ロシア関連

ロシア軍のサンシェードが教訓を取り入れて進化、今度は爆発反応装甲付き

ロシア国防省公開の映像に爆発反応装甲が取り付けられたサンシェード(上部ハッチ部分をカバーするメタルネット付)装備のT-72B3が登場、米ディフェンスメディアは「サンシェードの進化と普及には目を見張るもがある」と述べている。

参考:Минобороны России
参考:Russian Tank With ‘Cope Cage’ Covered In Explosive Reactive Armor Emerges

砲塔上部に搭載された光学センサー類を無人機の攻撃から守るのに有効か

ロシア軍は対戦車ミサイルのトップアタックや徘徊型弾薬対策をウクライナ侵攻以前から研究しており、2021年6月の演習に参加したT-72B3に「見慣れない保護装置」が搭載されていると話題になったことがある。

出典:Минобороны России

この見慣れない保護装置について露メディアは「対戦車ミサイルや徘徊型弾薬が意図的に狙ってくるトップアタックを防ぐためのもので、乗員の間ではサンシェードと呼ばれている」と報じ、ロシア国防省も「近いうちに他のT-72にも同様の保護装置が導入されるだろう」と述べていたが、ウクライナとの国境沿いに集結したロシア軍部隊の中にサンシェードを取り付けたT-80が登場、ウクライナ軍もジャベリンの試射を通じて「サンシェード(ウ軍はコープケージと呼んでいる)を貫通できる」とアピールしていた。

ウクライナ侵攻が開始されるとサンシェード装備の戦車が対戦車ミサイルの餌食になったため「効果が薄い」と考えられていたが、侵攻初期以降は商用無人機の改造機や徘徊型弾薬による攻撃が増加し、ロシア軍はサンシェードの適用範囲を自走砲や多連装ロケットランチャーに拡大、ウクライナ軍もLancetに狙われる榴弾砲や自走砲を保護するためメタルネットを導入して注目を集めていたものの、ロシア軍のサンシェードは戦場での教訓を取り入れて更に進化を遂げている。

最近確認されたT-72B3には爆発反応装甲が取り付けられたサンシェード(上部ハッチ部分をカバーするメタルネット付)が装備されており、米ディフェンスメディアは「効果的な保護能力を提供できるかどうかは不明だが、この1年半の間に登場したサンシェードの進化と普及には目を見張るものがあり、この手の研究は今後も続いて行くだろう」と指摘しているのが興味深い。

商用無人機を改造した程度の攻撃(自爆攻撃や爆発物の投下など)で戦車の装甲を貫通するのは不可能だが、砲塔上部に搭載された光学センサー類を損傷させること位は出来るため、この手の攻撃を新型サンシェードがどれだけ防げるのかに注目が集まっている。

関連記事:ロシア陸軍、主力戦車に対する対戦車ミサイルのトップアタックを防ぐ保護装置を導入か
関連記事:サンシェードの実用バージョン? ウクライナ周辺で特殊な保護装置を装着したT-80が登場
関連記事:ウクライナ軍、ロシア陸軍が導入したサンシェードをジャベリンは貫通できるとアピール
関連記事:ウクライナ、メタルネットによる保護装備で徘徊型弾薬の攻撃を防げる
関連記事:ロシア軍の徘徊型弾薬が戦場で効果を証明、攻撃ヘリの代替手段として活用

 

※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России

カナダ海軍が潜水艦の輸入を示唆、今月中に韓国と日本に視察団を派遣予定前のページ

バフムート市内を巡る戦い、ウクライナ軍が保持する前線位置に変化なし次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    ロシア国防相、ウクライナは常にミサイルの種類を間違って識別する

