北朝鮮が試射を行った新型短距離弾道ミサイルと、新型大口径誘導ロケット砲は、韓国の中部の都市、忠清北道清州市に配備されたF-35Aを離陸する前に破壊してしまうことが狙いだ。
参考:North Korea’s new weapons take aim at the South’s F-35 stealth fighters
北朝鮮は韓国のF-35Aを、いつでも破壊することができる
7月11日、朝鮮中央通信は、韓国が新たに受け取る2機のF-35Aに対し「殺人装備を焦土化させるための特別兵器の開発と試験をせざるを得なくなった」と北朝鮮の談話を伝えが、特別兵器が一体何なのかについて詳細は明らかにしなかった。
7月25日、ロシアの短距離弾道ミサイル「9K720 イスカンデル」によく似た新型短距離弾道ミサイルの試射を行い、31日には中国の多連装ロケット砲「WS-2」によく似た新型大口径誘導ロケット砲の試射を行った。
この2つの新型兵器は、韓国のF-35Aにとって致命的な攻撃を行う事ができる。
新型短距離弾道ミサイルは、ロシアの「イスカンデル」によく似た弾道(発射直後から低空を飛翔し目標直前になって上昇し落下する)を飛翔するため、通常の弾道ミサイルよりも探知がしにくい上、発射から着弾まで距離が短く弾道が不規則なため、迎撃が非常に難しく確実な対処方法が、発射される前に破壊するか、射程範囲から逃げるかの2つしかない。
恐らく、奇襲的に北朝鮮が新型短距離弾道ミサイルでF-35Aが配備された清州空軍基地を攻撃すれば、F-35Aは飛び立つ事無く破壊されるだろう。
新型大口径誘導ロケット砲は、中国の直径400mmという超極太な多連装ロケット砲「WS-2」によく似た形状をしており、もしWS-2をコピーしたものなら韓国軍にとっては悪夢でしかない。
弾道ミサイルに比べてコストが安いので大量に作ることができ、WS-2は精密誘導が可能で、防空ミサイルによる迎撃を回避するため、小型ドローンを搭載したロケット弾を混ぜて発射し、目標付近で小型ドローンを射出、防空ミサイルのレーダーを捜索し、電子的な妨害と、自爆攻撃により防空システムを麻痺させ、後続のロケット弾が迎撃されるのを防ぐ仕組みを持っている。
このようなロケット弾による攻撃を防ぐには、イスラエルが開発した防空システム「アイアンドーム」が有効とされるが、これは散発的に行われるロケット弾にしか対応しておらず、数十発ものロケット弾による同時攻撃を全て迎撃できるほどの性能はない。
しかも、先着する形で小型ドローンを搭載したロケット弾を使用されれば、防空システムのレーダーを破壊される可能性があり、これを防ぐのは容易ではないだろう。
結局、新型大口径誘導ロケット砲の現実的な対処方法は、新型短距離弾道ミサイルと同じで発射される前に破壊するか、射程範囲から逃げるかの2つしかない。
F-35Aが配備された清州空軍基地は、軍事境界線から200km程度の位置にあり、今回試射された新型短距離弾道ミサイルと、新型大口径誘導ロケット砲の射程圏内に収まるため、北朝鮮はいつでも韓国のF-35Aを破壊することが出来るという意味だ。
もし北朝鮮の奇襲的な攻撃を避けるなら、新型短距離弾道ミサイルや新型大口径誘導ロケット砲の射程圏外までF-35Aを済州島まで下げる必要があるが、北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイルを3基搭載できる新型の潜水艦を公開したばかりで済州島も安全とは言えない。
韓国国防部は、国民の不安を打ち消すため、韓国が開発し運用している短距離弾道ミサイル「玄武」の一部のタイプが、ロシアの「イスカンデル」と同じ、低空を飛翔し目標直前になって上昇し落下する弾道飛翔能力を既に持っているため、北朝鮮の新型短距離弾道ミサイルを恐れる必要はないと主張しているが的外れな見解だ。
そもそも北朝鮮にはステルス戦闘機のような価値の高い装備は少なく、弾道ミサイルなどの戦略兵器は地下に隠され、韓国の弾道ミサイルで破壊するのは難しく、非対称戦力と全軍地下化を進めてきた北朝鮮を、ロシアの「イスカンデル」に似た兵器で攻撃しても意味がない。
一番有効な手は、北朝鮮の侵攻の兆候を事前に察知、いざとなれば先制攻撃で、このような兵器を先に潰してしまうのが理想的で、そのため韓国は偵察衛星や早期警戒機、グローバルホークなどを導入し、情報収集を行い万が一、兆候を察知した場合、先制攻撃による脅威排除を目的にした「韓国型キルチェーン」の整備を推進していた。
