでしょうね
何であれ対中包囲網に重要な国々の一つの韓国が、巨大な外洋艦隊を持つのは良いことですね
中国包囲網には参加しないと断言しているので
勘定には入りませんねー
野心的な計画ですが敵艦船に対して積極的な攻撃行動を起こすような無人潜水機の実用化にはさらに高度なAIの発展が必要と思われます
そしてン十年後、AI搭載の無人艦隊のクラスターがシンギュラリティを迎え、人類は海を失うのだった…。
とかSF書けそう。
釜山MADEX2023はドローン母艦もかなり衝撃的でしたが、個人的にはKDDXと合同火力艦のスケールモデルに衝撃をうけました。
韓国海軍における正規ナンバリング艦隊って日本における地方隊に近い警備業務の比重が大きいところがあって、構成する艦艇は広開土大王級を除くとフリゲート艦やコルベットが殆どなんですよね(李舜臣級や世宗大王級などの大型駆逐艦は機動艦隊として集約配置)。海軍の国際的なプレゼンスを強化する過程で、予算はともかく人員レベルでこの種の沿岸戦向けの艦艇を圧縮したいという考えは理解できますし、そこで稼いだ余剰人員をKDDXや合同火力艦や空母に回す大きな流れの一貫なのかなあと思いました(実際は世宗大王級の第二バッチの建造が後々まで控えてるので突然大規模な拡張はできないと思いますが)
リンク
韓国公営放送で撮影したMADEX 2023の会場。
記者がたいげい型と韓国型輸出潜水艦の比較評価をお願いする場面でハンファオーシャンの関係者の答えが面白い。
「性能の比較は言いにくいですが、作戦の経験、時間、番組の面で日本よりも1つ上にあるので、私たちの方がより有利だと思う」
日本をまったく競争対象としても扱わない。 笑)
いずれをとっても日本より下なのにねぇ
海軍の45%ですか。韓国も少子高齢化が進んでいますからね。日本も攻撃ヘリ全てと一部の偵察ヘリはドローンになりますし先進国は早かれ遅かれ残らずこうなっていくのでしょうね。
空母の開発チームはイギリスの設計協力に口にマーマイトを詰め込まれたのだろうか
段違いのアングルドデッキに無人機が着陸するのかもしれないが、デッキから格納庫へ収納する際の機体の取り回しが悪そう
コンセプトだから将来的にまともな形に変わるかもしれないが、新しい技術ばかり採用すると大変な目に会うだろう
アニメでは空母は1隻に見えたのですが、カタパルト発艦の次にスキージャンプ発艦ありで、空母のコンセプト自体曖昧なのか、2艦隊を表現しているのか迷いましたね。
現実には空母開発の予算化が見送られた様なので、真面目に考えても仕方が無いのかも。
ツィートで多段飛行甲板になっているのは空母案ではなく、ハンファオーシャン(旧:大宇造船海洋)のドローンマザーシップ案だそうです。こちらはイタリアのフィンカンティエリ(強襲揚陸艦のトリエステを建造した所)が協力しています。
イギリスのバブコックが協力しているのは現代重工業の方(今回カタパルト・アレスティングギア搭載空母案を公開した所)。
無人機空母のコンセプトモデルは、フォード級が今の形に落ち着くまでの間にあったイメージの中にあったような
結局甲板の上で物を動かすのなら、まっ平らな空母の形が一番だと思うのですけど
解説によると全長130 メートル、排水量16,000トンでひゅうが型よりかなり小さな船なので、発艦甲板とアングルド・デッキを別段にして、格納庫を確保しているようです。本命の有人空母は別にあるので、とにかく小さい船体で固定翼ドローンを使うコンセプトのようだ。
過去の多段空母が廃れたのは、航空機の発展で滑走距離の不足したのが一因なので、ドローンのSTOL性能が十分ならありなのかな。
リンク
海がこんなもんだらけになったら島国は終わりやん