軍事的報道

対潜哨戒機「P-8A」へ更新が進む米海軍、遂に現役部隊から「P-3C オライオン」姿を消す

米海軍の現役部隊から対潜哨戒機「P-3C オライオン」が姿を消す日がやって来たため、今後、米海軍が運用する対潜哨戒機は「P-8A ポセイドン」に一本化される。

参考:Navy’s VP-40 Brings P-3 Home From Its Last Active-Duty Patrol Squadron Deployment

日本も導入した対潜哨戒機のベストセラー機「P-3C オライオン」

米海軍所属の第40哨戒飛行隊(VP-40)「ファイティング・マーリンズ」は、対潜哨戒機「P-3C オライオン」を運用する米海軍最後の現役部隊だ。

P-3は米海軍の対潜哨戒機「P-2V」の後継機として、ロッキード(現:ロッキード・マーティン)がターボプロップエンジンを搭載した旅客機「L-188 エレクトラ」をベースに開発し、1958年に試作機が初飛行、1962年から運用が開始された大型の対潜哨戒機だ。

出典:public domain アメリカ海軍でテスト中のYP3V-1

双発のP-2Vに比べ、P-3は4発のターボプロップエンジンを搭載した大型機で、長時間の哨戒飛行に適した居住性と航続距離(滞空性能)、追加のアップグレードを受け入れるだけの機体内スペースを備えていたため、運用開始から約60年近く運用が続けられてきた名機だ。

しかし米国では、P-3に代わる次世代の対潜哨戒機「P-8A ポセイドン」の配備が進められており、対潜哨戒機「P-3C」を運用する米海軍最後の現役部隊「第40哨戒飛行隊(VP-40)」も例外ではない。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Marc Cuenca/Released 最後の海外展開を終え帰国したP-3Cを出迎える隊員の家族

VP-40所属のP-3Cは、P-3として最後の海外展開(中東方面)を終え、ワシントン州にあるウィドビー・アイランド航空基地に帰投、今後、対潜哨戒機「P-8A ポセイドン」への機種更新を行う予定で、これにより米海軍が運用する現役部隊からP-3Cは姿を消すことなる。

今後、米海軍が運用する対潜哨戒機は「P-8A ポセイドン」だけになるという意味だで、2020年までに、米海軍全ての哨戒飛行隊がP-8Aへの機種更新を完了する予定だ。

但し、これはP-3Cが米海軍から退役するという意味ではない。

米海軍の現役部隊から姿を消すが、予備航空部隊に配備されているP-3Cに関してはP-8Aへの更新予定はなく、P-3をベースにした「EP-3E」についても運用が継続される。

そのため米海軍から完全にP-3Cが姿を消すのは、まだまだ先の話だ。

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Zachary Dalton/Released

イスラエル、投棄後にF-35のステルス性能が回復する「機外燃料タンク」を開発か?前のページ

極超音速飛行が第6世代機の必須条件に?革命的な「極超音速エンジン」のテストに成功次のページ

関連記事

  1. 軍事的報道

    米メディアも失笑、イランが公開したのは宇宙服?幻のステルス戦闘機用フライトスーツ?

    イランの情報通信技術大臣は今月4日、イランが宇宙へ人間を送るための宇宙…

  2. 軍事的報道

    インド空軍、中国の戦闘機「JF-17 Block3」に対して仏製戦闘機「ラファール」は優位性を失う

    インド空軍は戦闘機ラファール導入によって得られる優位性は、大幅に性能が…

  3. 軍事的報道

    米海軍、次世代戦闘機「F/A-XX」開発費捻出のため「F/A-18E/F」調達中止を発表

    米海軍は次世代戦闘機「F/A-XX」開発プログラムに資金を回すため、F…

  4. 軍事的報道

    韓国空軍、初期運用能力を獲得した「F-35A」の部隊配備を宣言

    韓国は12月17日、米国から導入した第5世代戦闘機「F-35A ライト…

  5. 軍事的報道

    戦闘機F-16は一体いつまで売れ続けるのか?新たにボツワナとチリが購入国として浮上

    ロッキード・マーティンは今月21日に行われた決算説明会の場で、アフリカ…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 22日

    更新速ええええ!?
    開発中は炎上してモタモタしてたのに開発終わったと思ったらもう配備完了か…
    P-1まだ30機ちょいしか更新終わってないぞ
    さすが米帝様ですわ

    • 匿名
    • 2019年 10月 22日

    グダっていたわりには、やっぱ置き換えだすと早いから流石米帝と言う処か

    • 匿名
    • 2019年 10月 23日

    米海軍は122機を運用予定、1月に98機を配備済み(2013年から運用を開始)
    by 英語wiki

    • 匿名
    • 2019年 10月 23日

    性能はともかく、外見でもっさりと重たく見えるP1に比べてスマートなP8
    安定の4発にこだわったことが脚を引っ張り商品として失敗

      • 匿名
      • 2019年 10月 23日

      P8に勝てる可能性があると思ってたんなら相当めでたいぞ

      • 匿名
      • 2019年 10月 24日

      P3Cのベースになった旅客機は今のCAD設計の737あたりと違って強度に余裕を持たせた設計をしたから軍用機としても長期間使えた、それにターボプロップだから低空飛行にも強かった。
      哨戒機は旅客機をベースにするという時代遅れの考えで作られた737は乱流の多い低空飛行は苦手で燃費も悪化する、苦し紛れにトライトンをでっち上げたが攻撃能力が無く機体価格がPー1に近いというズンドコな結果になった。
      これまでは哨戒機は絶対安全な空域以外では簡単に撃墜される運命だったが、3面のAESAレーダーを備えることで危なくなる前に逃げ切れるP-1は日本にとっては大正解だと思うぞ。

    • 匿名
    • 2019年 10月 23日

    電子戦仕様は機体が陳腐化しない限り古いのも使い続けるイメージあるけど中身が高いからなのかな

    • 匿名
    • 2019年 10月 23日

    歴史に名を残す名機だったな。

    • 匿名
    • 2019年 10月 23日

    P-8のベースは旅客機で売りまくったボーイング737NGなので航空機関士不要で機体の保守もやりやすいのが大きいですね。

    今のところ737の完全リプレース機、通称ボーイング797は検討段階で未確定ですが、737の生産ラインが閉じたら調達に苦しみそうです。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  2. 軍事的雑学

    ロシア製戦闘機を買うと損をする? SU-30SMを導入したベラルーシの後悔
  3. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 軍事的雑学

    リチウムイオン電池採用艦!日本のそうりゅう型潜水艦11番艦「おうりゅう」就役に世…
PAGE TOP