EUが派遣した欧州海洋部隊はリビアに向かうトルコの輸送船に対して国連の対リビア制裁に基づき臨検を行おうとしたが、トルコはフリゲート艦を派遣して力ずくで臨検の阻止に出た。
参考:Turkey prevents EU arms embargo check on ship near Libya: EU sources
全く機能しない国連の対リビア制裁、トルコ軍の武力を背景にした恫喝に引き下がる欧州海洋部隊
リビアに向かうトルコに輸送船は今月6日、国連の対リビア武器禁輸措置を監視するため行動していたギリシャ海軍のフリゲート「スペツァイ」に発見され臨検を行うため停船するよう要求されたが、これを無視して航行を続け近くにいたトルコ海軍のフリゲート艦から「その輸送船はトルコの保護下にある」という警告を受け取り、結局ギリシャ海軍がその場から撤収してしまう事件が起きた。
そもそも今回の臨検は対リビア武器禁輸措置に違反する船を取り締まるためEUが派遣した欧州海洋部隊主導のイリーニ作戦(以前はソフィア作戦)に基づいて行われており、フランス、ドイツ、オランダ、ポーランド、ギリシャが戦力(艦艇や航空機や偵察衛星など)を提供してリビア沿岸海域を監視しているのだが、多くの国が国連の対リビア制裁を守っておらず陸海空の経路を通じて武器や兵士などを送り込み続けているため国連大使は「リビアに課している武器禁輸措置はジョークで終わろうとしている」と言及するほど日常的に違反行為が行われている。
EUはイリーニ作戦を開始して以来75隻以上の疑わしい輸送船に停船を命じたと言っているが、その内何隻が停船に応じて臨検を受けたのかは明らかにしなかったので強制力に乏しいという事実が浮かび上がってくる。さらにトルコは国連の武器禁輸措置を無視して大量の武器をリビアに送り込み事実上リビア内戦に軍事介入していると言ってよく、NATO加盟国が提供した戦力が中心の欧州海洋部隊でNATO加盟国のトルコを取り締まれと言うのが土台無理な話なのだ。
因みにトルコは欧州海洋部隊の停船要求を拒否したのと同じように、エジプトが提案していたリビア内戦の停戦案を「反政府組織「リビア国民軍」を救うための試み」だとして拒否すると発表したため、エジプトがリビア国境近くに集結させていたエジプト陸軍の大規模な部隊(戦車M1A1エイブラムスや装甲車両部隊を含む正規軍)を動かす=反政府組織支援のためリビア国境を越えるのかに注目が集まっている。
恐らく管理人の予想では首都トリポリから約400km東に位置する石油積出基地があるシルトが政府軍(トルコ支援)の手に落ちれば、エジプトは陸軍を動員してシルト奪還に動くのではないかと予想しているが、トルコが拒否した停戦案は国連や米国など多くの国が支持して国際的な圧力を高めているだけに停戦を言い出したエジプト側も無闇に軍を動かせない状況に陥っている。
要するにトルコ側にしてみればエジプトが軍事介入してくれたほうが国際社会の圧力をかわしやすいという意味で、エジプト暴発を誘うためにもシルトへの攻撃はより強化されるのではないだろうか。
余談だが、トルコはギリシャが自国のEEZ内だと主張する東地中海の海域で油田の掘削を始めようとしており、ギリシャ政府は「これを阻止するため軍事力行使も厭わない」と発言して両国間の緊張が高まっている。さらにギリシャ国内で実施された世論調査の結果によれば回答者の53%がトルコへの軍事力行使に賛成しており、トルコがギリシャに要求しているエブロス川周辺の国境線再調整についても回答者の83%が要求を無視してフェンス建設を進めるべきだと答えている。
日本から見ると欧州や地中海周辺(北アフリカを含む)の問題は見えにくいためインド太平洋地域よりも平穏に見えるかもしれないが、実は銃声が鳴り止む暇がないほど激しい軍事的緊張感に置かれているというのが真実だ。
※アイキャッチ画像の出典:public domain トルコ海軍のフリゲート艦「ゲリボル」
仮にトルコを倒してエルドアンを倒閣するならEUは保有する全誘導兵器を打ち尽くした挙げ句にポーランドからロシアに切り刻まれることになる。
リビアでカダフィ倒すのに四苦八苦してるのではトルコとシリアはとても及ばない。
ドイツ以外の国家はほぼ経済破綻するだろう。
戦争で自滅か、今のように全力で現実逃避するかの二択。
アメリカにも見捨てられる可能性が高く、中国はロシアに加勢して自国のEU資産を略奪する。
ナチスを撃退して欧州壊滅危機に出会うとは皮肉な話だ。
最も、そのトルコも対リビア作戦でやり過ぎれば勿論の事、現在ギリシャとの間で揉めている東地中海での油田の掘削作業次第では米国+NATOの支援を受けたギリシャとタイマンを張る危険性があるので圧倒的優勢とも言えない(今回の軍艦同士の睨み合いでギリシャ側が引き下がったのも本件と対リビア情勢がリンクする事で事態を複雑化させないと言う一面があるのだろう)
その上、リビア内戦ではロシアはエジプトと組んでトルコが支援している政府軍と対立する反政府組織「リビア国民軍」を支援している為、トルコがリビアで調子に乗ったらロシアが敵に回る可能性もあるのは知らないの?