    ロシアのショイグ国防相は16日「ウクライナが撃ち落としたと主張するほど…

  2. ロシア関連

    武力衝突の懸念、ロシアがウクライナとの国境沿いに発表以上の部隊を集結中

    ロシアはウクライナ東部ドンバス地方での戦闘再開に向けて演習を装い地上軍…

  3. ロシア関連

    八方塞がりのロシア、旅客機のスペアパーツ供給要請を中国が拒否

    ロシア連邦航空局は中国にボーイングとエアバスに止められた旅客機のスペア…

  4. ロシア関連

    ロシア、第5世代戦闘機Su-57がどの様に製造されているのかを公開

    ロシアの国営企業「統一航空機製造会社(UAC)」は先月29日、Su-5…

  5. ロシア関連

    泥の沼にハマるロシア軍、ウクライナ国境に近くで10輌以上のT-72を救出中

    ロシア軍はウクライナに面したロストフ州で演習を行っている最中、10輌以…

  6. ロシア関連

    未知の無人機による攻撃か、Tu-95が配備されたロシア軍基地で爆発

    Tu-95やTu-160を装備したロシア空軍の第121親衛重爆撃機航空…

コメント

    •  
    • 2023年 5月 07日

    センサーありきの現代MBTなのでその辺に致命的なダメージを受ければそれこそ第3世代MBTもちょっと強い第1世代MBTくらいにはできるだろうし、そこまでコストがかからないシェードで守れるなら守りたいだろう。

    10
    • ミリオタの猫
    • 2023年 5月 07日

    「サンシェードの進化と普及には目を見張るものがある」
    と言うか、実戦では試してみて性能不足なら直ぐ様現場で改良して行く例が多いですから、サンシェードの上にERAを乗っけるのは自然の成り行きですわ、むしろ遅すぎた位
    個人的にはサンシェードの上に乗ったERAが作動した際に生じる破片がキューポラから顔を出している戦車乗員や光学センサーに損傷を与えないのかと言う疑問が有りますが

    11
      •  
      • 2023年 5月 07日

      普通に考えてそれがあるから解決されるまでERAを乗っけられなかっただけの話でしょう

      11
        • ミリオタの猫
        • 2023年 5月 07日

        正にその通りなのだけど、現実にはそう言う問題に気付かないか見切り発車で実行してしまうケースが有るから、その辺どうなのかなと考えている訳

        8
        • 1uxm
        • 2023年 5月 07日

        今のロシア軍とウクライナ軍が普通なのかどうか…。
        両軍ともERAをお守りのように色んな兵器に付けたりぶら下げたりしているので、問題を解決しないまま搭載している可能性はあると思います。
        サンシェード上のERAが反応したらサンシェードごと爆砕しそうですね。
        参考記事の「The War Zone」も、「爆発したときに下のハッチに人が立っていたら、その人にどんな被害が及ぶのか」と危惧しています。

        16
          • 無明
          • 2023年 5月 07日

          > 「爆発したときに下のハッチに人が立っていたら、その人にどんな被害が及ぶのか」と危惧しています。
          なければ直接爆発の巻き添えになるか戦車ごと撃破されるだけなんで心配するだけ無駄のような
          徘徊弾薬が本格的に使用される時代になった以上各国も研究して対策取らないと足をすくわれるはず

          13
            • 1uxm
            • 2023年 5月 07日

            現状だと直接爆発の巻き添えになるか砲塔が撃破されるだけかと思います。
            急拵えでサンシェード上にERAを搭載しても殆ど無意味かと思います。
            今のウクライナとロシアは問題点を解決する余裕がありませんが、その他の国は余裕がある時に対応策を考えた方が良いですね。

            9
          • NHG
          • 2023年 5月 07日

          自分的にはERAの爆発を引き起こすほどの威力がドローン攻撃にあるのかってところが気になる

          9
    • あばばばば
    • 2023年 5月 07日

    サンシェード自体が戦車に高さを出してしまう加工なので、隠ぺい力の低下が著しいと思うのだが、ウクライナ辺りでは稜線の起伏が大してない土地柄だろうし、あまり関係ないのではないのかもしれない。

    次の予想はERAの直下にいる搭乗員を保護するために、中間にもう一つサンシェードを設けるだろう。要するに二段式サンシェードだ。
    ぜひとも扶桑・山城を目指して頑張ってほしい。

    30
      • 同志
      • 2023年 5月 07日

      どうして戦車の上に百貨店など作ろうとするのかね?

      16
        • 戦略眼
        • 2023年 5月 07日

        ソドムとゴモラにならない為であります、同志!

