ロシアがシリア北東部にある都市「アル・マリキヤ」郊外に新しい基地を建設したと海外メディアが報じている。
参考:Report: Russia building new military base in northeast Syria
シリア内戦再開を見越してトルコ空軍の無人航空機監視のためレーダー基地を建設か?
ロシア軍はトルコとの国境から約10kmの地点にあるアル・マリキヤ郊外にレーダー(型式不明)を設置して戦闘装甲車両12両を配備したと報じられている。
この場所はトルコ領に近いがトルコとシリア政府軍が激しい戦闘を行っているシリア北西部のイドリブからは正反対に位置する場所で、なぜロシア軍がここにレーダー基地を設置したのだろうか?
これは飽くまで管理人の推測だが、ロシア軍がレーダー基地を置いたアル・マリキヤから北へ約120km行ったところにトルコ空軍唯一の無人航空機基地(軍民共用のバットマン空港)や、アル・マリキヤから北西へ約180km行ったところにシリア空爆の拠点として活用されているディヤルバクル空港があるので、アル・マリキヤにレーダー基地を設置すれば離陸した時点から監視と追跡が行えることになる。
要するにロシアは今年3月にトルコと合意したシリア国内での停戦が破られることを見越してトルコ空軍の動き(※1)を監視するためアル・マリキヤにレーダー基地を設置したのだろう。トルコも停戦合意が終わりを迎えることを見越し、シリア空軍機やロシア空軍機による攻撃を防ぐためシリア国内に地対空ミサイルを持ち込んで防空網を構築するなど次の戦いに向けて準備に余念がない。
※1補足:イブリドでの戦闘にトルコ軍は国産無人航空機を活用してシリア政府軍の戦車や装甲車を100輛以上破壊した。この戦果は米海兵隊の再編動機に影響を与えている。
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以上のことから、両軍はシリア国内での戦闘再開に必要な準備をほぼ終えた状態で、あとは戦闘再開の合図を待つだけなのかもしれない。
これは飽くまで余談だが、ロシア軍がレーダーを持ち込んでアル・マリキヤはイラク国境にも近いためイラクとイランの国境沿いを飛行する米軍機(※2)監視に絶好の位置と言える。そのため米軍にとっても厄介な場所にロシアがレーダー基地したことになる。
※2補足:今年1月にイラン革命防衛隊司令官ソレイマーニー氏殺害の報復攻撃が行われた際、緊急出撃した米空軍のF-35Aがイラクとイランの国境沿いを飛行していたのがロシア軍によって捕捉されており、これは米空軍がイランを攻撃する際にペルシャ湾側からではなくイラク側から侵入しようと試みていたということになる。
もしロシア軍がアル・マリキヤの基地にS-400などを持ち込んでしまうと、手がつけられなくなるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 ロシア製レーダー9C15
対空兵器が航空機に絶対有利でないのはこの戦争で証明された。
パーンツィリが多数破壊されたが移動中を爆撃されたようだ。
ミサイルや対空砲は移動中は使えないようだ
ロシア名C400も無敵ではあるまい
要は搭載ミサイルを撃ち尽くさせば良い
デコイと無人機で射耗させるのよ