イランやシーア派武装組織が使用するミサイルやドローンの脅威に晒されるアラブ首長国連邦(UAE)は防空システム増強に動いているが、それ以外の中東諸国も一斉に防空システムの導入に向けて行動を起こしているため非常に興味深い。
参考:Saudi Arabia, China and localization of air defense systems
参考:Egypt, South Korea and air defense systems
参考:Iraq, China and FD-2000B air defense system
参考:Oman, Britain and air defense systems
参考:UAE, Turkey and Bayraktar Akinci drone
参考:Saudi Arabia, Turkey and EW systems
参考:Egypt, China and Wing Loong I-D drones
参考:Oman, South Korea and coastal defense systems
これだけ動きがある中で米国製のパトリオットやサードを新規もしくは追加導入しようという動きが見られない
天弓2の輸出契約を韓国と締結したばかりのアラブ首長国連邦はイスラエルに防空システムの供給を打診しているが、イスラエル側は機密流失を恐れ「UAEの打診に難色を示している」という報道とベネット首相がUAEの要請に「あらゆる支援を行うよう当局に命じた」という報道があり、どちらが正しいのか今のところ謎だ。

出典:Jian Kang / CC BY 3.0 中国の防空システムHQ-9
S-400導入を阻止する米国の対ロシア制裁の影響でフランスの「SAMP/T」と韓国の「天弓2」が導入候補に挙げられていたイラクは「FD-2000(HQ-9の輸出モデル)調達のため中国と予備交渉を行う」と報じられており、JF-17導入の件と合わせて考えるとイラクの安全保障政策は完全に「米国離れ」を引き起こしていると言えるだろう。
さらに軍事関係強化で合意した中国とサウジアラビアは第6世代戦闘機に続き「中国製防空システムをサウジアラビアで生産するための予備交渉を行っている」と報告があり、オマーンは隣国イエメンの内戦が今以上にエスカレートした場合に備え英国が提案の防空システムについて協議中、K9輸出契約を締結したばかりのエジプトと韓国も防空システム調達について協議を始めたと報じられており、UAEへの輸出に成功した防空システム「天弓2/M-SAM BlockII」に関心があるのかもしれない。
✍🏼 Milli ve Özgün Tasarım
🧠 Üstün Yapay Zeka
💪🏼 Güçlü
⚡️ Çevik🔥 Muharebeye Hazır❗️
Bayraktar #AKINCI TİHA
Semalarımızda Hür ve Özgür…#MilliTeknolojiHamlesi ✈️🐳🚀🌍🇹🇷 pic.twitter.com/TVNoOElzPi— BAYKAR (@BaykarTech) November 16, 2021
防空システム以外だとアラブ首長国連邦がトルコ製の無人戦闘航空機「バイラクタルAkinci」の調達を計画中、サウジアラビアが2月に予定されているエルドアン大統領訪問に合わせてトルコ製の電子妨害システム「KORAL」調達契約を締結すると報じられており、エジプトが中国製の無人戦闘航空機「Wing Loong ID」の追加調達を協議中、オマーンが韓国製の対艦ミサイル「海星」を活用した沿岸防御システムに関心を示している。
これだけ動きがある中で米国製のパトリオットやサードを新規もしくは追加導入しようという動きが見られないのは、きっとそういうことなのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Israel Defense Forces
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バイデンに代わってから、中東のユーザーからの信用を失ったアメリカ製兵器の先行きは暗いですね。
信用は当然なんだけど、頼りなさすぎなのもね
困った時になんとかしてくれそうな気配がさっぱりだもの
アメリカからそこを取ったら、態度がでかいだけのめんどくさい奴になってしまう
アメリカの場合、基本的な態度が「売ってやる」なんだよね
しかも、売る相手を選り好みするし、保守パーツの供給遅れは常態化で
FMSだろうがなんだろうが、それが売った相手の稼働率に影響しても
改善も優先もする気が無い、ただ黙って待ってろな態度だもん商売としては
最悪な相手
しかも性能差やCPはどんどん縮まってる
中韓のアフターサービスがどうかは知らないが、あの殿様商売を改めないと
アメリカ軍との相互運用性を重視する特別な関係にある国以外、アメリカ製
の兵器使いたいなんて新興国はどんどん減る一方だと思う
(仏韓中露のミサイルより)射程が短いという割と致命的な弱点もあるぞ。あとコスト。
それとバイデン政権以前にアメリカ製の兵器は使用制限が多いから使いづらい。
自軍に戦闘機が山のようにあって、まずそれで経空脅威の大半をボコボコにできるのが前提の国が作ってますからねぇ。迎撃が難しいならそれはそれで発射地点を更地にすりゃいいんだよっていう…。
アメリカが指定したものしか攻撃出来ない+イスラエルの質的優位を保つためにダウングレードモデルしか売らないとかね‥
軍事技術が拡散しすぎてそりゃ売れないわな
>アメリカが指定したものしか攻撃出来ない
これ、本当なんでしょうか?