        8
      • 匿名
      • 2023年 5月 07日

      それなら搭乗員にサンシェードつけるほうが確実だわ

      9
    • チェンバレン
    • 2023年 5月 07日

    >> サンシェードの進化と普及には目を見張るものがある

    なんか生物やAIの進歩を見てるみたいだな
    学習→推論→実行の一連の流れ
    まあAIが人間の学習を模倣しているので、当たり前のことなんだが…

    7
    • 58式素人
    • 2023年 5月 07日

    日本の10式は、砲塔上に複合装甲を設置できると聞いたことがあります。
    画像が出たことはないそうですが、ぜひ、見てみたいと思います。
    記事のサンシェードの需要に対する一つの回答になるのでは、と思います。
    あと、周りに散開しているであろう歩兵のことを考えれば、
    ERAより複合装甲か空間装甲の方が良いのでは、とおもいます。
    特に、空間装甲は物入れにも使えますから。お値段的にも良いのでは。
    イスラエルそれは、燃料や飲料水のタンクにもしているそうですから。

    2
      • 戦略眼
      • 2023年 5月 07日

      上空から降って来る対戦車ミサイル対策でしょう。
      初戦で手酷く殺られましたから。

      2
      • らっしー
      • 2023年 5月 07日

      随分前から妄想してたんですが、
      ガンダムに出てくるMSみたいに手持ちの盾を持つ戦車とかどうでしょうね。

      細くて軽いマニピュレータでもここで言われるような追加装甲板なら、
      かなり素早く取回せそうですし。
      普段は砲塔後ろにアームを畳んだ状態で、危険になってから翳す。
      センサーが攻撃を捉えたら自動的に翳す。
      攻撃を受けたら投げ捨てて砲塔両サイドからスペアを装備し直す、とか。

      取り回しレスポンス重視のアームでも人力よりは力があるでしょうし、
      何かとロボットアームが砲塔後ろに追加で装備出来れば便利な気がするんですが…。
      余りデカいと重心に悪影響でしょうけど、後付け出来るオプションなら需要ありそう?
      日本の得意分野では…?とか思ってしまいます。

      2
        • 2023年 5月 07日

        車内から操作せず、アームだけで完結したシステムを造れるならよさそう。
        車内からの操作が必要なら、色々改造が必要だろうし難しいかも。

        • トーリスガーリン
        • 2023年 5月 07日

        素直にAPS積んだ方がいいのでは

        2
        • あるまじろ
        • 2023年 5月 07日

        何の弾から、車体のどの範囲を防護したいのかによる。

        戦車弾を防ぐ可動シールドとか多分トンになる。
        そしてそれにアームは耐えられるのか。

        軽い鉄板は本当に軽いのか?
        それが役に立つのか?計算してみたら?

        サンボルジムは好きだけどね

        1
    • アクアス
    • 2023年 5月 07日

    近くのロシア歩兵にとってはウクライナのドローンよりこっちの方が脅威かもしれない。

    4
    • 折口
    • 2023年 5月 07日

    ロシア軍ご自慢のAPSはどうなったんでしょうね。90年代にはもう存在したトップアタックモードのあるミサイルへの対策に突然奔走し始めたり、80年代から多用していたERAが実は随伴歩兵と相性が悪いという話をこの度の戦争で急に言い出したり、最近のロシア軍見てると意思決定のシステムの壊れっぷりが不安になります…

    8
    • RAAF
    • 2023年 5月 07日

    西側諸国も研究しているでしょうが実物を作って実証テストをする国が現れると興味深いのですが。
    市街戦を多くこなしているIDFとか。

    • ブルーピーコック
    • 2023年 5月 07日

    むしろ何で最初からこうしなかった感。
    まあ布張りと爆発反応装甲じゃ重さも値段を桁違いだろうから、末端兵士の命で試してみただけなんだろうけど。

    1
    • hiroさん
    • 2023年 5月 07日

    コンタークト1は垂直に被弾した場合はほとんど効果が無いと言われているが、サンシェードに装着すれば砲塔に装着されたコンタークト1と二重になるので効果が期待できるのだろうか?
    ジャベリンはタンデム弾頭なのでトップアタックモードにせず、直接砲塔なり車体を狙えば貫通できる気もするのだが、詳しい方いらっしゃいますか?

    1
      • らっく
      • 2023年 5月 08日

      ジャベリンのダイレクトアタックではT72の側面が抜けるかな?というところ。弾薬への誘爆も期待できないので多方向からの同時攻撃でないと反撃のおそれが高い。

      2
    • らんらんるー
    • 2023年 5月 07日

    色んなSF的な兵器は実現されつつあるけど、バリアは中々難しそうですね

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  3. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP