中東アフリカ関連

北アフリカでF-16Vと対峙? ロシア、アルジェリアへの第5世代戦闘機「SU-57」輸出が決定

北アフリカに位置するアルジェリアは、ロシア以外の国で初めて第5世代戦闘機「SU-57」を装備する国となることが確定した。

参考:L’Algérie serait le premier client export pour le Su-57 et le Su-34

ロシアが第5世代戦闘機「SU-57」を北アフリカのアルジェリアに輸出

アルジェリアは第5世代戦闘機「SU-57(おそらく輸出型のE型)」14機を購入する契約にサインを行い、ロシア以外の国で初めて「SU-57」を装備する国となる。

出典:Attribution: Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 Su-57

ロシアとの契約にはSU-57以外にも、これまで輸出したことがなくロシア空軍のみが装備していたSU-27を爆撃機に発展させた「SU-34」14機、ロシアの第4.5世代戦闘機「SU-35」14機が含まれており、この契約の履行は2025年までに完了する見込みだ。

実際、この契約が決まったのは、今年8月アルジェリア代表団がロシアのモスクワで開催された「MAKS国際航空ショー」を訪問した直後で、今回の契約によってアルジェリアはアフリカ諸国の中で、第5世代戦闘機を初めて導入する国となる。

では、アルジェリアがこのような軍事力強化を行う理由はどこになるのか?

隣国のモロッコとは政治・外交的に摩擦がある上、米国に支援を受けたモロッコの急激な軍事力強化に対抗するためだと思われる。

出典:Yumacool / CC BY-SA 4.0 M1A2エイブラムス戦車

モロッコ陸軍は米陸軍が装備しているのと同じ「M1エイブラムス戦車」を350輛以上保有、そのうち162輛は最新型のM1A2タイプで、これ以外にもM60パットンを400輛近く保有しており、モロッコ空軍はF-16C(Block52)を40機保有しているが、今年F-16V(Block72)を25機発注し、既存の機体もV仕様にアップグレードを行う契約を交わした。

さらに11月、米国はモロッコに対し最新の攻撃ヘリ「AH-64E アパッチ・ガーディアン」36機を輸出すると発表したばかりだ。

出典:public domain AH-64Eアパッチ・ガーディアン

このようにモロッコの軍事力は北アフリカで最も強力な部類に入り、アルジェリアとしても軍事的な対抗措置をとる必要に迫られていた。

F-16の最新型V仕様は、台湾へ輸出され中国の第5世代戦闘機「J-20」と睨み合っているが、今度は北アフリカでロシアの第5世代戦闘機「SU-57」と睨み合いを演じることになる。

ロシアは今年開催された「MAKS国際航空ショー」でSU-57の海外輸出型「SU-57E」を発表したばかりだが、正直、こんなにも早くSU-57の海外輸出が実現するとは想像していなかったため、非常にびっくりしているというのが本音だ。

恐らくロシアはSU-57輸出をチラつかせながら、実際には輸出をせず、既存の第4.5世代戦闘機しか売らないと思っていたので本当に驚きだ。

 

※アイキャッチ画像の出典:Michail / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 12月 28日

    えっ、マジでSu-57売るの?
    製品30じゃないだろうけどマジで売るの…?
    先進国以外で初の第五世代機装備じゃね?

    • ハヤタ
    • 2019年 12月 28日

    商売繁盛ですね

    • 匿名
    • 2019年 12月 28日

    モロッコってそんなに金持ちなのかと思ってググったら結構GDP高いんだな
    知らなかった…

    • 名無しさん
    • 2019年 12月 28日

    輸出仕様E型の性能がどれほどのものか

    • 匿名
    • 2019年 12月 28日

    ロシアとしてもモンキーモデルといえどそれなりに安定したところにでないと売れない機材でしょうからね

    • 匿名
    • 2019年 12月 28日

    Su-57Eの輸出、予想以上に早く決まったけれど、アルジェリアは既にSu-30MKAを58機導入済みで、アフリカでは最大のフランカーユーザーだし、今回一緒に購入を決めたSu-34も以前から興味を持っていて2016年には「発注した」とする誤報が流れた程なので、スホーイにとっては大事なお得意様なんだよね。
    と言う訳で、今回ロシアがアルジェリアへSu-57Eを売る事については、余り違和感を感じなかったです。

    1
    • 匿名
    • 2019年 12月 28日

    先日、量産機が墜落したけど、いいのかね?
    アメリカみたいに納期をズルズル延期するんじゃないかな?

    • 匿名
    • 2019年 12月 29日

    あまりにもスペックダウンすれば威信が落ちる
    かといって本当に第五世代機をあの地域で持てばゲームチェンジャーになりかねない

    欧州は暢気にユーロファイターだのラファールだの言ってる場合じゃなくなる
    アメリカさ戦略の見直しを迫られるかもしれない

      • 匿名
      • 2019年 12月 29日

      本家が本当に第五世代機足り得れば、ね

        • elmoelmo
        • 2023年 10月 13日

        Su-57のRCSが巷間言われてるように0.5程度であれば、到底VLOとは言えないでしょうね。
        第5世代戦闘機(ロッキード・マーティンの登録商標)の名前に乗っかった4.xx世代機だと思います。
        それでもF-16Vの強力なライバルでしょうが、そもそも今のロシアにそれだけの数を製造できるのかどうか?

    • 匿名
    • 2019年 12月 29日

    まだ、量産さえままならない有様なのに、実際に供給できるのか?
    その前に、アルジェリアの国情は、安定していたかな?

    • 匿名
    • 2019年 12月 29日

    キナ臭いからさっさと輸出して実戦データが欲しいんじゃないの
    アルジェリアにはロシア軍人がなんらかの形(監視、整備・データ取り、その他)で数名常駐するだろうね
    ま、米軍もモロッコに似た感じで派遣してるだろうけど

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