航空自衛隊は26日、イタリア空軍と空自パイロットの教育訓練を委託する取り決めに合意したと発表した。
将来的には日本人教官がIFTSでイタリア人教官と肩を並べて働く日が来るかもしれない?
航空自衛隊の説明によると今回の合意は「イタリア空軍の戦闘機パイロット養成を担当している国際飛行訓練学校(IFTS)に空自パイロットを派遣するための取り決め」で、空自と伊空軍の防衛協力や交流にも重要な意義があると言っているが、これだけでは「空自の戦闘機パイロットが伊空軍で訓練を行う」と言うぐらいしか伝わってこないので情報を補足しておく。
イタリア空軍は以前から同盟国や提携国の空軍パイロットに対して高度な訓練プログラムを提供していたが、コスト削減と高度な訓練を両立するプログラムへの需要に対応できなくなってきたため伊空軍と防衛産業企業レオナルドは海外からのパイロット受け入れ体制を強化することで合意、その結果誕生したのが国際飛行訓練学校(IFTS)だ。

出典:Leonardo M-346のフルコミッションシミュレーター
このIFTSは第4世代及び第5世代の戦闘機パイロット向けに伊空軍のシラバスを使用してフェーズIVと呼ばれる高度な戦闘機訓練プログラムを提供しているため、新人パイロットの養成を行っている訳ではない。
今回の件についてレオナルドはプレスリリースの中で「伊空軍が開発した訓練プログラムに関する日本側の関心は2020年9月に空自代表団がガラティーナ空軍基地(IFTSの拠点)を訪問した際最高潮に達した」と説明しており「空自側は伊空軍のシラバスを使用した訓練プログラムに加えレオナルドが開発したM-346を中心とする統合型訓練システムの先進性に驚いていた」と言っている。
さらにレオナルドは「今回締結された協定によって受け入れる空自パイロットは段階的に引き上げられ、将来的には日本人教官がIFTSでイタリア人教官と肩を並べて働く日が来るかもしれない」と未来の可能性にも言及しているが、これは現役の空自パイロットがIFTSに教官役として派遣されることを指しているのか、IFTSで訓練を受けてた空自パイロットが将来IFTSで雇用されることを指しているのか良く分からないので今のところ掘り下げても意味はないだろう。

出典:Leonardo デチモマンヌ航空基地に移転する国際飛行訓練学校(IFTS)
レオナルドが言及した「受け入れる空自パイロットが段階的に引き上げられる」という部分は、恐らくIFTSのフェーズIV訓練プログラムがガラティーナ空軍基地からサルデーニャ島(シチリアに次ぐ大きさの島)のデチモマンヌ航空基地に移転すればパイロットの受け入れ規模が40人→80人に倍増(訓練空域が非常に広いらしい)する為で、空自側にその意志があるのかまでは分かっていない。
日本にとって戦闘機パイロットの訓練を米国以外で行うのは初めての試みだが、このような国際的な訓練機関は幾つもあり高度な戦術訓練などを外注してしまう国は今後も増加するはずだ。
因みにギリシャ空軍も今年4月、イスラエル国防軍と共同で国際的な飛行訓練学校を設立すると発表しており、この機関は両国のパイロット養成だけでなくIFTSのように海外の空軍からパイロット訓練を受注することを目指している。
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※アイキャッチ画像の出典:Leonardo
わざわざイタリアまでパイロットを送って訓練するとは
そんなに凄い訓練システムだったのか
凄いかどうかは別にしても、井の中の蛙にならないよう常日頃から海外のプログラムを把握して、日本のプログラムと比較評価はしないとな。
そうしないと何時までも時代遅れの古臭いプログラムでってなりかねないし。
システムに限らずイタリアの航空産業関係は何気に世界でも上位クラスだからね
訓練空域(広い、陸上=島の上もある)って魅力もあるのでは?
日本の空自の訓練空域って海の上がメインでしょ?
そして、対地攻撃の訓練を考えるなら、現時点では海外の方が進んでる
(日本の空自は縛りがあるから遅れてるでしょう?)
空自の将来高等練習機は本命T-7A対抗M-346ぐらいになってもおかしくなさそうだし
良い検討にもなるんでは
東南アジア地域における高等訓練を日本が委託受け入れする計算もあるのかも?
東南アジア諸国はお金ないし、それぞれ独自に教育隊を保有するのは、現有戦力の強化の観点から見ても大変だろうし
だったら、一か所に集約して国際的な枠組みとしてやってしまった方が、日本含めた参加国全部にとって効率も良いのかもしれない
教官レベルまでの話になってきたら、可能性として見ていいのかもね
東南アジア諸国もイタリアかカナダで訓練を受けるんじゃないかな?
遠いから、日本に現地法人置かせて、M346を採用するなら、レオナルドの国際学校日本分校作りませんかって話に、日本側は持っていきたいんじゃない?
