中東アフリカ関連

サウジアラビアも韓国製防空システムを導入、天弓2の契約額は約32億ドル

申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官のサウジ訪問に合わせて韓国とサウジアラビアは6日「天弓2(M-SAM BlockII)導入契約を昨年11月に締結していた」と発表、天弓2×10セットの契約額は約32億ドル=約4,733億円で運用国も3ヶ国に拡大した。

参考:한국-사우디 ‘천궁-Ⅱ’ 미사일 최종 계약…4조2500억원 대
参考:Lockheed Martin strikes subcontractor deals in Saudi Arabia for local THAAD parts production

パトリオットシステムのPAC-3と同等の性能を備えている天弓2

ロシアは旧ソ連時代の借款(14.7億ドル)を返済するため韓国に「防衛装備品の購入」や「軍事技術の移転」による相殺を提案、これは正式に軍事技術及び防衛装備に関する協力協定(通称:ヒグマ事業)として成立し、同協定を通じて入手したロシア製防空システムの技術をベースに開発したのが天弓、これをターミナル・フェイズ(終末段階)での弾道ミサイル迎撃に対応させたのが天弓2で、パトリオットシステムのPAC-3と同等の性能を備えていると言われている。

アラブ首長国連邦は2022年1月に韓国と天弓2の導入契約を締結、韓国にとって本契約は単一の武器輸出契約としては「史上最高額=約35億ドル」だったため大きな注目を集めたが、サウジアラビアも同規模の契約を締結して天弓2の運用国に加わった格好だ。

因みにロッキード・マーティンは5日「THAADシステムの下請けにサウジアラビアのサプライヤー2社(Middle East Propulsion CompanyとArabian International Company )が加わった」と発表、これはサウジアラビアが取り組む「Saudi Vision 2030」に関連した動きで、インドの「Make in India」と同じ旨趣だ。

関連記事:UAEを訪問中の文大統領、4,000億円規模の防空システム「天弓」輸出契約を締結
関連記事:UAE国防省、韓国製の防空システム「天弓/M-SAM」を4,000億円で購入予定だと発表

 

※アイキャッチ画像の出典:ROK Ministry of National Defense

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コメント

    • 幽霊
    • 2024年 2月 07日

    比較的安価で高性能な韓国兵器は需要が有るでしょうね
    それに必要なら技術移転もしてくれますし。

    17
      •  さ
      • 2024年 2月 07日

      ちなみに何故安価なのかというと韓国では輸出に成功した場合、国から補助金が出るから
      本来は産業育成のための支援金
      しかし現実にはダンピングに悪用されている状態で、高額商品が売れれば売れるほど国から富が流出していくという構造

      18
        • 名無しの悪夢
        • 2024年 2月 07日

        >しかし現実にはダンピングに悪用されている状態で、高額商品が売れれば売れるほど国から富が流出していくという構造
        電気代が原価割れして電力会社が毎年数兆円の赤字を出しながら安い製品として海外に売っているので、最近アメリカが電気代分の関税上乗せを検討してるというニュースがありましたね。

        15
        • のー
        • 2024年 2月 07日

        そうとも限らないのですよ。
        GDP=国内の生産 + 輸出 – 輸入
        なので、輸出が増えるとGDPは増えます。
        逆に輸入を減らすとGDPが増えます。
        輸入に関税をかけて輸入を減らして、輸出に補助金を出して輸出を増やす。
        という政策が手っ取り早く、景気を良くする方策だったりします。
        ただ相手国も同じなので、やり過ぎると政治問題化しちゃいますが。
        WTOがわざわざ輸入関税と輸出補助金を禁じている理由です。

        10
          •  さ
          • 2024年 2月 07日

          うん、理想を言えばそう
          しかし(韓国において)現実はそうではない

          3
            •  さ
            • 2024年 2月 08日

            書き忘れ
            何故かというと、韓国企業(社会)での査定ポイントは売上高(利益ではない…)だから
            日本とはそのあたり大分感覚が違う

            2
        • 2024年 2月 09日

        赤字になるほどの補助金が出る?

        嘘はやめましょう。

        2
    •  さ
    • 2024年 2月 07日

    >天弓2で、パトリオットシステムのPAC-3と同等の性能を備えていると言われている。
    気になるのは「この評価を下してるのは何処の誰で、何をもって評価したのか?」かという事

    どんな商品もそうだが、客観的な評価でなく開発企業の自画自賛などもあり得るのでそこは気になる所

    18
      • 名無し
      • 2024年 2月 07日

      サウジアラビアは既にパトリオットをPAC-3弾含めて運用してるので、両方比較した結果天弓2でもイケると判断しただけの事だろう

      29
        •  さ
        • 2024年 2月 07日

        そこはわかる
        が記事においては「サウジアラビアが同等だと評価を下した」という内容ではない

        サウジの意図もわからない
        「ハイローミックスのローとして採用した」可能性もある
        その場合は、サウジは同等と評価したわけではない事になる

        5
      • YJ93
      • 2024年 2月 07日

      パトリオットも湾岸戦争のころは能力にだいぶ疑義がありましたが、数々の改良を経て、やはり実戦で能力を証明されてこそ信頼できる迎撃システムとしての評価が確立したので、あまり歓迎できないですが実戦で使用されない限りはカタログスペックということになると思います。
      そういう意味ではストームシャドウにかいくぐられ続けているS-400の能力には疑義が出てきたかもしれませんね。

      10
    • 暇な人
    • 2024年 2月 07日

    流石に一セット500億ていどでパトリオット並みはないかな
    10セットで割引されているのかな?パトリオットは1セット800億と見たようなとおもってぐぐってみたら、
    ミサイル抜きのモジュールで500億程度で、ミサイル一発5億らしいですね。
    ミサイルだけなら同じくらいか
    ロシアの技術ならS300の発展形みたいな感じなのかな?