この情報の一次ソースを知っていたら、教えてください。
探して張り付けるのダルいから張らないけど、航空万能論の過去記事でちょくちょく出てくるよ
興味があったら読み返して見るといい
中国製兵器や韓国製兵器は世界中から人気があるのに、日本だけが一人負け状態と言える
何故あなたは匿名を使い続けるのですか?
多分、中身がもりもりで色々使い分けてると思うよ
イエメンやアルメニアだって弾道ミサイルを持ってる時代にサイドスラスターなしの対空ミサイル作っちゃうくらい先が読めない日本だもの。対艦ミサイルですら射程が足りなくて再開発になる始末。軍事費制限してたら研究費も削られていつの間にか周回遅れになってしまった。
>高高度迎撃用飛しょう体技術の研究
※H3年度が計画最終年度
>高高度迎撃用飛しょう体では、空力操舵、「サイドスラスタ」及び「TVC」を用いた「複合制御」により、大気密度の低い高高度において旋回力を得ることで、高速脅威に直撃させる。
リンク
「大気密度の低い高高度」は、今までは米国製ミサイルの担当領域だったけど、
サイドスラスタ無しの03式中SAM改すら、BMD対応改修を企画するご時世、担当領域の見直しを行うようになった、という事ですね。
極音速ミサイルや低軌道弾道ミサイルを主たるターゲットにした対空ミサイル用の要素開発なので、
サイドスラスタとTVC併用の高高度・高機動ミサイルに力を入れているとも。
﹙対応高度というか空気密度の関係で、サイドスラスタだけでも低機動になるので、併用制御を志向﹚
自己フォローです。
>>高高度迎撃用飛しょう体技術の研究
>※H3年度が計画最終年度
ちなみに初年度は2015年度なので、個人的にスタートは悪くないと思っています。
要素開発だから、時間が掛かるのも仕方ない分野ですが、
研究開発費や開発リソースが現実の10倍位あれば、多少は開発期間が縮まるのかな?、等と妄想しています。
パラで作業出来る所も、リソースの関係でシリーズに進行している部分がある筈なので。
>サイドスラスタとTVC併用
より正確には、サイドスラスタ・TVC・空力操舵翼の三併用、ですね。
絶対当てる感があって、何となく日本ポイかなと。
ミサイル誘導の新ロジックは、対ステルス戦闘機キラーなAAMの要素開発の方で先行開発済みで、それを流用出来るだろうし。
現物登場まで少々時間を要するのだけが残念ですけど、モノ自体は期待しています。
匿名さん。もう日本下げいいんで。
面倒な荒れること言うのやめてください。
議論として非生産すぎます。
サウジは中国のHQ-17Aの導入を検討しているとの話があったので、HQ-17Aの現地生産について交渉していそうですね。
一度導入すると次もそこでといった感じで、だいぶ武器輸入のハードルがさがりますね。
まぁ暴言とか荒らしとかは、管理人が一線を超えたなぁと思ったら普通に削除してるけど、この手のコメントはなかなか削除されないから、そういうことなんだと思うよ。
管理人だったら、晒そうと思えばいくらでも晒せるし、実際そういう記事もあったからね。
とか言っている間に、返信先のコメントが消されたか。
これは完全な持論なんだけど、管理人に迷惑だろ的な論調をすることで、自分は暴言を吐いていいと勘違いしてる人が結構いるよね。
そういうコメントが一番迷惑なんじゃないのかな?