あとロシアがポーランドを切り刻もうとすれば間違い無く米国が介入するよ
見捨てたらNATOそのものを否定する事になるので、米国が一番馬鹿を見る結果になるからね
トランプの引きこもり政策みるとよその戦争まで本当に介入してくれるのか、ちょっと怪しい感じもしないでもないですけどねえ……。
NATO加盟国見捨てるってこともないとは思いますが。
何かここ最近のアメリカを見ると同盟国を助ける事に消極的、
軍を出したとしてもせいぜいが空軍だけで(火力に関しては正直凄いが)
陸軍はまず出さないと見ていいんじゃないかな?
日本はアメリカ以外にも4~6国ぐらい同名結んだほうがいいんじゃ?思うわ
有事の際にアメリカが動いてくれるか心配になるのは分かりますが
現状、日本を助けられるのはアメリカ位です。
有力な同盟国候補であろうイギリスやオーストラリアは瀬取りなどの
監視任務程度ならばともかく、本格的な戦闘部隊を派遣出来る程余裕はありません。
国際協力関係を築く事は賛成ですが、助けてもらうことは余り期待しない方が良いでしょう。
元々、NATOは戦後ソ連対抗するために作られた同盟ですから、冷戦終結でその役目は終えています。もちろん欧州にとっては復活したロシアへの対抗として重要な存在ですが、ロシアとは是々非々の関係でいたいトランプ政権にとってはただの重荷でしかありません。そして何よりも忘れてはいけないのは第二次世界大戦開始当時、米国は孤立主義を決め込んでいたことです。
2014年のロシアによるクリミア侵攻以降、世界は変わりつつあります。
日本語でたのむわー
国連がクソ雑魚すぎる
もっと権力もった方がいいと思うどそうはならないんだろうなぁ
国連が力持ったら安保理の力も強くなるわけで、露中の影響力がますます強くなるでしょう。
日本としてはそれはできれば避けたい。
そもそも国連てのは何もできないように出来てる。
まともに実力行使するのは、アメリカがヤル気になったときだけ。
それにしても、トルコはこんなにあっちこっち戦争やって経済大丈夫かね。
経済もたないだろうね。エルドアンは何かビジョンがあるのかな?
周辺国全てとヤバイ状態だものね
国民の目を逸らす為に、行き当たりバッタリに紛争しかけてるようにしか見えない
北朝鮮のへ瀬取り対策もだわな。
監視するだけで、臨検や拿捕とか実効的な禁輸は一切しないし。
やったもん勝ちになってるからなぁ
強行するなら海戦も辞さずの覚悟を持たなきゃならんのだけど
直接の脅威になってない状態で国民の同意を得られるかといえばそんな訳もなく…
民主国家の限界が浮き彫りになってるね
先日からちょっと気になっているのですが、
カテゴリの「中東アフリ”ア”関連」というのは…?
1、単にアフリカの誤
2、所謂アフリカの事だが、何かしらの言語的理由でCを引っこ抜いている。
3、アフリカ+アジアの造語?
4、あまり知られてないけどアフリアって地名があるんですよ。
…辺りまで想像しましたが、分からないのでとなたかご教授いただけると幸いです。