しかし、北朝鮮に異常なほど融和的な文在寅(ムン・ジェイン)大統領によって「韓国型キルチェーン」は、北朝鮮を無駄に刺激するという理由で「韓国型3軸システム」に名称が変更され、計画自体も遅れが生じている。
本来なら2020年までに「韓国型キルチェーン」を整備するはずだったが、2023年までに整備完了予定と3年の遅れが生じており、17兆ウォン(約1兆5,000億円)もの費用を掛けて整備しても、北朝鮮の脅威を100%防ぐ事ができないため、国内でも批判が多く、計画通り整備が進むのか謎だ。
どちらにせよ韓国のF-35Aは、あと3年以上は無防備な状況に置かれることは確定的で、金正恩が決断すればいつでもF-35Aを破壊することができる。
※アイキャッチ画像の出典:US Air Force / Airman 1st Class Caleb Worpe
ただ、奇襲で使ってこそ意味がある手札をご丁寧に教えてくれる辺り、早く交渉を再開したい、現段階で一番動かしやすい韓国を思い通りに動かしたい、制裁を弛めたいとの北朝鮮の切実なる思惑が丸見えですね。
北ですら大事に地下に隠してるのに、より高価な機体を野ざらしにして腐らせる韓国
ロケット弾よりも共食い整備で無力化しそう
韓国中部の清州空軍基地が無防備っていうなら、
もっと北、ソウルからたったの70kmのの平沢市の鳥山空軍基地(在韓米軍・空軍)、ハンフリーズ基地(在韓米軍・陸軍、国連軍司令部、米韓合同司令部)はもっと無防備って事になる。
航空戦力って地上に駐機してる時が損害が一番多くなるらしいですね
このf-35aを運用するならもっと後方に下げるべきなんでしょうがそれだと燃料が…
北朝鮮にはF-35Aが必要な航空兵力は無いですからねえ。
基本は対地攻撃が使命だった(韓国の防衛計画では)
韓国の北東部の江原道の空軍基地にはAGM-65Gマーベリック空対地ミサイルを搭載できるFA-50が(F-4/F-5に替えて)配備されています。
FA-35Aは対日本用だから韓国南部の基地には配備したくないんでしょう。
済州島の海軍基地も無防備(FA-35A/F-15K/KF-16はいずれも中部の基地に配備してて、済州島までは350㎞ぐらいある)
在韓米軍の人達の、安全の為にも、撤退か、後方への移動をして欲しい所。
代わりに、F-35Cを満載した正規空母を数隻、廻してくれないかな?(物理的に無理?)
まぁ……韓国のレッドチーム入り間近みたいな噂も在るし……もしも、それが事実に近いなら、
在韓米軍は近い内に、韓国内から撤退する……だろう、とは思うけれど。でも
それって、日本と台湾(中華中国)の負担が大きくなる……のとイコールだから、余り歓迎出来る未来……ではない、かなぁ~。
F-35自体はバンカーに入れて守れるだろうけど、北朝鮮としては滑走路破壊すれば同じことだからそのために使うだろうね
多少のF-35が撃破されようが北朝鮮の通常戦力では意味もない。
その新型ロケット砲だとか戦域弾道ミサイルで空軍戦力を無力化出来るわけがない。中東戦争や印パ戦争でも滑走路は破壊されてから数時間から数日で修復されている。加えて、航空機による地上撃破にしてもそれはあくまで2波3波の反復攻撃、地上軍の電撃戦によって完全に達成される物。
それが出来る国は朝鮮半島周辺では中国か日本くらいだろね
本当の狙いは精密射撃が可能な長射程の兵器による世論戦、つまり都市化された市街地への攻撃だ。この記事は間違ってる。
でも距離があまりにも近いからソウルの都市を破壊するだけなら砲で十分って前から言われてるからなー
いつ迎撃不可能なミサイルが飛んでくるか分からない状況を作ることで空軍基地の運用を事実上困難にするのが目的じゃないかな
戦闘機も滑走路も実際に破壊する必要はなく、その可能性が高いだけで機能不全にさせるには十分
複合的な電撃戦の運用。
今の日本にそこまでの能力ははたしてあるのだろうか。大戦時にいろいろやったノウハウがあったかもしれないが。過信はできない。中国は物量は確保できてるが運用ノウハウがどこまでのものか。
何をするにしても予算は欲しい。
毎度の韓国の主張が明後日に飛んでいて草。
端から見てる分には面白いだろうが、こんな煩わしいのを相手にせにゃならんのにはうんざり。
近代戦は物量、資金力に依存するから韓国の身の丈に合う兵器ではないのは明らか。日本も同じく防衛費が足りていない十兆円はほしいところ。所詮F-35導入は日本との意地の張り合いと宣伝。