どっちもどっちだし、そもそも原因を作ってる奴が一番悪い
まぁ少なくとも個人に対する誹謗中傷はやめた方がいいんじゃない?
他人への暴言って第三者から見ても不快だと思うよ。
管理人への削除依頼とか、無視ならわかるんだけどね。
実際に消してもらえるかどうかわからないけど。
アメリカ離れには違いないけど、元からアラブは西側ではないんだよ、アラブはアラブ、因習を優先する封建的社会、自由主義でも共産主義でもない
だからどこからでも兵器を買えるし、だれとでも付き合える。
最近のイスラエルとUAEの関係なんて、東西の対立軸のみで世界を眺めているのが間違いだと教えてくれるよ
まだトランプがいても、この大枠は変えられない
西側には西側の、アラブにはアラブの利害があるからね
西側ですら一枚岩ではなくリビア内戦では支持する勢力が分かれる羽目になってたし
アメリカが中国を念頭に人権問題を批判するとアメリカの友好国が中国製の武器を購入していく。
で、アメリカが人権うんぬんを言わなくなると、単なる力で制覇するありふれた大国のひとつに過ぎなくなって求心力を失うから、痛し痒し
悪貨が良貨を駆逐するの如く、ロシアや中国みたいな露骨に汚い国のほうが世渡りが楽にせよ、アメリカも本質は違いなく汚いし
しかし、市民としてはこの世界はそんなのでいいのかなとは憂える、生きにくいよ
話しの本筋には同意ですが、
ちょいと末節の所で茶々的なモノを。
>悪貨が良貨を駆逐するの如く
実はこれ、後の紙幣などに通じる、貨幣の進化な流れでもある様です。
金属の価値を基準とした旧来の貨幣から、
額面の値を信用し成り立つ仮想化・象徴化の貨幣に。
今の一万円札なんて、原価は数円でしたっけ。
物理的な価値は紙に過ぎないけど、人々の共通幻影により、一万円としての価値を得ています。
「悪貨が良貨を駆逐する」は、その過渡期に生まれた格言だと聞いた覚えがあります。
「金属の価値を基準」の時期だと、「悪貨」的なモノと「良貨」的なモノは、そもそも価値が異なりますよね。
それ故に﹙今日複数の硬貨が存在するように﹚違う価値の貨幣として並立し得たと。
逆に、高価値の「良貨」的なモノが有難がれ、広く普及し易い傾向があった様です。
アテネのテトラドラクマ銀貨とか、同時代で比較的高品質な銀貨が、遠方でも流通した所以だとも。
﹙テトラドラクマ銀貨の場合、広く流通した一因として、アレクサンドロス大王の功績もありますが﹚
それ、友好国じゃなくて、たかってたくにだろ
西側で中国から購入したとこあった?
西側の基準て何だろう
民主主義、親アメリカ、言論の自由と個人の振る舞いが自己責任の範囲では認められている国かな、グレタみたいな面倒臭い正論語る人間は、中国ロシアではかならず逮捕収監されるもんな。
では、中国と親密ですが東では無いタイとかパキスタンとかナイジェリアだのは西側でなく何なのかねえ、わかんないよ
第三世界って呼ぶよ
日本は実は第三世界でいいのではと思える今日この頃
防空や対艦あるいは対戦車にしろアメリカのミサイルは低強度紛争向けに特化しすぎた反動で本来戦用途で中露に劣ってる部分は実際あるし弾道ミサイルに至っては言うまでもない
電子戦能力も含めたそれらギャップは対米戦力で非対称な実情を挽回すべく中露が必死こいてきた長年の結果だが方やアメリカはアフガンイラクがありその重荷が開放され対露対米偏重に回帰した将来にこのギャップが埋まらないわけはない