まあ、推測でしかないけど
日本以外にはたいしたメリットがない話をしても通らんのじゃないかと思うんだよね。
戦闘機部隊の規模が小さく、専門の訓練機部隊を維持するのもキツイ中小国には単純にメリット
近場に訓練ができるスクールがありますっていうのも、競合他社と比べると競合力の強化だと思うけど
東南アジアから欧州じゃ渡航費だって馬鹿にならないだろうし
機体持ち込みならともかくパイロットだけならイタリアか日本でそう大きい違いは出ないんじゃないだろうかと思うんだよね。
近場重視なら、東南アジア諸国のどこかに分校を作ればいいし、イタリアが国内での見込み客に東南アジア諸国を想定しているなら根本的にアウトだよね。
イタリアがM-346を使用して作り上げた訓練システムをM-346を運用したことのない日本が委託を受けるというのも無理があるんじゃないだろうか? オレが東南アジア諸国の人間なら迷わずイタリアにいかせる。
イタリアとしても、空自のT-4の後継機をM-346にしてくれるならともかく東南アジア諸国用の訓練機はM-346で、空自の訓練機は日本製とかT-7になったりしたら商売上の旨味もないんじゃないかな?
一番の問題点は、東南アジア諸国のパイロットたちが日本の空でイタリア製のM-346をとばして市街地に墜落しない保証はないし、休日に市内に出て犯罪をおこさない保証もどこにもない状態をミリオタじゃない日本人が受け入れてくれるんだろうかってとこだね。
オレが飛行場の近所に住んでいたら、空自や米軍ならともかく、なんで東南アジア諸国のパイロットの訓練のために騒音を我慢しなきゃならんのだと苦情を言いまくるよね。
東南アジアの国って単純に金がないし、工業力もないでしょ
日々の整備はメーカー負担にするにしても、その設備は日本のメーカーが提供するだろうし、教育学校を誘致できるほどの金もない
?
>日々の整備はメーカー負担にするにしても、その設備は日本のメーカーが提供するだろうし、教育学校を誘致できるほどの金もない
イタリアのレオナルドのM-346を使った訓練方式に日本のメーカーが関わっていたの?
日本で東南アジア諸国のパイロットを育成する訓練校をつくりたいのならT-4か後継機でやるのが筋なんじゃないかと思うんだよね。
地域のすべての国家がそれぞれ外交上の対立要因を持ってる北東アジアではこの手の多国間のインフラはなかなか作りづらいけど、単位あたりの軍事ユニットを維持するコストは増大しており定数減と合わせて自国のためだけの枠組みを維持し続けるのも苦しいと来ている中で、統合が進んでるEUの人材育成過程に自衛隊が参加できるのは良いことだと思う。
特にパイロットの練度維持(というか全体の組織力)が年々厳しくなっているように見える空自には、積極的に外部と交流する機会を設けてほしい。陸自みたいに不定期の合同演習で平常業務が圧迫されるカツカツ体制も困りものだけど、そうなるかどうかは今後の予算配分が決まる月末の選挙次第ですね…
イタリアと言えば紅の豚やね🤗
スタジオジブリはカプロニ Ca.309の愛称であるGHIBLIからきてるんだよね。
ラピュタの舞台になったといわれている村「チヴィタ・ディ・バーニョレッジョ」もイタリアだし。
なにげに縁はあるんだよねイタリアとは。
あ、日独伊三国同盟…
逆にドイツ抜きの日伊同盟なら枢軸国呼ばわりされることもなかっただろうから意外といいかも?
批判は覚悟だが、T50が大穴になる可能性はないのかな?
何で仮想敵国の航空機をワザワザ導入しないとイケないの?
