サウジアラビアに連日攻撃を浴びせているフーシはTwitter上でミサイルや無人航空機の調達に必要な資金の寄付を募り始めた。

参考：Houthis call on Yemenis to donate funds for ballistic missile programme

イエメンのシーア派反政府組織フーシがTwitter上でミサイル調達資金の寄付を募り始める

イエメンを舞台にしたサウジアラビアが主導するアラブ･スンニ派諸国とイランが支援するイエメンのシーア派反政府組織フーシとの戦いを終結させるためバイデン政権はイエメンへの軍事作戦支援を打ち切りことを決定、さらに前政権によるフーシへの「テロ組織指定」も解除するなど両陣営の停戦に向けた取り組みを加速しているが、フーシ側はサウジアラビアに対して弾道ミサイル、巡航ミサイル、自爆型の無人航空機を連日打ち込み民間人や石油関連施設への被害が発生している。

フーシ側は先週末（26日と27日）、首都リアドを含む複数の地域に弾道ミサイルや無人航空機を複数打ち込んだがサウジアラビア軍の防空システムによって全て無力化されてしまった。

しかしフーシ側が攻撃の手を緩めることなく3月2日にも攻撃を行いミサイル（もしくは自爆タイプの無人航空機）1発が防空システムをすり抜けてサウジアラビア南西部の都市ジャザンに着弾、民間人5人が負傷して建物や車輌に被害が発生、4日にはフーシ製の新型巡航ミサイル「Quds2」が湾口都市ジッダ（首都リアドに次ぐ大都市）の石油関連施設に命中して被害が出ているらしい。

القوة الصاروخية تتمكن بفضل الله من إستهداف شركة أرامكو السعودية في جده فجر اليوم بصاروخ مجنح نوع قدس2 وكانت الإصابة دقيقة بفضل الله
يأتي هذا الاستهداف في اطار الرد الطبيعي والمشروع على استمرار الحصار الغاشم والعدوان على شعبنا العزيز pic.twitter.com/oTiL0xk2v6

— العميد يحيى سريع (@army21ye) March 4, 2021

当初サウジは4日の攻撃をすべて無力化したと発表してジッダへの新型巡航ミサイル着弾を認めなかったが、後に石油関連施設にミサイルが命中してプラントで火災が発生したと認めている。

サウジアラビアはバイデン政権の圧力で身動きが取れないためフーシ側から一方的に攻撃を受けても耐えるしか無いのだが、そんな状況をあざ笑うようにフーシ政治局のメンバーがTwitter上でサウジアラビア攻撃に使用するミサイルや無人航空機の調達に必要な資金の寄付を募り始めた。

In another brazen public campaign, Houthis ask Yemenis living under their control to give money to build ballistic missiles & drones. While intl community has sought funding to mitigate the humanitarian crisis, #Houthis seek donations from poor Yemenis for more war. 1/3 https://t.co/cXTtE9tLGo

— Yemen Embassy D.C. (@YemenEmbassy_DC) March 4, 2021

この寄付はイエメンモバイル加入者限定で指定の番号に電話を掛けることでフーシのミサイル部隊に寄付が行えるというもので、イエメンの米国大使館が寄付の呼びかけに応じないよう注意を呼びかけているがTwitter社はアカウント凍結など措置を講じておらず、5日の時点で1,700件以上の「いいね」と400回以上のリツイートが行われている。

ただ1回の電話による寄付は100リヤル（イエメン･リヤルの場合約43円）と額が小さいので本当にミサイルや無人航空機を調達するための足しになるのかは不明だが、フーシ政治局は「電話をかければ掛けるほど我々はミサイルの発射ボタンと無人航空機の発射ボタンを押すことができる」と述べており、サウジアラビアとしては怒り心頭だろう。

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