    2
      • 暇な人
      • 2024年 2月 07日

      ミサイルだけならではなくて、ミサイル抜きならの間違いでした。

      けどまあドローン落とすのには使えないわなあこれ

      5
      •  
      • 2024年 2月 07日

      wikipediaではS-400系と書かれていますが時期からしてS-300系、中でも構成からしてS-300P系でしょうね
      プレスリリースでも天弓2は天弓1の改良型で航空迎撃に加えて終末段階の迎撃もできると言われていますし見た目的にもPAC-3とは言ってもPAC-3弾ではなくPAC-2GEMTの方のことでしょう
      成り立ちからして親戚にあたるS-400でも弾道弾迎撃には対応していないことを考えるとちょっと眉唾ですね

      5
        • YJ93
        • 2024年 2月 07日

        S-400も弾道弾に対応する迎撃弾もあります。
        あと、天弓2は本家にフィードバックされてS-350になっているのですが、迎撃弾は韓国独自のもののようで、アスター30に似た迎撃弾があるので、それであればイスカンデルMみたいな短距離弾道弾には対処できるんじゃないでしょうか。

        1
          • kitty
          • 2024年 2月 07日

          西側のSRBMってATACMSか玄武くらいしかないから、試験はともかくS-400が弾道弾を迎撃した実績は無いのでは…。

          1
            • YJ93
            • 2024年 2月 07日

            40N6に対弾道弾対処能力があると噂されてましたが、それはないなという話になったので、短距離~中距離用の9M96シリーズに限定的な弾道弾(SRBM)対処能力があるという程度でしょうね。
            もちろん実績などないのですが、S-400もけっこう売れているので、これだけ時代が混とんとしてくるとどこかでイラン製や北朝鮮製の弾道ミサイルと交戦するなどの事態が生じてしまうのではないかと懸念しております。

            1
            • mkad
            • 2024年 2月 07日

            中国はS-400の試射で48N6E3を発射し、250km離れた場所から模擬弾道弾(マッハ約9)の迎撃に成功しています。

            2
              • kitty
              • 2024年 2月 07日

              いやだから「試験はともかく、Battle Proofはないよね」って話なんですけど。

                • mkad
                • 2024年 2月 07日

                「模擬とはいえ弾道弾を迎撃した実績はある」ということで紹介させていただきました。
                「S-400は弾道弾迎撃に対応していない」という認識は誤りです。

                7
                  • YJ93
                  • 2024年 2月 07日

                  迎撃事例の紹介ありがとうございます。
                  わたしはこの事例は知らなかったので、とても参考になります。

                  それにしてもマッハ9はSRBMとしては相当速く、MRBMクラスの終末速度になりますが、それを距離250Kmで迎撃できるとは相当な高性能ですね。
                  48N6E3の射程がそもそも250Kmとされており、試験とはいえ高速目標を最大射程付近で迎撃するとは…

                  2
                  • kitty
                  • 2024年 2月 07日

                  この手の兵器は試験に成功は当然。実戦データ取ってなんぼだと思うので、まだ未経験だよねって程度の話です。
                  米国がS-300にF-35のデータを取られるのを異様に嫌がっているのは実戦形式の経験を蓄積されるのが脅威だからです。

                  6
    • AH-X
    • 2024年 2月 07日

    発射の仕方がS300に酷似ですね。コピーというわけではないんでしょうけど。

    日本の03式も輸出できればいいんですが機密の問題なのか輸出にあんまり積極的でない気がします。

    5
      • 例のアレ
      • 2024年 2月 07日

      まず輸出できないし、次期戦闘機の輸出がOKになればなし崩し的に03式もいけるんだろうけど
      ◯明党が妨害してる

      12
        • トーリスガーリン
        • 2024年 2月 07日

        武器輸出制限なんて無意味なんだからさっさと廃止して欲しいけどなかなか進みませんねぇ
        自民も連立切る気配ないし

        日本が輸出出来る世界線だったらMEADS計画に参加して七転八倒してるかなんやかんや完成してMEADSを皆で運用してた…かもしれない

        8
          • 名無し
          • 2024年 2月 07日

          そーかそーかは国政レベルでは衰えが見えてきたけど、市政や県政レベルまで見るとまだまだ集票マシンとして優秀だからね
          当面はくっついてるでしょ

          2
          • ページ
          • 2024年 2月 07日

          MEADSの使ってる弾薬はPAC3MSE
          結果論、PAC3もライセンス生産からの輸出もして03式も自給できるのだからそれなりに成功してる様にも見える

          2
    • k.ziro
    • 2024年 2月 07日

    コールドローンチのVLSの技術はどっからもらってきたんですかねえ?

    1
      • ページ
      • 2024年 2月 07日

      アルマズアンティか、フランスでは

      3
      • 名無し
      • 2024年 2月 07日

      バスチオンの変態VLS発射動画を見過ぎて、最近、普通の西側のVLS発射動画では興奮できない身体になってしまった(小声)

      4
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