T-7Aと比べて練習機として勝る点が何一つとしてないんだよね。
練習機を実戦に投入する気のない日本にとってはペイロードや最大速度はどうでもいいし、
現存してて今すぐ飛べる、という点も、人為的ミスとは思われない似た様な離陸失敗事故が複数回起きてて未だに原因不明な時点であんまりアドバンテージにならないし。
元々、T-50は練習機と軽攻撃機の二股コンセプトで造られているからね。
T-7Aは、第5世代機を意識して造られているの練習機なんで。
空自が使うなら、T-7Aになりますね。
T-50の開発に協力したイスラエルも自国の高等練習機選定でM346を選んでいます。
純粋な練習機を欲するならT-50は無駄が多いかと。
イタリアは主要先進国では弱小みたいに言われることもあるけど日本を凌駕するような技術や経験も持ってんだよな
イタリアってこんな商売してたんですね。
訓練に必要な、安全で広く文句を言われにくい空域があるのでしょうね。
日本だと太平洋の真ん中で訓練すると、事故ったときの救出がやりにくそうですし。
記事にあるレオナルドは、F-35のアビオニクス作ったメーカー(テンペストのアビオニクスも担当)だから、そういう仮想化などの技術やノウハウで確かなものを持ってるんだと思う
レオナルドのデジタルステルス技術すごいらしいよね
レオナルドとこういう部分から関係性構築していくの今後のこと考えるとすごい大切だと思った
ただチェルミス・ロープウェイ切断事件という悲惨で悲しい事件もあったけどね
しかもアメリカ軍側の過失で大勢が死亡したのに当のアメリカ軍パイロットほとんど罪に問われず、この時期のイタリアの対米感情は最悪だった
つうか日本がその経済規模に対してお粗末なんだろうけどな
長年アジアで良くも悪くも浮いた存在だから国際感覚も薄いし欧州とは真逆の環境
それは分野ごとによるとしか
本当に国際感覚が薄かったら自動車産業やら産業ロボット産業やら金融関係やら、その他世界トップクラスのものはないし、貿易額だって世界4位という上位に入ってないよ
何を頓珍漢なこと言ってるんだ
苦手分野はあれど、そもそも国際感覚薄かったら大きな経済規模を持つこと自体出来ないぞ
要は一長一短ってことだよ。先進国ならどこの国も得意不得意があるってこと。あたりまえだけど。
日本もイタリア同様に得意不得意があるんだよ。
日本は基礎研究の裾野が広く(薄いけど)、素材や素粒子物理なんかは特に強いよね。
逆に軍事は海自以外はつ不得意だよなあ。
だから、お互いで協力するのが一番ってこと。但し、仲が良くないとできないけどね。
記事とは離れてしまう内容で恐縮だけど、制空論はドゥーエが書いてるし航空技術への先見性や取り組みは長く続けてるなと思います。
イタリアの軍事関係は世界でも結構上だからね
オート・メラーラの速射砲みたいな世界的ベストセラーも生み出しているし
ただどうしてもわからないのが、何故彼らは軽空母や強襲揚陸艦をやたら重武装にするのか?
艦砲やVLSや(後で撤去したけど)対艦ミサイルとか、ちょっと盛りすぎだろと思うんだけど。
兵器マニアとしては決して嫌いではないが、理由が知りたい。
地中海の覇者たらんと欲す故にだろう
他の地中海沿岸の有力な海軍保有国となるとフランス、スペイン、トルコあたりか、なかなか手強いぞ。
いやその心意気やよしとは思うけどね。
数が少ないと色々機能を付けたくなる。
イタリア海軍のフリーゲート艦の舷側に複数の76mm砲を配置する理由の方は、
アドリア海でマフィアが小型武装ボートで暗躍する為、それの制圧用にとは聞いているが、
盛り過ぎた対艦ミサイルの方は、まさか(失われたイタリア)の領土奪還用の装備じゃないだろうな。
旧宗主国とはいえ、リビア空爆に参加したりと
湾岸戦争以降、機会があれば実戦経験を稼いでいる感じですね>伊空軍
短期間でF-35Bに向いたプログラムで最新鋭機材もっている所ってで受け入れしている所ってなるとイタリアになるわな。
まぁ醒めた見方をすればコスト削減とも見えるわな。
ただ実際には空自の訓練時間が長いと言われているが、その時間には訓練空域の往復時間も入っているから、戦闘訓練の時間は短いとも言われている。
アメリカにしろ、イタリアにしろ訓練空域が近いと楽だし、訓練の効率もよくコストも掛からないわな。
アメリカ一辺倒を改める機会と考えれば悪くはない。問題があるとすれば、イタリアの対中感情が良好ってぐらいかな
というよりイタリア国民の対米感情はチェルミス・ロープウェイ切断事件で思いっきり悪化したからなぁ……
あの件で米軍がしっかりけじめを取ってアフターケアもちゃんとやってれば現状は違っただろうに
これって、高等訓練課程の民間委託だよね
もっと可能性を探っていくと、防衛省が、練習機メーカーと直接投資、または契約をして、
機材、人材、教育プログラムを纏めて提供してもらう事もあり得る
要は、高等訓練課程そのものを、メーカーからサブスクリプションによって受けるという方式になっていくことも見据えてるようにも見える
さらに言うと、それを日本単一によってサービスを受けるのではなく、近隣諸国との多国間で契約を結ぶことだってありえるのでは?と感じるな
アメリカ軍もアグレッサー機の乗員、機体運用をPMCに委託してますから、空軍パイロットからPMCへ、という流れもあるでしょうね
馬毛島基地反対派、衆院選で鹿児島の2選挙区で自民が敗れた事で民意は示されたと強調。
なお馬毛島の選挙区である4区では自民が大勝したが、「問題を認識していない選挙区民の意識の低さが原因」と逆ギレした模様。